3-強欲な商人
光から解放されたグレースの前にあったのは、大きな石造りの遺跡だった。
まるでそれは巨大な獅子のように大口を開けている。
ふとグレースは何かを掴んでいるような感覚を覚える。
その正体は黄色い色の栞だった。
こういったものは以前はなかったが、少し魔法のタイプが変わったのだろうか。
黄色い栞には文字が記されている。
系統的にどの言語に属するかは不明だが、グレースはその内容を理解できる。
『物語の登場人物には各々の役割がある。
黄の栞を手にした者よ。
世界の中で笑いの物語を紡げ......』
グレースに課された役割。
それは笑いをもたらすことなのだろうか。
* * *
グレースの傍には、一緒に訪れたはずの三人はいなかった。
前回同様他の場所へ散り散りに飛ばされたのかもしれない。
代わりに背後から誰かが近づいてくる。
「そこのお前。
もしかしてこの遺跡の財宝が目当てか?」
振り返ればでっぷりと太った、男性と。
彼とは真逆ですらりとしたスタイルの女性が立っていた。
「俺たちも、そこのお宝でちょっと欲しい物があってね。
こいつを遺跡に送り込もうと思ってたんだが。
よかったら、一緒に行ってやってくれないかね?
あんたは学がありそうだ、きっと探索の役に立つ。
――勿論、礼ならどっぷりさせてもらうつもりだ」
強欲そうな下卑た笑顔を浮かべながら、男は言う。
その間、女性は黙っているままだ。
「本当はな、別の奴を先に行かせてあったんだ。
どこのドブネズミか分からん奴だが。
何やら、お金と身分が欲しかったみたいでね。
色々とチラつかせてやったら、喜んで遺跡に向かっていったよ。
だが、所詮は貧しい奴だ。
実際使い物にはなっとらん。
向かったはいいが、まだ帰ってくる気配がないのだ。
きっと、遺跡の中で野垂れ死んでいるんだろうよ、哀れな奴だ」
彼の話を聞く限り。
先行して遺跡に潜った人物がいるらしい。
どうやら貧しい身分の者らしいが、その人物は入ったまままだ帰ってこないという。
もう中で命を落としているのだろうか。
それとも、中で助けを待っているのだろうか。
もし中で助けを待っている場合、神官であるグレースが向かえば......命を救えるかもしれない。
「こいつは優秀な俺の部下でなぁ。
探索ならそれなりにお手のものだ。
それにお前の頭脳がありゃ、ちゃんと持って帰って来れるだろうよ。
――あの魔法のランプをな。
んで、俺からの依頼受けてくれるかい?」
同行するという女性はそれなりに斥候としての技術があるらしい。
であれば、多少の罠には対応できるだろう。
遺跡に行くか、行かないか。
それはグレースの心持ち次第だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらグレースのカテゴリです。
しばらくはこちらのカテゴリにご投稿ください。
グレースは今遺跡の前にいます。
グレースはSQの証として【黄色の栞】を手にします。
【分類:道具】に【黄色の栞】を登録しておきます。
グレースは遺跡の前で二人の人物に話しかけられます。
一人は太った商人風の男。
もうひとりはミステリアスな女性です。
グレースは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・男の依頼を受けて遺跡に向かってみる
・男の依頼を受けず遺跡に向かってみる
・遺跡には向かわない
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『3-強欲な商人』にチェックを入れて投稿してください。
僕は遺跡の前にいた。
アメリアさん達は別の場所に飛ばされたらしい。
ここまでの展開は想定通りだ。
「ん?」
僕はいつの間にか小さな紙を持たされていた。
黄色い栞のようだ。
黄色い栞には文字が記されている。
系統的にどの言語に属するかは不明だが、その内容を理解できた。
>『物語の登場人物には各々の役割がある。
>黄の栞を手にした者よ。
>世界の中で笑いの物語を紡げ......』
「うわぁ・・・・マジですか?!」
登場人物。僕もその一人だ。
いつからこんなシステムになったのかは知らないが、
この栞が指令だとすると、「お笑い役」を振られてしまったらしい。
思わずうずくまってしまった。
今回はハードルが高すぎる。今更ネタキャラなんて無理だ。
その時...背後から誰かの気配を感じた。
>「そこのお前。
> もしかしてこの遺跡の財宝が目当てか?」
「え?」
遺跡といってもただの遺跡じゃなかったらしい。
振り返ればでっぷりと太った、男性と。
彼とは真逆ですらりとしたスタイルの女性が立っていた。
太った男は、遺跡の財宝をこの女性に取りにいかせると言った。
そして僕について行ってほしいと言うのだ。
報酬無しではないようだが、どうも胡散臭い。
「報酬は頂いても意味がありませんからねぇ。今の僕は。
お断りしますよ。」
そりゃそうだろう。
ここで一山当てて大金持ちになったとしても、僕はここに永住するわけじゃない。
ルキスラに持ちだすことは出来ないだろう。
それができたら、本に入っていくらでも富を得られる可能性が生まれてしまう。
そんな都合のいい世の中は存在しないのだ。
しかし男は笑顔を浮かべながら、とんでも無い事を口走った。
どうやら遺跡に送り込もうとするのは彼女が最初ではなく、
もっと素人で素性もわからない男性を既に行かせたというのだ。
話を聞いているうちに、不快感が沸き上がってくる。
「ちょっと待ってください。」
僕は男が意気揚々と話している態度にいささかムッとして言葉を続ける。
「つまり、ここには財宝があり、
それを取るために、経済的弱者である男性を雇って
彼に見合っていないハイリスクな任務を負わせたわけなんですね。
それで、しくじれば自己責任だから俺は知らないよ?
...そういうことなんですよね?」
僕は言葉を続ける。
「貴方のされていることは雇用主として最低だと思いますよ。
お金で何でも解決しようとしている。
労働者を使い捨てにしているわけですからね。
最初からもっと確実に仕事がこなせる業者を雇うとか思いつかなかったのですか?」
僕は遺跡に向かうことにした。
「貴方が見捨てた男性だって一人の人間です。
こんなことで命を落としても、貴方は全然痛みを感じないでしょうね。
彼を救いに行ってきます。
改めて言いますが、貴方の依頼は請けませんので、そのおつもりで。」
くるりと男に背を向け、颯爽と僕は駆け出した。
そして石につまづいて壮大にずっこけた!!
「・・・・」
* * * * * *
コルチョネーラです。
はい、コメディ一発目狙ってきました。
商人の男性の依頼は断って遺跡に行くことにします。
女性のほうもあんまり信用してないので、一人で先行します。
まってろ罠地獄!
男性の契約に安易に応じてしまうとあとで絶対揉めますよね。
既にダブルブッキング確定していて、
男にしてみれば、どちらがランプを持ってきても問題無し。
この場合、最初に契約していてより弱者である少年に優先権があると
グレースは判断しているわけで、女性に対しては全面的に協力はできないんです。
とんがり帽子にしたのでクーフィーヤはやめました。
白サバイバルコートの普通に旅人スタイルでキャラシ確定です。
賢そうなグレースに対し、遺跡から物を持ち出せば報酬をやると語る男。
>「報酬は頂いても意味がありませんからねぇ。今の僕は。
> お断りしますよ。」
だが、グレースはそんな彼の依頼を拒んだ。
彼のことがちょっと気に入らなかったのかしれない。
――いや、ちょっとどころではなさそうだ。
この男の行い、言葉、思想どれも好ましくないようで。
>「貴方のされていることは雇用主として最低だと思いますよ。
> お金で何でも解決しようとしている。
> 労働者を使い捨てにしているわけですからね。
> 最初からもっと確実に仕事がこなせる業者を雇うとか思いつかなかったのですか?」
グレースは面と向かって彼を酷評する。
「好きに言わせておけば、勝手なことを......!
世の中は金と名誉が全てだろうが。
そのためにはちょっとやそっとの犠牲など取るに足らん。
そもそもあんな掃き溜めに住んでるクズが死んだところで誰も悲しんだりしねえんだ。
むしろゴミ掃除が出来て喜ばれるかもしれねえな、ははっ」
グレースの読み解いた通り。
彼は先に送り出した者がどうなろうと知ったことではないのだろう。
そういうタイプの人間なのだ。
>「貴方が見捨てた男性だって一人の人間です。
> こんなことで命を落としても、貴方は全然痛みを感じないでしょうね。
> 彼を救いに行ってきます。
> 改めて言いますが、貴方の依頼は請けませんので、そのおつもりで。」
そんな男に見切りをつけ、グレースは進む。
「はっ、勝手にするがいい。
俺も俺の好きにやらせてもらうだけさ」
後ろで吐き捨てるように言う男を背にグレースは進む。
ずんずんと進む。
遺跡の中で助けを待っているかもしれない者を救うために。
更に進む。
そして、急にこけた。
ちょっとだけ恥ずかしい。
* * *
遺跡の入口は二体の獅子の像の向こうにある。
どうやら下に潜っていく階段があるようだ。
グレースが近づいていくと、不思議なことに明かりが入口から奥へと流れるように灯っていく。
まるでグレースをその奥へと誘うように。
明かりとなるのは左右の両壁と天井に備えられた蝋燭。
それらは皆真っ赤な炎を燃やしている。
コツコツ。
コツ。
コツコツ。
コツ。
石の階段を歩く音が反響する。
扉が見える。
石でできた重そうな扉だ。
その時グレースは背後に気配を感じたかもしれない。
感じなかったかもしれない。
だが――彼女は現れた。
「この扉の奥が、遺跡」
彼女は、先ほどあの男の傍にいた。
布でその身を覆い隠していた謎の女性。
いつの間にかグレースの跡をつけていたようだ。
「私はファッティ様のため、動くだけ。
お前とは、関係ない。
お前は、勝手にしろ......私も、好きにする」
石の扉を軽く調べた後。
彼女はグレースの方へ振り向いた。
「それとも私の邪魔、するか?
ならば、戦うだけ」
彼女は布の中に隠れていた鞘から二対の剣を引き抜く。
首に付けられた宝石飾りが揺れる。
彼女の動きで顔を覆っていた布が見えて。
そこから覗いたのは第三の瞳だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらグレースのルート進行です。
転んだグレースにCPを1点差し上げましょう。
遺跡の入口はこんな感じです。
入口の方へは女性がついてきました。
グレースは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・謎の女性と戦う
・謎の女性と戦わず進む
戦うを選択した場合は2D6の予備ダイスをお振りください。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
(なんだってこんな所に石があるんだろう...)
僕は立ち上がり、遺跡の入口に向かった。
あの男は女性に任せて引き上げるつもりなのだろう。
それにしてもいけ好かない男だった。
ただの拝金主義というだけでなく、
先に送った男性をゴミ呼ばわりする差別意識も甚だしい。
あれで商売人として成立しているというのが寧ろ不思議に思えるくらいだ。
* * *
遺跡の入口は二体の獅子の像の向こうにある。
高貴な人のお墓などでよく見かける。ここもそうなのだろうか。
下に潜っていく階段を降りると、明かりが入口から奥へと流れるように灯っていく。
髪長姫の時は魔法の蠟燭だった。今回もオート照明とは気が利いている。
石でできた重そうな扉の前で声がした。
>「この扉の奥が、遺跡」
予想通り彼女はついてきた。
斥候の心得があるだけに、完璧な忍び足だ。
来ると予想してなかったらびっくりしていただろう。
>「私はファッティ様のため、動くだけ。
>お前とは、関係ない。
>お前は、勝手にしろ......私も、好きにする」
「そうします。」
もっと丁寧な言葉を普段は使うが、今の話し方からして
シンプルな答えをしたほうが親切だろう。
「彼がファッティさんですか。まんまですね。
ひょっとして貴女はスレンダさんとか言います?」
すべるだろうが冗談を言ってみよう。
これが冗談とわかる読解力を調べるためのテストだ。
彼女がドアを調べているようなので、僕も見てみることにする。
それから彼女はこう言った。
>「それとも私の邪魔、するか?」
>ならば、戦うだけ」
不器用な発言と共に、布の中から現れたのは双剣だった。
しかも、布からちらりと見えたのは、よく見慣れた額の眼だ。
「お邪魔はしませんよ。」
できるだけ簡単に答える。
僕は先行した男性を助けるために行くと宣言したのだから、
彼女の邪魔はしないと言っているようなものだ。
今の発言から推察すると、僕と男の会話は把握できていないのかもしれない。
言葉の壁があるのだろうか。
決定的なコミュニケーション能力の欠如だとしたら
恐らく、男、ファッティさんからは必要最低限の命令だけ受けて
彼女はそれを遂行している。そういうドライな関係なのかもしれない。
そう考えれば、ファッティという見た目以上にに醜い性格をしているということも
解らないわけだから、ファッティさんにとってこれほど便利な部下もいないだろう。
「邪魔だったら顔は隠さなくても大丈夫です。」
僕はシャドウ語で話しかけることにした。
「ファッティさんの予測が間違っていないのなら、
斥候の技術だけでも、専門知識が無いと目的地まではいけないような言い方でした。
それにしても、ファッティさんも面倒なことをしてくれましたね。
貴女以外に同じ仕事を別の人に頼んでしまっていますから、
調整がうまくいかない場合は、力による解決しか選べなくなるかもしれません。」
シャドウは契約事をとても重要視する。
場合によっては敵になってしまうことも、ちゃんと話しておくことことにした。
それ以外は、無害な存在であることもはっきりするだろう。
後になって裏切るよりはそのほうがまだ誠実だ。
* * * * *
コルチョネーラです。
謎の女性と同様に、扉の付近を調べます。
寒い冗談を言ってCPを狙いますが、
剣を振り回してきた場合は
「わぁーっ!! ちょっと待って!!」と避けながら慌てます。
戦いを避ける方向で進むことにします。
現地語がかなり怪しいので、以後シャドウ語で会話をすることにします。
>「彼がファッティさんですか。まんまですね。
> ひょっとして貴女はスレンダさんとか言います?」
「まんま、どう言う意味だ?
ファッティ様は、他国の生まれ。
名前の由来は、知らない。
私はスレンダ、違う。
――イスラ」
どうやらグレースのジョークは彼女に通じなかったようだ。
だが、先ほどのファッティという男は砂漠の国以外の生まれであり。
彼女の名前がイスラということはわかった。
そしてイスラがシャドウであることに気づいたグレースは。
>「邪魔だったら顔は隠さなくても大丈夫です。」
そうシャドウ語で話しかけた。
イスラはそんなグレースの態度に少し首を傾げ。
「何故、言葉変えた?
――不必要。
私はただ、不要なこと、言わず、聞かず。
それだけ。
それが、ファッティ様との契約」
彼女は決して言葉がわからないわけではなく。
勝手に口が滑ったりしないよう不要なことは言わないだけだそうだ。
それが、ファッティという商人との契約だという。
「敵対しないなら、構わない。
お前、好きにしろ」
現時点で敵対する意思がないことがわかったからか。
イスラはさっさと一人で入っていってしまう。
* * *
グレースも跡を追いかけて扉を開けば、彼を激しい熱気が襲う。
奥へと続く通路の天井から床から壁から。
紅蓮の火柱が吹き出してくるのだ。
それと同時に聞こえてくる声。
「今この遺跡は愚かで強欲な者の処刑場となっている。
踏み入れようとする者よ、引き返すがよい。
さもなくば汝も同罪と見倣す」
音声の発生源らしきものはなかった。
これはどうやら遺跡自体からの警告。
遺跡にかけられた魔法の仕業だろう。
「私は、ファッティ様のため、進むだけ。
この命、省みはしない」
そんな警告にも動じることなく。
イスラは黙々と前を目指す。
突如吹き上がる炎も無駄なく対処し。
更に奥まで向かっていくつもりなようだ。
グレースが進むには彼女のように一瞬毎の危険への対処ができる必要がある。
もしくは......。
気がついただろうか、あの炎の柱が魔法によるものである以上。
吹き出すタイミングには規則性がある。
それを見抜けさえすれば、無理なく通路を抜けることができるだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらグレースのルート進行です。
とりあえず形としては戦いを避けて進む旨承知しました。
グレースのジョークにCPを1点差し上げましょう。
【NPC:男性】にファッティを、
【NPC:女性】にイスラを登録しておきます。
ついでに【NPCデータ】イスラも公開します。
ちなみにグレースのメインNPCはファッティ&イスラになります。
中に入ると炎が吹き上がる通路が続いています。
無事に切り抜けるためには危険感知判定で14以上を出すか、
見識判定で15以上を出す必要があります。
失敗した場合2d6の炎属性魔法ダメージを3回受けます。
イスラは危険感知判定に成功しました。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
===============================
18:45:40 あんみつ@GM 危険感知判定 2d6+7 Dice:2D6[2,6]+7=15
僕のジョークは笑わすことが目的ではなかった。
予想通り、彼女には通じなかった。
まんまとはどういう意味だと言われたので僕はこう答える。
「名は体を表す、ということです。大柄な方でしたので。
僕も髪色がこうですからグレースと言うように。」
割と正直に理由を言ってしまった。
興味はないだろうから、自己紹介もさりげなくしておく。
名を明かさないと思っていたが、イスラというのが彼女の名前らしい。
とはいえ、斥候をしていたのであれば本名でない可能性のほうが高い。
ついでに言えば、
イスラさんのあの喋り方はコミュニケーションに支障があったわけでもなかった。
シャドウ語で話しかけてみたが、彼女はこう答える。
>「何故、言葉変えた?
>――不必要。
>私はただ、不要なこと、言わず、聞かず。
>それだけ。
>それが、ファッティ様との契約」
「不要なことを言わない、なるほどそういうことでしたか。」
僕は一応納得はした。が、
「だからと言って『て・に・を・は』まで削ることもないでしょう?
てっきり現地語に不慣れなのかと思ってしまったじゃないですか。」
思わずツッコミを入れてしまった。
それにしても言われちゃ困るような情報が満載しているということなら
ファッティさんは相当ヤバい奴なんだろう、という気がする。
まあ、僕に敵意がないというのは伝わったようで、彼女は先に入っていった。
* * *
扉の向こうはやけに熱い。
熱いはずだ。いきなり火柱が僕らを出迎えてくれるのだから。
足を踏み入れれば警告のアナウンスが聞こえてくる。
>「今この遺跡は愚かで強欲な者の処刑場となっている。
>踏み入れようとする者よ、引き返すがよい。
>さもなくば汝も同罪と見倣す」
実際に僕らを見た何者かの発言ではなく、魔法による自動警告アナウンスだ。
いちいち答える必要はない。
>「私は、ファッティ様のため、進むだけ。
>この命、省みはしない」
「命落としたら意味がないでしょう!
それに、自動アナウンスだからそこはスルーです!」
――またツッコんでしまった。
「余計なことは話さない」と言っておいて、自動アナウンスにはまともに答えているのだ。
見方によってはそこそこ面白い人かもしれない。
彼女は火柱を素早い動きで通り抜けていった。
そこはさすがシャドウといったところか。
さて。
今の僕にはそこを通り抜けるだけの俊敏さは持ち合わせていない。
まともに行けばローストされるのは目に見えている。
火はあちこち現れては消え、消えては現れる。
パターンが読めれば突破できそうな感じではある。
今だ!
そう思って踏み出したところに狙ったかのような火柱が襲う。
「うっそだろ!! そんなのアリか!?」
ひどい。読みが裏目に出た。
髪が燃えるにおいがする。
こういう事態の時はさすがに丁寧語ではなくなる。
愚かで強欲な者?...人助けをしようとしていてそれはないだろう!?
本当に融通の利かないシステム...
「...う」
熱いものがまた襲ってくる。熱いというより痛い。
ちなみに僕の記憶は2回までしかない。
あの後また食らったようだ。身体へのダメージがそれを物語っている。
・ ・ ・ ・ ・
微妙に記憶が飛んでいる。
僕は火柱を超えた先で気がついたようだ。
しばし、倒れていたらしい。
どれくらい倒れていたかはわからない。
彼女は目的地に到達しただろうか。
「...った」
やっぱり体のあちこちが痛い。
こんな酷いやけどは初めてだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
コルチョネーラです。
イスラさんにツッコミ2回入れました。
見識失敗。よって火だるま強欲者処刑コースです。
CP狙えるものは狙っていきます。火だるまのリアクションも加点になるといいな。
>23:30:18 コルチョネーラ@グレース ≫ オイヤッサ 見識判定 2d+10 <Dice:2D6[3,1]+10=14>
この呪文(オイヤッサ)流行ってたので乗ってみました。 最強ですね。
それなりに酷い格好で再会すると思いますので、「どうしたの」的ツッコミを期待します。
笑点大喜利風の回答を考えてみます。
>「だからと言って『て・に・を・は』まで削ることもないでしょう?
>てっきり現地語に不慣れなのかと思ってしまったじゃないですか。」
「......知らない」
イスラはそうとだけ言って中に入ってしまった。
グレースのツッコミは効かなかったようだ。
* * *
ひょいひょいと危険を避けつつ炎噴く道を通り過ぎていったイスラ。
その後を追いかけるグレースであったが。
>「うっそだろ!! そんなのアリか!?」
つい判断を見誤り、引き出す炎にこんがりと焦がされてしまう。
そして命からがら、通路を抜け。
出口で痛みと疲労でばったりと倒れ込む。
* * *
しばらくしてもイスラが戻ってくる気配はなかった。
ゆっくり起き上がってもそこには誰もいない。
――正確に言うと崩れた石の従者の姿がそこにはあった。
おそらくイスラがやったのだろう。
それなら彼女は更にこの奥にいるはずだ。
奥に行く前に自らの傷を癒すならそれもまた良いだろう。
* * *
奥に行くとそこは地下とは思えぬほど巨大な空間だった。
その大半はぽっかりと開いた大穴で占められている。
その大穴の前にイスラはいた。
「生きてたか、死んだと思った」
イスラは少しグレースに意識をやっただけで。
すぐに大穴の方に目をやってしまう。
「崩れたか、穴が大きすぎて進めない」
開いている大穴はちょっと跳んでいけるようなレベルではない。
飛べれば話が違うかもしれないが、そうは上手く行かないことだろう。
「何か、変」
だが、イスラは何か違和感を覚えているらしい。
グレースも気がついただろうか。
大穴の上の方で何やら反射した気がした。
もしかすると透明、あるいは見えない床でもあるのかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらグレースのルート進行です。
よくよく見れば適当に設定したダメージが殺人的だったので基準値を減らしておきました。
グレースは23点の魔法ダメージを受けます。
回復は行っていただいても構いません。
あとグレースの心意気にCP1点をあげましょう。
でも、ちょっとゆるゆると上げすぎな気がするので今度からは厳し目に、しないかも(・∋・)
向こう側は大穴があいた空間になっています。
構造解析判定で目標値15以上を出せば、適切な道筋がわかります。
失敗した状態で進んでもいいですが。
落ちますよ、うふ(*´∀`*)
ほかにも何かあればどうぞー!
===============================
22:44:43 あんみつ@GM ダメージ1 2D6 Dice:2D6[4,6]=10
22:44:53 あんみつ@GM ダメージ2 2D6 Dice:2D6[1,5]=6
22:44:58 あんみつ@GM ダメージ3 2D6 Dice:2D6[2,5]=7
人間も焼かれたらこんな状態になるのだろうか。
魚を焼いた時は美味しそうとしか思わなかったが、
何だろう。実際に体験してこういうのは初めて認識されるものだ。
僕は神の言葉を呟いた。みるみる痛みが引いていく。
癒しの技というのは本当にありがたいものだ。
起き上がって周りを見渡す。
意識はしていなかったが、火の壁はなんとか突破していた。
そして、――崩れた石の従者の姿がそこにはあった。
僕がぶっ倒れていた側でイスラさんは戦っていたということか。
何かすごくかっこ悪い。
僕は立ち上がり通路のまだ先を進んでいくことにした。
* * *
奥に行くとそこは地下とは思えぬほど巨大な空間が出迎えていた。
その大半はぽっかりと開いた大穴である。
その大穴の前にイスラさんは立っていた。進めないのだ。
>「生きてたか、死んだと思った」
「普通なら死んでたでしょうね。運が良かったというか、大人の事情といいますか...」
皮肉交じりでもスルーよりはいい。
一応、声はかけてくれる。
>「崩れたか、穴が大きすぎて進めない」
「え?! じゃあ、先行した彼が埋まってる可能性も...?」
生き埋めはまずい。
僕は下にいる可能性を危惧し大声で呼びかけることにした。
「おーい!誰かいますかー!?」
そして聞き耳もたててみる。
たぶん、僕よりもイスラさんのほうが気づくだろうが。
「ちなみに崩れる前の状態ってご存じですか?」
恐らく、ファッティさんから概要は聞いているかもしれない。
聞いていないかもしれない。
ただ、どちらに道が伸びていたのか、方角だけでも知っているとかなり違う。
>「何か、変」
イスラさんは何かに気が付いたようだ。
僕は不自然な反射を捉えると話しを止めた。
思考を巡らす時は、大概黙ってしまう。
親しい人にはおなじみの光景だ。
イスラさんは僕が急に黙った所で動じないだろう。
崩れた方向と力、穴の大きさ、光の反射、そして行くべき道。
ひとつの答えが導き出されると、僕は再び口を開く。
「さっき、ファッティさんは【魔法のランプ】と仰ってましたけど。」
僕はイスラさんに話しかける。
歩くべき方向に歩み始めながら。
たぶん、回収命令だけしているだろうから詳しい内容までは知らされてないだろう。
イスラさんが僕の後をついてくるのを確認して話を続ける。
「ファッティさんは【魔法】という言葉に踊らされているのではないですか?
あんまり期待しないほうがいいと思うんです。
人間は、ちょっと気の利いたもの、高性能な製品には
安易に【魔法】という枕詞をつけたがります。
そういう商品はたくさん見てきましたよ。魔法瓶とか魔法の粉とかね。」
大体、それほど価値のあるものだったら
行きあたりばったりで素性のよくわからない経済的弱者に頼まないだろう、
というのも、僕を冷めた理論にさせている要因だったりする。
「例えば、海で灯したら魔法のように強い光でたちまちイカが寄ってくるような
【ハイスペックなイカライト】だったらどうするんです?」
それでも彼女は行くのだろう。
それが契約である以上は。
「ああ、道はこっちで合っていますから大丈夫ですよ。」
雑談しながら振り返り、ついてくる彼女を確認するだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
コルチョネーラです。
キュアハート(5点消費)16点回復
キュアウーンズ(3点消費・魔晶)15点回復
魔香草2つ消費(3点回復)
【MP】42/44
・下に誰かいないか大声で呼びます
ルークさん達に声が聞こえていたら、壁を壊す方向の手がかりになるかも?
・構造物判定は成功。雑談しながら先行します。
・メタツッコミ(大人の事情)←基準値変更ありがとうございます。
・喩えボケ(イカライト)
前回のセッションではHP8で終了していましたので、
今回の目標は、それを越えてダブルスコア狙い。
SQクリアは通過点です。目標は10点!!
グレース非公認「自覚なきコメディアン」属性を目指します。
ちなみにイカライトはリアル引用です。
イカ釣り機やイカ用集魚灯をインドやペルーに輸出する仕事がありました。
===============================
15:40:58 コルチョネーラ@グレース ≫ 魔香草 r0 <Dice:R0[1,1:*]=0>
15:40:15 コルチョネーラ@グレース ≫ 魔香草 r0 <Dice:R0[4,5:3]=3>
14:55:35 コルチョネーラ.@グレース ≫ 構造物解析判定 2d6+10 <Dice:2D6[1,5]+10=16>
14:54:04 コルチョネーラ.@グレース ≫ 回復量 r10+11+1 <Dice:R10[5,2:3]+11+1=15>
14:53:38 コルチョネーラ.@グレース ≫ 自身にキュアウーンズ発動 2d6 <Dice:2D6[4,2]=6>
14:52:42 コルチョネーラ.@グレース ≫ 回復量 r30+11+1 <Dice:R30[4,1:4]+11+1=16>
14:51:51 コルチョネーラ.@グレース ≫ 自身にキュアハート発動 2d6 <Dice:2D6[5,2]=7>
グレースは炎で焦げた体を癒してから先に進む。
進んだ先にはイスラと巨大な穴。
>「おーい!誰かいますかー!?」
イスラの崩れたという言葉を聞いて、グレースは穴の方に声をかけてみるが反応はない。
――もしかしたら何か聞こえてくるかもしれないが。
>「ちなみに崩れる前の状態ってご存じですか?」
「知らない」
残念ながら、イスラにグレースが以前の状態を問うてみるが彼女は知らないようだ。
......だが、グレースは気がついたようだ。
この大穴はただ崩れているわけではないのだ、と。
>「さっき、ファッティさんは【魔法のランプ】と仰ってましたけど。」
グレースはイスラに話しかけながら見えざる道筋を進んでいく。
彼がイスラに語るのは、魔法のランプという代物に期待するな、ということ。
基本的にイスラはグレースの言葉に反応は返さなかったが。
>「例えば、海で灯したら魔法のように強い光でたちまちイカが寄ってくるような
>【ハイスペックなイカライト】だったらどうするんです?」
「意味、わからない」
グレースが途中で挟んだ言葉については理解できないというような顔をした。
――そして、グレースたちは無事に大穴を越え、向こう側までたどり着く。
たどり着いた先には大きな扉があった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらグレースのルート進行です。
グレースは向こう側まで向かうことができます。
ついでにCPを1点あげましょう。
イスラさんは僕の話にこう答えた。
>「意味、わからない。」
「ファッティさんが予想していたような品物じゃなかったら?という喩えです。
そうは言っても、貴女には任務を遂行するしか選択肢は無かったんですよね。」
道なき道を進みながら、ようやく扉にたどり着く。
どうしてあんな男と契約したんだろう?
そうせざるを得ない理由があるのは間違いないだろうが。
知ってどうにかしたいと思う一方、知りたくない気もする。
探偵をやっていると、そういうのはわかるものなのだ。
それなりに辛い理由があるということを。
僕は扉を開けて、いつもの癖で彼女を先に通す。
レディーファーストは当たり前に身についた習慣だ。
しないとかえって違和感がしてしまう。
こんな状況だから気にしなくても良かったが・・・まあいいや。
* * * * *
コルチョネーラです。
とりま、こっちはこれで締めます。
扉の向こうへGO!
見る人がみれば、トラップに引っかかったのが解るでしょうね。