3-竜の棲むせかい
――この世界をどう思うか。
ラドンの言葉に対してティキが返したのは......。
>『ただ、私の直感だけでいいなら......楽園のようであり、檻のようでもある。自由を象徴するようでいてその実閉じた空間、そう感じた。観光でならまた来たいが、一生住むのは御免だ』
この世界は楽園であるようで閉じた世界でもある。
それがティキの感じたものであったようだ。
『そうか......お前もそう感じたか。
かつて儂は巫女に聞いたことがある。
この世界は自由になれる世界ではなく自由を知るための世界なのだと......。
もしお前がこの世界をそう感じたというのであれば。
そう......お前は本当の自由というものを掴みかけているのかもしれんな』
ラドンは竜の瞳でティキをじっくりと眺める。
その表情には幾年もの経験を積んできた男の面影があった。
* * *
>『直しておいた。魔香草を焚きに外に出たとき、勝手に借りてた』
そんな話をしていた一方でティキは壊れかけていた椅子を直していたようだ。
彼女曰く見た目の美しさより丈夫さを優先したとのことであるが......。
『それは有難いことだな。
儂は不器用で体も大きいからその方が使っていて役に立つだろう』
――というように、ラドンには喜んでもらえたようだ。
* * *
ラドンの元を離れ、ティキとニコデムスは大穴の中へと挑んでいく。
穴の上部はどうやら弱い竜たちの住処となっているらしい。
ごつごつとした岩壁のところどころに比較的竜にしては小さめの巣穴がある。
潜って少し行ったところの穴から顔を覗かせているのはドラゴンインファント――竜の赤子である。
それは少し前までのニコデムスの姿だ。
少し懐かしさを覚えるかもしれない。
ドラゴンインファントはじっとティキたちの様子を伺っていたが......。
再び穴の奥底へと引っ込んでいった。
他にも空をより早くより上手に飛べるよう訓練しているものがいたり。
ひたすらブレスを吐く練習をしている赤子もいる。
そんな中気がつけば二つの首を持った蝙蝠のような翼を持つ異質な蛇が傍まで迫っていた。
竜の盟約がある以上ティキたちを殺そうと襲いかかってくることはない。
だが本来他の者に対して敵対的であるこの蛇は、悪辣な性格をしているようであった。
ティキたちから少し外れたあたりを狙って毒煙のブレスを吐いた。
これは攻撃ではなく、単なるちょっかいであろう。
それでもティキとニコデムスにとって毒は毒だ。
おそらくこの空舞う毒蛇は上層の比較的か弱い竜たちを虐めているのではなかろうか。
もっともその妨害は執拗なものではなく、一度だけで追いかけてくることは決してない。
――穴は更に深くまで続いている。
見えてくるのはそう......ラドンの言っていた吹き出す炎のある場所だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ラドンからちょこっとお返しして......。
大穴に潜り始めたのでカテゴリを移動させました。
これからはこちらに投稿くださいね!
穴の上の方はこんなようになっていたようですね。
ドラゴンインファントの姿を見っけたのでこの時点でティキはSQ達成となります。
また、【アンセスターアンフィスバエナ】について魔物知識判定をどうぞ。目標値は16/23です。
アンセスター(以下略は毒煙のブレスをティキとニコデムスたちの側に吐いてきます。
生命抵抗判定をどうぞ。目標値は22です。
成功すれば9点、失敗すれば17点の毒属性魔法ダメージをティキとニコデムスそれぞれ受けます。
アンセスターはそれ以上ちょっかいはかけてこず悪そうな顔をしています。
ティキたちが仕掛けるなら戦闘になりますが。
何もしなければ何も起こりません。
大穴の上層でやりたいことがあればどうぞ。
特に大きな動きがなければ中層へとステージを移します。
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ちらほらと見える幼龍に気を取られ、毒蛇の接近を許したのは私のミスだ。
減速も回避もできず、目の前に吐かれた毒の霧の中へ突っ込んだ。すぐさま脱出するが、少し肺に入ったようだ。露出していた皮膚も鋭い痛みを帯びる。
霧を抜けて姿を確認する。あれは......翼のあるアンフィスバエナか?こちらを見て笑っているように見える、性格の悪い奴め。
『ティキ』
『ああ』
真上に何もいないのを確認する。私もニコデムスも、考えは同じのようだ。
ガーネットに触れ、魔晶石を取り出す。その横で黒々としたような、紫の稲光が幾重にも走る。ばちばちと唸る音に交じって、私も詠唱を開始した。さらに、岸壁から覗く赤子たちに向かって叫ぶ。
『チビ達......「手本」だ、よく見ておけ!』
《炎気、閃風、集い爆ぜよ―「ファイアストーム」!!!》
マナを集中させ、空へ向けて火炎の竜巻を放つ。同時に、ニコデムスが雷のブレスを吐き、頭上の空間を炎と電撃が焼き焦がした。猛烈な熱気と雷鳴が周囲に満ちる。
『どうせ脅すならこのくらいやって見せろ―竜の赤子ら、毒蛇なんぞに負けるなよ!』
さらにもう一度声をかけ、私たちはさらに下層へと飛び去った。
***
『ティキ、毒大丈夫?』
『シャドウだからね。お前よりマシさ』
上層から少し降りて、ニコデムスが声をかけてくる。心配しないように言ったが、私にとってもニコデムスにとってもそれなりに痛い一撃であったのは事実だ。
《フィルギャ、力を借りる。―「リッチヒール」》
再び魔晶石を取り出し、今度はフィルギャの力を借りる。
私とニコデムスの全身に暖かな光の魔法の効果が行きわたると、肌と呼吸器の刺すような痛みは消えた。ニコデムスも万全の状態に戻ったようだ。
そのまま飛んでいくと、やがて件の炎の吹き出す場所が見えてくる。気を引き締めるようニコデムスに伝え、穴の奥へと進んでいった。
PL
ティキ、ニコでお返しの威嚇。一応威力出してみてますが誰にも当てないように撃ちます。インファントたちに発破かけてさらに下の階層へ向かいます。
ファイアストーム、リッチヒール行使。
MP42/45
毒の息でティキに14点、ニコの各部位に17点ダメージ。
移動しながらリッチヒールで全部位フル回復。ファイアストームとリッチヒールの両方に魔晶石使います。
00:34:47 キャスパー@ティキ 魔物知識判定 2d+14 Dice:2D6[3,3]+14=20
00:35:09 キャスパー@ティキ 生命抵抗 2d+13 Dice:2D6[1,3]+13=17
00:36:15 キャスパー@ティキ ティキ 2d+13 Dice:2D6[2,3]+13=18
00:41:29 キャスパー@ティキ ファイアストーム 行使 2d+13 Dice:2D6[3,3]+13=19
00:42:17 キャスパー@ティキ 威力 r40@10+13 Dice:R40@10[2,6:10]+13=23
00:42:40 キャスパー@ティキ ブレス 威力 r20@10+14 Dice:R20@10[5,2:5]+14=19
00:46:26 キャスパー@ティキ プライマリィヒーリング 行使 2d+13 Dice:2D6[1,5]+13=19
※また間違えました、「リッチヒール」を行使です!レベル届いてた
アンフィスバエナが吐き出した毒の煙でティキとニコデムスの体が痛む。
しかし一人と一匹――いや二つの竜は決して負けず臆することがなかった。
嘲った表情をしていそうな毒蛇にちらりと目をやった後......。
>『ティキ』
>『ああ』
それぞれに周囲に何もいないことを確認して......動き出す。
>『チビ達......「手本」だ、よく見ておけ!』
>《炎気、閃風、集い爆ぜよ―「ファイアストーム」!!!》
ティキがまるで炎のブレスのように呼び起こしたのは焔の嵐。
その傍でニコデムスが雷のブレスを吐き出した。
広がる熱気と轟音。
毒蛇はそれを見て一瞬目を見開いて不機嫌そうに更に大穴の上へ――外へと飛んでいった。
>『どうせ脅すならこのくらいやって見せろ―竜の赤子ら、毒蛇なんぞに負けるなよ!』
ティキがそう言い残し、更に奥へと向かう後ろでは。
ドラゴンインファントたちが高らかに声を上げていた。
――それは未来へ謳う勇気の咆哮。
* * *
毒のブレスによって痛むところを妖精の光の力で癒してから、更にティキたちは下へと潜る。
大穴の上から覗いて見えた光。
ラドンが話していた現象が今目の前にある。
壁の横穴から炎が周期的に吹き出している。
その勢いは先程見たときより多少増しているようにも思える。
まるでティキたちを待ち構えていたかのようだ。
――そんなわけはあるはずもないが。
炎は一体何故吹き出しているのだろうか。
下層へ潜るだけの実力があるか確かめようとしているのか。
とにかく更に下へと潜っていくためには炎の合間を縫っていかなければならない。
だが壁に空いた穴からいつ出てくるかわからないし、どう出てくるかもわからないだろう。
大切なのは――運と飛行性能だ。
もし失敗したらその竜の翼に火傷を負うこととなるはずだ。
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あんみつ@GMより
場所を中層に移しました。
といっても炎が吹き出してくるトラップがあるだけです。
炎回避用の判定をどうぞ。
2D6を5回振ってください。
その合計値が高ければ高いほど炎を回避できたとします。
(30-合計値)/5(小数点以下切捨て)が炎と当たってしまった回数になります。
例えば合計値が28なら一回当たったことになりますね。
0以下になれば一回も当たらなかったことになります。
当たった回数だけ目標値20の生命抵抗判定をどうぞ。
成功すれば8点、失敗すれば15点の炎属性魔法ダメージをそれぞれに受けます。
ほかに何かやりたいことがございましたら、どうぞ(*´∀`*)
傷を癒やして奥へ行くと、ニコデムスの機嫌が随分いいように見えた。
『嬉しかったみたいだな。後輩に格好いい姿を見せられて』
『ティキもでしょ』
『ああ。凄く』
言葉を交わすうち、目の前には炎の吹き出す道。溜まったガスか何かが噴き出してこうなっているのだろうか。もしそうなら、体に毒でないことを祈る。
『いけそう?』
『ああ、もう慣れた。行くぞ』
岩肌を蹴ってぐんっと加速し、ほぼ落ちるような勢いで降下する。
途端に、目の端でちかっと光を感じた。即座に体をひねり、翼を翻し、吹き出す炎を回避する。熱風が体の横を吹き抜けるが、私はそれよりも速い。ニコデムスも私のすぐ後についてきているのを感じた。......よし。
私はスピードを緩めなかった。次から次へ迫る炎を、羽ばたきと捻りで掻い潜る。そしてついに吹き出す炎がなりを潜めたとき、空中にとどまって上を見上げ、ついで自分の真っ赤な翼を見る。
『―ははっ!いいものだね、自分の翼で飛ぶのも!』
出てきたのは笑いだった。ニコデムスも、その体躯のどこにも火傷は無い。流石は私の相棒だ。
さあ進もうと再びニコを促し、最奥を目指してまた飛行を開始した。
PL
全回避!どんどん奥へもぐりますよー
00:20:49 キャスパー@ティキ 回避ダイス 2d Dice:2D6[6,4]=10
00:20:55 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[2,2]=4
00:20:59 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[6,2]=8
00:21:06 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[5,5]=10
00:21:11 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[2,5]=7
一度触れればその身を確実に焼き焦がすであろう炎。
それはティキとニコデムスにとっては存在しないも同然であった。
予め炎の吹き出す間隔から予想し、大まかな障害はクリアする。
イレギュラーな噴出だって軽やかに翼を舞わせ、回避できた。
ニコデムスは元より、ティキもまた――竜の翼を自在に操れるようになっていったようだ。
右から左から。
下から上から。
時には渦を巻くように燃え上がる炎を越え。
ティキとニコデムスは更なる奥地へ乗り込んでいく。
* * *
そこは――大口の下層。
まさに力持てる者たちの巣窟だ。
ニコデムスと同等の時を生きてきた竜の子供。
ニコデムスより少し長い時を生きた若き竜。
あれは黄金に輝く鱗を持つ翼の生えた大蛇――コアトルだろうか。
様々な力強き竜たちが巣穴から顔を覗かせ。
また幾つかは穴の中で眠りについているようだ。
そしてその中でも一際大きなが一つ。
大穴の下層の中でも更に最深部にぽっかりと口を開いていた。
飾り気のない洞窟でしかないのだが――その奥からは強い威圧感を感じる。
あそこがこの大穴の君臨者――境界を司る竜が住む場所だろうか。
ティキとニコデムスが降りようとしたタイミングを見計らうかのようにして。
姿を現したのはまたしても一体のドラゴン。
だが、このドラゴンの纏う気配は竜のそれではない。
より暴力的で魔を帯びたものであった。
それもそのはず――ティキとニコデムスの前に立ちふさがったのは種としての竜ではない。
ドラゴンの姿をした魔神――ラグナカングである。
その牙や尻尾に毒を持つラグナカングは幻獣ではない。
つまり――ルールの外側の住人である。
盟約に縛られぬラグナカングは――今ティキとニコデムスに牙を剥く。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ティキルート進行です!
回避すごい!ノーダメージや!
というわけで下層まで場所を移しました。
今回は色々魔物の姿もございますな。
【レッサードラゴン】について魔物知識判定をどうぞ。目標値は12/20です。
【コアトル】について魔物知識判定をどうぞ。目標値は13/19です。
ドラゴネットも含めたこれらの魔物についてはティキたちに襲い掛かってくることはありません。
ティキとニコデムスは魔物からの襲撃を受けます。
【ラグナカング】についての魔物知識判定をどうぞ。目標値は16/19です。
ラグナカングには剣のかけらが9個入っており、頭部に3つ、あとは2つずつ分配されています。
これにて戦闘の開始となります。
ティキは先制判定を振っても構いません。
6ゾロでも自動成功にはならないので確実に後攻になりますが、1ゾロは出るかも(・∋・)
現在の距離は
ラグナカング 10m PC前衛 3m PC後衛
となっております。
ティキとニコデムスは好きな位置からスタートしていただいて大丈夫です。
戦闘処理用ダイスを5~10個ほどお振りください。
また戦闘スタイルの決定も行ってください。
一応ニコデムスのスタイルも可能なら決定しておいてください。
【カスタム行動】でさせてみたいものがありましたらそちらも!
こういう状況になったらこうしたいなどございましたらお好きなだけどうぞ(*´∀`*)
炎を抜けてさらに先へ進むと、ここはねぐらだろうか。大型の竜やそれに近いものたちがひしめいているが、それらはこちらに害を加えるような気配はない。だが穴の奥の奥、殺気立った竜が姿を現した。
『ラグナカングか......ニコ、やるぞ。アレは「例外」だ』
奴が発する禍々しい、この気は魔神のもの。竜の形をとりながら、その中身は異界の怪物である。直立したその体躯はイフリートに匹敵し、その存在感は圧倒的だ。
バーガンディを強く握り、即座に後ろへ飛び下がる。
ニコデムスは前へと歩み出て、魔神と真正面からにらみ合っている。
《お前たちの力も借りるだろう。気を抜くなよ》
最後に宝石に向けて呟き、構えた。
PL
開始位置は前衛ニコデムスがラグナカングの1m手前、その後ろ5mの位置にティキが後衛として位置取ります。
戦闘スタイルはニコデムスが「攻撃」、ティキは「回復」です。
以下カスタム行動です
ティキについて
・ティキは各手番の開始時に「威嚇」を使用してから行動します。
・騎芸「MP譲渡」、魔晶石が使用可能なときは積極的に使用します。
・ニコデムスの体力に余裕があるときの攻撃魔法はファイアストーム、ファイアジャベリンを使用します。シュートアローは頭を確実に落としたい時のみ使用します。
ニコデムスについて
・ニコデムスは1R目は雷のブレスを使います。以降使えるタイミングでは優先的に使います。
・ニコデムスの「渾身攻撃」及び「獅子奮迅」は、相手の部位数が3部位以下になったタイミング、またはこれらによる攻撃で相手の部位数を2部位以下にできる場合に使用します。
00:42:45 キャスパー@ティキ 魔物知識判定 2d+14 Dice:2D6[1,2]+14=17
00:43:42 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[3,3]=6
00:43:43 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[6,5]=11
00:43:44 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[4,6]=10
00:43:45 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[4,1]=5
00:43:46 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[6,1]=7
00:43:52 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[1,6]=7
00:43:53 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[3,3]=6
00:43:53 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[4,2]=6
00:43:54 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[6,2]=8
00:43:55 キャスパー@ティキ 2d Dice:2D6[6,1]=7
00:46:38 キャスパー@ティキ 先制 2d Dice:2D6[1,4]=5
00:51:09 キャスパー@ティキ コアトル 2d+14 Dice:2D6[6,6]+14=26
00:51:00 キャスパー@ティキ 魔物知識判定 レッサー 2d+14 Dice:2D6[4,2]+14=20
突如眼前に現れた魔神。
竜たちのルールから外れた存在は......。
大穴の最奥を目指すティキとニコデムスたちの障害となった。
>『ラグナカングか......ニコ、やるぞ。アレは「例外」だ』
されど臆しはしない。
ニコデムスはティキを守るかのように前に飛び出して。
ティキは妖精たちの力を借りれるように構える。
――戦いは魔神の攻撃から始まった。
その巨大な体躯から繰り出される数々の攻撃にニコデムスの翼は多少挫けそうになった。
だが、相棒にして騎手であるティキの光の回復というサポートを受け。
ニコデムスは飛び上がり、雷の吐息を敵に向けて吐き出した。
そこからは極めて順調なプロセスだった。
ティキの炎とニコデムスの雷。
その二つの熱がラグナカングの翼を胴を次々に焦がしていく。
ラグナカングが邪神の力を借りようとも。
月の加護を受けたティキたちにとっては他愛のないものだ。
最後に息も絶え絶えであったラグナカングの頭部にティキが炎の矢を飛ばせば......。
大きな竜の魔神は全身を地面に投げ出して倒れるだろう。
ティキとニコデムスの勝利である。
――戦闘によって大穴の下層は幾分か騒がしくなったものの。
この魔神以外ティキたちに仕掛けてこようとする竜は近くにはいないようだ。
少しくらい休めるだろうし。
目の前の魔神に勝利した証だって手に入れる時間はある。
危険が迫ってくる予感はない上に......目的の洞窟は決して逃げないからだ。
* * *
少し休んでからだろうか二匹の竜がお目当ての洞窟に入っていったのは。
もしかしたら休まず突入したかもしれないが。
洞窟の中は仄かに明るくなっていた。
壁の辺りに炎が浮かんでいる。
自然的なものでも人工的なものでもなく......魔法や奇跡に分類されるものだろう。
そしてラドンが語った竜は。
描かれていたあの巨大な竜は。
今ティキとニコデムスの目の前にいる。
『この洞窟に客が来たのすら久しいが......。
人の姿をしたものが最後に訪れたのはいつだったか。
――その力は巫女のものだな』
巨大なドラゴンはその首をゆっくりと持ち上げて。
ティキとニコデムスを見下ろした。
『私はこの世界が生まれた時からこの洞窟に棲む......。
世界と世界の境界を司る者だ。
問おう――お前たちは何故この場所を訪れた。
そのような竜の翼を抱いてまで』
この境界を司ると言われる竜ですら盟約に従っているのだろう。
ティキたちに対して攻撃の意志は決して見せない。
もっとも長く生きたドラゴンとはそもそもが短絡的な生き物ではないのだが。
『お前は何故翼を選んだ?
お前にとってのドラゴンの象徴とは翼なのか?』
ドラゴンの言葉で次々と問いかけてくる。
その理由はなんだろうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ティキルート進行です!
勝負はほとんど危うい状態にならずティキとニコデムスの勝ちでした!
レベルが低い相手とはいえ、これは強い(*´∀`*)
ラグナカングに関して戦利品の決定を試みることができます。
その際に剣のかけらが9個分手に入りますね。
回復についてはRPで全回復したことにしていただいて構いません。
たぶんもう戦闘ないしね!(*´∀`*)
場面の後半では洞窟の中へ場所を動かしました。
絵に描かれていたグレータードラゴンです。
いろいろ聞いてきていますが、ご自由にどうぞ!
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ラグナカング(頭・胴・翼A・翼B) 1m ニコデムス 5m ティキ
先制判定が5だったため、ラグナカングの先攻。
○1R先攻
ラグナカングが1m前進しニコデムスに接敵。
ラグナカング(頭・胴・翼A・翼B)・ニコデムス 5m ティキ
頭部は補助動作で《キャッツアイ》《ビートルスキン》《マッスルベアー》を使用。MP
消費9点。
ラグナカング(頭部) 【HP】48+15/48+15 【MP】38/44+3
頭部は牙でニコデムスの翼A(暫定)を攻撃。《飛翔》《キャッツアイ》で目標値20。
回避判定:(6)+10+1+1=18で失敗。固定値20+2=22ダメージ。
翼Aは防護点10なので12点のダメージ。
ダメージが入ったので《猛毒の注入》が発動。目標値18。
生命抵抗判定:(11)+12=23で成功。消滅で効果なし。
ニコデムス(翼A) 【HP】29/41 【MP】16/16
胴体は尻尾でニコデムスの翼Aを攻撃。《飛翔》で目標値19。
回避判定:(10)+10+1+1=21で成功。回避で効果なし。
翼Aがニコデムスの翼Aを攻撃。《飛翔》で目標値20。
回避判定:(5)+10+1+1=17で失敗。固定値16ダメージ。
翼Aは防護点10なので6点のダメージ。
ニコデムス(翼A) 【HP】23/41 【MP】16/16
翼Bがニコデムスの翼Aを攻撃。《飛翔》で目標値20。
回避判定:(7)+10+1+1=19で失敗。固定値16ダメージ。
翼Aは防護点10なので6点のダメージ。
ニコデムス(翼A) 【HP】17/41 【MP】16/16
○1R後攻
ティキは補助動作で《威嚇》を使用。対象はとりあえず胴体で。目標値は19。
判定:(7)+13=20で成功。胴体の判定の幾つかにペナルティ。
ニコデムス(胴体) 【HP】63/63 【MP】27/32
ティキはニコデムスの翼Aに《アドバンストヒーリング》を使用。魔晶石5点も同時使用
。
行使判定:(6)+13=19で成功。固定値13+8=21点の回復。
ティキ 【HP】48/48 【MP】41/45
ニコデムス(翼A) 【HP】39/41 【MP】16/16
ニコデムスはブレスを発動。対象はラグナカング全部位。目標値は20。
判定:(6)+14=22で成功。
ダメージ(頭部):(R20,6)=4+14=18。雷属性18点魔法ダメージ。
ダメージ(胴体):(R20,8)=6+14=20。雷属性20点魔法ダメージ。
ダメージ(翼A):(R20,7)=5+14=19。雷属性19点魔法ダメージ。
ダメージ(翼B):(R20,6)=4+14=18。雷属性18点魔法ダメージ。
ラグナカング(頭部) 【HP】45/48+15 【MP】38/44+3
ラグナカング(胴体) 【HP】46/56+10 【MP】28+2/28+2
ラグナカング(翼A) 【HP】20/29+10 【MP】14+2/14+2
ラグナカング(翼B) 【HP】21/29+10 【MP】14+2/14+2
○2R先攻
頭部は《魔法拡大/数》で4倍拡大《キュア・ウーンズ》を各部位に。固定値10点の回復
。
ラグナカング(頭部) 【HP】55/48+15 【MP】26/44+3
ラグナカング(胴体) 【HP】56/56+10 【MP】28+2/28+2
ラグナカング(翼A) 【HP】30/29+10 【MP】14+2/14+2
ラグナカング(翼B) 【HP】31/29+10 【MP】14+2/14+2
胴体は尻尾でニコデムスの翼Aを攻撃。《飛翔》と《威嚇》で目標値18。
回避判定:(11)+10+1+1=22で成功。回避で効果なし。
翼Aがニコデムスの翼Aを攻撃。《飛翔》で目標値20。
回避判定:(10)+10+1+1=23で成功。回避で効果なし。
翼Bがニコデムスの翼Aを攻撃。《飛翔》で目標値20。
回避判定:(5)+10+1+1=17で失敗。固定値16ダメージ。
翼Aは防護点10なので6点のダメージ。
ニコデムス(翼A) 【HP】33/41 【MP】16/16
○2R後攻
ティキは補助動作で《威嚇》を使用。対象は胴体で継続。目標値は19。
判定:(7)+13=20で成功。胴体の判定の幾つかにペナルティ。
ニコデムス(胴体) 【HP】63/63 【MP】22/32
ティキは乱戦に《ファイアストーム》を使用。対象はラグナカング全部位。
魔晶石10点から使用でMPから3点。目標値は19。
行使判定:(7)+13=20で成功。
ダメージ(頭部):(R40,6)=7+13=20。炎属性20点魔法ダメージ。
ダメージ(胴体):(R40,6)=7+13=20。炎属性20点魔法ダメージ。
ダメージ(翼A):(R40,8)=10+13=23。炎属性23点魔法ダメージ。
ダメージ(翼B):(R40,7)=9+13=22。炎属性22点魔法ダメージ。
ティキ 【HP】48/48 【MP】39/45
ラグナカング(頭部) 【HP】55/48+15 【MP】26/44+3
ラグナカング(胴体) 【HP】56/56+10 【MP】28+2/28+2
ラグナカング(翼A) 【HP】7/29+10 【MP】14+2/14+2
ラグナカング(翼B) 【HP】9/29+10 【MP】14+2/14+2
ニコデムスは牙で翼Aを攻撃。《飛翔》で目標値18。
命中判定:(6)+13+1+1=21で成功。
ダメージ:(11)+14=25。25点の物理ダメージ。
翼Aの防護点は5なので20点のダメージ。
ラグナカング(翼A) 【HP】-13/29+10 【MP】14+2/14+2
翼AはHP0以下で《飛翔》が消える。
ラグナカング(頭・胴・翼B)・ニコデムス 5m ティキ
○3R先攻
頭部は《魔法拡大/数》で3倍拡大《フォース》をニコデムスの胴体と翼Aとティキに行
使。
目標値は14。
精神抵抗判定(ニコデムス胴):(10)+12=22で成功。5点の魔法ダメージ。
精神抵抗判定(ニコデムス翼A):(5)+12=17で成功。5点の魔法ダメージ。
精神抵抗判定(ティキ):(7)+13+4=25で成功。5点の魔法ダメージ。
ラグナカング(頭部) 【HP】55/48+15 【MP】14/44+3
ニコデムス(胴体) 【HP】58/63 【MP】22/32
ニコデムス(翼A) 【HP】28/41 【MP】16/16
ティキ 【HP】43/48 【MP】39/45
胴体は尻尾でニコデムスの翼Aを攻撃。《威嚇》で目標値17。
回避判定:(7)+10+1+1=19で成功。回避で効果なし。
翼Bがニコデムスの翼Aを攻撃。目標値19。
回避判定:(6)+10+1+1=18で失敗。固定値16ダメージ。
翼Aは防護点10なので6点のダメージ。
ニコデムス(翼A) 【HP】22/41 【MP】16/16
○3R後攻
ティキは補助動作で《威嚇》を使用。対象は胴体で。目標値は19。
判定:(6)+13=19で成功。胴体の判定の幾つかにペナルティ。
ニコデムス(胴体) 【HP】58/63 【MP】17/32
ティキは乱戦に《リッチヒール》を使用。対象はニコデムス全部位。
魔晶石10点から8点使用。
行使判定:(8)+13=19で成功。固定値13+6=19点の回復。
ティキ 【HP】48/48 【MP】41/45
ニコデムス(胴体) 【HP】63/63 【MP】17/32
ニコデムス(翼A) 【HP】41/41 【MP】16/16
ニコデムスはブレスを発動。対象はラグナカング全部位。目標値は20。
判定:(7)+14=21で成功。
ダメージ(頭部):(R20,6)=4+14=18。雷属性18点魔法ダメージ。
ダメージ(胴体):(R20,11,10,5)=9+8+3+14=34。雷属性34点魔法ダメージ。
ダメージ(翼B):(R20,7)=5+14=19。雷属性19点魔法ダメージ。
ラグナカング(頭部) 【HP】37/48+15 【MP】14/44+3
ラグナカング(胴体) 【HP】22/56+10 【MP】28+2/28+2
ラグナカング(翼B) 【HP】-10/29+10 【MP】14+2/14+2
翼BはHP0以下。
ラグナカング(頭・胴)・ニコデムス 5m ティキ
○4R先攻
頭部は補助動作で《キャッツアイ》《ビートルスキン》《マッスルベアー》を使用。MP
消費9点。
ラグナカング(頭部) 【HP】37/48+15 【MP】5/44+3
頭部は牙でニコデムスの胴体を攻撃。《キャッツアイ》で目標値19。
回避判定:(7)+12+1+1=21で成功。回避で効果なし。
胴体は尻尾でニコデムスの胴体を攻撃。《威嚇》で目標値17。
回避判定:(6)+12+1+1=20で成功。回避で効果なし。
○4R後攻
ティキは補助動作で《威嚇》を使用。対象は頭部。目標値は19。
判定:(6)+13=19で成功。頭部の判定の幾つかにペナルティ。
ニコデムス(胴体) 【HP】63/63 【MP】12/32
ティキは乱戦に《ファイアストーム》を使用。対象はラグナカング残った全部位。
魔晶石10点から使用でMPから3点。目標値は19。
行使判定:(8)+13=19で成功。
ダメージ(頭部):(R40,7)=9+13=22。炎属性22点魔法ダメージ。
ダメージ(胴体):(R40,6)=7+13=20。炎属性20点魔法ダメージ。
ティキ 【HP】43/48 【MP】36/45
ラグナカング(頭部) 【HP】15/48+15 【MP】14/44+3
ラグナカング(胴体) 【HP】2/56+10 【MP】28+2/28+2
ティキはニコデムスに《獅子奮迅》を使用。対象は胴体と翼A。それぞれに回避-2。
ニコデムスの胴体は牙で攻撃。対象はラグナカング胴体。目標値は17。
命中判定:(11)+13+1+1=26で成功。
ダメージ:(10)+14=24。24点の物理ダメージ。
胴体の防護点は5なので19点のダメージ。
ラグナカング(胴体) 【HP】-17/56+10 【MP】28+2/28+2
胴体はHP0以下。《攻撃障害》が消滅。
ニコデムスの翼Aは《渾身攻撃》を宣言。対象はラグナカング頭部。目標値は19。
命中判定:(5)+12+1+1=19で失敗。回避で効果なし。
○5R先攻
頭部は牙でニコデムスの胴体を攻撃。《威嚇》《キャッツアイ》で目標値18。
回避判定:(7)+12+1+1-2=19で成功。回避で効果なし。
○5R後攻
ティキは《ファイアボルト》を使用。対象はラグナカング頭部。目標値は19。
行使判定:(7)+13=20で成功。
ダメージ:(R10,6)=3+13=16。炎属性16点魔法ダメージ。
ティキ 【HP】43/48 【MP】33/45
ラグナカング(頭部) 【HP】-1/48+15 【MP】14/44+3
頭部はHP0以下。戦闘終了!
『......こんなものか。よくやった、ニコ』
倒れたラグナカングを前に、私たちは消耗を確認する。ニコデムスに潰された部位は無く、私も怪我らしい怪我をしていない。文句なしの勝利と言えるだろう。軽くニコデムスの汚れを払って、戦利品になりそうなものを探る。
あ、とれた。......売れそうだし、これにするか。
引っ張っていたらラグナカングの角が取れたので、これを持って帰ることにした。ニコデムスのもとへ戻り、その背へ上がって寝ころんだ。肉体的には余裕があるが、魔法をたくさん使って疲れた。
『さて、少し寝る。何かあったらすぐ起こせ』
***
大穴の最奥。その洞窟に足を踏み入れた私達を、炎が照らした。と言っても道中抜けてきたような暴力的なものではなく、魔法か何かによる灯りのようだった。
そうして先へ進むと、果たしてそこには、探していた竜の姿があった。あの壁画のように巨大で、また厳かな雰囲気を肌で感じた。
>『この洞窟に客が来たのすら久しいが......。
人の姿をしたものが最後に訪れたのはいつだったか。
――その力は巫女のものだな』
竜は私達を見下ろし、言葉をかけてくる。私はちらりと背中の翼を見る。巫女の加護の事も知っているようだ。
>『私はこの世界が生まれた時からこの洞窟に棲む......。
世界と世界の境界を司る者だ。
問おう――お前たちは何故この場所を訪れた。
そのような竜の翼を抱いてまで』
『......まず名乗ろう。私はティキ・ラウリ、こっちはニコデムス。先ほどから上などで騒々しくしてすまなかった』
私に続いて、ニコデムスも礼をした。ニコデムスには少し緊張が見られたが、以前に各上の竜と対峙した時のような緊張は無い。むしろ、それに比べれば落ち着いて見えるほどだ。
私は竜に視線を戻し、口を開いた。
『問いに答える。―私たちは、あなたに会いに来た。ここであなたと会い、話し、そして得るもの。それが「目的」だ。「望み」は別にあるが』
『きっかけは、ラドンに聞いて居ても立ってもいられず飛んできたことだ』
竜の問いは続く。
>『お前は何故翼を選んだ?
お前にとってのドラゴンの象徴とは翼なのか?』
『私は竜といえばまず思い浮かべるのはこの相棒だ。私がニコデムスと共に最も多く行ってきたのは空を翔けること、私たちが等しく目に焼き付けた光景こそは空。故にだろう、私が翼を思い浮かべたのは』
それが、何か重要なことなのだろうか。ひとまず聞かれたことに答えた私は、次の竜の言葉を待った。
PL
00:09:26 キャスパー@ティキ 戦利品決定ダイス 2d Dice:2D6[3,5]=8
魔神の角取得。
00:20:50 キャスパー@ティキ 魔香草 r0+4 Dice:R0[3,4:2]+4=6
00:20:34 キャスパー@ティキ 魔香草 r0+4 Dice:R0[5,6:4]+4=8
MPも回復しときます。
魔物の巣のド真ん中で寝ちゃう、物怖じしないうちの子。
時間の許す限りはこの竜とお話ししてたいですね。
>『......まず名乗ろう。私はティキ・ラウリ、こっちはニコデムス。先ほどから上などで騒々しくしてすまなかった』
目の前に佇む竜に対し。
ティキはまず自らの素性を明かすことから始めた。
『ティキ......そしてニコデムスよ。
私はお前たちを歓迎しよう――未来ある若き二匹の竜を』
巨大なドラゴンはその姿勢を多少気に入ったようだ。
歓迎されているとのことから、襲いかかられたりすることはないだろう。
勿論――目の前の強大な力すら縛り付ける盟約はあるのだが。
>『問いに答える。―私たちは、あなたに会いに来た。ここであなたと会い、話し、そして得るもの。それが「目的」だ。「望み」は別にあるが』
>『私は竜といえばまず思い浮かべるのはこの相棒だ。私がニコデムスと共に最も多く行ってきたのは空を翔けること、私たちが等しく目に焼き付けた光景こそは空。故にだろう、私が翼を思い浮かべたのは』
そして挨拶を終えた後ティキは次から次へと降りかかる問いかけに答えていく。
ドラゴンはやんわりと翼をはためかせ、尻尾を揺らして聞いていた。
――そして最後の言葉を聴き終えてからゆっくりと首を持ち上げ。
ティキとニコデムスの頭上から言葉を投げかけた。
『なるほど......よく理解した。
お前たちは空が好きなのだな。
空は自由の象徴だ――この世界においても大きな意味を持つ』
ティキは......いやニコデムスの方が感じ取れたかもしれない。
強大な力を持つはずのドラゴンの言葉の裏に隠れた諦めと寂しさを。
境界を司る神の如き竜。
別の視点から見れば空とは対極の深き大穴の奥に縛られた竜だ。
『ティキよ......お前の「目的」は私に会うことだと云ったな。
お前はラドンと知り合いなのか奴は――まあ元気だろうな。
まあ、奴の話はもうよい。
お前は先ほど興味深いことを口にした......「望み」は別にあると』
竜の言葉を紡ぎながら両翼を大きく広げた。
遥か地底ではあるのだが、そうとは思えないほどの空間がある。
『お前の「望み」とは......これか......?』
一回だけドラゴンはその翼を大きく羽ばたかせる。
強烈な風の中――抵抗に負けずにその瞳を見開けば。
ドラゴンの寝そべった体の中空にぽっかりと円が空いているのが見えるだろう。
それはまるで鏡のように景色を映しているが......見えているのはここではない。
あれは懐かしきラクシアの空だ。
円形のそれは徐々にその大きさを広げていく。
ティキがニコデムスに跨っても十分にくぐり抜けられるほどの広さに。
『この環を潜ればお前たちは世界の外側へ出られるだろう。
謂わばこの環こそ内側と外側の境界だ。
然れど私は境界を司る竜。
――またの名を自由の番人。
全ての者を行き来させるわけにはいかんのだ』
手足に力が入り、また竜の全体像は大きくなる。
それはまるで戦闘態勢のようにも見えなくはないが。
『二匹の若き竜たちよ......。
お前たちの望みがなんであれ。
叶うことを夢見るのであれば私に証を見せてみよ。
「心」か「技」若しくは「体」の強さを見せるのだ』
威厳あふれる声でドラゴンは言った。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ティキルート進行です!
ドラゴンとおしゃべりのシーンです。
冒険者レベルと精神力ボーナスを基準にして目標値23を出せば、
ドラゴンの言葉の裏にある感情を少し読み取れます。
ニコデムスの力を借りる場合は達成値をボーナスで+4できます。
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・心の強さを見せる
・技の強さを見せる
・力の強さを見せる
個人的には心がおすすめ。
でもキャスパーさんの望む道を行くといいのです。
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
>『なるほど......よく理解した。
お前たちは空が好きなのだな。
空は自由の象徴だ――この世界においても大きな意味を持つ』
「・・・・・・?」
私にはそれは小さな違和感程度だったが、同じ竜であるニコデムスにはその感覚を敏感に察することができているようだ。
かなしそうだ、と呟いたのが私にも聞こえた。かの竜には聞こえただろうか。
>『ティキよ......お前の「目的」は私に会うことだと云ったな。
お前はラドンと知り合いなのか奴は――まあ元気だろうな。
まあ、奴の話はもうよい。
お前は先ほど興味深いことを口にした......「望み」は別にあると』
竜が翼を広げ一度大きく空を打つと、強い風の向こうに穴が見える、それも、岩肌に空いているのではない、空間に空いている。その向こうに見えるはラクシアの空、つまりこれは出口。
>『お前の「望み」とは......これか......?』
『ああ......ああそうだ、それもあったな。忘れていた』
すこし呆気にとられてから、私は答えた。そうか、この竜に外界へ出してもらうこともできるんだった。私の中ではもう、この竜と会うことが一番の目的になっていたのだ。
>『この環を潜ればお前たちは世界の外側へ出られるだろう。
謂わばこの環こそ内側と外側の境界だ。
然れど私は境界を司る竜。
――またの名を自由の番人。
全ての者を行き来させるわけにはいかんのだ』>『二匹の若き竜たちよ......。
お前たちの望みがなんであれ。
叶うことを夢見るのであれば私に証を見せてみよ。
「心」か「技」若しくは「体」の強さを見せるのだ』
ここまで強大なドラゴン、今の私とニコデムスでは到底敵わないだろう。力も、技も、通用するとは思えない。だが唯一私たちの持つもので決して劣らぬと断言できるもの。
『では、心だ』
即答だった。他に選択肢がなかったとも言えるが--しかし迷うことは無く、また怖じることもない。
だが言ったものの、心の強さを見せるとはどうすればいいものか。手に持った赤の槍、バーガンディを地面に突き立て、竜の言葉を待った。
PL
23:38:40 キャスパー@ティキ 2d+13+4 Dice:2D6[4,5]+13+4=26
遅くなりました。どうやらドラゴンの心境を察することができたようです。
ニコデムスが何か提案する、かも?
>『では、心だ』
ティキは迷うことなく言い切った。
『そうか......一つ問おう。
お前たちは強い心とは如何にして生まれると思うか?』
ドラゴンは荒ぶる姿のまま、ティキへと問いかけた。
すぐに彼女は答えたろうか。
例え答えなくても竜はしばしの時を経て次の言葉を紡ぐ。
『かつて剣の生まれし時代において私は聞いた。
心とは様々な想いを含有し続けることで強大な力になるのだと。
喜びや哀しみ、怒りや嘆き、愛に欲望......。
心を持つ者は幾つもの経験の果てに誰にも負けぬものへと磨き上げるのだと』
そこからはドラゴンは再度首を下げる。
ちょうどティキたちに視線が合うように。
『心を選んだということは――お前たちは自信があるということだろう。
ならば私に知らしめてみよ。
お前たちの心を高めた所以を』
つまるところ心の試練とは......。
ティキやニコデムスが経験してきた様々なものを語ってみろというものだ。
果たして何故そんな試練を課すのか。
極めて理由は単純なのであろう。
『私は世界と世界の境界に佇み、その境界の力を司る竜だ。
どちらにも属しているようで......どちらに属していることはない。
全ての景色を知っているようで......全ての景色を見たことがない。
故にお前が何を見て何を感じたのか、考えることはできても感じることはできぬ。
――だからこそ聞かせてくれ、お前たちの言葉で』
世界を操る力と重要な役目を受けたドラゴンは......。
同時に世界の狭間に閉じ込められ、自由という宝を失った。
ラドンがこのドラゴンを頼むと言っていた意味が少しはわかるかもしれない。
ラドンもドラゴンも期待しているのだ。
――ティキとニコデムスに。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ティキルート進行です!
ドラゴンとおしゃべりネクスト!
心の強さの見せ方はこのような感じ。
つまるところドラゴンは何も知らないから、
ティキとニコデムスの思い出から世界を教えて欲しいと言っています。
内容はなんでもいいです。
経験してきた冒険でも。
大切な仲間でも。
些細な日常の出来事でも。
少しでもたくさんでも構いません。
ドラゴンさんが満足すればそれでよいのです。
他にも何かございましたらどうぞ(*´∀`*)
>『そうか......一つ問おう。
お前たちは強い心とは如何にして生まれると思うか?』
竜は語る。様々な経験を経て心が強くなること、それについては私も同じ考えを持っている。しかし彼の語るそれは伝聞であった。
竜が視線を下げ、私達に合わせる。その瞳を見て、その言葉を聞いて、私も全て話すことを決めた。
>『私は世界と世界の境界に佇み、その境界の力を司る竜だ。
どちらにも属しているようで......どちらに属していることはない。
全ての景色を知っているようで......全ての景色を見たことがない。
故にお前が何を見て何を感じたのか、考えることはできても感じることはできぬ。
――だからこそ聞かせてくれ、お前たちの言葉で』
『ならば話そう。私の生きてきた世のことを』
***
その場へ腰を下ろし、私は話した。
シャドウ族の傭兵集団の里に生まれ、そこで受けた愛と苦痛と救済、そして立てた誓いを。
恩人を求めて巡った地方での苦難と鍛練、流浪の日々を。
そしてルキスラにたどり着いてからの友人との出会い、冒険の数々を。
そしてニコデムスとの出会いと、共に駆けた戦場と日常。
くだらないことに腹の底から笑った事、己を過信して思い知らされた事、取るに足らぬと足蹴にして、後で悔いた事も全て。
その全てについて、その時私が感じたこと―震えるほどの喜び悲しみ、怒り憎しみ、高揚に落胆、希望に失望を、包み隠さず話した。そして、長い長い語りの最後をこう締めくくる。
『武において。槍の一振りが私を強くした。』
『芸において。鑿の一掘りが私を強くした。』
『知において。書の一項が私を強くした。』
『幾千幾万の景色の前にただ漫然と在ったものと、そこに落ちているつぶて一つにすら価値を見出し、心が動くもの。私は後者でありたいと願うし、現にそうあっているつもりだ。』
そこで一度話を切る。溜息を一つついて、もう一度口を開く。まだ、言わなければならないことがあるのだ。
『語っておいてなんだが、石ころを見て何かを得たとして、それがどう働いて私を強くするのかなどは私には到底わからない。自分で変わってみなければ......いや、変わったとしてもわからない。だが確かに私はその経験を踏まえて「成長」しているのだと、強くなっているのだと、そう思う』
***
長く息を吐いた。そののち、立ち上がる。長かったような気がするし、あっという間に話してしまったような気もする。言いたいことをすべて言って、何かが抜けたような、逆に埋まったような、そんな気がした。
体をそっと伸ばして、再び槍を手に取り、再び竜の目を見つめた。返事を聞く前に、別の声が私の後ろから発された。
『人と一緒に飛んだことがある?』
その声に振り向くと、ニコデムスが私の横に歩み出て、かの竜に声をかけている。
『飛びたいのか?飛べないのか?......ケガ?病気?なんでも治せる、ティキの魔法なら』
ニコデムスは、ずっと気になっていたのだろう。先に竜が見せた、空に対しての羨望と悲哀のような感情。
ニコデムスは、再び竜を空に舞わせたいのだ。
できるかそうでないかなら、もちろんできる。妖精魔法に頼れば、私は病、毒、怪我の類なら治せる。体が動かずとも飛べる法も知っている。......が、それには別に価値ある石が要る。果たしてここでみつかるだろうか。
それ以前に彼は飛べないのではなく、この境界を守護する役目のためにここを離れられないのではないか。
これは、場合によっては逆鱗に触れるような問いかもしれなかった。恐らく、ニコデムスもわかっていて言っている。それでも私はニコデムスに何も言わず、ただ隣に並んで古竜の前に立つ。
例え彼が激昂しようと、一歩も引かぬ決意を胸に。
PL
長いよう。でも書きたいこと書ききった。
なんかこっちからも挑戦見たいになってるかも