B2_事件を追って
一見しただけのコンチェルティアの風景は大きく変わらない。
奏でられる賑やかな音楽に合わせて踊り子が舞い踊る。
その踊り子をモデルに画家は絵を描き。
近くの書斎からそんな二人をモデルに作家が恋物語を創る。
そんないつもの風景のコンチェルティア。
それでも、流石に一部の者――巡回する兵たちの顔には緊張の表情が浮かんでいたかもしれない。
カイルの手紙にある通りの事件が現実に起こっているのであるならば、当然のことではあるが。
* * *
ルキスラから西へと3日。
コンチェルティアの街にクーガとプリアーシェは到着していた。
すぐに出発したため、なかなか早く到着できているはずだ。
コンチェルティアを訪れたのが初めてであるプリアーシェは勿論のこと、
クーガも少し見ただけでは街で異変がが起きているかどうかはあまりわからないだろう。
「......あれ?」
コンチェルティアについたばかりのクーガの耳に聞き覚えのある言葉が届く。
二人が少し視線を下げれば、そこには白い毛並みのタビットの姿が見えるだろう。
クーガが以前この街を訪れた際に出会った――ミハイルである。
「クーガさん、来てらしたんですか?
......もしかしてカイルさんからの依頼で?」
そこまで話したところでミハイルはようやくクーガの傍にいたプリアーシェに気づいたらしく。
「すみません、クーガさんのお仲間の方ですよね。
僕、ミハイル・ロットといいます。
えっと......一応カイルさんの相談役で魔術師です」
どこか頼りなさげな様子のミハイルではあるが。
一貴族であるカイルの相談役というのであるから、それなりに優秀な魔術師なのかもしれない。
もっともクーガはミハイルとカイルの微妙な関係については知っているのだが。
「ルキスラから来るかもしれない冒険者ってクーガさんのことだったんですね。
なんか、ちょっとだけ意外です......いろいろありましたし」
そこまで言ったミハイルは少しだけ口ごもる。
何か思い出してでもいるのかもしれない。
「僕、これからカイルさんの屋敷に帰ろうと思うのですが。
よかったらクーガさんたちもいらっしゃいますか?
それとも少し街の方を見てからいらっしゃいますかね。
その場合は、僕からカイルさんにお二人が来ていることをお伝えしておきます」
依頼を受けているのだから、すぐにカイルの元へと向かうべきであるだろうか。
だが、その前に少しくらい街の様子を伺ってから訪れるのも悪くないかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらはクーガとプリアーシェ用の新しいカテゴリです。
ここからの2人のPCの日記はこのカテゴリにご記載ください。
2人はコンチェルティアについたばかりです。
パッと見た限りでは事件が起こっている様子はございません。
【ミハイル・ロット】を『演者の一覧』に登録しておきます。
プリアーシェはミハイルについて冒険者+知力で判定が可能です。
目標値は13。成功すればミハイルがそこそこ熟練した魔術師であることがわかります。
クーガは判定に自動成功します。
クーガとプリアーシェは次の行動を決定してください。
主な選択肢は2つです。
・ヴォルディーク邸に行く
・街の様子を伺う
他に起こしたい行動がございましたら、そちらでも構いません。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『B2_事件を追って』にチェックを入れて投稿してください。
ルキスラから西へ3日。
コンチェルティアの街に、見てそれと解るような異変はない。
それなりに大きな街のようだから、逆に、簡単には解らないのかもしれない。
もっとも、依頼の件がまだ解決していないのであれば、噂なり何なりにはなっていることだろう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
> 「クーガさん、来てらしたんですか?
> ......もしかしてカイルさんからの依頼で?」
コンチェルティアに着いたばかりの私たちに声をかけたのは、白毛のタビットだった。
お知り合いですか、と目顔で尋ねる。
わざわざ街の有力者が依頼を寄越すくらいだから、この街では案外顔が広いのかもしれない。
> 「すみません、クーガさんのお仲間の方ですよね。
> 僕、ミハイル・ロットといいます。
> えっと......一応カイルさんの相談役で魔術師です」
ミハイルさん。熟達した魔術師のように見える。
立場に相応の実力者ということかしら。
「プリアーシェです、ミハイルさん。
クーガさんと一緒に依頼をお受けしました」
一礼して名乗る。
> 「ルキスラから来るかもしれない冒険者ってクーガさんのことだったんですね。
> なんか、ちょっとだけ意外です......いろいろありましたし」
依頼人とクーガさんの間に何かが――あまり好ましくない何かがあったのだろうという私の想像は、どうやら正しいようだ。
相談役をして意外と言わせるくらいなのだから、やはり何かあったのだろう。
もっとも、依頼を受けた今となってはそのあたりをつつき回すのも気が引ける。
当人がそれでよしとしたのだから、私から何か言うような筋の話でもない。
> 「僕、これからカイルさんの屋敷に帰ろうと思うのですが。
> よかったらクーガさんたちもいらっしゃいますか?
> それとも少し街の方を見てからいらっしゃいますかね。
> その場合は、僕からカイルさんにお二人が来ていることをお伝えしておきます」
「私は、よろしければ、カイルさんのお屋敷へ伺おうと思います。
まずはご挨拶を、と思うのですが」
街を見て回るにも、何がポイントになるのかは絞っておきたいところだ。
それにはまず詳しい事情を聞かなければならない。
私の中の問題解決ルーチンもそう判断している。
闇雲な情報収集は時間の浪費に繋がるだけだ――まずは事情を知っている者からの聴取。
状況を整理し、解決すべき問題を明確にしてから解決のための行動を起こす。
姉たちが遺した膨大な記録と記憶から導かれた解が、そう告げている。
私に従わない理由はなかった。
■PLから
というわけで、ひとまず依頼人にご挨拶の方向であります!
■ダイス
Lain@プリアーシェ ありばど ミハイルの実力ちぇっく 2d6+9 Dice:2D6[4,5]+9=18
この街は芸術であふれている。
今も奏でられる音楽一つで沢山の芸術が生まれる街、
連続殺人事件がおきてっとは関係ねぇように見える。
それは当事者でない奴等にとって、だが・・・
「誤報でした。ってのが、嬉しかったんだがそうはいかねぇか。
美人ちゃん、巡回の顔見てみ。緊張感みなぎってら・・・」
横目で巡回中の兵士を見ながらプリアーシェに声を掛ける。
流石にコンチェルティアに向かってる間呼び続けたから
美人ちゃんつう言い方にも慣れただろう
諦めたと言う方が正解かもしれんが。
>「......あれ?」
余計な事を考えてたら足元から聞き覚えのある声が聞こえた。
直に目線を下げる
>「クーガさん、来てらしたんですか?
> ......もしかしてカイルさんからの依頼で?」
プリアーシェが目で知り合いかと訊ねたので
気軽な挨拶で知り合いアピールする。
「ミハイルも知ってるっつぅことは、あの話はマジなんだな。あぁ、こっちの美人ちゃんは・・・」
挨拶を返して、プリアーシェを紹介しようとしたら
>「すみません、クーガさんのお仲間の方ですよね。
> 僕、ミハイル・ロットといいます。
> えっと......一応カイルさんの相談役で魔術師です」
またしてもスルーされる。少し、凹む・・・
『一応』ってなんだよ!と心の中でツッコんどくが、
>「プリアーシェです、ミハイルさん。
> クーガさんと一緒に依頼をお受けしました」
とりあえず挨拶が終わるまでは黙っておこう。
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>「ルキスラから来るかもしれない冒険者ってクーガさんのことだったんですね。
> なんか、ちょっとだけ意外です......いろいろありましたし」
挨拶も終わり、ミハイルが思い出したように喋る。
「いろいろあったんはお互いだ。つぅか、そっちこそお供も
つけずに自由に歩きまわっていいのか?
あ、そうか。エミールがいっから問題ねぇか。」
確かにいろいろあったなぁ。悪い意味でだが・・・
たぶんカイルも俺が依頼受けるなんて思ってねぇんだろうな。
絶対、文句いわれんだろうなぁ。言われたら言い返してやる。
>「僕、これからカイルさんの屋敷に帰ろうと思うのですが。
> よかったらクーガさんたちもいらっしゃいますか?
> それとも少し街の方を見てからいらっしゃいますかね。
> その場合は、僕からカイルさんにお二人が来ていることをお伝えしておきます」
ミハイルはヴォルディーク邸に戻るらしい、
>「私は、よろしければ、カイルさんのお屋敷へ伺おうと思います。
> まずはご挨拶を、と思うのですが」
プリアーシェも付いていくみてぇだし、
「俺もカイルんとこ顔出す。調査するにあたって頼みたい事もあんしな。
兵士への協力依頼と街中でのいざと言う時の魔法使用許可。
たぶん、断られっと思うし、
けんか腰になるかもしんねぇが、それはそれでいいだろ?
たまには、アイツにも癒しを与えてやんねぇとな。」
クックック、と悪そうな顔をする。
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PLより
ヴォルディーク邸に殴りこみに行きます。
カイル君とくだらない口げんかが出来そうですなw
クーガと知り合いだというミハイルにプリアーシェも名乗り返す。
>「プリアーシェです、ミハイルさん。
> クーガさんと一緒に依頼をお受けしました」
「プリアーシェさん......ですか。
綺麗な名前ですね」
初対面であるミハイルがプリアーシェの名の意味なども知る訳もなく、
単純に口に出した際の音の流れがよいということなのであろう。
ここは芸術の街である――彼も何かしらに精通しているのかもしれない。
* * *
貴族や由緒ある商家の建ち並ぶコンチェルティア2番街。
邸宅は皆地味すぎず、かと言って華美すぎず。
優美なメロディーが巡る中を佇んでいた。
先程から耳を抜けるのは――ピアノの音色だろうか。
近くの家から流れてくるものはなかなかお上手である。
その中で一番大きな屋敷こそ、ヴォルディーク家のものである。
玄関門の前に来ると、ミハイルが小さな体でゆっくりと開き、二人を招き入れる。
「さあ、どうぞ。
お入りになってください」
* * *
応接間に通された二人の前に紅茶と菓子が出された。
カップに口をつけてみれば、ちょっと甘めのテイストである。
少しして、扉が開くと共に現れた青い髪の青年。
きりっとした瞳。ただ顔立ちにはまだ幼さの残る。
成人という新たな階段を登って少し経った頃の彼こそが――ヴォルディーク家現当主カイルである。
「依頼を出してみたものの......。
まさかここに来るのはあんただったとはな。正直驚きだ」
カイルが二人の前に座ると、再びメイドが紅茶を持ってくる。
彼はそのままそれを少し口に含む。彼の好みのブレンドであろうか。
「俺はカイル・ヴォルディーク。
あんたがあいつの言ってたプリアーシェか?」
今度はプリアーシェの方へ顔を向ける。
カイルの言う"あいつ"とは間違いなくミハイルのことであろう。
「それで、あんたたちが俺の出した依頼を受けてくれるってことでいいんだよな?」
確認はしたが、答えを待つつもりはないらしい。
既にここにいるということが、答えである。
「あんたたちに調べてもらいたいのは、今この街で連続して起きてる殺しについてだ。
最初に事件が起きたのは今からだとちょうど二週間前......ああ、そうだ。
その前になんでこれが"連続"して起きてるって判断されているかというとだな」
小休止をはさんで。
「殺された奴に共通する特徴があるんだ。
――全員"予言者"だそうだ。勿論自称だけどな」
この街には様々な人間が自らの技を極め、そして披露するために訪れる。
占い師の類の者たちもそれなりにこの街に集っている。
その中に予言者と名乗っていたものもいたということだろう。
そして、そんな彼らが何者かによって命を奪われた。
――言うなれば"予言者連続殺人事件"である。
「正直なところ、俺はこの街でどんな事件が起ころうともそこまで強い関心があるわけじゃない。
街に貢献した一族ってのも昔の話だ――いろいろあってから大切なものはほとんど残ってない。
残っているのは、そう俺と――俺とあと一人だけだ」
カイルの言うあと一人とは――姉のセシリアのことであろう。
ミハイルとカイルの微妙な関係も彼女に関係するものであることは、クーガも多少は知るところである。
そんなセシリアをわざわざ付け足したカイルは信じているのであろう――彼女の無事を。
もっとも"肉親"であれば当然のことかもしれないが。
――そして、そんな彼女には一つの噂がある。
「ただ、今回はそうも言ってらいれない。
名乗っているだけとはいえ"予言者"ばかりが狙われる。
証拠なんて何一つないけれど、俺は確信してる」
――それは。
「今回の事件には"無限の探求者"が関係している、と。
夢で未来を見れた姉さんを狙ったあの時と同じように」
ヴォルディーク家の令嬢セシリアには予知夢の力がある。
これは彼女が無限の探求者に攫われるという事件があった後に広まった噂である。
無限の探求者とはザルツ地方――特にルキスラとコンチェルティア近辺で暗躍している教団だ。
不死神メティシエを信仰しており、儀式の生贄として人々を攫い、
そしてその命を奪っているとして近隣の街の兵からも警戒されている。
無限の探求者には――クーガも少しながら関わりがあり、ミハイルともその出来事からの縁である。
そんなおぞましい無限の探求者がセシリアを攫った理由――それこそが予知能力なのであるという。
人々にとっては噂どまりのことであったが、弟のカイルが言うからには真実なのであろう。
「俺は一刻も早く姉さんを助けたい。だからのんびり衛兵たちに任せるわけにも行かない。
――だから俺はそれなりに実力を知っているあんたら冒険者に頼んだ。
まさか、あの中からあんたが来ることになるとは正直思っていなかったけどな」
そうは言いつつも、クーガに対して不満は特に抱いていないようだ。
それなりに、冒険者としては信用しているということであろうか。
大歓迎している――というわけでもないが。
「あんたらに頼むのは一刻も犯人を早く捕まえて、なんとしてもそいつから情報を得ることだ。
手段は選ばなくたっていい――どうせ人殺しの上に邪教の信者だ。
もしそうでなくても人殺しには変わらないからな」
手段は選ばなくともいいと語るカイル。
その言葉の裏にあるのは、相手が殺人者だからとか邪教徒だからという判断などではなく。
――私怨だ。
なるべく落ち着いてはいるように見せていても、どことなく落ち着かない。
セシリアを助けるために有効な手を打てていないことが大きいのであろう。
「俺はあんたたちに期待している。
特にそっちは正直バカだとは思ってるが、それなりに働いてくれると信用している」
"そっち"とはクーガのことであろうが、"バカ"とは決して頭が悪いと蔑んでいるわけではないようだ。
その言葉の真意は、カイルと――もしかしたらクーガのみが知るところだろうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ヴォルディーク邸に到着いたしました。
【セシリア・ヴォルディーク】について演者の一覧に登録しておきます。
プリアーシェは目標値15の見識判定に成功すれば、彼女の噂を聞いたことがあります。
クーガは自動成功か判定を行うか選択できます。
プリアーシェは【無限の探求者】について見識判定が可能です。
目標値は13。成功すれば『出立の曲目』に記されたことがわかります。
クーガは判定に自動成功します。
このシーンで特に起こしていただきたい行動はありません。
質問するもよし、喧嘩するもよしでございます。
> 美人ちゃん、巡回の顔見てみ。緊張感みなぎってら・・・」
クーガさんが言う。
訂正は3度目で諦めた。
こちらもだいたいそのくらいで慣れたので、居心地の悪さもあまりない。
問題はむしろ言葉の後ろ半分なのだけれど、私にはよくわからない。
巡察する衛兵であれば相応に緊張感があるんじゃないかな、くらいなものだ。
たぶん彼には『常と違うなにか』が見えているのだろう。
あまりじろじろと見るのも問題な気がして、ちらりと視線で撫でる程度に、衛兵の顔を見やる。
「――よくわかりません。慣れていないもので」
やはり、私にはよくわからない。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
> 「プリアーシェさん......ですか。
> 綺麗な名前ですね」
「ありがとうございます」
ミハイルさんの言葉にお礼を言う。
率直なところ、容姿より名前を褒められるほうが嬉しい。
まあ、容姿は「そういうふうに作られた」、名前は「自分で付けた」という事情があるからなのだけれど。
> あ、そうか。エミールがいっから問題ねぇか。」
ミハイルさんとクーガさんのやり取りのなかで、聞いたことのない名が出てきた。
ひとまず覚えておくことにする。
文脈からすると共通の知人、かつ依頼人と近しい誰か、ということになる。
> けんか腰になるかもしんねぇが、それはそれでいいだろ?
いいわけがない。相手は依頼人だ。
「あまり派手にやらないでくださいね」
クーガさんがこう言うくらいだし、ルキスラでの話の中でもやはりいい関係ではなかった、というのは察せられるのだけれども。
なんでわざわざこんな面倒な相手に依頼を送ってきたのだろう。
依頼人が抱えている問題の経緯を知っているから、ということなのだろうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
案内された屋敷は、上流階級が住む区画のなかでも最大と言っていい大きさだった。
> 「さあ、どうぞ。
> お入りになってください」
門を開けてくれたミハイルさんに会釈して中へ入る。
茶菓を供してくれた使用人の居住まいといい、内装といい、屋敷の大きさとそこから推察される暮らし向きの内容を裏切らない。
なるほど歴史ある街の有力者とはこういうものか、と思わせる。
現れた依頼人は青い髪に引き締まった顔立ちの青年だった。
旧家の当主としてはまだ若い。
> 「俺はカイル・ヴォルディーク。
> あんたがあいつの言ってたプリアーシェか?」
「はい、プリアーシェといいます、カイルさん」
> 「それで、あんたたちが俺の出した依頼を受けてくれるってことでいいんだよな?」
今更受けませんという話でもないし、まあこれは確認のようなものだろう。
案の定、彼は返事を待たずに話しはじめた。
> 「あんたたちに調べてもらいたいのは、今この街で連続して起きてる殺しについてだ。
> 最初に事件が起きたのは今からだとちょうど二週間前......ああ、そうだ。
> その前になんでこれが"連続"して起きてるって判断されているかというとだな」> 「殺された奴に共通する特徴があるんだ。
> ――全員"予言者"だそうだ。勿論自称だけどな」
最初の発生から2週間。
口ぶりからすると、件数は最低で3、またはそれ以上。
街の規模からするとなかなかの大事件だ。
> 「正直なところ、俺はこの街でどんな事件が起ころうともそこまで強い関心があるわけじゃない。
彼の言いように、少々違和感をおぼえる。
本音であるのかもしれないけれど、それを人前で口に出してはまずいのではないかしら。
いかにも街の治安を案じている風を装う、くらいのほうが有力者としてはやりやすいと思う。
> 「ただ、今回はそうも言ってらいれない。
> 名乗っているだけとはいえ"予言者"ばかりが狙われる。
> 証拠なんて何一つないけれど、俺は確信してる」> 「今回の事件には"無限の探求者"が関係している、と。
> 夢で未来を見れた姉さんを狙ったあの時と同じように」
――なるほど、身内に本物の予言者がいたというわけね。
たしかに、予知夢能力のある予言者の話は聞いたことがある。
そして、「無限の探究者」?
組織かなにかの名前のようだ。
あとで誰かに詳しく聞こう、と心の中でメモしておく。
> 「俺は一刻も早く姉さんを助けたい。だからのんびり衛兵たちに任せるわけにも行かない。
> ――だから俺はそれなりに実力を知っているあんたら冒険者に頼んだ。> 「あんたらに頼むのは一刻も犯人を早く捕まえて、なんとしてもそいつから情報を得ることだ。
> 手段は選ばなくたっていい――どうせ人殺しの上に邪教の信者だ。
> もしそうでなくても人殺しには変わらないからな」
ああこれは相当なにかあったのだろうな、と思わせる台詞だった。
手段を選ぶ必要がない、というのはなかなか言えるものじゃない。
依頼を受ける方としては、わかりやすくていい、と言うべきなのかもしれないけれど。
「いくつか、質問があります」
カイルさんが一通り話を終えたところで、そう口にする。
「まず、事件のこと。次に調査の方針について。それから、私たちが得られる協力について、です」
話を聞きながら頭の中で整理したことを並べていく。
「事件についてですが、まず、これまでに発生した件数を教えてください。
その中に、未遂に終わったものがあれば――つまり、被害者、というか狙われたひとがまだ生きている事件があれば、それも」
「それから、それぞれの事件について、起きた日と時間、場所、被害に遭われた方のお名前や歳、性別、簡単なプロフィールを知りたく思います。
全員が予言者、というお話でしたが、ほかに共通点や端緒になるところがないか、確かめたいと考えています」
「もう1点、それぞれの事件について、現場の状況――見つかったときの状況や、手口を知ることはできますか?」
このあたりは、事件の調査をするにあたっては必ず知っておくべきこと、定石と言っていい。
「次に、調査の方針についてです。
まず大まかな方針として、内密に調査を進めるべきか、またはことを公にして構わないかどうか、これを決めていただく必要があります。
また、これは確認ですが、犯人が特定できた、または接触が可能になった場合、私たちが目的とするのは『犯人の排除』ではなく『情報を得ることを前提とした捕縛』という理解でよいでしょうか」
調査のしかたは情報の集め方にかかわる話だし、目的は最終的な戦い方にかかわる。
そのあたりは初めに決めておかないと、いざというときに迷うことになってしまう。
「あとは、この件で、もう既に調査を始めているひとや集団というのはいますか?
衛兵あたりはもう調査を始めていることと思いますが、その他にも、もしそういう方がいれば教えていただけませんか」
「もう1点、こちらで捕縛して尋問が目的、ということになると、たとえば衛兵とはどちらが犯人の身柄を引き取るのか、というところで利益が一致しないことになるかもしれません。
そのあたりで、交渉の余地はありますか?
たとえば、こちらが尋問を終えたら引き渡す、または身柄は引き渡しても尋問に立ち会って情報を得られるようにする、等々です。
そのあたりも含めて、どこまで他者に協力を依頼してよいか、というのも先に決めておいていただけると助かります」
「ああ、協力といえば、報酬や前金についての御提示がまだだったように思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?」
連続殺人、ということだからそれなりに規模の大きな調査になるだろうとは思ったけれど、やはり2人だけでどうこうとはいかないかもしれない。
であれば、その空隙をどうにかして埋めなければならないし、その手段も考えておくべきだ。
「最後に、私たちが得られる協力について、というお話です。
端的にお聞きしますが、この件に関して、信頼できる協力者はこの街におられますか?」
言葉が足りなさすぎるかな、と少し補って説明する。
「失礼ながら、カイルさんは、この街の上流階級において地歩を築いておられます。
ですので、そのような方々から力を借りるなり、情報を頂くなり、といったことが可能であれば、と考えました。
どのような形にせよ、最終的に荒事になる可能性は低くありませんから、そのための備えということも含めて、ですが」
こちらからも一通りの要求を伝えたあとで、ああそれから、と私は別の話を持ち出した。
「調査するのであれば、先ほどから申し上げたようなご協力が必要になりますが、アプローチとしては調査以外にも方法はある、と考えています。
具体的には、『事件の解決のためにルキスラから予言者を呼んだ』ということにしていただければ、と」
言いながら、荷物の中からカードを取り出して机の上に置いてみせる。
「幸か不幸か、占術を嗜んでおりますので。
まあ、この手段を使うにせよ、まずは手口や相手のことを確かめてから、です。
闇雲に情報を流して準備が整わないまま襲われたのではたまりません」
私もまだ死にたくはありませんからね、と冗談めかして付け加える。
「方法のひとつとして頭に入れておいていただければ」
■PLから
だいたいPCに語らせてしまっておりますのであまり補足がない!(''
カイルの口調その他については一切スルーであります。
なお、スルーしているのはクーガへの牽制(こんなところで安い挑発に乗らないでね)も含めて、でありますが、まあガン無視して挑発に乗っていただいても問題ありません!
あ、無限の探究者については知りませんでしたので教えていただくなりなんなりを所望いたします。
あとで依頼人にでも訊こうかな。
■ダイス
Lain@プリアーシェ ありばど セシリアに関する見識判定 2d6+8 Dice:2D6[2,5]+8=15
Lain@プリアーシェ 無限の探究者に関する見識判定 2d6+8 Dice:2D6[3,1]+8=12
黙って紅茶を飲む。
プリアーシェの交渉を邪魔をしないように黙ってる。
俺が頼みたかった事をほとんど言ってくれるのはありがたい。
さらに行き詰った時に囮になるっつう手まで考えていた。
俺を調査の手足と言うなら、まさに頭だ。
ならば血を流すのは手足だけで済ましてぇもんだ。
それはさておき、目の前にカイルが座っている。
こいつが言うには、今回の事件は自称"預言者"が狙われてるっつうこと、
"無限の探求者"が関係してるかも知れねえってこと、
こいつの姉ぇちゃんの事は聞いた事あるようなないような、よく覚えてねぇ。
依頼ってのは殺人犯を確保、そいつから情報を得る事って言ってんだが・・・
「手段を選ぶ必要がねぇてのはありがてぇ。
そんでだな、犯人に襲われるとか戦闘になって魔法や魔動機を使って
衛兵にしょっ引かれました。は、お互いに困るよな?
そこは融通利かせてくれ。」
俺らが捕まったんじゃ話にならねぇ。それとプリアーシェが
身を守るには魔動機が必須になっからそれの保険も欲しい。
俺も遠慮なく切り札を使えるようにしたい。
あとは、
「後でミハイルとエミールにも聞きてぇ事がある。別室に呼んでくれ。」
さてと、紅茶を飲み干して一息つく。
「ところで、バカだと思ってんのは分かってんだが、改めて言われっとムカつくな。オイ?」
ガンを飛ばす。
「さらにシスコンのお前に言われるとひとしおだな。
さっきから姉さん姉さんってよ・・・
一人立ちのために俺が合法的に奪ってやろうか?」
・・・・・・
「と、ミハイルとエミールも来た事だし、ちっと行ってくる。」
席を立つ。さっき言った事は否定はしない。
まぁ、どうなるかなんて預言者か神ぐらいしかわかんねえだろ。
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別室の椅子に座り軽くため息、
「さて、呼ばれた理由は分かってんだろ?
昔いたお前等の組織がまた、ヤンチャ始めたんだってな。
で、俺が聞きてえのはそんなことを率先してやる奴の心当たりを聞きてぇ。
それと、そいつの情報だ。ないならないでOK、ただ、気付いた事を教えてくれ。」
両手を広げて言葉を促す。
「償いたいなら、全てを差し出せ・・・・ってな?」
--------------------
PLより
一言言い返し、穏便に済ませる。
まぁ依頼者ですし、プリアーシェさんの
無言のお願いを聞き入れたって事で・・・
プリアーシェの言葉に反応がないのは
ぐうの音も出ないほどにナイスな対応だったからです。
**********ダイス結果*********
シリア姉さん見識 目標15 2d6+4 Dice:2D6[1,2]+4=7
これならイチゾロの方が・・・
>「いくつか、質問があります」
カイルの話を聞き終えたあとプリアーシェが切り出す。
――まず、一つ目は事件についてだ。
「事件は四件。残念だが、生存者はいないな。
最初の事件はちょうど二週間前、被害者の名前はウララ......だったか?
年齢とかは詳しくは知らないが、女だ。
噂だと、恋愛や結婚に関してカリスマとして若い女たちの間で人気だったそうだ。
現場は店があった6番街の一角だ、行けばわかるだろう。
――まあ、興味はないな」
口ぶりでは興味がないと言ったカイルであったが、本の少しだけ間があった。
「次の事件はそれから二日後、被害者はナイシャ、同じく女だ。
なんでも一度描いた絵と同じ出来事が起こって以来、未来を描く女だと自称していたらしい。
殺された場所は同じく6番街のアトリエだ」
第二の事件で殺されたのも同じ6番街に住んでいた女性であったそうだ。
「第三の事件が起きたのはその翌日。
被害者はヨヨ......グラスランナーの男だ。
現場は4番街の一角。場所が場所である以上、事件が起きたのは深夜だろう。
ふざけた予言ばかりする男であったらしい」
第三の被害者はグラスランナーの男性。
彼はその前の二人とは現場が違ったという。
「第四の事件はその更に翌日だ。
殺されたのはゲシャ。シャドウの女予言者だそうだ。
こういうのもなんだが......この中では一番まともで腕の立つ占い師だったそうだ。
貴族たちも時たま訪れていたらしいな。
殺された場所は5番街の自宅だそうだ――俺が話せるのはこれくらいだな」
第四の被害者のシャドウの女性を最後に事件自体は起こっていないらしい。
「人物像から伺える共通点としては、この町に住んでいる占い師であることだけだな。
もう一つ共通する箇所を挙げるとすれば、皆刺殺であったらしいということくらいか。
小ぶりの短刀である可能性が高いそうだ」
共通点は被害者の職業と殺害法だけであるらしい。
* * *
――二つ目は調査法について。
「調査自体は公にやってもらっても構わない。
ただ、捕らえた際は一通り聞き出すまで隠し通して欲しい。
その際の対処はなんとかさせてもらう。
あと、あんたたちに頼みたいのは情報の入手だ。
それに生かしておいた方があとあと上手くやりやすい」
調査自体は公にしていいということは、勿論衛兵などに直接話をつけてもいいということだ。
また、今回の依頼についてやはり捕縛が大前提であるようだ。
生かしておいた方があとで衛兵に引き渡す際も多少スムーズになるだろう。
「この件について調査を始めているのには、街の冒険者がいるが......。
正直なところ協力を求めるのはやめた方がいいだろう。
実は第四の事件の現場に、冒険者の店のエンブレムが落ちていたようでな。
内々で酷い揉め事になっているらしいな」
衛兵以外に街の冒険者たちも調査をしているようだが、色々と問題もあるらしい。
カイルがクーガたち街の外の冒険者に依頼した理由の一つが、これであろう。
「それとおそらく情報を求めるためという意味では、"花の夜想曲"の連中は動いているはずだ。
もっとも、協力可能かどうかはわからんがな」
――花の夜想曲。
コンチェルティアに拠点をもつ盗賊ギルドの名前である。
「あと一人、この街の5番街に住んでいる変人も動いているんだろうな。
自らの技を芸術である捉え、謎や事件を追いかけている男だ」
もう一人、フリーで動いている5番街に住む男がいるらしい。
* * *
――最後に協力者について、だが。
この話になるとカイルの表情は曇った。
「俺たちの一族に起きた二度の事件のせいで、正直なところ協力を結べる相手はいない。
少しずつ以前のような交流こそ増えてはきたものの正直まだ俺とは関わりたくないようでな。
内々で話を進められるよう協力関係を結ぶのは難しいだろう。
まあ......一応誰もいないというわけではないが......」
言おうか言わまいか迷っている様子の彼であったが。
「一応紹介だけはしておく。
ここの2番街に住むキャピレット家の者たちであれば、不可能ではないだろう。
......ただ、この件にあまり巻き込みたくはないんだ」
上流階級のものたちから情報を引き出してくるのは難しいようだ。
まだ若く、導き手となるべき者もいない現状、金や一族の名誉はあれども。
力量としてはなんとか衛兵に話をつけるだけでも精一杯なのだろう。
キャピレット家はヴォルディーク家とも繋がりが強く、令嬢とカイルは親しい仲であるという。
だからこそ、あまり協力は頼みたくはないのであろうが。
また、プリアーシェが話し終えたあとで、
>「手段を選ぶ必要がねぇてのはありがてぇ。
>そんでだな、犯人に襲われるとか戦闘になって魔法や魔動機を使って
>衛兵にしょっ引かれました。は、お互いに困るよな?
>そこは融通利かせてくれ。」
クーガは一言付け加える。
「わかってる。
無関係な住民を被害に合わせたとかがなければ、その辺りはなんとかなるようにしておく」
流石に、住民に怪我を負わせるなどの自体になれば問題ではある。
その場合は全て穏便に......とは行かない場合もあるであろう。
ただ、それ以外の面については保証してくれるようだ。
>「後でミハイルとエミールにも聞きてぇ事がある。別室に呼んでくれ。」
クーガは聞き終えたあと、エミールとミハイルを呼ぶように言う。
同じく彼らの"過去"を知るカイルは、表情一つ変えず、
「わかった。
別の部屋で待たせておこう」
そう言って、二人を呼びに行かせる。
* * *
「それで、最後に報酬についてだが――5000ガメル支払う。
その分の1000ガメルを前金として、準備に使用してくれて構わない。
それと、これも使ってくれていい」
カイルが二人の前に持ってこさせたのは、計2000ガメルと真っ黒なケース。
中には3対のピアスが入っている。
「通話のピアスだ。
まあ使い方はわかるとは思うが、これで連絡をとることができる。
ピアスの振り分け方はあんたたちで決めてくれ」
――そうして一通り話がついたところで、
>「ところで、バカだと思ってんのは分かってんだが、改めて言われっとムカつくな。オイ?」
クーガはカイルを睨みつける。
そんなクーガをカイルは紅茶でも飲んで軽く受け流そうとしたが......。
>「さらにシスコンのお前に言われるとひとしおだな。
>さっきから姉さん姉さんってよ・・・
>一人立ちのために俺が合法的に奪ってやろうか?」
「......んなっ」
クーガの突然の発言にカイルの手が滑り、ティーカップを絨毯の上に落とす。
高そうな絨毯に茶色い染みが広がるが、奇跡的にカップは無事だったらしい。
カイルは一度下を向いて、次にクーガの方を向いて何かを言おうとしたが――飲み込んだようだ。
ただ、非常に鋭い目で睨みつけたあと。
「――必ず成功させて帰って来い」
結局、それだけ言うに止めた。
簡単に言えばセシリアを助けるために――続きはあとだ、ということらしい。
これが、カイルという男である。
* * *
クーガとプリアーシェが別室に行くと、そこにはつい先ほど顔を合わせたミハイルが。
――そして、もう一人銀色の流れる髪をした人間の男性がいた。
「はじめまして、エミールといいます」
彼は優雅にプリアーシェに一礼して名乗る。
その所作から、芸術に親しんでいるのだろうとわかるはずだ。
「僕たちにようなんだろう?
......まあ、だいたいは予想付いているけどね」
クーガの要件。
エミールとミハイルに答えられること。
それは、全て"無限の探求者"に紐づいている。
「僕たちにはもう何も情報が入っていないから、あまり答えられることはないんです」
ミハイルはうつむきながら、ぼそぼそとつぶやく。
「でも、なんとなくわかることはあるよ。
今回の人殺しは、最後の事件から期間が空いているだろう?
もし、これが奴らの仕業なのだとしたら、この期間の開きが意味することは......。
間違いなく予言が変わったんだろうね――勿論セシリア様の」
エミールは言う。
頻発して起きていた事件が一度なりを潜めたその訳は――。
囚われの令嬢セシリアの見る予知内容が変わったのだと。
「セシリア様の見る夢の特徴のひとつは、見る度にビジョンが詳細になっていくことだ。
きっと新しい情報が入って、一度計画を練り直しているはずだ。
そして、もう一つ――セシリア様の見る夢は高確率で現実のものになる。
その内容が、好ましくないものであれば奴らは必ず仕掛けてくる。
僕たちから言えるのはそれだけだね」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カイルとエミールらからの回答はだいたいこの通りです。
カイルたちも全て知っているわけではないので、
詳細なデータをこれ以上求めるのは難しいです。
【エミール・シルヴィアン】について演者の一覧に登録しておきます。
【花の夜想曲】について見識判定が可能です。
目標値は14。成功すれば『出立の曲目』に記されたことがわかります。
【キャピレット家】について見識判定が可能です。
目標値は14。成功すれば『出立の曲目』に記されたことがわかります。
通話のピアスについて宝物鑑定判定が可能です。
目標値は14。セージで成功すれば詳細がわかります。
わからなくとも、カイルが教えてくれています。
クーガとプリアーシェは次の行動を決定してください。
主な選択肢は7つです。
・衛兵に会いに行く
・キャピレット邸に行く
・冒険者の店に行く
・花の夜想曲に会いに行く
・5番街の男に会いにいく
・事件現場に行く(どれか一つ)
・街を適当にうろつく
他に起こしたい行動がございましたら、そちらでも構いません。
クーガとプリアーシェで別れて行動していただいても構いません。
また通話のピアスは3セットずつあります。
その配分についてもご決定ください。
俺達はヴォルディーク邸の一室を借りて会議を始める。
「さて、どうすっか?
エミール達の話が本当であれば俺達が来た事で
殺人犯が動き出す可能性は高いな。
新たな予知夢をもう見てんのかこれから見るかはわからねぇがな。」
少し上機嫌に喋る。カイルに上手い事返してやったのが嬉しくてしょうがねぇ。
アイツの姉ぇちゃんを取り返せたら楽しくなりそうだ。
それはさておき、今は仕事だ。気持ちを入れ替える。
「できるだけ犯人像を絞りてぇ、そんで俺は出来るだけ情報を集める。
盗賊ギルドなら金次第で情報を売ってくれるだろう。
俺にうってつけの場所だし、
衛兵の詰め所か冒険者の店はその後でいいんじゃねぇかな。
あとは・・・別行動すんならこのピアスで会話が可能なんだろ?
好きに動いていんじゃねぇかな。危ない所行く時は連絡くれ。」
ピアスをもてあそびながら、机に置いた2000ガメルとケースを指差す。
「残りは美人ちゃん持っててくれよ。俺が持つよりいい。
あと前金だが俺が800でそっち1200な、それで手持ちがおなじくらいになるだろ?」
どうやって知ったかは企業秘密だ。
「で、花の夜想曲って何処にあるんだ?」
---------------------
PLより
予定通り花の夜想曲に乗り込みます。
場所も情報も持ってないけどw
**********ダイス結果*********
安定の見識全滅、次から本気出す(`・ω・´)
21:42:38 ワイドスノー@クーガ 宝物鑑定:【通話のピアス】『14』 2d+4 Dice:2D6[3,5]+4=12
21:41:43 ワイドスノー@クーガ 見識:【キャピレット家】『14』 2d+4 Dice:2D6[6,1]+4=11
21:41:05 ワイドスノー@クーガ 見識:【花の夜想曲】『14』 2d+4 Dice:2D6[3,1]+4=8
> 「さらにシスコンのお前に言われるとひとしおだな。
> さっきから姉さん姉さんってよ・・・
> 一人立ちのために俺が合法的に奪ってやろうか?」
ああもうそこは触れずにおいたのに、と頭を抱えたい気分になった。
なんでわざわざ挑発に乗るのかしら。男のひとはみんなこうなの?
> 「......んなっ」
カイルさんの激発を心配したけれど、そこはどうにか抑えたようだ。
心の中で胸を撫で下ろす。
ひとまず、次は足を踏んで止めよう、と決めた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
事件について、調査の方法、協力関係を結べそうな相手。
カイルさんから得られた情報は、だいたい想定の通りだ――ひとつ意外といえば意外なのは、10日前を境に事件が途絶えていること。
これは何を意味するのだろう。
ほかの情報が揃ったときにでも考えてみる価値はありそうだ。
動かすとしたらどこだろう。
優先順位としてキャピレット家は外せない。
それに、カイルさん自身にももう少し積極的に動いてもらわねばならない。
少々おせっかいではあるかもしれないけれど、自分の影響力をあまり低く見積もってもらっても困るのだ。
ほかに今知っておく必要があることは――
「もうひとつ、よいでしょうか。
現場に落ちていたというエンブレム、どこの何という店のものかはご存知ですか?」
返答を聞いた私は、エミールさんとミハイルさんの話を聞くために、席を外した。
「お二方にお話を伺ったあとで、また参ります。
今後の方針についてはそのときにでも」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
エミールさんとミハイルさんのお話を聞いて、すこし事情が察せられた気がした。
おそらくこの2人、過去に何らかの形で例の教団――無限の探究者とかかわりがあったのだろう。
だから内情を知っていて、しかも同席を要求したクーガさんもそのことを知っている。
行方不明というセシリアさんの件にもかかわっていた可能性が高い。
カイルさんは姉君を慕っていたようだから、この2人を屋敷に置いておくことについて心穏やかではないかもしれない。
ともかく、2人の話は重要な示唆を含んでいる。
無限の探究者たちの行動の方針についてだ――当面の危険が取り除かれたと判断したか、あるいは次の的を狙っているか。
事実はさておいて、後者と仮定して動いたほうがよさそうだ。
となれば、どうするべきか。
しばらく考えて、私はひとつの結論を出した。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「キャピレット家に協力を依頼すべきです」
カイルさんのもとに戻り、単刀直入に私は切り出した。
「事件の解決を望まれるのであれば、味方が多くて困ることはありません。
それに、キャピレット家の側でも、あなたの――カイルさんの行動を見ておられる筈です」
貴族であればその筈だ。
危機にどのように対処するのかは、その人の能力を示すもっともわかりやすい指標たりうる。
「独力で解決を試みるのか、それとも適切な相手に協力を請い、準備を整えるのか。
私があなたに近い貴族の当主であればそういったことを見る機会と捉えるでしょう。
それは、キャピレット家があなたをどれだけ信頼するかということと同時に、あなたがキャピレット家をどれだけ信頼しているかを示すことにもなります。
あなたが本心のところでキャピレット家に信頼を置いているかどうかを、こういった事件を通じて見通そうとする筈です」
そのような状況にあって、連絡すら取らないことがどれだけの不利益を招くかは想像に難くない。
「少なくとも現状を伝え、現状に対するあなた自身の解釈を伝え、今後の方針を伝えるべきです。
そして、必要があれば協力を求めたい旨も伝えておくべきだと思います。
それが、敢えてあなたに近い立ち位置を取り続ける貴族の一家への、最低限の礼儀と考えるべきでしょう」
「もう1点、キャピレット家とあなたの間に、定期的な情報のやり取りはありますでしょうか。
なければ、せめて今回の事件が解決するまでの間だけでもそういったやり取りを行うほうがよいと思います。
とはいえ、一々人をやったり来させたりでは目立ちますし、手間も時間もかかります。
通話のピアスを一組お返ししますので、それを使われてはいかがでしょうか。
キャピレット家への使者は、ミハイルさんが適当だと考えます――お家の相談役が立場の近い別の貴族の家へ出向くのは特に不自然さもありません」
「直接的な援助でなくとも、たとえば、カイルさんが今しようとしていることをそれとなく周囲に伝えていただく、といった形でもよいと思います――むしろ今後のことを考えれば、その方がよいかもしれません。
あなたがしばらく前から手を打っており、ルキスラから冒険者を招請したということ。
事件は一時止んでいるだけで、いずれ次の事件が起きうるということ。
次の事件を防ぐための手立てをあなたが整えていること。
そういったことを、あなた自身が言うのではなく、周囲に、つまりキャピレット家からそれとなく流してもらう、というのはいかがでしょう。
これだけの事件です。後々何もしなかった、手をこまねいていたと非難されるような要因は、消しておくのが上策です。
そのためには、後になって悪い噂が立ってからそれを否定するよりも、今まさに動いているのだと、そういう印象を残しておくべきかと存じます」
ひとつ息をついて自分の言葉への反応を確かめる。
「また、冒険者を――それも、外から冒険者を雇った理由としては、エンブレムの件を出さずにおいてください。
この街の冒険者が疑わしいからではなく、もっと別の――たとえば、ザルツ地方で暗躍する邪教の教団が相手であるから、といった理由を付けておいていただければと。
あなたがこの街の冒険者を疑っていないということにしていただいた方が、冒険者からの協力を得やすくなる、と私は考えています。
いま、件のエンブレムの店は、自分たちの店に降りかかってきた火の粉を払いたいと考えているでしょう。
逆に、事実として冒険者が関わっていたのであれば、まさに自分たちで始末をつけたいと考えている筈です。
こちらから協力を依頼し、かつ協力を申し出ることで、その店の力を借りることができる、と私は考えます。
わかりやすく言い換えるならば、情報を提供することで、店の名誉を取り戻す機会を与える、ということです」
「そのようなわけですから、私は、冒険者の店へ協力の依頼をしに出向こうと思います。
できれば、私の身元を保証し、店との交渉を任せる旨の一筆をいただけませんでしょうか」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
> 「残りは美人ちゃん持っててくれよ。俺が持つよりいい。
> あと前金だが俺が800でそっち1200な、それで手持ちがおなじくらいになるだろ?」
出発前、前金の分配の段になって、クーガさんがそんなことを言い出した。
「いいえ、私よりもむしろ、情報料としてクーガさんが多めに持って行っていただくべきかと思います」
スカウトのギルドのことはよく知らないけれど、裏社会の話であれば何がしかの手土産は入用な筈だ。
「こちらはそうお金が入用とも思えませんし、そうですね、500も頂ければよいかと」
手持ちと合わせて1000ほどにはなる。
もともとお金でどうこうという交渉をする気はないし、そのくらいで当面は十分だろう。
> 「で、花の夜想曲って何処にあるんだ?」
「ああ、それでしたら――」
一通り説明をし終えてようやく気付いた。
このひと、なんで私の懐の中身を知っていたんだろう?
■PLから
長いですサーセン!
諸々情勢判断とカイルさんに注文など。
- キャピレット家とはすぐ連絡取ってください。味方は多いほうがいいです。必要ならピアスも使ってください。
- 援助を依頼するしないは別として、今何をしようとしてるかは知らせといてください。味方への最低限の礼儀です。
- 興味ないとか突っ張ってないで解決のために動いてることをアピールしといてください。
- アピールは本人がやるより周囲からそれとなくやったほうが効果あると思うんでキャピレット家にそこを依頼してください。
- そのへんを伝える使者はミハイルさんを使ってください。相談役だし、適任のはずです。
- 冒険者の店の顔は潰さずにおいてやってください。
- 顔を潰さず、かつ情報を渡すかわりに解決に協力しろ、という形で冒険者の店に話を持っていきます。信任状ください。
こんなかんじです。わあ図々しい!
◆当面は
冒険者の店にまいります。
■ダイス
Lain@プリアーシェ ありばど見識判定:花の夜想曲 2d6+8 Dice:2D6[4,2]+8=14
Lain@プリアーシェ ありばど見識判定:キャピレット家 2d6+8 Dice:2D6[3,5]+8=16
Lain@プリアーシェ ありばど宝物鑑定:通話のピアス 2d6+8 Dice:2D6[2,3]+8=13
Lain@プリアーシェ 割るほどでもないな教えてもらえるし(''
>「もうひとつ、よいでしょうか。
> 現場に落ちていたというエンブレム、どこの何という店のものかはご存知ですか?」
第四の現場に落ちていたというエンブレム。
これは少なからず今回の事件に関わっている可能性がある。
白にしろ黒にしろ、一度店を訪れてみるべきではあるだろうか。
「七色の調べ亭だ。
3番街で一番大きな店だから、すぐにわかるだろう」
落ちていたものは七色の調べ亭のエンブレムだという。
コンチェルティア最大手の冒険者の店として知られているところである。
* * *
エミールとミハイルとの会話を終えたあと、プリアーシェは再びカイルの下に舞い戻る。
>「キャピレット家に協力を依頼すべきです」
そして告げたのは、キャピレット家への協力依頼だ。
プリアーシェに積み重なる記録が導く、貴族としてのあるべき姿。
貴族というものは、常々見られているものなのだ。
時には羨望の眼差しで、時には品定めの好奇なる瞳で。
――紡がれるプリアーシェの言葉。
キャピレット家との交流法――連絡について。
そして得られるべき協力について――それは直接でも間接的でも。
幾重にも経験し、学習し、改良されてきたプリアーシェの唇からこぼれ落ちてきた物は。
紛うことなき正論という輝きを持っていた。
カイルはそれを正面切って受け止めることはしなかった。できなかったとも言えるか。
「だいたいのことは、言われなくともわかっていたつもりさ。
ただ、俺と協力したことであの家が――ヴィクトリアが巻き込まれていくのは見たくなかった。
力を借りるべきであることは分かっていても、気持ちが許さなかった」
それはごくごくシンプルなフレーズ。
カイルのストレートな心情であろうか。
「それでも、本当に俺が目指すものは何なのか。
姉さんを救い出すことだ――そこは変わらない。
仮にヴィクトリアを危険に晒す可能性があっても、今は賭けるときであると決めた。
それに......」
そう言ってカイルが握り締めたのは首から下がった紐飾り。
その先に括りつけられているのは――騎士神ザイアの聖印である。
「もしヴィクトリアが危ない目に遭いそうならば、俺がま......。
いや、なんでもない」
はっきりしない男である。
ただ、プリアーシェの言葉は全面的に受け止めてくれてはいるらしい。
* * *
また、プリアーシェのもうひとつの提言は、冒険者の店についてであった。
>「そのようなわけですから、私は、冒険者の店へ協力の依頼をしに出向こうと思います。
> できれば、私の身元を保証し、店との交渉を任せる旨の一筆をいただけませんでしょうか」
「そのくらいならすぐに用意できる。
――少しだけ待っていてくれないか?」
プリアーシェが出発する前には、渡せる状態にしておくとのことである。
* * *
出発時。
行きと同様、クーガとプリアーシェと共にミハイルがいた。
「プリアーシェさんが仰ったように、キャピレット邸へとこれから向かいますね」
カイルという男はやると決めたらそれなりに早い男なのだ。
特に精神面で若干不安が有り、未熟な部分も多いのだが。
「これから、調査の方に行かれるんですよね。
――どうかお気を付けて」
そう言ってミハイルは2番街の向こう側へと歩いていく。
プリアーシェが目指すのは、件の冒険者の店。
3番街に店を構える七色の調べ亭である。
一方のヴォルディーク邸を出たクーガが目指すのはある店。
そこに行けば、望みのものと出会えるという。
――今ここから、本当の調査の始まりである。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
とりあえずLainさんへのお答えがメインです。
カイルはプリアーシェの注文を基本的に受け止めてくれました。
非常に素直で可愛いヘタレなのです(・∋・)
【七色の調べ亭】について見識判定が可能です。
目標値は14。成功すれば『出立の曲目』に記されたことがわかります。
プリアーシェは信任状を受け取ってください。
使い方はお好きにどうぞ。
実際の調査シーンは次に新しいカテゴリを作りますので、そちらでとなります。
また一時的にプリアーシェはB3のカテゴリに移動します。
なので、少々お待ちくださいませ。