3-赤の炎の中で
二ェストルはさらりと自らの名前を書き込む。
ロセウスはというと......。
>「あーすまんが、その名前を書くというのは、自分で書かなけりゃいけないのか?」
あまり自分の名前を書く事に気が進まないようだ。
それでもなんやかんやの紆余曲折の果てにロセウスの名前が記されて。
二人もまた光の中に溶け込んでいく。
* * *
次に二人が見た景色は自然味溢れた丘の中腹のものであった。
青い空が頭上に広がっている。
天気が良くてなんだか気分も清々しい。
こういう日は草の上に寝転んで日向ぼっこするのもよさそうな......。
そんな長閑な雰囲気漂う景色だった......。
しかし世界は一瞬のうちに変わっていく。
空は漆黒の色に染められた。
月や星の輝く夜のそれでは決してない。
完全なる光を失くした闇の色だ。
周囲の緑生い茂る丘も。
気がつけばどこもかしこも紅蓮の炎に包まれていた。
足元の草原も焼け焦げて悲惨な状態だ。
ロセウスや二ェストルの体も危うくその炎の猛威に晒されそうになる。
体に触れれば熱いし......そして痛い。
だが体自体は決して火傷はしない。
それは決してロセウスが強固な鱗に守られているからなどの理由ではなく。
単純にこの炎は物質的な炎ではなく。
幻に近い存在であるからだ。
つまりこの感じる痛みは体の痛みではなく――心の痛み。
そんな幾つも重なって燃え上がる炎の中。
二人の瞳は黒い何かが蠢いたのに気づくだろう。
注視すればそれは黒い衣を纏った短いブロンドの髪をした人間の女性の姿だとわかるはずだ。
――彼女は炎の向こう側へと消えていった。
* * *
炎の中に残されたのは二人。
それぞれの手には栞が握られている。
ロセウスのものは桃色で、二ェストルのものは青色だ。
それぞれには謎の言語で文字が記されている。
ただその内容はなんとなく把握できる。
そこにはこうあった......。
『物語の登場人物には各々の役割がある。
桃の栞を手にした者よ。
世界の中で愛の物語を紡げ......』
ロセウスのものにはこう。
『物語の登場人物には各々の役割がある。
青の栞を手にした者よ。
世界の中で涙の物語を紡げ......』
二ェストルのものにはこうだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらは二ェストルとロセウスのカテゴリです。
物理的にも精神的にも頼れる男たちの道です(・∋・)
二人は丘の上にいましたが、いきなり炎に囲まれました。
各PCに共通して【MQ:物語を完結させて外に出る】を課します。
セッション終了までになんらかの明確な終わりを迎えていないと失敗になります。
尤も終わり方はどんなパターンでも問題ございません。
応募時のダイスの出目はSQの決定に使用します。
ロセウスの出目は4だったので、【SQ4:ロマンス・オーサー(RPを5点以上取得する)】となります。
二ェストルの出目は3だったので、【SQ3:トラジェディ・オーサー(TPを5点以上取得する)】となります。
その他などは以下の通りです。
====================================
SQ1:ヒロイック・オーサー(HPを5点以上取得する)
SQ2:コメディ・オーサー(CPを5点以上取得する)
SQ3:トラジェディ・オーサー(TPを5点以上取得する)
SQ4:ロマンス・オーサー(RPを5点以上取得する)
SQ5:サポート・オーサー(SPを5点以上取得する)
SQ6:バランス・オーサー(各ポイントを1点以上取得する)
====================================
ロセウスはSQの証として【桃色の栞】を手にします。
【分類:道具】に【桃色の栞】を登録しておきます。
二ェストルはSQの証として【青色の栞】を手にします。
【分類:道具】に【青色の栞】を登録しておきます。
二人は炎の中に女性の姿らしきものを見ます。
その姿は炎の中へ消えていったようですね。
こちらも最初のシーンはお好きにどうぞ!
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『3-赤の炎の中で』にチェックを入れて投稿してください。
>「さて、どうなんだろう? 説明を聞く限りは自筆でないといけないようだけれど」
ネスの言葉に小さく喉の奥で唸る。
おそらく俺は小さい唸り声だと思っていても、存外外へと響くものである。何故ならこの体はリルドラケンであるからだ。
まあ、パーティの仲間達はもうそろそろ俺の唸り声にも慣れているだろう。
手羽先亭を定宿としているならば、ナゴーヤの親父もいることだしな。
>「きっと、本の世界に入る鍵が、『書きしるされた自分の名前』なんだと思います。この種類の魔法は...たぶんなんですけど、自分で自分の名を書いたほうが、うまく物語のなかに自分の存在を定着させられると思います」
エクセターに青髭という物語について説明しているのをふんふんと一緒になって聞いていたらそのフィンからも自分で書いた方がいいと言われてしまった。
致し方あるまい。
エリックからペンを受け取り、流麗な筆致の仲間達の隙間に、武骨な文字で己の名を書く。
『ロセウス』
三度の脱皮を経て、深く定着した鮮やかな薄紅色のおのれの鱗と同じ名を。
リルドラケンの鱗は寒色が多い。
青や緑がほとんどで、俺のような鮮やかな色は珍しいのだ。
「それじゃあ、またむこうでな」
仲間たちにそう言って、俺はペンをエリックに返した。
+++++
光が巻き起こり、俺達は本の中へと連れて行かれる。おそらくそういうことなのであろう。
俺がいる場所はどうやら昼寝にもってこいの丘の中腹。
「おいエクセター、ちょっと寝ていくか?」
そう声をかけて周りを見渡せば、いるのは俺とネスだけだ。
「......フィンとカレンとエクセターはどこだ?」
きょろきょろと辺りを見回すが、それらしい姿はどこにも見当たらない。おそらく、ネスの眼にも見当たらなかろう。
さてどうしたもんか。
エクセターは良い。
あれはあれで元軍人だとかで、己を身を守るすべはあるだろう。
問題はカレンとフィンだ。
神官であるカレンは己を身を守るすべはほとんどない。優しすぎるが程に優しいが故に、フィンの話を聞くに問題のありそうなこの物語の中にひとりであれば心配である。
魔法使いであるフィンも同様だ。いや、フィンはタビットであるから、危険にはいち早く気がつき何とか身を隠すことはできるだろう。
しかし心配であることに変わりはない。
「ネス、早いところあいつらを探すぞ」
約束したのだ。
お前達は、この俺が護ると。
そう言ってもう一度辺りを見渡した時には、世界が変わっていた。
漆黒の空には月や星などの導きは無く、昼寝にもってこいであった生い茂る緑は俺の鱗よりも赤い炎に舐められている。
その炎に驚いている間に俺の尻尾が舐められた。
「うお?!」
痛みがあるから尻尾を跳ね上げるが......通常の炎ではこうはならない。
以前焚火の中に尻尾を間違えて突っ込んでしまったことがあるが、あの時とは明らかに違う。
これはつまり。
「この炎、シャドウであるネスの方が向いてそうだな」
タンクである俺は、盾と鎧と鱗でこの身を護っている。
それは物理ダメージにはとても強い。が、その一方で魔法には弱い。
シャドウという種族はどうやらその魔法に強い、らしい。
剣の加護がそうなのだ。よくわからんが。
「まあ、とりあえず移動しよう。俺は火に巻かれて死にたくはないしな」
確実な怪我にはなっていないとはいえ、それでも痛くないわけではない。
それに、ここにずっといたって他の仲間達と合流できる可能性はないというか限りなく低かろう。
それならば行動を開始して、皆が危険に陥る前に探し出せばいい。
「おいあんた! こんな炎の中で何してる! 危ないぞ!」
仲間を探してきょろきょろと周りを見渡していたからか、炎の中にいる黒衣の影に気がついた。
ドワーフよりは背が高い。であるならば、炎の中にいるのは危ないだろう。
放っておいてよいものではあるまい。
すぐに見失ってしまったが、大体の方角は分かっている。
「ネス、追おう」
確かにちっこい仲間達のことは心配だが、それとこれとは別の話だ。
......どのみち、ここがどこかも聞かねばならんしな。
「ああそれとこれ、念の為そっちに渡しておこう」
何か四角い紙のようなものが手の中にあった。
俺の鱗よりも淡い色合いのそれには何か文字が書いてあるが、それが何かの鍵になるのであれば、渡しておいた方がいいだろう。
ばらけさせておくよりも、纏めておいた方がこういう鍵の類はよいことが多いと聞くしな。
―――――
PL;
また長くなった。
多分2000文字コースです。あまとうさんは遠い。
とりあえずロセウスのやったことをまとめると
・自分で名前書くよ
・黒い服の人を追いかけようと提案するよ
・栞はネスに渡す(内容は読まない)よ→受け取り拒否してくれたら自分の荷物袋にぶっこむよ
です。
まあ追いかけるよね。
本の世界に誘う光は徐々に薄れ、目の前には長閑な丘陵地帯が広がっている。
>「......フィンとカレンとエクセターはどこだ?」
「......?」
ロセウスの声に辺りを見回すが、この世界に入るその瞬間まで隣にいたはずの姿がない。
>「ネス、早いところあいつらを探すぞ」
「そうだね できるだけ急ごう」
足を踏み出した瞬間 私たちが降り立った世界が一変する。
空が光を失い黒色に染められていく。
穏やかだった風景は炎にまかれ焦土へと変わっていく。
腕に触れれば確かな熱さと痛み。
特に優れた占者は幻視を使いこなすというけれど、これ程の範囲に効果を
及ぼすものは聞いたことがない。
>「この炎、シャドウであるネスの方が向いてそうだな」
>「まあ、とりあえず移動しよう。俺は火に巻かれて死にたくはないしな」
「始まってすぐにエンディングだなんて誰も読んではくれなさそうだ」
できるだけ炎をの薄いところを抜けようと目を凝らすと
炎の奥で黒い、背丈からみるに人間の女性・・の影が揺らめいた。
>「おいあんた! こんな炎の中で何してる! 危ないぞ!」
ロセウスの叫びに反応する事無く、女性は火影の先へと消えてゆく。
>「ネス、追おう」
「色々と聞かなきゃならないこともあるし 急ごうか」
ロセウスから受け取った分と、私の物では紙の色が違うようだけれど、
確認するのはもう少し、落ち着いてからにしようか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
呪歌をサモン・スモールアニマルへ変更。
キャラクターシートはフェアテ5、ミスティック3、セージ2、バード1
で確定したいと思います。
いきなりピンチっぽいので、書かれている内容までは見ませんが
栞を二人分 あずかりました。
さーて、大事なロセウスのロマンス要員!! 女性を追いかけますぞー。
>「まあ、とりあえず移動しよう。俺は火に巻かれて死にたくはないしな」
突如二人の周りを囲い込んだ激しくも不可思議な炎。
そんな中からはとっとと逃げ出そうというロセウスの考えは当然のことだ。
>「始まってすぐにエンディングだなんて誰も読んではくれなさそうだ」
二ェストルも同意し、いざ炎の中から抜け出そうとする二人の前方。
黒い服を着た金髪の女性の姿があった。
>「おいあんた! こんな炎の中で何してる! 危ないぞ!」
ロセウスが声を張り上げるも彼女は振り返ることはない。
ただ炎の奥へと進んでいき、そしてその姿が消えただけだ。
何者かもわからない状況。
二人が導き出した決断は......。
>「ネス、追おう」
>「色々と聞かなきゃならないこともあるし 急ごうか」
炎の向こう側へと消えていった人影を追いかけるというものだった。
ロセウスが手に持っていた桃色の紙を二ェストルに託した後。
二人はなるべくその身を焼かれないように気をつけながら紅蓮の丘を抜けていった。
* * *
女性のシルエットが消えていった方角に向けて歩みを進めていく二人。
相変わらず激しい炎の中、一角だけ被害の少ない場所があった。
まるである一点だけを避けるように形作られた炎の円の中心。
そこにあったのはさほど大きくはない建物だった。
白い壁と赤い色の屋根。
全体的には円柱状の作りの建物だ。
木製の扉が有り、扉の上部の部分には何かの模様が掘られている。
ラクシアに生きていれば一度くらいは見たことがあるだろうか。
三つの輪が重ね合わさっている姿...円始祖神ライフォスの聖印である。
故にこの建物は小ぶりな神殿なのだろう。
地下は見えないため下には広がっている可能性もないわけではないが。
先ほど姿を消した彼女はこの中にいるのだろうか。
まあ入ってみれば分かることだろう。
扉の鍵は少なくとも外側からは掛けられていない。
ロセウスが力を振り絞らなくとも簡単に扉を開けられるはずだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
二ェストルとロセウスのルート進行です。
女性が消えた方へ歩いていけば建物がありました。
ライフォスの聖印については見識判定で目標値7でわかるとしましょうか。
扉に鍵は掛かっていないので入ろうと思えば簡単に入れます。
二ェストルとロセウスは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ライフォスの神殿に入る
・ライフォスの神殿に入らない。
ここでの選択でメインNPCが定まります。
他にも何かございましたらご自由に(*´∀`*)
炎の中 走り去った黒衣の女性を追いかけ、
ほとんど被害のない場所に場所にたどり着く。
まるで炎が避けていったかのように形作られた円の中心に
それほど大きくない建物が建っていた。
「...ここだけ綺麗に燃え残る、なんて事はないだろうねぇ」
円の中をぐるりと見渡すと建物の扉に、始祖神ライフォスの聖印が
彫りこまれている。
「これは...ライフォスの聖印?」
>故にこの建物は小ぶりな神殿なのだろう。
>地下は見えないため下には広がっている可能性もないわけではないが。
「あまり考え込んで見失ってはしようがない」
今はただ、進むしかない。
私たちはここが物語の何処なのかも知らないのだから。
―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
行動は
・ライフォスの神殿に入る です!
本当は建物に入る前に構造判定をしておいた方がいいような気がしますが、
10分の間に女性を見失っては困るので、ざっと建物周りをみるRPだけで
判定は行いません。
【判定ダイス】
00:12:59 飛龍頭@ネス 2d6+4 ライフォス聖印について Dice:2D6[3,6]+4=13
よかったちゃんと覚えてた。
炎の中を、尻尾が燃えないようにと持ち上げた状態でのし、のしと歩く。
よく知りうる場所でならば駆け抜けることもできようが、ここは知らぬ場所であり、下手に炎を突っ切って俺達が怪我をしたのでは本末転倒である。
護れるものも護れなくなるような事態は、避けねばならぬ。
どれほど歩いただろうか。
空はやはり真っ黒で、周りは炎が舐めている。
時間の感覚など無いに等しい。
「どうやら、一息つけそうだ」
一目見て神殿と分かるその建物を、どうやら炎は避けているようだった。
実際はそうでなくとも、そう見える。
ありがたい限りだ。
>「...ここだけ綺麗に燃え残る、なんて事はないだろうねぇ」
「さてな。
通常であればなにがしかの仕掛けを疑う所だが、ここは童話の中なんだ。
ありえない、とは一概に言い切れないんじゃないのか?」
そもそも童話の中に入り込める、という状況が普通ではないのだ。
俺達の常識の斜め上を行くだろうことも考慮に入れておくべきだろう。
もっとも、希望的観測だけで見誤りたくはないがな。
>「これは...ライフォスの聖印?」
さてこの紋章はいずこの神の神殿で見たのだったかと首をひねるよりも先に、ネスが教えてくれる。そうか、ライフォスか。
どこかで見たことはあるんだぞ。
ただほら、ルキスラの街には多くの神の神殿があるだろ?
ルキスラの街の神殿のどこかで見たのは確かなんだが、それがどこだったのかまでは覚えていない。それだけだ。
>「あまり考え込んで見失ってはしようがない」
まったくだ。
大体、考えるのは俺達の仕事ではない。
カレンとか、フィンとかの仕事だろう。
「念の為、ネスは俺の後ろにいてくれ。
何かが潜んでいないとも限らんからな」
のし、のしと一歩ずつ木製のドアへと近づく。
この炎の中、よく燃えないもんだと思うが、こいつが燃えていないってことは、やはり現実の炎ではないのかもしれない。
「おうい、だれかいるか?」
ごんごん、と拳でその扉をノックする。
もしも誰かがいるのであれば反応があるだろうし、しばらく待っても何も反応がなければお邪魔しようと思う。
―――――
PL;
GMに軽く質問です。
ここは終着点でしょうか?
それとも、ここからさらに先へと歩いて行けそうですか?
先っていうか、他の場所?
また、途中で他の場所へと行けそうな道筋はあったでしょうか?
ここに追いかけてきた女性がいなかった場合、他の場所へ行ったと考えるのが妥当なのか、それともどうやら彼女は幻だったのでは? 的な思考をするための質問です。
中にいたらこれは無意味になるけども!
というわけで行動です。
・神殿のドアをノックする
だ!
不法侵入なんてしないよ!
>「...ここだけ綺麗に燃え残る、なんて事はないだろうねぇ」
二ェストルがそう言いながら周囲を見渡せばちょっとした規則性に気がついたかもしれない。
ちょうど中心の建物から均等な距離が炎の被害を受けていないのだ。
まるで結界か何かに守られているかのように。
その中心たるライフォスの聖印が掘られた建物にロセウスがのしのしと進んでいく。
>「おうい、だれかいるか?」
ノックをしても応えは帰ってこない。
もしかして女性が向かったのはここではないのだろうか。
炎の合間を縫っていけば必然的にこの場所をたどり着くようになっていたのだが。
もしかして彼女は本当に炎の中を突っ切って行ってしまったのだろうか。
――とにかく中を確かめてみればわかることだ。
しばらく待ってからロセウスは神殿の扉を開いた。
* * *
神殿の中はまったく熱くなかった。
むしろ寒いくらいだ。
それは死を想像するような寒さ。
とは言っても不浄な穢れた不死者どもの雰囲気とは違う。
もっと洗練されてだからこそ何も寄せ付けないような透明感。
そんなオーラに建物中は包まれていた。
円状の壁には絵が描かれている。
これは昔の時代の街並みだろうか。
少なとも今のルキスラの街並みとは大きく異なるだろう。
そして建物の中心には一体の像がある。
女性の像だ――ライフォスのものではないだろう。
むしろ身長的には先程炎に消えた女性に近いような。
......そんな感覚を覚えたとき急に動き出した。
動いたのは他でもない、像の顔だ。
その瞳はロセウスと二ェストルの姿を捉えるかのように。
その耳はロセウスと二ェストルの音を漏らさぬように。
その口は......。
「――久しいな。
生きた者がこの世界を訪れるのは」
ロセウスと二ェストルに言葉を届けるために。
「ここは彷徨える魂が辿り着く世界だ。
紅蓮の地獄を抜けて光に満ちた神の愛に触れることで本来たどり着くべき場所を思い出すのだ。
とはいえ、お前たちは魂ではない生身のままだ。
死んでいるわけではないから、安心するといい。
お前たちが何故ここに居るのかはわからないが」
彼女......というべきかはわからないが像が語るにはここは魂を救済するための場所だという。
ロセウスと二ェストルは死んでしまったわけではないようだが。
では、何故二人はここにいるのか......。
その答えは――。
「いや、私が呼んだのか......お前たちを。
私を――そして彼を救うために」
どうやら彼女が呼び寄せたかららしい。
「お前たちに一つ頼みがある。
だが、それを話すには今のままでは手間がかかるな。
――まずは私の像を動かして欲しい。
像の下には聖堂の地下へと至る道があるはずだ」
確かによくよく見れば像の真下の部分には違和感を覚える。
下へと至ることのできる階段があるような......。
「私は最も深い場所で待っている。
お前たちがそこまで至るその瞬間を......。
私と青髭の彼の物語の終わりを紡ぎ始めることを......」
そこまで言い終えた後は像は一切動かなくなる。
もう何かを話すことはないだろう。
例え問いかけても答えは来ない――そんな気さえする。
* * *
もし言葉の通り像を動かしてみれば隠し扉が見つかる。
それを開けば、下へと続く階段が見えることだろう。
ロセウスと二ェストルはこの先へ進むことができる。
同じく進まないことだってできるだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ロセウスと二ェストルのルート進行です。
二人のメインNPCはまだ確定していません。
一応ほぼ金髪の女性で確定かとも思いますが。
女性の像はロセウスでも二ェストルでも動かそうと思えば出来るでしょう。
判定は要りませんが、お好きにどうぞ。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・隠し扉の先に向かう
・隠し扉の先には行かない
他にも何かございましたらご自由に(*´∀`*)
> 「おうい、だれかいるか?」
前に立ったロセウスが木戸を叩いても中から返事は返ってこなかった。
「...返事がないねぇ。
中を見て誰もいなかったら別の場所を探そうか」
仕方なく地下へ降り進むと表の火災が嘘のように、ひんやりとして静かだった。
壁には知っている帝都よりもずっと、古い時代の街並みの絵がかけられている。
「外の炎を寄付けない事といい、本当にここは何か
特別な場所なんだろうねぇ」
>そして建物の中心には一体の像がある。
>女性の像だ――ライフォスのものではないだろう。
>むしろ身長的には先程炎に消えた女性に近いような。
「さっきの女性に似ていない事もない、のかな?」
確認のため一歩距離をつめたとき、石像がこちらへ顔を向けた。
動き出した彼女の話では、外のあの様は罪過を清める浄罪の炎で、
ここは本来、魂のみとなった者がたどり着く場所らしい。
>「いや、私が呼んだのか......お前たちを。
> 私を――そして彼を救うために」
「私たち...という事は他に誰もこの地へ来ていないということでいいのかな?
しかし 頼まれごとは得意だけれど、できればもう少し・・穏便な方が良かったかな?」
ある地域では煉獄と呼ばれるこの場所へ、肉体を持ったままの人間を
引き込む程の願い。
>「私は最も深い場所で待っている。
> お前たちがそこまで至るその瞬間を......。
> 私と青髭の彼の物語の終わりを紡ぎ始めることを......」
言い終えた後、入ってきた時と同じように乙女の像は沈黙する。
「...うーん まとめると
エリックの依頼を横入りしても解決してほしい事がある って事かな?」
像の真下に感じる違和感は、彼女の言うとおり隠し扉があるのだろう。
「さて... カレン達の安否が分からないからねぇ。私としてはもう少し
こちらの世界を探してからにしたいんだけど......」
―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
石像の乙女の願いを聞いてあげたいのですが、今の状況で
はぐれた仲間がこちら側にいない。とネスからは判断できません。
ですので次の行動は
【はぐれた仲間の手がかりを探す】
となるのが自然かなぁ。
表は焼け野原でどう探したって自分達以外 人なんていないYO!!
というのならこのまま地下階段をおります。
神殿のドアを数度ノックし声をかけたが、応答はない。
いや、あの女はここへと来るしかなかったはずだ。
しかし返事がない。
>「...返事がないねぇ。
> 中を見て誰もいなかったら別の場所を探そうか」
「他に探す場所がありゃいいがなぁ」
まあとにかく、とりあえずは中を見てみることにしよう。
何かあっては困るから、俺が先に立って神殿のドアを開ける。
神殿の内部は、外の熱気が嘘のように涼しかった。
寒いほどに。
建物の内側はまぁるく円を描いており、壁には絵が描かれている。
見たことのない街並みだと思う。多分、おそらく。
>「外の炎を寄付けない事といい、本当にここは何か
> 特別な場所なんだろうねぇ」
「こんな本の中にまで、ライフォスの威光は届いている、ということか」
カレンやフィンなら喜ぶだろうが、如何せん、俺にはさっぱりわからんことでしかない。
難しいことを考えて答えを導き出すよりも、体を動かして蛮族あたりと戦っている方が気楽かもしれぬ。
>「――久しいな。
> 生きた者がこの世界を訪れるのは」
軽口を叩きながら一息ついていると、建物の中にあった像が急にしゃべりだした。
驚いて見守っていると、何やら難しいことをしゃべりだした。
うむ、さっぱりわからん。
「すまんが、もう少しわかりやすくしゃべってくれんか」
>「私たち...という事は他に誰もこの地へ来ていないということでいいのかな?
> しかし 頼まれごとは得意だけれど、できればもう少し・・穏便な方が良かったかな?」
うむ、どうやらネスは分かっているようだ。あとはもう全部任せよう。
>「お前たちに一つ頼みがある。
> だが、それを話すには今のままでは手間がかかるな。
> ――まずは私の像を動かして欲しい。
> 像の下には聖堂の地下へと至る道があるはずだ」
俺の懇願が届いたのか、どうにか俺にもわかることを言って沈黙した。
俺はと言えば、真っ直ぐにネスの顔を見つめて、分かりやすく噛み砕いてくれるのを待つ。
......俺とエクセターのふたりで来なくて本当によかった......。
二人そろって何を言っているのかわからぬところだった。
>「...うーん まとめると
> エリックの依頼を横入りしても解決してほしい事がある って事かな?」
>「さて... カレン達の安否が分からないからねぇ。私としてはもう少し
> こちらの世界を探してからにしたいんだけど......」
「いや。
カレンたちはこっちには来ていないんじゃないか?
変にいろんな場所を探して時間をロスする方が危険かもしれん」
フィンの話を聞くに、青髭というのは可愛らしい話ではないようだった。
特に、カレンの身が危うかろう。
あれは戦うすべを持たぬ神官であるのと同時に、適齢期の人間に見えるのだから。
俺は斧と盾を地面に置き、石像へと手をかける。
こいつを動かして地下へと赴き、さっさと頼みとやらを聞いてしまった方がいいだろう。
少なくともここが物語の中でないのであれば、物語に戻り仲間達と合流する努力をするべきだろう。
物語の中であるのであれば、俺は俺達に課された使命を果たすべきだ。
「確かにあれらはか弱いが、それでも立派な冒険者だ。
俺達が駆け付けるまで、持ちこたえてくれるだろうさ」
それに案外、俺達がこっちで右往左往してる間に、解決しちまうかもしれん。
―――――
PL;
地下に行きます!
......さあて、報酬の二重取りするぞ!
冒険者に依頼するなら出すもん出してもらおうじゃないか!
なおロセウスのかよわいは筋力基準d
カレンあんまりか弱くないな?