1-愛という鍵
>「わたしの話もですけど、スールさんのお話しも聞きたいです。こんな立派なお城に住んでるんですもの、きっとわたしが知らない様な事ばかりなのでしょうね」
「私の話......?
そんなに面白い話なんてできないわ。
この城にもね、ようやく少しずつ慣れてきたところなの。
これまではずっと丘の下の街で暮らしていたんだから」
スールはこの城に来てさほど時が経っていないらしい。
とりあえずまず彼女から聞けたのはそんなところだ。
* * *
>「はい、お邪魔します」
スールにお呼ばれされてカレンは城の中へと入っていく。
城の門を開けるために使われた鍵は再度仕舞われたようだ。
――ちなみにカレンが気になった鍵の色は錆等ではなく、鍵本来の色合いらしい。
「さあ、入って入って。
城の中は私が覚えたての記憶で案内してあげるわ!」
スールに急かされてカレンが城の中に入ると。
まず目に付くのは極めて高価そうな調度品の数々だ。
美しいフォルムの壺。
豪華絢爛な照明器具。
重厚な鎧を纏った騎士像。
どれもが富と名誉の象徴といえよう。
「やっぱり、中に入るとびっくりするでしょう?
私も最初はそうだったわ。
こんなにキラキラに囲まれた場所なんて初めてだったもの」
スールがカレンの表情を伺いながら語る。
少なくとも昔のスールの家はこの城よりかは質素であったようだ。
「こっちにね、お客様をおもてなしするための部屋があるの。
そこでお茶でも飲みながらお話しましょう?
あの人が帰ってくるまでにはまだ少し時間があるはずだし」
スールは再度城の中を歩みだす。
幾つかの角を曲がりながら、カレンを客間に案内するつもりのようだ。
途中、廊下に絵が飾れている場所があった。
青髭の男の肖像画だ。
絵に描かれた彼の姿は威厳に溢れている。
青髭の絵から少し離れたところに女性の絵が飾られている。
スールのものではないだろう。
まず髪の色が栗色ではなく金だ。
「その人が誰なのかは私もよく知らないの。
前の奥さんなのかしら......?
あの人に聞いても教えてくれなくって......」
そう話すスールの表情は不安げだ。
当然のことだろう――秘密にされるということは気分がいいものではない。
「あの人は基本的に優しいのだけれども――私に秘密にしていることがある気がするの。
それがとても怖くて......怖くて堪らないわ。
私は――あの人のことをすべて知りたい。
だって全てを知らなければ全てを愛せないし、委ねられないでしょう?
ねえ、カレン。
あなたにとって気になる人っている?
たとえいなくても想像だけしてみて......?
カレンにこの気持ちわかってもらえるかしら......」
スールはカレンに問いかける。
自分と同じ想いを抱いていたりはしないのか、と。
ただ一つだけ言えるのは――彼女は共感を求めている。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらカレンの新しいカテゴリです。
今回からはこちらに投稿してください。
城の中へと入りました。
ちょうど客間へと向かっているところですね。
鍵はもともとそういう色っぽいです。
判定してもただの鍵のようですね。
他にも何かございましたらどうぞ(*´∀`*)
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>「さあ、入って入って。
> 城の中は私が覚えたての記憶で案内してあげるわ!」
覚えたて、ですか・・。ずいぶんと仲良さそうに見えてたのですけど、こちらのお城に住んだのは最近、ということでしょうか?
それにしても、ここにある物はどれも素晴らしいですね。
価値もそうですけど、趣味の良さそうなものが多いです。急に資産を得た、いわゆる成金ではなさそうですね。
>「やっぱり、中に入るとびっくりするでしょう?
> 私も最初はそうだったわ。
> こんなにキラキラに囲まれた場所なんて初めてだったもの」
「そうですね。わたしはこれまでこんな豪華な物を見たことはないですよ。
これらは、スールさんの集めたものですか?」
近くにあった壺を少し見つめてから質問してみます。
もっとも、ここは童話の中なのですから、これは作者・・今の場合はエリックさんでしょうか・・の趣味かもしれません。
>「こっちにね、お客様をおもてなしするための部屋があるの。
> そこでお茶でも飲みながらお話しましょう?
> あの人が帰ってくるまでにはまだ少し時間があるはずだし」
「ええ、ご相伴に預かります」
笑みを絶やさず、スールさんの後に続きます。
迷い子にならない様、歩幅を一定にし、何歩でどっちに曲がったか。簡単に頭の中にメモを取りましょう。
そうやって歩くと、ひとつの絵が目につきます。
青い髭の男性・・。これはおそらく先ほどの男性でしょう。ですが、その横に立っているのはスールさんではないみたいですね。
フィンさんが仰ってた"死体に変わってしまっていた過去の奥様"の一人でしょうか・・?
>「その人が誰なのかは私もよく知らないの。
> 前の奥さんなのかしら......?
> あの人に聞いても教えてくれなくって......」
思わずその絵の前で立ち止まって見入ってしまっていたわたしに、スールさんが不安そうに声を掛けてきます。それは・・旦那さんに隠し事をされて不安に思わない人は少ないでしょうね。
旦那さんでなくとも、隠し事をされるという事は不安が付きまとうと思います。
>「あの人は基本的に優しいのだけれども――私に秘密にしていることがある気がするの。
> それがとても怖くて......怖くて堪らないわ。
> 私は――あの人のことをすべて知りたい。
> だって全てを知らなければ全てを愛せないし、委ねられないでしょう?
> ねえ、カレン。
> あなたにとって気になる人っている?
> たとえいなくても想像だけしてみて......?
> カレンにこの気持ちわかってもらえるかしら......」
全てを――。
そう言われてわたしは考えてみます。頭に浮かんだのはとある軍人さん。先日蛮族との争いで知り合った方です。
現状、わたしは彼についてほぼ何も知らないに等しい状態です。知っているのは名前と、軍に所属しているという事。
確かに、現時点ですべてを委ねて、愛することが出来るかと言われたら難しいかもしれません。
何せ、わたしたちはまだそういう関係になると決まったわけではないですし。
というか、何でここで浮かぶのが少尉なんですか・・?
ここはロセウスさんとかネスさん、フィンさんの出番でしょう!?一番身近な男性ですよ!?
・・ネスさんはともかく、ロセウスさんとフィンさんは隠し事とか苦手そうですね・・いえ、勝手なイメージですけど。ネスさんはあの柔和な笑みで色々と誤魔化しそうです。
そういえば皆さんもこの世界にいるはず・・ですよね?今頃どうしてるんでしょう・・。
思考が逸れました。
「気になる人、ですか・・。もちろん、いますよ。そして、わたしも彼について色々知りたいとは思います。
ですが、人によっては、知られたくない事というのはあるのではないでしょうか?
傍から見たらささやかな事でも本人には重大な事だってあるでしょうし、ご主人のお仕事が何か、わたしは存じ上げませんけど、国に関わる仕事をされているとしたら、例え奥様であろうともそこから機密が漏れる可能性だってあります。
伝えてくれたら、わたしは不安は消えるでしょうけど、今度は相手が不安になることだってあると思います。ですから、わたしは隠し事をされても、そこまでは気にしないですね。
それに・・そういう悩みや不安を口に出せる相手がいれば・・相談相手とでも言いましょうか?気分転換もできるでしょうし、余計な事を考えなくて済むと思いますよ」
と頭の中で考えてた事とは違い、口から出た言葉は少尉を念頭に置いたものでした。
ああ、顔が熱い・・。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
PL こるべっと
遅くなりました!書いてたのに投稿してなかったという不具合・・・゚・(ノД`)・゚・
特に意味はないかもしれませんが、通路を簡単に覚えておきます。判定が必要なら言ってください。
>「そうですね。わたしはこれまでこんな豪華な物を見たことはないですよ。
> これらは、スールさんの集めたものですか?」
城内の調度品の数々にカレンは感心したようだ。
その中でも近くにあった壺に目を遣りつつカレンは尋ねてみる。
「ううん、これは私が集めたものじゃなくて。
ジル――私の夫が昔から持っていたものよ。
私の家はまあお金がないっていうことはなかったけどここまでじゃなかったし」
この城の中にある全てのコレクションは――城主ジル・アジュールのものらしい。
先程見た青髭の男はなかなかの富豪であるのだろう。
* * *
客間へ至る道すがら。
通路について記憶しながら進むカレンにスールが問いかけたのは。
気になる人がいるのかどうか。
そして全てを知りたいかという問いかけであった。
>「気になる人、ですか・・。もちろん、いますよ。そして、わたしも彼について色々知りたいとは思います。
> ですが、人によっては、知られたくない事というのはあるのではないでしょうか?
> 傍から見たらささやかな事でも本人には重大な事だってあるでしょうし、ご主人のお仕事が何か、わたしは存じ上げませんけど、国に関わる仕事をされているとしたら、例え奥様であろうともそこから機密が漏れる可能性だってあります。
> 伝えてくれたら、わたしは不安は消えるでしょうけど、今度は相手が不安になることだってあると思います。ですから、わたしは隠し事をされても、そこまでは気にしないですね。
> それに・・そういう悩みや不安を口に出せる相手がいれば・・相談相手とでも言いましょうか?気分転換もできるでしょうし、余計な事を考えなくて済むと思いますよ」
カレンの回答は大人びた奥ゆかしいものであった。
ちなみに相手については秘密である。
「まあ、カレンって奥ゆかしい感じがするものね。
でも私はやっぱりそういうのは難しいわ。
隠し事をされてるとついつい気になっちゃうの。
例えば......あの部屋のことだって。
――カレンがいるし開けちゃおうかしら?
いや、こんな話してる場合じゃないわね。
ここが、城の客間よ。
さあ、いらっしゃい?」
一人でスールはぶつぶつ呟いていたようだが。
ある扉の前に来たことに気がつくとそこで立ち止まり、カレンを中へと案内する。
ここが目的の場所であるようだ。
* * *
扉の中は相も変わらず豪華な調度品で一杯である。
机や椅子も実に見事な一品である。
座り心地も良さそうだが、これで気持ちが休まるかは人次第であろう。
「じゃあ、カレンはそこに座っていて?
今簡単なお茶とお菓子を用意するから。
そういえばカレンって甘い物って苦手だったりするかしら?」
カレンが腰掛けるのを見届けてからスールは一度部屋の外へ出た。
希望のとおりにちょっとだけ用意してくるつもりなようだ。
客間に残されたのはカレン一人である。
部屋の中を見渡せば、センス良く色とりどりの装飾がなされていることに気づくだろう。
壁には大きな絵が飾られている。
天から降り注ぐ光の中沢山の人や動物、植物たちに囲まれた乙女が棺桶の中から起き上がっている絵である。
それはまだ神々が活躍する時代の頃。
生きとし生ける全ての存在から愛された乙女が不慮の事故によって死を迎えた際、
神が彼女への大いなる愛に免じて、彼女という存在を穢れなく復活させたという奇跡の話だ。
遥か過去の話であり、それが真かどうかを判断するすべはないが。
神官たちは時に神からの愛や、神の持つ偉大な力について語る際にこの伝説を用いるという。
一方で、大切な者を失くした賢者たちがこの奇跡を再来させようと様々な手法を取ったことも記録にはある。
――さて、お茶を淹れてお菓子を用意するには少し暗い時間がかかるだろう。
その間カレンは待っているように言われたが。
その気になれば、ちょっとくらい抜け出してみてもいいかもしれない。
どちらにせよ、物語の展開はカレンが作り出すものでもあるのだ。
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あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
顔を熱くするカレンにはRPを1点差し上げましょう(*´∀`*)
また【NPC:男性】に【ジル・アジュール】を登録しておきます。
【分類:その他】に【復活の奇跡】を登録しておきます。
客間の絵画に対して見識判定が可能です。目標値は14です。
成功すれば、【復活の奇跡】が絵のモチーフであるとわかります。
カレンは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・おとなしく客間で待つ
・ちょっとだけ探検してみる
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
>「ううん、これは私が集めたものじゃなくて。
> ジル――私の夫が昔から持っていたものよ。
> 私の家はまあお金がないっていうことはなかったけどここまでじゃなかったし」
「そうなんですか。ご主人、良い趣味をお持ちなんですね」
下品にならない程度に豪華。これはなかなか難しいセンスだと思います。
高価な物だけを集めるのではなく、きちんと周りに合わせた物というのも必要になりますしね。
先ほどは見た目でちょっと評価を低くしてしまいましたけど、どうやらご主人はなかなかの好人物な様ですね。
隠し事なんかについて、わたしなりの意見を述べると、スールさんは同意はできないみたいです。
奥ゆかしいと評価されてるみたいですけど、大体皆さん似た様なものなのではないでしょうか?
それにしても・・"あの部屋"、ですか・・。気になるワードが出てきましたね。フィンさんの仰ってた、ちょっと怖い部屋なんでしょうか?確かめたい気持ちもありますけど、ここがその物語と同じ内容とは限りませんし、今は少し、ご主人を信じてみたい気持ちが芽生えています・・。
と。目的の部屋に着いたみたいです。
部屋の中は、ここもまた品の良い調度品があって。
・・若干、わたしみたいな者には落ち着けない雰囲気が漂ってます。
>「じゃあ、カレンはそこに座っていて?
> 今簡単なお茶とお菓子を用意するから。
> そういえばカレンって甘い物って苦手だったりするかしら?」
「いえ、甘い物も好きですよ」
エクセターちゃんがいたら喜びそうだな、なんて思いますけど、ここにはいません。
・・そういえば、わたしは一人になってしまってますけど、他の皆さんはどうなんでしょう?
まあ、皆さんわたしよりも冒険者としては長いはずですし頼りになる方々です。わたしなんかが心配するまでもないでしょうね。・・むしろわたしが心配されてるかもしれません。どうにか無事を知らせれると良いのですけど・・。
スールさんがお茶の用意をしに部屋を出ていかれました。わたしは何気なく、窓辺に身を寄せ、外を見下ろしてみます。
眼下に見えるは、町。きっと、スールさんのご実家もあそこにあるのでしょうね。勿論どの家がそうなのかはわかりませんけど。
きっと、この空の下のどこかに皆さんもいるはず。今は見えませんし、感じることもないですけど、リルズ様はきっとわたしたちの絆を守ってくださいます。皆さん、どうかご無事で・・。
軽くリルズ様にお祈りを捧げ、改めて部屋の中を見回します。
すると、1枚の絵が飾られていることに気づきました。
「これは・・復活の奇跡?」
絵に近づき、有名なモチーフであるそのシーンを思い出します。
「・・ご主人、神殿に関係している方なのでしょうか?それともこれも趣味のコレクション・・?」
復活の奇跡。
それは、神に愛された乙女が穢れることなく死から復活したという奇跡。
一般に、死と言うものには穢れがつきもので、わたしの様な神官でも、その死というものを覆すことはできませんし、やってはいけないことです。そうすることで魂に穢れが溜まり、蛮族に近いモノになってしまうのですから。
もっとも、操霊術の方には死者を蘇生させる術もある、なんて事を何かで読んだ事はあります。
きっと、そちらも穢れは拭えないでしょう。なんせ、それが神の定めた規定(ルール)なのですから。
ですが。この復活の奇跡の乙女は、穢れることなく復活したのだそうです。一体どういうことなのでしょう?いくら神に愛されたからと言って、そんなことがありうるのでしょうか?
・・・・このままここにいると、余計な事ばかり考えてしまいそうですね。
スールさんはまだ戻ってこない様ですし、少し気分を変えてみましょう。
招かれた分際で失礼とは思いますが、先ほど気になる言葉も聞けましたし。
そう決めたわたしは、そっとドアを開けて。左右を見渡してスールさんの気配がないことを確認すると、その部屋から出たのです。
入口からここまでの道筋は簡単には覚えてあります。
ならばここは通ってない通路を行ってみましょう。
どこかでスールさんに見つかったら、花摘みと誤魔化すのが一番自然でしょうかね。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
PL こるべっと
会話は本文の通り。
部屋に入ってから、一度窓辺から外を見ます。そこでロセウスとネス・・は無理としてもエクセターとフィンを見かけることが出来たらラッキー、次点でポチがこっちを見ても問題なし。無事を確認したい!(されたい
宗教関係には途端に強くなるカレンちゃんさすがすぎるw
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
20:46:24 こるべっと@カレン 2d6+7 絵について! Dice:2D6[4,6]+7=17
20:46:33 こるべっと@カレン 知ってた!
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
良い子のみんなは知らない人についてっちゃダメだし、何ならそのお家を勝手に探検なんかしちゃダメなんだからねっ!
でもカレンはします。だって冒険者だもの(言い訳
カレンは客間の窓に身を寄せて外の景色を伺う。
丘の下には人の住んでいる街らしきものがあるが。
丘には特にきになる人影の姿はない。
残念ながら今この瞬間には仲間の存在は確認できないようだ。
――しかしカレンが窓から離れようとしたその時。
窓の外を飛んでいく何かの影があった。
カレンも何度かは見たことがあるだろう。
フィンの使い魔であり鳥であるポチの姿だった。
少なくとも......この世界のどこかにフィンたちはいる。
カレンにはきっと感じられたはずだ。
* * *
スールの姿はない。
カレンはその隙を狙って、ジルの城を探索することにした。
まずは入口から客間へ至る道ではなく。
この部屋から奥の方へと向かう道だ。
途中幾つかの部屋があった。
書斎。
寝室。
浴場。
夫婦の私室。
そして――廊下の突き当たり。
他とは違って厳重に鍵が掛けられた扉があった。
扉自体も鉄製で極めて重々しい印象を受ける。
ちなみにこの扉を閉ざしている鍵はどこかで見たような赤黒さだ。
開けようと試みても鍵がある限り開くことはないだろう。
思いっきり壊そうとしたら壊れるかもしれないが......。
意外と力はあれども、使いこなす術を知らぬカレンにはなかなか難しいだろう。
「あ、こんなところにいたのね。
探しちゃったじゃない!」
カレンがその扉の前に立っていると廊下の向こう側からスールが姿を現す。
「ぼやぼやしているとお茶が冷めちゃうわ。
そうなったら勿体ないでしょう?」
スールは既に茶と菓子の用意を済ませているらしい。
せっかく用意したのだから美味しいうちに頂いて欲しいのが準備者の性だろう。
だが、カレンは気がつくはずだ。
スールはカレンのちょうど向こう側。
施錠された鉄の扉の奥へと好奇に満ちた瞳を向けているのを。
「だから、さっきの部屋に戻りましょう?
それともカレンはもしかして......ううん、なんでもない。
私、カレンの話の続きが聞きたいわ。
それに私の話も聞いて欲しいし」
スールはカレンに客間で戻ろうと告げる。
一方で彼女には確実に抑えようとしている感情がある。
そういった感情は他者がほんのちょっとでも触れてしまえば、一気に溢れ出してしまうものだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
窓からはポチの姿が見えますね。
カレンが探索していくと、閉ざされた扉を発見できます。
とりあえず鍵がなければ開かなさそうですね。
またその扉の前にスールがやってきます。
スールは客間まで変えることを提案してきますが、
この辺はカレンのお好きにどうぞ(*´∀`*)
窓から見える景色はとてものどかで。この青空の下のどこかに皆さんもいるんだろうな、なんて思うには十分な景色でした。
その青空を、1つの点がこちらへとやってくるように見えます。あれは小鳥・・?
いえ、あれはポチさんですね。フィンさんの使い魔。
という事は・・近くにいらしてるのでしょうか?こちらが見えてるかどうかはわかりませんけど、取り敢えず無事です、と伝えるために手を振っておきましょう。
スールさんのいないうちに、軽く情報を集めてみましょう。
具体的には一人で城内を散策です。見つかったら少しだけ困るかもしれません。
いくつか扉を開けたり閉めたりして中を覗いてみます。
最初に開けた扉は書斎でした。
何か物語の手がかりになりそうなものはないものか探してみようかと思いましたけど、考えてみたらわたし、そういうことは全く心得がないんですよね・・役立たずここに極まれり。
仕方ありません、簡単に見取り図を作るつもりで部屋の位置を覚えておきましょう。先ほどポチさんがいらしてましたし、もしかしたら皆さんここに来るかもしれません。
その後開いた扉は寝室、浴場、私室・・これはご夫婦のものですかね?ということは先ほどの寝室もご夫婦のものでしょうか・・当たり前か、ここにはあのご夫婦しか住んでいないみたいですし。
何よりも気になったのは。
突き当りにある、厳重に鍵が掛かっている扉。もはや封印されていると言えるレベルじゃないでしょうかこれ・・。
ここまで厳重だとかえって気にしたら危ない気がします。
おそらくですけど、スールさんが持っていた鍵の内の、色が違っていた鍵がここの鍵だと思います。
根拠はありませんけどね。
扉を前にそんな思案に耽っていると、スールさんに見つかってしまいました。
>「あ、こんなところにいたのね。
> 探しちゃったじゃない!」
>「ぼやぼやしているとお茶が冷めちゃうわ。
> そうなったら勿体ないでしょう?」
「ごめんなさい、少し用を足そうと思ったら迷ってしまって・・。
この扉、凄い厳重ですけど、中に大事な物でもしまってあるんですか?」
用意しておいた言い訳をして、そのまま話題を逸らしてみましょう。
・・・・何故でしょう。スールさんもこの扉に凄い興味がありそうなんですけど。
>「ぼやぼやしているとお茶が冷めちゃうわ。
> そうなったら勿体ないでしょう?」
そう言ってはいるものの、スールさんはちらちらと伺うように扉の方を気にしてますね。
やはりこの扉には何かあるのでしょうか?
なかなかに興味は湧いてきましたけど、今はわたししかいません。いえ、スールさんもいますけど、危険な目に遭わせるわけにはいかないですからね。ここは皆さんと合流できてからにしましょう。
>「だから、さっきの部屋に戻りましょう?
> それともカレンはもしかして......ううん、なんでもない。
> 私、カレンの話の続きが聞きたいわ。
> それに私の話も聞いて欲しいし」
「ええ、そうですね。せっかくのお茶ですし、冷めないうちに頂きましょうか。
わたしも、スールさんのお話お聞きしたいですし」
扉の事はスルーしておきましょう。藪を突いてオーガが出て来たら大変ですもんね。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
PL こるべっと
選択:お部屋に戻って優雅にお茶会!
ふぃん可愛いよふぃん(GMの策略
ジルとスールが暮らす城を一人で探索していたカレン。
突き当たりに至ったところでスールに見つかってしまった。
まあスールは特に気にしていないようであるが。
>「ごめんなさい、少し用を足そうと思ったら迷ってしまって・・。
> この扉、凄い厳重ですけど、中に大事な物でもしまってあるんですか?」
カレンは謝罪の言葉を語りつつ、部屋について尋ねる。
「うーん、私も実は中身を知らないの。
だってこの部屋だけは絶対に開けちゃいけないって言われてるから。
でも隠されれば隠されるほど気になっちゃうの――しょうがないわよね?」
スールはこの部屋の中身を知らないらしい。
知らないからこそ、部屋の中が気になって仕方がないのだろう。
とりあえずスールはジルの言いつけをおとなしく守って。
この部屋を今は開くつもりはないようだ。
>「ええ、そうですね。せっかくのお茶ですし、冷めないうちに頂きましょうか。
> わたしも、スールさんのお話お聞きしたいですし」
カレンもそんなスールの様子に合わせるつもりのようだ。
一度先ほどの客間まで戻ることを提案する。
「そうと決まれば早速戻りましょう?
赤い木の実を使って作ったお菓子は上手に出来たと思うの」
* * *
客間に戻れば、机の上にはカップが二つ。
湯気が出ている。
隣の皿の上にはブラッド・フルーツを使ったケーキがある。
食べれば甘さが口を広がることであろう。
「甘い物って食べると幸せな気分になるわよね。
ただあの人は甘いものあんまり好きじゃないのがちょっと残念」
スール曰くジルは甘いものが好きなタイプではないらしい。
まあ先程カレンがみた青髭のイメージ通りではあるが。
「カレンは遠くから来たのよね?
なら知らないかしら――今から数年前まで続いていたひどく長い戦争があったの。
私の夫、ジルもその戦争に出ていたの。
だからかしら、あの人は時々悲しい目をしていることがあるのよ。
何があったのか私が聞いても、何一つ教えてくれはしないんだけど」
スールはお茶を飲みながら、語る。
内容は彼女の夫ジル・アジュールについてだ。
この世界では長い間続く戦争があり、ジルはその戦争に出ていたようだ。
スールはその戦争で経験した何かが彼を悲しい瞳にさせていると考えている。
考えられるものとしては、誰かを失ったなどだろうか。
「私がジルと結婚した理由については家の意向がないといえば嘘になるわ。
でも話したりしているうちにわかったの。
この人はとても優しい人なんだって。
優しすぎるから臆病で、そして悲しい思いばかりしている人なんだって。
そしていつの間にか彼の優しい心に惹かれていった」
次にスールが語るのは、彼女がジルと結婚することになったきっかけ。
彼女はジルの優しさに惹かれたのだという。
「でも、彼を見ているととても不安に襲われるの。
何か私には見せていない彼がいる。
そんな気がしてならないの。
――あの部屋もそうよ。
あの部屋の中には一体何があるのか、私は全く知らない。
知らないっていう気持ちが私の心を震わせるの」
ふとテーブルの上に視線を移せば、カップを持つスールの手は震えていた。
「ねえ、だからカレンにお願いがあるの。
私と一緒にあそこの扉を開けてくれないかしら?
一人だと怖いの。
嫌なものを見たときに全て受け止めれられるか不安で。
――ねえ、お願い......カレン」
スールはただ只管懇願するかのように真っ直ぐカレンの顔を見つめていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
一旦客間の方まで戻りました。
スールから少し話を聞けたのでRPを1点獲得できます。
スールから扉を一緒に開けて欲しいと提案を受けています。
お好きなお返しをどうぞ。
>「そうと決まれば早速戻りましょう?
> 赤い木の実を使って作ったお菓子は上手に出来たと思うの」
「それは楽しみです。わたし、甘い物好きなんですよね」
少しだけ重くなりそうだった空気を振り払う様に、わたしとスールさんは先ほどの客間へと戻ります。
この部屋なら、先ほどポチさんからも見えたはずですし、何かあった時に動きやすいでしょう・・たぶん。
スールさんは、ご主人であるジルさんとは好き合ってのご結婚の様子。こういったお城に住まう様な方でしたらそういったお相手よりも家と家の結びつき・・政治的な意味合いの方が強くなりそうなんですけど、それは偏見というものなのでしょうか?
何より、今わたしの前にあるのはフルーツケーキ。先ほど採ってきたものでしょうか、ブラッドフルーツを使ったものですね。
それにしても、使用人さんはいないみたいなんですけど、もしかしてこれスールさんのお手製なんでしょうか?
>「甘い物って食べると幸せな気分になるわよね。
> ただあの人は甘いものあんまり好きじゃないのがちょっと残念」
「でも、あまり甘いのばかり食べてると太りますよ?
適度に運動して身体を引き締めませんと」
それにしても美味しいです。これがあんな怖い噂のあるフルーツだなんてとても信じられないですね。やはりただの都市伝説なんでしょう。
>「カレンは遠くから来たのよね?
> なら知らないかしら――今から数年前まで続いていたひどく長い戦争があったの。
> 私の夫、ジルもその戦争に出ていたの。
> だからかしら、あの人は時々悲しい目をしていることがあるのよ。
> 何があったのか私が聞いても、何一つ教えてくれはしないんだけど」
「戦争、ですか・・」
つい最近、わたしも戦争の一端には加わっていました。もっとも、それは人族対蛮族。
同じ意味での戦争とは違うかもしれません。
スールさんのご主人、ジルさんはその戦争に出征していて、そこで何か大きな悲しみを負ってしまったんじゃないか、というのがスールさんの推測です。
>「私がジルと結婚した理由については家の意向がないといえば嘘になるわ。
> でも話したりしているうちにわかったの。
> この人はとても優しい人なんだって。
> 優しすぎるから臆病で、そして悲しい思いばかりしている人なんだって。
> そしていつの間にか彼の優しい心に惹かれていった」
「優しいのは素敵ですね。戦争に出る様な方ですから、きっと軍か国に関係していらっしゃるのでしょうけど、軍兵だからって皆が皆、厳しかったり冷酷だったりするわけではないですものね」
脳裏にふと我を失って蛮族・・もう動いてない、死体でしたけど・・に攻撃を加える軍人さんが浮かびました。
彼も、きっと優しいんです。だって、わたしやカプリさんを危険な目に遭わせない様に進言してくれてましたし。
>「でも、彼を見ているととても不安に襲われるの。
> 何か私には見せていない彼がいる。
> そんな気がしてならないの。
> ――あの部屋もそうよ。
> あの部屋の中には一体何があるのか、私は全く知らない。
> 知らないっていう気持ちが私の心を震わせるの」
>「ねえ、だからカレンにお願いがあるの。
> 私と一緒にあそこの扉を開けてくれないかしら?
> 一人だと怖いの。
> 嫌なものを見たときに全て受け止めれられるか不安で。
> ――ねえ、お願い......カレン」
震える手でカップを持ちながら、スールさんはまっすぐにわたしを見てそう仰います。
ですが、フィンさんに聞いた限りだとあの部屋ってアノ部屋ですよね・・。とてもじゃないですけど、わたしとスールさんの2人で行って良いものだとは思えません。
ここはやはり、皆さんと合流してから行きたいものです。
「未知の物に触れる時、そこにはまず恐怖があると言います。
スールさんがわたしを信頼してそう仰ってくださることは非常に嬉しいですし、ご期待に応えたいですけど、ここで少し考えてみましょう」
一旦言葉を切り、脳内での考えをまとめながらお茶を一口。
温度の低下と共に若干の渋味が出始めたお茶は、それでもわたしの意識を覚醒させてくれます。
「・・まず、わたしとスールさん。2人ですね?
こう申すのもちょっとあれなんですけど・・もし、あの扉の中に何か危険があった場合、わたしもスールさんも互いが互いを守ることもできないと思います。
危険がある、と決まっているわけではないですけど、あると想定しておいた方が対処はできますから。
それに、ご主人が執拗に入らない様に仰ってるのも、危険があるからなのではないか、とわたしは推測します。
扉を開けて、中を見て。危険があったらすぐ閉める。
そううまくいけば良いですけど、そうとも限りません」
小さくなってしまったケーキをフォークで刺し、目線の高さまで持ち上げます。お行儀悪いですね・・。
「スールさんはご存知でしょうか?
このフルーツ、ブラッドフルーツと言います。このフルーツには不吉な噂があります。
・・血の流れた場所でしか育たない。
ご主人が止めて、こんな不吉な噂のあるフルーツが育つこの場所で。
それでも尚、あなたは危険を省みずに自らの好奇心を満たすために扉を開きますか?」
言い終えて、ケーキを食べます。うん、美味しい。
もっとも、わたしはこの噂そのものは信じておりませんが。
大体、血の様に赤い、と言いますけど、血液と言うものは赤と言うよりも赤黒いものです。先だっての戦場で見た血はそうでした。
それに種族でも違ってくるみたいですし。
思考が逸れました。
まず、皆さんと合流できるかもしれない可能性に賭けて時間を稼ぎましょう。
ロセウスさんがいればそれだけでもう扉を開く事は安全だと言い切っても良いでしょうし、フィンさんの知識だって凄いです。ネスさんとエクセターちゃんの戦闘能力だって。
うん、やはりここは二人で、というのは諦めてもらいましょう。
時間を稼いでいる間に御主人が帰ってきたら、それはそれで諦めがつくというものです。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
PL こるべっと
あくまでPTメンバーとの合流後にしましょう?というスタンス。
それまでにジルが帰ってきたら・・あれ、もしかしてそれはそれで怖いことになるんじゃないかこれ・・?
そろそろ色々と動きが出そうなので予備ダイスをば。
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
12:27:26 こるべっと@カレン 予備1 2d6 Dice:2D6[6,6]=12
12:27:31 こるべっと@カレン 予備2 2d6 Dice:2D6[3,6]=9
12:27:38 こるべっと@カレン 予備3 2d6 Dice:2D6[6,1]=7
12:27:48 こるべっと@カレン うへへ、6ゾロ出たぜw
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
戦争、という単語は今のカレンには某軍人さんを思い出すキーワードだよ!(脳内ノロケ万歳
>「でも、あまり甘いのばかり食べてると太りますよ?
> 適度に運動して身体を引き締めませんと」
カレンのちょっとした言葉に対してスールは少し驚いたような様子を見せる。
「カレンって結構運動とかしたりするタイプだったのね。
肌も真っ白だし意外だわ。
......まあ食べてばっかり太っちゃうのは嫌よね。
私もこの城に嫁いで来てからは外に出ることはあまりなくなったわ。
昔は兄さんたちと走り回ったものだけど」
スールは最近運動できてないことを思い悩んでいるようだ。
昔は彼女の印象通り活発な性格で野外を兄たちと駆け回っていたそうだが。
* * *
けれどそんなスールは......いやそんなスールだからこそ彼女は悩んでいた。
夫である青髭ジルが自分に隠しているものがある。
封じられた扉の先に何かがあるような気がする。
それを知りたくて知りたくて仕方ないのだと。
>「未知の物に触れる時、そこにはまず恐怖があると言います。
> スールさんがわたしを信頼してそう仰ってくださることは非常に嬉しいですし、ご期待に応えたいですけど、ここで少し考えてみましょう」
その対応としてカレンはまずスールをゆっくりと諭すことから始めた。
>「・・まず、わたしとスールさん。2人ですね?
> こう申すのもちょっとあれなんですけど・・もし、あの扉の中に何か危険があった場合、わたしもスールさんも互いが互いを守ることもできないと思います。
> 危険がある、と決まっているわけではないですけど、あると想定しておいた方が対処はできますから。
> それに、ご主人が執拗に入らない様に仰ってるのも、危険があるからなのではないか、とわたしは推測します。
> 扉を開けて、中を見て。危険があったらすぐ閉める。
> そううまくいけば良いですけど、そうとも限りません」
最初にスールに告げたのはあの扉の先に何らかの危険があった場合だ。
カレンは神官としては優秀であり、知識も深いが......。
戦士としての技量は積んでいないため、内容によっては極めて危険であろう。
それは勿論スールも同様である。
>「スールさんはご存知でしょうか?
> このフルーツ、ブラッドフルーツと言います。このフルーツには不吉な噂があります。
> ・・血の流れた場所でしか育たない。
> ご主人が止めて、こんな不吉な噂のあるフルーツが育つこの場所で。
> それでも尚、あなたは危険を省みずに自らの好奇心を満たすために扉を開きますか?」
もう一つカレンがスールに告げるのは......ブラッドフルーツの不吉な噂についてだ。
血の流れた場所にしか育たないと言われるこの果実に育っている。
つまりこの場所でかつて血が流された可能性があるということなのだ。
カレンが語る間スールは決して目を逸らすことはなかった。
だが、全ての言葉が終わると彼女は落ち込んだかのように俯いてしまう。
「そうよね......カレンの言うことも勿論わかるわ。
あの人は優しいからもし危険なものがあるなら絶対に開けないように言うに決まってる。
それに寡黙な人だから不必要なことまでは決して言ったりはしないと思う。
――でも、そうじゃないのよ。
心配ならどうして心配なのかちゃんと言って欲しいわ」
はぁ......と大きなため息を一つ。
スールの不満は完全には解消されはしないらしい。
「でもこれは私とあの人との問題だし......カレンには関係ないことよね。
ごめんなさい、勝手に巻き込んだりしようとして。
とりあえず扉を開くのは諦めるわ」
ただスールは扉を開けることを諦めることにしたらしい。
少なくともカレンの説得の効果はあったと言えるだろう。
「こんなつまらない話はもうやめにしましょう。
そう、せっかくのお茶の時間なんだから面白い話をするべきだわ。
ねえカレンさっき気になる人がいるって言っていたでしょ?
どんな人なの?
......ほらほら、教えちゃいなさいよ」
こんな感じでゆっくりとお茶の時間は過ぎていく。
* * *
カップが空になり、お皿の上も綺麗になった。
きっとそれなりに楽しい時間を過ごしたことであろう。
「楽しかったわ、カレン。
そろそろあの人が戻ってくる頃かしら?
――とりあえず食器を片付けてくるわね」
そう言ってスールが立ち上がった瞬間。
ほんの一瞬だけ部屋の中が真っ暗になる。
窓の外から差し込む日の光すら途絶えてしまったくらいだ。
――まあすぐに明るくなりはするのであるが。
「びっくりしたわ。
なんだったのかしら?」
スールはキョロキョロと部屋の様子を伺う。
カレンがもし見渡しても特に変化は見られないことだろう。
「うーん、ちょっと陰っただけかしらね」
特に異変がなかったからかスールはそれ以上気に留めることを諦めたらしい。
もう一度食器をお盆に載せ部屋から出ていった。
その仕草自体は手馴れたもので特に特徴的なことはなかった。
だが、スールが部屋から出ようとしたその時。
後ろ姿が一瞬だけ揺らいで見えた。
霧がかかってシルエットが曖昧になったかのように。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
一旦客間の方まで戻りました。
とりあえずスールはカレンの説得に応じたようです。
そのあとはどんな話をするかはお好きにどうぞ。
話をしたあと一瞬だけ部屋の中が暗転します。
最後のは6ゾロのおまけです(・∋・)
判定的には危険感知ですかな。
>「カレンって結構運動とかしたりするタイプだったのね。
> 肌も真っ白だし意外だわ。
> ......まあ食べてばっかり太っちゃうのは嫌よね。
> 私もこの城に嫁いで来てからは外に出ることはあまりなくなったわ。
> 昔は兄さんたちと走り回ったものだけど」
あ、お兄さん(しかも複数)いらっしゃるんですね。
やはり家族に男性が多いと活発になるのでしょうか?
「それは賑やかそうで楽しそうですね。
良かったら、また外にも出てみましょうか?お付き合いしますよ」
ちゃんと、全部を片付けたらまた遊びましょう。
わたしが指示した危険、それについてスールさんはちゃんと理解してくださったようです。まだ不満げではありますけども。
でもまずは今すぐに扉を開けて中を確かめる、という風にはならずに一安心。
とはいえ、中を確かめないと物語も進みませんよね・・。時間を稼ぐのはまだ可能でしょうけど、どれくらい稼げば皆さんが来るのかという確証がないと少し不安です。
来ない、という不安はほとんどないです。確証はないですけど、予感。リルズ様がそんなことするはずないですもの。
>「こんなつまらない話はもうやめにしましょう。
> そう、せっかくのお茶の時間なんだから面白い話をするべきだわ。
> ねえカレンさっき気になる人がいるって言っていたでしょ?
> どんな人なの?
> ......ほらほら、教えちゃいなさいよ」
「え!?・・えぇと・・まだ知り合って間もない方なのですけど・・」
不意にぶつけられた質問。一瞬で頭の中が真っ白になってしまいました。
それでも、これも時間稼ぎには良いかもしれません。少しお話ししておきましょう。
どれくらい時間が経ったでしょうか。冒険者としてのわたしも話し(その中にはとある軍人さんの話もかなりの割合が含まれてた気もします・・)、スールさんも楽しんでお聞きいただけた様です。結構な時間が経過した様な気もしますが、それほどでもない様な気もします。
>「楽しかったわ、カレン。
> そろそろあの人が戻ってくる頃かしら?
> ――とりあえず食器を片付けてくるわね」
「わたしも楽しかったです。あそこでお会いできたのがスールさんで良かった、と思えるくらいに」
でも。
そんな楽しかった空気を一変させる事が起きます。
「っ!?」
スールさんが立ち上がった瞬間、闇が訪れました。
もっとも、それは一瞬で、すぐに明るくはなったのですけど。
>「びっくりしたわ。
> なんだったのかしら?」
「・・わかりません。こういった事はたまにでもあるんですか?」
きょろきょろと周囲を見回すスールさん。わたしも無意識に周囲を確認します。
少なくとも、わたしの目には何か変化があったようには見えませんね。
>「うーん、ちょっと陰っただけかしらね」
「だと、良いのですけど」
ごく自然に。スールさんは食器をトレイに載せて部屋から出ようとします。
その仕草は慣れたもので、特に気にすることはないのですけど・・その、後姿が。
一瞬、ブレた様な・・。
「スールさん!」
扉が閉まる寸前、わたしは彼女を呼び止めます。
「何事もなければ良いですけど・・何かあると大変です、お片付けはわたしも手伝います。
一緒に居る方が良いでしょう」
不安を胸に、わたしはスールさんと行動をともにすることを提案しました。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
PL こるべっと
とある軍人さんのお話しする時のカレンはきっと真っ赤になってますw
それで、一瞬暗くなった時の事なんですけど、魔法的な事だったのかどうか、みたいな事って判別つきますかね?つかないならつかないで結構ですけども。
それと、最後のスールさんが部屋から出るシーン、呼びかけが間に合わずに扉が閉められてしまう様であれば、扉を開いて背中に声を掛けたという形でお願いします。
・・まさかドア開かない、とかないよね?(不安