2-邂逅と変貌
>「ふふ、気を付けます。アティファさん。
> 私もかつては人に仕える身だったので、つい体が勝手に反応してしまうのです。
> そうそう。私の事はセス、で大丈夫ですよ」
セスシナングが護衛を引き受ける反応を返すと。
彼女の整った顔がまた一つ輝き出す。
「ありがとう――セス。
じゃあ、行きましょう?
ちゃんと守ってちょうだいね」
少しいたずらっぽく笑った後、アティファはセスシナングを連れて歩き出していく
* * *
「ここが、アラジンの家よ」
アティファが止まったのは例に漏れず見窄らしい家の前。
だが、家があるというだけでも多少はマシなのかもしれない。
「ねえ、アラジン?
中にいるかしら?」
アティファは家の外から声をかける。
それでも返事が返ってくる気配はない。
もしかして留守なのだろうか。
「残念......留守なのかもしれないわね。
今日出かけてるなんて聞いてなかったのに」
残念そうなポーズをしたアティファはゆっくりとこっちに振り返り。
「......あ」
少し気まずそうな顔をこちらに向ける。
セスシナングも振り返ってみれば。
いかにも真面目そうで頑健な印象の男性がこちらに向かって歩いてきていた。
「探しましたよ、アティファ様」
「私は探してなんて頼んでいないわよ、ハフィーズ」
アティファがハフィーズと名を読んだ男。
彼こそが先ほど話題に出ていた近衛兵長なのではないだろうか。
「私の役目はご存知の通り、アティファ様をお守りすること。
姿が見当たらなければ、例え砂漠の向こうまでも探すのは当然のことです。
――さあ、アティファ様。
宮殿の方まで戻りましょう」
ハフィーズはどうやらアティファを城に連れて帰るのが目的なようだ。
勿論、これもまた彼の仕事なのであろうが。
「嫌よ、戻らないわ。
あそこにいたって退屈なだけだもの」
これもまた予想できたことであるが。
アティファは、はいといって従うつもりなど毛頭ないようだ。
「お気持ちはわかります。
ですが、大通りを歩くのならまだしも。
このような......」
「それ以上言うと怒るわよ、ハフィーズ」
アティファはハフィーズの言葉を途中で遮る。
彼が何を言おうとしていたのか気がついたのだろう。
「――失礼致しました。
ですがやはり、私にはアティファ様を城に連れ戻す義務があります。
どうか、私と共にお戻りください」
このままでは会話は平行線だ。
アティファか、もしくはハフィーズか。
どちらかを説得してみるのもいいかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
セスシナングのカテゴリを移動させました。
しばらくはこちらのカテゴリにご投稿ください。
前回首飾りを返した時にRPを忘れてたので、今回1点差し上げます。
セスシナングたちは今アラジンの家の前までたどり着きました。
【NPC:男性】に【ハフィーズ】を登録しておきます。
セスシナングは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・アティファを説得してみる
・ハフィーズを説得してみる
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『2-邂逅と変貌』にチェックを入れて投稿してください。
>「ありがとう――セス。
> じゃあ、行きましょう?
> ちゃんと守ってちょうだいね」
「ふふ、お任せ下さい」
ほら、『門』達も少しだけ熱を帯びてカラカラと震えているようです。
任せろ、と言いたいのでしょう。
貴方達が買って買ってとせがんだ、矢(シルフさん曰く、弓は無くてもいいそうです)や杖が役に立ちますよ。
いいえ、これらの出番はない方がいいのですけれど。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しばらく歩いて辿り着いたのは、質素な家の前でした。
ここがアラジンさんのお家なのですね。
>「ねえ、アラジン?
> 中にいるかしら?」
アティファさんが声を掛けますが、返事はありません。
お出かけ中なのでしょうか。
>「残念......留守なのかもしれないわね。
> 今日出かけてるなんて聞いてなかったのに」
「きっと、買い物や散歩に出かけているのですよ。
少しお待ちすれば、お戻りになるはずです」
話を聞いた限りは、アラジンさんは活動的なお方だという印象を受けました。
そういえば、アティファさんがアラジンさんにプレゼントをお渡しするということは、今日は何か特別な日なのかもしれません。
例えば...
>「......あ」
「どうかしましたか?」
私の漠然とした思考を遮断したのは、人間の男性でした。
この方がアラジンさん...ではないようです。
>「探しましたよ、アティファ様」>「私は探してなんて頼んでいないわよ、ハフィーズ」
ハフィーズさんと言うらしいこの方、アティファさんを探しに来たようです。
彼女の言っていた『頭の固い近衛隊長』とはこの方なのでしょうか。
>「私の役目はご存知の通り、アティファ様をお守りすること。
> 姿が見当たらなければ、例え砂漠の向こうまでも探すのは当然のことです。
> ――さあ、アティファ様。
> 宮殿の方まで戻りましょう」>「嫌よ、戻らないわ。
> あそこにいたって退屈なだけだもの」>「お気持ちはわかります。
> ですが、大通りを歩くのならまだしも。
> このような......」>「それ以上言うと怒るわよ、ハフィーズ」
>「――失礼致しました。
> ですがやはり、私にはアティファ様を城に連れ戻す義務があります。
> どうか、私と共にお戻りください」
まあ、どうしましょう。私はお二人の間でしばらくおろおろしていました。
お二人は会話の応酬を繰り返していましたが、お互いに譲る気配はありません。
アラジンさんがいらっしゃらない以上、アティファさんはお城に戻るのが正解なのかもしれません。
でも、それだと私はどうすればよろしいのでしょう。
次にアティファさんとお会いできるのはいつになるのでしょう。
私が物語のこの時間に飛ばされ、アティファさんに出会ったのは何か意味があるはずなのです。
物語において、『待つ』という事程面白くなく、退屈な選択肢はありません。
私は決心しました。今の私はアティファさんの護衛です。
「捜しに行きましょう、アラジンさんを」
アティファさんも、アラジンさんも、そう望んでいるはずです。
「初めまして、ハフィーズさん。私、セスシナングと申します。
先程こちらでアティファ様とお会いしました」
目線を合わせるように片膝を付いて、ハフィーズさんに自己紹介をします。
自己紹介は基本です。
「私は乱暴者に襲われそうになっていたアティファさんをお助けしました。
私は見ての通りのリルドラケンで、力には自信があります」
自分で言って何ですが私は強いのでしょうか?
失笑するかのように宝石が揺れました。
大丈夫です、私、強いです。
「私がアティファ様にお付きしますので、
どうか、本日のアティファ様の外出をお許しいただけないでしょうか?」
目には目を歯には歯を。真面目な方には真面目に。
正直にお願いをしてみます。
もし駄目だったら...どうしましょう?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
○PL
皆様が面倒な状況になってる中、こちらはのんびり会話パートです。
でもそろそろ何かが起こりそうな予感ですね。カテゴリ名的にも。
取りあえず正直に『自分が護衛するから外出許してください』とお願いします。
駄目だったらどうするかも一応考えているのですが、どうなってしまうのでしょうね(他人事
>「きっと、買い物や散歩に出かけているのですよ。
> 少しお待ちすれば、お戻りになるはずです」
「そうね、アラジンのことだからありうるわ。
まったくひどい話じゃない、わざわざ来てあげたのに」
言葉の内容とは裏腹に、アティファは笑いながらセスシナングに返した。
そんな二人を見つけた男性こそ。
ハフィーズなる近衛兵長である。
その彼とアティファは応酬を繰り返していたが。
そこにセスシナングは入り込むことにした。
>「捜しに行きましょう、アラジンさんを」
セスシナングの言葉で二人共そちらの方へと注意を向ける。
そんな二人のうち、まずはハフィーずに向けて。
>「初めまして、ハフィーズさん。私、セスシナングと申します。
> 先程こちらでアティファ様とお会いしました」
「いえ、こちらこそ挨拶が遅れて申し訳ございません。
私はハフィーズ、この国の近衛兵長を務めています」
セスシナングが自己紹介をすれば。
ハフィーズの方も返してくれることだろう。
>「私は乱暴者に襲われそうになっていたアティファさんをお助けしました。
> 私は見ての通りのリルドラケンで、力には自信があります」
>「私がアティファ様にお付きしますので、
> どうか、本日のアティファ様の外出をお許しいただけないでしょうか?」
挨拶を終えたあと、セスシナングは本題を切り出す。
それは自分が護衛をするから、アティファにアラジンの捜索をさせて欲しいというものだ。
「そうよ、私もそれがいいと思うわ。
さっきも危ないところだったけど、セスのおかげで助かったわ」
セスシナングの手助けを得られたのをいいことに。
アティファやその言葉に追随する。
「とはいえ、失礼ながらよく知らない相手に護衛を任せるのには不安が......」
ただハフィーズの反応は芳しくない。
彼はセスシナングをよく知らないのだから当然かもしれないが。
「それに、そもそもアティファ様がここの住人のような者と......」
「ハフィーズ、さっきの言葉忘れたの?」
またハフィーズが何か言おうとしたが。
アティファがそれを遮った。
* * *
――ちょうどそんな話をしているところだった。
「おや、王女殿下に近衛兵長殿ではありませんか。
こんなところで珍しいことですな」
でっぷりと太った豪商らしき男が二人の護衛を連れて通りがかった。
護衛たちは見たところそれなりの練度であるように見える。
「ファッティさん、あなたもどうしてこんなところに?」
アティファが彼に返す。
どうやら、彼はファッティという名前のようだ。
「いえ、ただの市場調査ですよ。
ついでにお二方を見かけたのでご挨拶をさせていただこうと」
話し方こそ丁寧ではあるものの。
どことなく含みのある笑い方をしていた。
「それはそれは、わざわざありがとうございます」
ハフィーズはそう恭しく言った。
「おっと、少し失礼」
だが、突然ファッティは向こう側を向いてしまう。
それにしても彼の様子はおかしい。
なんだかどんどん怒り出しているように見える。
「ふん、使えない奴だ。
あれだけ恩をかけてやったというのに。
まあいい、仕方あるまい」
軽く地団駄を踏んでから。
ファッティは再度こちらに振り返る。
「すみません、お見苦しいところをお見せしまして。
少し、仕事の方がうまくいかなかったようでしたな」
「まあ、それは大変ですわね」
当たり障りのない対応がファッティとアティファの間で交わされる。
「いえ、問題ありませんよ。
ふふふ、やりようは幾らでもありますからね」
そう言ってファッティは布を取り出し。
左手の中指に付けられた指輪を拭く。
その指輪には黒い宝石がつけられていたが。
どうにも......どうにも不安を感じる指輪であった。
「ところで、私は富で解決できるならばそれが一番だと考えていますが。
実力行使が必要であれば、それも仕方ないことと考えているのですよ」
不敵な笑みを零す彼の態度に、流石にハフィーズも警戒の念を顕にする。
「何が、言いたいのですか?」
さりげなくアティファをかばうことのできるいちに彼は移動する。
勿論セスシナングだって、同じようなことはできる。
「私は、価値のあるものや美しいものを愛しているのです。
例えば、そう......宮殿に眠る宝物の数々や。
見目麗しきアティファ様のようなね」
アティファは彼の言葉を聞いて。
怯えた様子でセスシナングの後ろに隠れた。
「つまり、私のしたいことはただ一つ。
この国の美しきもの、全てをいただきます」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらセスシナングのルート進行です。
二人の仲裁をしていると、ファッティが二人の護衛を引き連れてやってきます。
護衛に対しては魔物知識判定が可能です。目標値は10。
成功すれば【正騎士】相当の実力を持っているとわかります。
このシーンで行いたい行動があれば、どうぞ。
>「とはいえ、失礼ながらよく知らない相手に護衛を任せるのには不安が......」
やはり、無理がありましたか。
では一体どうしましょう。
>「それに、そもそもアティファ様がここの住人のような者と......」>「ハフィーズ、さっきの言葉忘れたの?」
私はまたおろおろしていました。
このままでは埒があきません。
埒...拉致...そうだわ、と。
あまりよくない考えを閃きかけた頃、また人がやってきました。
>「おや、王女殿下に近衛兵長殿ではありませんか。
> こんなところで珍しいことですな」
ハフィーズさんとは全く雰囲気が違い、お腹の大きな方です。
服装も豪奢なもので、どうやらかなりの資産家さんのようです。
彼は二人の護衛を引き連れていました。お二人とも中々お強いようです。
>「ファッティさん、あなたもどうしてこんなところに?」
この商人さんはファッティさんと言うらしいです。大変分かりやすい名前ですね。
ではどこかにスレンダさんという方もいらっしゃるのかしら...?
しばらくはそんな事を考えていましたが、
彼の話を聞いている内に私は気が付いてしまいました。
彼は話し方こそ丁寧ですが、腹に一物を抱えています。体型の事ではありません。
あの笑みには何か良からぬものを感じます。
>「ところで、私は富で解決できるならばそれが一番だと考えていますが。
> 実力行使が必要であれば、それも仕方ないことと考えているのですよ」>「何が、言いたいのですか?」
>「私は、価値のあるものや美しいものを愛しているのです。
> 例えば、そう......宮殿に眠る宝物の数々や。
> 見目麗しきアティファ様のようなね」
そして、隠していた物が少しずつ、正体を現してきました。
私はハフィーズさんと共にアティファさんの前に立ちました。
つまり、このファッティさんはアティファさんを狙っている。
その為には実力行使も厭わない、という事です。
危険な、方です。
ですがこの状況で私たちの方から手を出す訳には行きません。
私は一つ、試すことにしました。
『パックさん、パックさん、ちょっと出てきてくださいますか』
耳飾りに付いている、碧の宝石に呼びかけます。
宝石の輝きが増していきます。
『呼ばれてー飛び出てーじゃじゃじゃじゃーん!』
するとこの状況には不相応な、楽しげな声と共に、帽子をかぶった小さな男の子が輝きの中から現れました。
彼が風の妖精パックさんです。
パックさんは私の周りをふわふわと回りながら浮かんでいます。
時々尻尾を引っ張ろうとしてくるので、振って追い返します。
『やっとこっちに出られたぜー。
ずっと見てたけどさー、楽しそうなことしてんじゃん。オイラも混ぜてくれよなー』
パックさんは、私の契約している風の妖精では最高位です。
いつもいたずらばかりしている子ですが、実力は確かです。
今はマナの力を少し分け与えて、実体のみをここに保っている状態ですが、
より多くの力を使えばこちらの世界に完全に召喚することも可能です。
「自己紹介が遅れてしまいました。
初めまして、私妖精使いのセスシナングと申します。
そして―」
ファッティさんに自己紹介をします。
自己紹介は基本です。
「こちらはお友達のパックさんです。
彼はとても声が大きいんですよ。
どれくらいかと言いますと、例えば―」
私は、裏路地から微かに見える立派な宮殿を見上げました。
「そうですね。
『姫様を狙う不埒な方がいる』と向こうの宮殿まで伝えられる位、ですね」
パックさんが微妙に戸惑った顔をしている気がします。
本当にやってくださいとお願いするような事態にはなりませんから、大丈夫ですよ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
○PL
ファッティのせいでお姫様をさらって逃避行する予定が狂ってしまいました。おのれい。
という訳で、いつ使おうか迷っていたフェアリーウィッシュを使って、パックを召喚します。
(MP-1)
正直妖精の描写の仕方があんまりわかっていません。
変なことするようなら、パックのウィンドボイスで宮殿に通報しますよって感じで牽制します。
こんな事言ってなんですが、正直ウィンドボイスで宮殿に声を届けるのは無理だと思っています。
なので、セスの言ってる事は出まかせもいい所です。
でも妖精使いってあまり一般的に浸透してないみたいですし、ファッティさんがいい感じに真に受けてくれる事を願います。
でもイスラさんフェアリーテイマー持ちでしたっけ。だったらある程度知識があってもおかしくないですねー。
ファッティさんとイスラさんは共鳴の指輪を持っているのでしょう。
さすがに10万ガメル近くの価値がある物を放置したりはしないと思いますので、
多分ファッティさんはイスラさんから指輪を回収するために、この後皆さんの所に行くと思います。
そのついでにこちらに護衛をけしかけていく感じかしら。
魔物知識はぎりぎり成功。
ニカ 魔物知識 2d6 Dice:2D6[3,1]=4 +6=10
※フェアリーウィッシュの行使ダイスを忘れていたので追記します。
発動しました。
ニカ へありーういっしゅ 2d6
Dice:2D6[6,5]=11
ファッティとアティファ、そしてハフィーズの間で不穏な空気が流れる中。
セスシナングはパックの力を借りつつ。
>「自己紹介が遅れてしまいました。
> 初めまして、私妖精使いのセスシナングと申します。
> そして―」
自らの名を名乗る。
「なんだ、お前は?
ただの白い壁かと思っていたんだが。
邪魔しないでくれんか?」
セスシナングの言葉はぞんざいな扱いを受けてしまう。
どうやら彼は歯牙にはかけていなかったようだ。
そんなセスシナングが......。
>「そうですね。
> 『姫様を狙う不埒な方がいる』と向こうの宮殿まで伝えられる位、ですね」
風の妖精の力で宮殿まで届けられる。
そんな風に脅迫のようなことを言って見せるならば。
「宮殿に......?
伝えられるものなら伝えてみるがいいさ。
いずれ、あの宮殿まで俺のものになる」
男は下品な、しかし不敵な笑みを浮かべて。
指輪を触ってみる。
黒い宝石が歪に煌めく。
「貴方の身分もあることですから......言葉だけなら目を瞑ろうかとも考えましたが。
残念ながら、どうやら本気のようですね。
――ならば覚悟するがいい、殿下に刃向かう逆賊よ!」
それまでは話のみで対応していたハフィーズであったが。
ついに彼は刃を抜く。
「確かにハフィーズ殿......貴方はお強い。
だが、所詮それは人のレベルで考えた話。
私には人の域を超えた力がある」
そう言ってファッティは指輪の嵌めた手を天に掲げる。
「魔神の指輪のことを聞いたことはありますか?」
にやりと笑うファッティに対し。
ハフィーズは表情を固くする。
「まさか、それが伝承の指輪だとでも?」
ハフィーズの反応から察するに。
どうやらこの世界にはそういった指輪の伝承が存在するらしい。
「その通りですよ。
そして私はこの指輪に願いましょう。
あまりスマートな願いではないのですが、強力な願いを......」
ファッティは手に嵌めた指輪を擦り。
その指輪は昏き輝きを放つ。
「魔神の指輪よ!
我に貴様の持つ願いを叶える魔神の力を与えよ!」
ファッティが願いを高らかに述べれば。
日が照っていたはずの空が一瞬で曇りだし。
辺りから影が闇が彼目掛けて集まっていく。
「セスシナング殿......といいましたか」
刃を向こうに向けながら。
ハフィーズは横目でセスシナングに語る。
「先程はああも言いましたが。
このような状況であればあれこれ考えている暇はないでしょう。
どうか、アティファ様を連れてお逃げください。
さあ、早く......!」
「ハフィーズ、あなた......何を?」
ハフィーズは頼んだ。
セスシナングにアティファを連れてこの場から離れるように、と。
だが、果たしてその場合ここに留まった彼はどうなるのだろうか。
セスシナングには取りうる手段が幾つかある。
どれを選択するか、全て彼女次第だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらセスシナングのルート進行です。
ファッティが魔神の指輪の力を使いました。
【分類:道具】に【魔神の指輪】を登録しておきます。
セスシナングは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の4つです。
・アティファと共に逃げる
・アティファだけ逃がす
・3人で逃げようとする
・自分だけ逃げる
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
>「魔神の指輪よ!
> 我に貴様の持つ願いを叶える魔神の力を与えよ!」
これは、いけません。
その指輪が何をもたらすものかは分かりません。
しかし、良くない物だという事だけは分かります。
照っていたはずの空が、黒く染まって、彼へと集まっていきます。
過ぎたる力を求めし者の末路は、その全てが暗澹たるものでした。
私の半身の姿が頭の隅に微かに浮かんだ時。
>「セスシナング殿......といいましたか」
>「先程はああも言いましたが。
> このような状況であればあれこれ考えている暇はないでしょう。
> どうか、アティファ様を連れてお逃げください。
> さあ、早く......!」
「いいえ、それはできません」
私は即答しました。
「あの方と護衛の方2人、貴方だけで対処することが出来るのですか?
それに、この状況ではどこへ行っても安全とは言えないでしょう」
魔神の指輪でしたか。それの力がどれくらいかは分かりませんが、
あの方は宮殿を手に入れると言っていました。
この国一つ、掌握できるほどの力が有ると彼は確信しているのでしょう。
その力が発動した時、この街にどれ程の被害が出るのか...
ここは物語の世界ですが、ここに住む人々は確かにこの世界に息づいています。
止めなければいけません。
「アティファさん、申し訳ありません。
護衛は、ここまでです」
私は翼を広げると、ファッティさんの方へと飛びました。
少し毛の生えた私の翼は広げると少しだけ白い毛が飛び散ります。
「次会った時は、友達です。
アラジンさんとの馴れ初め、聞かせて下さいね」
ファッティさんの柔らかい体を掴み、そのまま空へ。
「ハフィーズさん、アティファさんをお願いします。
彼女はまだ若いです。色々なことをさせてあげてくださいね」
ファッティさんがどういう状態かは分かりません。
彼の状態を確認できるほどの余裕がありません。
それよりも、なるべく街から離れて、誰も居ない場所へ。
私は必死に翼を動かし続けました。
―――――――――――――
◯PL
私は2人を逃がして、ファッティとサシで戦うことを選びましょう。
ロボットアニメだったらこのまま自爆してそう。
風の翼発動で、ファッティを抱えて飛びます。
そのまま街から出て、なるべく街から離れた場所まで限界まで全力飛行します。
流石に200kgは超えていないと願いたい。
セスシナングは、
ファッティはそれなりの権力を持つ国賓みたいな方なのではないかと推測しており、
そんなファッティをハフィーズが殺しちゃったら、
ハフィーズの立場が危うくなるのではないかと考えています。
なので、この世界の人間でない自分が対処した方がいいだろうと考えたんですね。
また魔神の力がどのようなものかわからない以上、街から離した方が安心っていうのもあります。
PL的にはそんなセスシナングを絨毯に乗った皆様が見つけてくれないかなーと期待しています。
この行動が無理なようでしたら後ほど修正いたします。
その際は、全員で逃げます。
ハフィーズはセスシナングにアティファを連れて逃げるように頼む。
だが、彼女が出した答えは。
>「いいえ、それはできません」
――決して二人で逃げることではなかった。
セスシナングは言う、ハフィーズ一人ではどうしようもないことを。
そして、どこへ逃げても意味がないだろうことを。
「だとしても、ここでこのまま......!」
ハフィーズは何か続けて言おうとしたが。
セスシナングの心は固まっていた。
>「アティファさん、申し訳ありません。
> 護衛は、ここまでです」
翼を広げながらアティファに言う。
「セス、どういうこと......?」
アティファは不安げな表情でセスシナングの姿を見あげていた。
>「次会った時は、友達です。
> アラジンさんとの馴れ初め、聞かせて下さいね」
そう言うとセスシナングはファッティの姿をつかみ、空へと舞い上がる。
今この瞬間にも影の力が集まっていることがわかるだろう。
>「ハフィーズさん、アティファさんをお願いします。
> 彼女はまだ若いです。色々なことをさせてあげてくださいね」
「まさか......!」
ハフィーズがセスシナングに声をかける。
最初の10秒。
ファッティを掴んで全力で離れていく。
背後にあるアティファたちの姿が遠くなる。
――その距離約75m。
次の10秒。
贅肉で柔らかったはずのファッティを掴む手の感触が変わる。
それはまるで徐々に硬く、大きく、重く。
重さと大きさで先程のように上手く運べない。
ハフィーズの姿が少し小さくなる。
――その距離約100m。
その次の10秒。
もはやさっきまでのファッティはそこにはいなかった。
重さも大きさもセスシナングが運べる限度を超えている。
「愚かな女め。
その程度で俺を止められると思ったか?」
ファッティは巨大な魔神へとその姿を変えていた。
もはや人であった彼の姿はそこにはない。
「小賢しい真似をしてくれる。
そんなに飛びたいなら彼方まで吹き飛んでしまうがいい!」
ファッティの言葉の後。
セスシナングは強烈な勢いで吹き飛ばされる。
この勢い自体にダメージはない。
だが、どこかに追突してしまった場合は話が別だ。
ダメージを受けないためには、上手く宙で体を翻す必要があるだろう。
「ははは、これが俺の力か!
今の俺ならば容易に全てを手に入れることができよう。
まずは、そこからだ!」
魔神が笑い声を上げたかと思うと。
「きゃあ!」
アティファの悲鳴が上がる。
見れば彼女は宙に黒い球に閉じ込められていた。
「アティファ様!」
ハフィーズが手を伸ばそうとするも。
その球は宙を飛び、魔神の手元に収まってしまう。
「貴様......王女殿下を返せ!」
ハフィーズが魔神のもとへ向かおうとするが。
それを阻むのは二人の護衛だ。
彼らに道を阻まれ、ハフィーズは向かうことができない。
「貴様はそこでそいつらと遊んでいるがいい。
俺は今から宮殿を、全てを手に入れに行くとしよう」
魔神となったファッティはアティファを奪ったまま宮殿に向かっていく。
「くっ......邪魔だ!
――セスシナング殿、貴女に頼みがあります。
あの魔神を追ってください、すぐに!
貴女の命を危険に晒すかもしれませんが、それ以外......ないのです」
魔神の背中を追いながらハフィーズはセスシナングに言う。
今すぐアティファを攫った魔神を追いかけて欲しいと。
だが、一人で追いかけるということはハフィーズの言う通り危険かもしれない。
ハフィーズも目の前の二人を片付けたら追いかけるつもりなのだろう。
彼は護衛共よりは幾らか手練であるが......敵はその分数が多い。
セスシナングはハフィーズに加勢するか。
それとも彼の願い通りにファッティを追いかけるか。
今、選択を委ねられている。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらセスシナングのルート進行です。
少しの間のみファッティを運ぶことができましたが、
その代わりセスシナングは吹き飛ばされます。
セスシナングは【風の翼】を3R分消費します。
魔神の姿のファッティに魔物知識判定が可能です。目標値は13。
成功すれば今のファッティは『無敵』『不死身』な感じであることがわかります。
距離決定用2D6のダイスを1回お振りください。
ダイスの出目*10mがセスシナングの吹き飛ばされる距離です。
同時にダイスの出目*3点の物理ダメージを受けます。
このダメージは受身判定もしくは防護点で軽減可能です。
【風の翼】を再度使用するならば、ダメージを0に変更可能です。
アティファを奪った魔神のファッティは宮殿に向かい、
ハフィーズの行動は護衛二人に阻まれました。
セスシナングは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ファッティを追いかける
・ハフィーズに加勢する
ファッティを追いかけるを選択した場合は2D6の予備ダイスを1つお振りください。
ハフィーズに加勢するを選択した場合は戦闘になります。
戦闘についてはオート戦闘形式(ver3)で処理します。
詳細は【3-著者解説】の該当欄をご確認ください。
位置は以下のようになっております。
② 10m ③ 10m ④ 10m ⑤ 10m ⑥ 10m ⑦ 10m ⑧ 10m ⑨ 10m ⑩・ハフ・正A・正B 10m ⑪ 10m ⑫
セスシナングの距離は決定ダイスの出目と同じ数字の位置から始まります。
戦闘の発生に対し、皆様は必ず以下の3つを行ってください。
・先制判定用ダイス(目標値14)
・6つの戦闘スタイルから1つの選択
・2D6の戦闘処理用ダイスを5~15個
カスタム行動で以下のようなものをご記述いただいても構いません。
・敵キャラクターを狙う順番
・状況毎の詳細な行動宣言(選択したスタイルより優先します)
・PCの行動順
・移動距離
・MPや魔晶石、各種消費アイテムなどの使用度合い
などなど
【2-登場人物】に【NPCデータ:ハフィーズ】について登録しておきます。
ハフィーズは《攻撃》を選択します。
カスタム行動として以下の4つを設定します。
・基本的にセスシナングの後に行動します。
・HPの一番少ない敵を《斬り返しⅡ》で攻撃します。
・HPが30以下になった場合はポーションインジェクターを使います。
・練技は魔晶石から使います。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
私達の祖先は、人と同じ高さに立つ事を願い、代償に自由に大空を飛ぶ力を失いました。
せめてそれが尻尾や牙だったら、よかったのですが。
黒い靄と共に、ファッティさんの感触が少しづつ変化していきます。
柔らかかったはずの体は、硬く。
そこまで重くなかったはずの重量も変化してきたのか、腕が辛くなってきました。
爪が彼の体に食い込んでも構わないばかりに、と力を強めます。
止まる訳には行きません。
このまま、もっと遠くへ―――
不意に。
彼を掴む感触が大きく、変化しました。
ファッティさんの体はここまで大きかったでしょうか。
こんなに硬かったでしょうか。重かったでしょうか。
先程まで私の隣に浮かんでいたパックさんが怯えたようにふっと消えていきました。
>「愚かな女め。
> その程度で俺を止められると思ったか?」
私は既に、ファッティさんを掴んではいませんでした。
あの太った商人さんの姿はもうありません、そこにいたのは、
何かおぞましい姿をした、怪物でした。
>「小賢しい真似をしてくれる。
> そんなに飛びたいなら彼方まで吹き飛んでしまうがいい!」
強烈な衝撃。
もう高度を維持することは出来ません、地面に向かって落ちていきます。
地面と衝突する前に何とか体勢は立て直しましたが、
このまま落ちていたらただでは済まなかったでしょう。
格好付けすぎたでしょうか。
>「ははは、これが俺の力か!
> 今の俺ならば容易に全てを手に入れることができよう。
> まずは、そこからだ!」>「きゃあ!」
>「アティファ様!」
「アティファさん!」
アティファさんは黒い球に閉じ込められ、そのままファッティさんの手元へ。
あれだけ遠くに引き離したはずなのに、
今のファッティさんにはこの程度は造作もない事のようです。
「いけません、ファッティさん!
そのような力には、何の意味もありません!
過ぎた力はいずれ貴方の身を滅ぼしてしまいます!」
思わず叫びました。
彼は、力に溺れてしまっています。
力さえあれば全てを手に入れられるというのは、間違いです。
私はそれを知っています。
>「貴様はそこでそいつらと遊んでいるがいい。
> 俺は今から宮殿を、全てを手に入れに行くとしよう」>「くっ......邪魔だ!
> ――セスシナング殿、貴女に頼みがあります。
> あの魔神を追ってください、すぐに!
> 貴女の命を危険に晒すかもしれませんが、それ以外......ないのです」
ファッティさんはこのまま、宮殿へと向かうつもりです。
ハフィーズさんは護衛に阻まれ、ファッティさんに近づくことができません。
今ここで動けるのは私だけ、か。
「...分かりました!
アティファさんは必ず助け出します。
貴方も、無事でいて下さい」
逡巡は一瞬でした。
ハフィーズさんは手練れですが、護衛には数の有利があります。
ハフィーズさんも無事では済まないでしょう。
しかし。
彼から頼まれ、私もそれに応えた以上、引き下がる訳には行きません。
例え、今の私にファッティさんに対抗する術がないとしても。
私はファッティさんの背を追い、走り出しました。
私は木の葉を揺らす風です。
俊敏さには自信があります。追い付くのはそう難しくないはず。
彼女を、返して頂きます!
―――――――――――――――――――
○PL
ニカ 距離 2d6 Dice:2D6[3,1]=4
40m吹き飛ばされました。
4*3=12ダメージ
ダメージは受け身判定で受けます。
ニカ 受け身判定 2d6+9 Dice:2D6[5,1]+9=15
12-15=-3なので0ダメージに抑えることができました。
魔神と化したファッティさんを追いかけます。
アティファさんを助ける見込みも、ファッティをどうにかする見込みもありませんが、
それでも彼女は行くのです。
骨は拾ってください。
指定ダイスは6でした。
ニカ 指定ダイス 2d6 Dice:2D6[5,1]=6
ニカ 魔物知識 2d6+6 Dice:2D6[5,2]+6=13
魔物知識はぎりぎり成功しました。
強い、絶対に強い。
>「いけません、ファッティさん!
> そのような力には、何の意味もありません!
> 過ぎた力はいずれ貴方の身を滅ぼしてしまいます!」
セスシナングを吹き飛ばし。
アティファを捕らえたファッティ。
彼に向けてセスシナングは叫ぶ。
「俺が滅ぼされることなどあるものか。
俺はこの力で全てを手に入れてやるだけだ!」
だが、彼は聞き入れなかった。
ほんの少しさっきより尊大で暴力的になっている気もする。
そしてそんな彼は宮殿を目指していく。
ハフィーズは二人の護衛に阻まれて動けない。
>「...分かりました!
> アティファさんは必ず助け出します。
> 貴方も、無事でいて下さい」
代わりにセスシナングがファッティたちを追いかけることにしたようだ。
負けるかもしれないと、覚悟しながらも。
彼女はその後を駆けていった。
* * *
初めてセスシナングがこの世界に来た際に訪れた場所――宮殿へと続く大通り。
今そこにセスシナングはいた。
当初と違うのは人の姿が全く見えないこと。
セスシナングと――先を行く魔神の姿を除いて。
人々は避難していったのだろうか。
それともセスシナングのように吹き飛ばされたのか。
「ここまでついてくるとは......。
命を顧みぬ愚かな女だ」
ファッティがセスシナングの方に振り返る。
それと同時に捕らえられたアティファの姿も見える。
彼女は何か伝えようとするかのように口を開き。
「追ってきちゃダメよ、セス!
逃げて、ハフィーズと一緒に!
それで......それでもしアラジンに会えたら......。
アラジンにも逃げて、ううん、生きてって伝えて欲しいの!」
彼女が届けたメッセージは助けを求めるものではなく。
むしろ逆のもの。
逃げて、生きて欲しいというものであった。
そしてその気持ちはセスシナングやハフィーズたちだけでなくアラジンにも向けられていた。
それだけ......想っているということなのかもしれない。
「そうか、我が王女はこいつを生かすことが望みか。
ならばここで俺が殺すのは止めておこう」
意地の悪い笑みを浮かべて。
ファッティはセスシナングに手を出す気がないことを告げた。
だが、それだけが真実であるはずもなく。
「だが、邪魔をされては困るのでな。
代わりに俺の眷属と遊んでいてもらおう。
もしそれで死ぬとしたら自分の弱さを呪えばいいだけだ」
彼が呼び出したのは三体の魔神。
一体一体は大したことがないが。
その存在はセスシナングにとって障害となる。
「では、俺は宮殿へ参ろう。
追いたければ追ってくるがいい。
その時は一つの情けもなく殺すだけだがな」
ファッティは影の中へと消えていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらセスシナングのルート進行です。
ファッティを追いかけたところ、魔神たちに行く手を阻まれます。
アティファの言動からRPを1点獲得できますね。
予備ダイスは魔物知識判定に使用しました。
その結果、ダスキーグレイスが3体だとわかります。
ダスキーグレイスとは戦闘になります。
戦闘についてはオート戦闘形式(ver3)で処理します。
ダスキーグレイスたちは戦闘を長引かせることを優先します。
位置は以下のようになります。
ダA 4m ダB・ダC 1m セス
戦闘の発生に対し、必ず以下の3つを行ってください。
・先制判定用ダイス(目標値14)
・6つの戦闘スタイルから1つの選択
・2D6の戦闘処理用ダイスを5~15個
カスタム行動で以下のようなものをご記述いただいても構いません。
・敵キャラクターを狙う順番
・状況毎の詳細な行動宣言(選択したスタイルより優先します)
・PCの行動順
・移動距離
・MPや魔晶石、各種消費アイテムなどの使用度合い
などなど
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
>「俺が滅ぼされることなどあるものか。
> 俺はこの力で全てを手に入れてやるだけだ!」
ああ、これは。
力に溺れ、酔ってしまっています。
私は知っています。たとえ全てを手に入れられたとしても、その手には何も残らない。
最後には自らすらも失ってしまうことを。
この道は、どこかで見たことがあります。
そうです。私が初めて訪れた場所です。
あの時の喧騒は見る影もありませんが、どこか懐かしさを覚えます。
おかしいですね。この世界にきてあまり時間が経っていないはずなのに。
>「ここまでついてくるとは......。
> 命を顧みぬ愚かな女だ」
「確かに命は大事ですが、そればかり顧みていては
この仕事はやっていられませんから」
ファッティさんがこちらを振り返ります。
同時にアティファさんの姿も見えました。
よかった、まだ無事のようです。
彼女の口が動きます。
>「追ってきちゃダメよ、セス!
> 逃げて、ハフィーズと一緒に!
> それで......それでもしアラジンに会えたら......。
> アラジンにも逃げて、ううん、生きてって伝えて欲しいの!」
彼女は逃げてと言いました。
アティファさんも、今のファッティさんの力を感じ取っているのでしょう。
しかし、私はファッティさんに背を向ける訳にはいかないのです。
「それは出来ません。私がハフィーズさんに怒られちゃいます。
アラジンさんだって、あなたを見捨てたりなんてしません。
貴方が好きになった方がそんな薄情な方なはずは絶対、ありません」
街がこんな事になっているんですから、
アラジンさんだってこの事態にすぐに気が付くでしょう。
そして。これは勘ですが、同じようにこの世界に来たはずの皆さんとももうすぐ会える気がします。
私も数奇な体験をしましたが、皆さんもきっととんでもない経験をしたのでしょう。
そして、彼らはこの事態から逃げる事なんて絶対にしないはず。私はそう信じています。
>「そうか、我が王女はこいつを生かすことが望みか。
> ならばここで俺が殺すのは止めておこう」
少しだけ面影の残った顔が悪い笑みを浮かべました。
>「だが、邪魔をされては困るのでな。
> 代わりに俺の眷属と遊んでいてもらおう。
> もしそれで死ぬとしたら自分の弱さを呪えばいいだけだ」
彼は小さな魔神達を召喚しました。
それは貴方の仲間などではありません。貴方は人間です。
>「では、俺は宮殿へ参ろう。
> 追いたければ追ってくるがいい。
> その時は一つの情けもなく殺すだけだがな」
私が魔神達と対峙している間にファッティさんは見えなくなりました。
宮殿へ進んでいるのでしょう。
魔神の数は、3体ですか。
1体1体は大したことはありません。しかし3体となると、厳しいです。
私は接近戦は苦手なもので、集中攻撃を喰らったらあっという間に倒されてしまうでしょう。
しかし、今の私は急がなければいけません。
『彼』を呼びます。
『風読みの子よ。全てを包み、全てを吹き飛ばす風よ――
我が声に応え、此処に姿を表せ』
私の手の中で魔晶石が割れ、宝石たちが碧の輝きを放ち始めました。
お願いしますね、パックさん。彼らを吹き飛ばしちゃってください。
――――――――――――――――――――――――
○PL
ぎりぎり先行になりました。
何か眼鏡割るとか言ってますが、指輪の事なのであまり気にしないであげてください。
先制ダイス。眼鏡割ります 2d6+9+2 Dice:2D6[3,1]+9+2=15
×眼鏡 ○指輪
△戦闘スタイル
戦闘スタイルは《攻撃》を選択します。△カスタム行動
・状況ごとの詳細な行動宣言
1R目は、『サモン・フェアリーⅣ』でパックを召喚しつつ3m制限移動で後退。
消えるまで肉壁になってもらいつつ、ひたすらウィンドストームで攻撃してもらいます。
セスシナングは2R目、3R目は雪結晶の髪飾り、迅雷の髪飾りを一番HPの低い敵に投げつけます。
4R目は待機。
パックが消えたら、残ってる敵が2体以上ならウィンドカッター、1体ならファイアボルトを使用します。・移動距離
戦闘エリアから10m程離れた地点に留まらせてください。
パックはダスキーたちに接触させてください。・MPや魔晶石、各種消費アイテムなどの使用度合い
魔晶石は計算が面倒なので、フェアリー召喚時以外は使いません。
消費アイテムは、投擲する髪飾り系は惜しみなく使います。・とにかく戦闘を早く終わらせることを最優先。
多分、ダスキー達は補助、回復ばかりしてくるのかなと思いますが、
読み間違えたらセスシナングが死ぬので、壁という名の妖精召喚します。
セスシナング HP45/45 MP54/55
以下、戦闘ダイスです。
20:55:09 ニカ 2d6 Dice:2D6[2,5]=7
20:55:12 ニカ 2d6 Dice:2D6[3,5]=8
20:55:15 ニカ 2d6 Dice:2D6[3,1]=4
20:55:18 ニカ 2d6 Dice:2D6[5,6]=11
20:55:22 ニカ 2d6 Dice:2D6[2,6]=8
20:55:25 ニカ 2d6 Dice:2D6[3,1]=4
20:55:28 ニカ 2d6 Dice:2D6[4,3]=7
20:55:30 ニカ 2d6 Dice:2D6[6,5]=11
20:55:37 ニカ 2d6 Dice:2D6[4,4]=8
20:55:39 ニカ 2d6 Dice:2D6[4,1]=5
20:55:50 ニカ 2d6 Dice:2D6[3,4]=7
20:55:53 ニカ 2d6 Dice:2D6[5,2]=7
20:55:57 ニカ 2d6 Dice:2D6[6,5]=11
20:56:00 ニカ 2d6 Dice:2D6[1,4]=5
20:56:02 ニカ 2d6 Dice:2D6[4,6]=10
>「それは出来ません。私がハフィーズさんに怒られちゃいます。
> アラジンさんだって、あなたを見捨てたりなんてしません。
> 貴方が好きになった方がそんな薄情な方なはずは絶対、ありません」
アティファはセスシナングに逃げて欲しいと言った。
だが、セスシナングは応じなかった。
ハフィーズと約束したから。
アラジンを信じたから。
何よりも自分自身がそうしたかったから。
「セス......」
彼女の顔には複雑な表情が浮かんでいた。
それは嬉しさと驚きと、大きな悲しみや恐れが混じりあったような。
――決して逃げないセスシナングを止めるため。
ファッティが呼び出したのは三体の魔神。
その魔神に相対すべく。
セスシナングが呼び出したのは妖精パックだ。
パックの扱う吹きすさぶ嵐の力。
そしてセスシナングが投げる氷と雷の飾り。
最後はセスシナングの炎によってダスキーグレイスたちは露と消える。
だが、奴らが癒しの力で粘ったことにより、その間にファッティたちの姿を見失ってしまっていた。
――おそらく宮殿に向かったのだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらセスシナングのルート進行です。
本来WTやEXのルール適用可だとパックは風の魔法は9レベルまで、
つまりウィンドストームは使えないのですが......。
こちらからの確認が遅くなったこともあり、
おそらくわかっていれば別の妖精や別の戦い方をしたと思うので、
限定的に有りにしました。
次回からは通常のルール通り妖精の使える魔法は同属性の同レベルまで、
という形式で処理します。
戦闘の結果は以下のようになりました。
セスシナング 【HP】45/45 【MP】33/55(消費:魔晶石(5)*1 雪結晶*1 迅雷*1)
とりあえず現時点は戦闘処理のみ。
続きは次のカテゴリで進行します。
=============================
ダA 4m ダB・ダC 1m セス
先制判定が15だったため、PC側の先攻。
○1R先攻
セスシナングは制限移動で3m後退。
ダA 4m ダB・ダC 4m セス
セスシナングは【サモンフェアリーⅣ】を使用。消費MP17と魔晶石5点。
行使判定:(7)+12=18で成功。パックを召喚。
ダA 4m ダB・ダC 4m セス・パック
セスシナング 【HP】45/45 【MP】39/55(消費:魔晶石(5)*1)
パックは補助動作で【風乗り】を使用4m前進。
ダA 4m ダB・ダC・パック 3m セス
パックはダスキーグレイスAを中心に【ウィンドストーム】を行使。消費MP9。目標値14。
行使判定:(8)+13=21で成功。
ダメージ(A):(R20,4)=2+13=15。15点の風属性魔法ダメージ。
ダメージ(B):(R20,11,8)=9+6+13=28。28点の風属性魔法ダメージ。
ダメージ(C):(R20,4)=2+13=15。15点の風属性魔法ダメージ。
パック 【HP】69/69 【MP】60/69
ダスキーグレイスA 【HP】27/42 【MP】29/29
ダスキーグレイスB 【HP】14/42 【MP】29/29
ダスキーグレイスC 【HP】27/42 【MP】29/29
○1R後攻
ダスキーグレイスAは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスA 【HP】35/42 【MP】26/29
ダスキーグレイスBは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスB 【HP】22/42 【MP】26/29
ダスキーグレイスCは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスC 【HP】35/42 【MP】26/29
○2R先攻
セスシナングはダスキーグレイスBに雪結晶の髪飾りを投擲。目標値14。達成値12で抵抗。
ダメージ:(R20,7)=5+5=10点。半減で5点の水・氷属性魔法ダメージ。
セスシナング 【HP】45/45 【MP】39/55(消費:魔晶石(5)*1 雪結晶*1)
ダスキーグレイスB 【HP】17/42 【MP】26/29
パックはダスキーグレイスAを中心に【ウィンドストーム】を行使。消費MP9。目標値14。
行使判定:(11)+13=24で成功。
ダメージ(A):(R20,8)=6+13=19。19点の風属性魔法ダメージ。
ダメージ(B):(R20,5)=3+13=16。16点の風属性魔法ダメージ。
ダメージ(C):(R20,7)=5+13=15。15点の風属性魔法ダメージ。
パック 【HP】69/69 【MP】51/69
ダスキーグレイスA 【HP】16/42 【MP】26/29
ダスキーグレイスB 【HP】1/42 【MP】26/29
ダスキーグレイスC 【HP】20/42 【MP】26/29
○2R後攻
ダスキーグレイスAは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスA 【HP】24/42 【MP】23/29
ダスキーグレイスBは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスB 【HP】9/42 【MP】23/29
ダスキーグレイスCは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスC 【HP】28/42 【MP】23/29
○3R先攻
セスシナングはダスキーグレイスAに迅雷の髪飾りを投擲。目標値14。達成値12で抵抗。
ダメージ:(R20,7)=5+5=10点。半減で5点の雷属性魔法ダメージ。
セスシナング 【HP】45/45 【MP】39/55(消費:魔晶石(5)*1 雪結晶*1 迅雷*1)
ダスキーグレイスA 【HP】19/42 【MP】23/29
パックはダスキーグレイスAを中心に【ウィンドストーム】を行使。消費MP9。目標値14。
行使判定:(11)+13=24で成功。
ダメージ(A):(R20,5)=3+13=16。16点の風属性魔法ダメージ。
ダメージ(B):(R20,10,7)=8+5+13=26。26点の風属性魔法ダメージ。
ダメージ(C):(R20,8)=6+13=19。19点の風属性魔法ダメージ。
パック 【HP】69/69 【MP】42/69
ダスキーグレイスA 【HP】3/42 【MP】23/29
ダスキーグレイスB 【HP】-17/42 【MP】23/29
ダスキーグレイスC 【HP】9/42 【MP】23/29
ダスキーグレイスBは倒れた。
ダA 4m ダC・パック 3m セス
○3R後攻
ダスキーグレイスAは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスA 【HP】11/42 【MP】20/29
ダスキーグレイスCは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスC 【HP】17/42 【MP】20/29
○4R先攻
パックは帰還。
ダA 4m ダC 3m セス
セスシナングはダスキーグレイスCに【ファイアボルト】を行使。消費MP2。目標値15。
行使判定:(4)+12=16で成功。
ダメージ:(R10,11,8)=6+4+12+1=23。23点の炎属性魔法ダメージ。
セスシナング 【HP】45/45 【MP】37/55(消費:魔晶石(5)*1 雪結晶*1 迅雷*1)
ダスキーグレイスC 【HP】-6/42 【MP】20/29
ダスキーグレイスCは倒れた。
ダA 7m セス
○4R後攻
ダスキーグレイスAは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスA 【HP】19/42 【MP】17/29
○5R先攻
セスシナングはダスキーグレイスAに【ファイアボルト】を行使。消費MP2。目標値15。
行使判定:(4)+12=16で成功。
ダメージ:(R10,7)=3+12+1=16。16点の炎属性魔法ダメージ。
セスシナング 【HP】45/45 【MP】35/55(消費:魔晶石(5)*1 雪結晶*1 迅雷*1)
ダスキーグレイスA 【HP】3/42 【MP】17/29
○5R後攻
ダスキーグレイスAは自身に【アース・ヒール】を行使。消費MP3。8点回復。
ダスキーグレイスA 【HP】11/42 【MP】14/29
○6R先攻
セスシナングはダスキーグレイスAに【ファイアボルト】を行使。消費MP2。目標値15。
行使判定:(11)+12=23で成功。
ダメージ:(R10,8)=4+12+1=17。17点の炎属性魔法ダメージ。
セスシナング 【HP】45/45 【MP】33/55(消費:魔晶石(5)*1 雪結晶*1 迅雷*1)
ダスキーグレイスA 【HP】-6/42 【MP】14/29
ダスキーグレイスAは倒れた。戦闘終了。