2-竜の抱くちから
>『数々の力添え、痛み入る。こんなものしかないが、せめてもの感謝の印として受け取ってほしい』
ティキはラドンから古竜の牙を受け取った礼として酒の種を差し出す。
『こいつは......いいものを貰ったものだ。
この世界におる限り、外の世界にしかない酒はそうそう味わえんからな』
ティキが差し出したものをラドンは満足そうに受け取る。
少なくとも完全な社交辞令ではないだろう。
この世界はやはりラクシア自体とは違うのだ。
>『なぜ、見ず知らずの私にここまで......?』
酒の種を棚に仕舞いこんだラドンに対し、ティキはふと浮き上がってきた疑問をこぼす。
ただ道を教えるくらいなら、まあ多少の人はやるかもしれない。
だが、貴重であろう古竜の牙を初対面の人物に渡す者はそうそういまい。
――ならば、ラドンにはラドンの理由があるということだろう。
『お前のためではない......友のためだ。
偉大だが孤独な友は、少なからず刺激を求めている。
この世界が幾ら自由であっても、膨大な時間の中では飽きてしまうものだろう。
ましてあの穴の中ではな』
そう言ってラドンが目を遣った先にいるのは、描かれしドラゴン。
『これまで長い間いろいろなものを見てきた。
儂は......お前の中に可能性を見たのだ。
できれば奴を満足させてやってくれ』
ラドンはそう言って、口を開くことはなかった。
* * *
小屋を出たティキはニコデムスに跨り南下する。
進めば進むほど近づいてくるのは白。
一つ一つの綿が幾つにも合わさってまるで大きな布のように。
果てしなく果てしなく先が見えないほどにも雲海は広がっている。
ひたすら飛び続けていれば、ついに真下にあった荒地もなくなり、どこまでも雲の上だ。
青と白の交わる世界を駆け抜けてくこの爽快感。
光と風に包まれる感触。
空を飛べなければ味わうことのできないものであろう。
周囲の様子を伺えば、白い雲の海にまるでぷかぷかと浮かぶように。
宙に浮いた島がところどころに見えるだろう。
飾り気のないゴツゴツとしたもの。
一面に緑や花々が広がるもの。
まるで滝のように水が流れ落ちているもの。
島の様子については非常にバラエティー豊かである。
他にも雲海には幾つか穴開いており。
まるで渦のように巻かれた雲の先に青い空が見える。
この雲の海の向こう側にも何かがあるのだろうか。
ティキが目指していた神殿は東の方角のようだ。
石造りの荘厳な雰囲気を漂わせる建物が見える。
ちなみに南には森が広がっているようだ。
妖精たちはなんとなく懐かしさを覚えるかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ラドンからちょこっとお返しです。
大穴から離れたのでカテゴリを移動させました。
これからはこちらに投稿くださいね!
ティキは現在その【エ:久遠の雲海】に移動しています。
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の5つです。
・【ア:竜の大口】に戻る
・【オ:自由の神殿】を訪れる
・【キ:風精の森】を目指す
・空に浮かぶ島々を訪ねる
・雲の下の方まで飛んでみる
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
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―『これまで長い間いろいろなものを見てきた。
儂は......お前の中に可能性を見たのだ。
できれば奴を満足させてやってくれ』―
「......似た話を、どこかで聞いたなあ」
彼はかのドラゴンの退屈を紛らわせてやってほしいと言った。
あの時は対象が美しいもの好きだったおかげで、ニコデムスの鱗と木工技術でどうにかなったが、今回はそうもいかないだろう。冒険譚でも聞かせれば、それで楽しんでくれるのだろうか。
考えながら飛んでいると、次第に空に雲が増えてきているのが分かった。やがて世界は青と白の二色になる。なるほど、これは確かに「久遠の雲海」だ。
しかし辺りを注視してみると、ところどころに宙に浮かぶ島がある。私は穴の縁にいたときに見た、浮遊島を思い出した。あれの正体はこれだったか。
《ほう、面白いな。寄ろうぞ友よ、我は島を巡りたい》
《うーん......》
景色を見ていると、イフリートがここを回りたいと言い出した。
当然、私もここには寄ってみたい。時間はあるだろうが、順序を考えると......そうだな。
《わかった、寄ろう》
竜の加護は、一定時間しか効果がないらしい。それを考えると、竜に会うのは後回しにしてもいいだろう。別に、会う約束をしているわけでもないのだ。
『ニコ、ちょっと空の散歩だ。好きに飛べ!』
PL
短めですが。
ラドンさんとの話に、いつからいるの?と飯とかどうしてるの?とここから出たいと思わなかったの?の3つの質問しときたいです。
とりあえず島々をぐるっと見回してみて、面白そうなものがあれば詳しく調べてみます。
そして雲の下の方まで飛んでみます。理由はニコデムスの気まぐれってことで。
アクロバット飛行とかもしちゃう
19:45:56 キャスパー@ティキ 騎乗判定 2d+13
Dice:2D6[1,5]+13=19
ラドンにティキは尋ねた。
彼はいつからここにいるのか。
食料はどうしているのか。
そして......ここから出たくないのかどうか。
『儂がまだ大人となりきれていない頃からだった。
勿論その頃は帰りたいと何度か願ったものだな......。
だが、儂はそんな時に奴と出会ったのだ。
その時からいろいろとあって今に至るったわけだ......語ると長いのだが』
ラドンが語った奴......それこそ例のドラゴンなのであろう。
『食については特に困るようなことはない。
少し歩けば森や山もあるのだからな。
王国の西には様々な者の住む集落もある。
よほどの問題がなければそこに行けばなんとかなるだろう』
* * *
ティキはニコデムスに跨り、空を飛んで雲の周囲を舞う。
目指すのは宙に浮かぶ島々だ。
一つは花々が咲き誇る美しい島だ。
近づけば一面に花畑が広がっており、蝶の舞う姿が見える。
寄るだけいい匂いが鼻腔をくすぐるだろう。
遠目に見ればそれなりに珍しい花の姿も見えそうだが。
距離があるのでさしてわからない。
他にはゴツゴツとした岩だけがある島も見える。
ただ見る角度によっては目を見張るような輝きを感じることもある。
宝石の原石であろうか。
滝の流れ出る島については、滝の向こう側に洞窟のようなものが見える。
大きさ的にニコデムスに乗ったままでは中には入れないかもしれないが。
また......雲の下に潜るとそこにはまた一つの島があった。
島の上には、円状に石柱が立ち並んでいる。
その中心にあるのは翼を広げた大翼持つ巨鳥の像だ。
近づけば目の前には石造りの祭壇が見えるだろう。
ちょうど三つの窪みがあるようだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
またまたラドンからちょこっとお返しです。
島と空の下についてはこんな感じですね。
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の5つです。
・花の島に降りる
・岩の島に降りる
・滝の島に降りる
・鳥の島に降りる
・雲の下の方まで飛んでみる
・【オ:自由の神殿】を訪れる
・【キ:風精の森】を目指す
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
あ、いろいろお邪魔していただけるとありがたいはありがたいですけど、
リアル期限があるのでそこはティキの方で折り合いをつけていただければと(・∋・)
キツキツなスケジュールというわけではございませんが!
『もっと近くで見なくていいのか?』
『いい。降りたら花がツブれる』
初めは最初に見つけた花畑に降りて休もうかと持ったのだが、ニコデムスが拒否するのでやめた。他に宙に浮く島々を一通り見て回った後、一つ気になる場所を見つけた。
『......あっちの滝の島。洞窟があるから、覗いてみよう。ちょっと寄ったら巫女のいる神殿へ向かうから、休んでいてくれ』
大した時間にはなるまい。
ニコデムスとイフリートを洞窟の入り口に休ませ、私は奥へと進んだ。
PL
短いですが進行。
滝の島のみ探索してみます。その後中央の神殿へ移動します。
ティキはニコデムスらを入口の付近に留まらせ。
一人で洞窟の中へと入ろうとする。
それは滝の流れる壁面の中心にあるが......。
ロープを使えばなんなく入ることができるだろう。
――洞窟はあまり深くなく。
その入口からすぐいったところに最奥が見えた。
行き止まりになっているところには岩でできた台座があり。
そこには光り輝く何かがある......それは水晶のような。
* * *
この時ティキは煌く水晶をもっとよく見ようと奥へ踏み出しただろうか。
もしくはもう十分とこの洞窟を後にしようとしていただろうか。
どちらにせよ結果は同じだ......ここを訪れた瞬間に運命は定まっていた。
洞窟の中で何かが爆発したかのように激しく重い巨大な音がする。
発生源は......暴力的な勢いで生成され今にも溢れだそうとしている大量の水。
それはまるで洪水のように洞窟中を走り出す。
ティキを入口から外へと押し流し――遥か空へと墜とすかのように。
......もし落ちてしまっても安心だ。
きっとニコデムスはティキを救うだろう――相棒なのだから。
――もし水に耐え抜きその奥の物体を手に取れば、水の勢いは止むだろう。
きっとその手には水を内に蓄えた一つの球体があるはずだ。
* * *
滝の流れ落ちる島を後にして、ティキが向かっていった場所は。
この王国において巫女と呼ばれし存在が暮らすル=ロウドの神殿である。
大理石で作られたその外観は実に荘厳である。
この場所には聞こえてくる音が二つある。
一つは鳥たちの囀りだ。
小鳥たちの声が響き渡ることから、神殿付近がいかに安全かどうか悟れるだろう。
そしてもうひとつ聞こえてくるのは――歌声だ。
それは乙女の歌声、清らかで安らかな気持ちにさせる。
言語はティキの解するものではないようだが......。
その旋律から神に捧げる歌の類ではないかと思われる。
入口は施錠されているわけではないだろう。
度々のことながら、ニコデムスは入れないが......。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
滝の洞窟をのぞくとこんなことになりました。
暴発した水に押し流されます。
生命抵抗で目標値21以上出せばおちなくてすみます。
さらにもう一回生命抵抗23以上に連続成功したら、
珠をゲットすることが可能です、失敗した場合落ちます。
神殿についてからはお好きにどうぞ!(*´∀`*)
「こほっ......ああ、どうなったんだ」
何か光る石のようなものを見たと思ったら、水流が怒涛に押し寄せてきた。浮遊島の外まで吹き飛ばされたかと思ったが、幸いにも死んでいない。それもそのはず、ニコデムスが空中で私を受け止めていたのだ。
《我の故郷の山の噴火のようだったぞ。実に小気味よい飛び方であった》
《......面白いものが見れて良かったな。神殿へ向かうぞ》
《そのなりでか?》
《このなりでだ》
げらげら嗤うイフリートをひっぱたき、ニコデムスを駆った。
* * *
「ここが神殿か?」
そこかしこに翼などの意匠がある、白い建物。ラドンから教えてもらった方向、位置からするとここで間違いないだろう。それはいいのだが。
髪をつまんで絞ってみると、まだ水が2,3滴滴り落ちた。これで中へ入っていいものか。
「......やっぱり乾かしてから来るんだった」
しばらく考えた後、とりあえず入り口から神殿の中へ声をかける。
声はかけたが、まあ、ゆっくり来てもらえるとありがたい。
《しばらくここで待つ》
武器の代わりに牙を抱えて、熱を放つイフリートの鬣の中へもぐりこんだ。
PL
最近時間取りづらいのですが何とか投稿だけは。
行動としては、巫女を訪ねて竜の加護を依頼します。またその際、竜の加護の効果時間など聞いておきます。
滝の島の洞窟内の探索は、時間を空けて再挑戦することは可能でしょうか?
22:48:06 キャスパー 生命抵抗 2d+13 Dice:2D6[2,1]+13=16
失敗!
ティキは滝の島の激しい水流で全身を濡らしながらも......。
なんとか神殿の前へと辿りついた。
――ティキが一度声をかけてみてもしばらく内から外にやってくる気配はない。
神殿からの歌は只管に聞こえ続けるであろう。
おかげでティキは十分にイフリートの熱で体を乾かすことができたはずだ。
* * *
ちょうど体が乾ききったかという頃。
神殿内の歌が止み、一人の乙女が姿を現した。
「お待たせして申し訳ございませんでした。
ちょうど神事の最中でございましたので」
白い衣を纏った彼女はティキのもとに歩み寄り。
そしてどうやらその手の竜の牙に気づいたようだ。
「それは......古竜の牙でございますわね。
竜の加護をその身に受けることがお望みでしょうか?
でしたら――どうぞ我が神殿へいらしてください」
彼女はティキを中へ入るよう案内する。
中を覗けばいろいろと美しい神具が見えるだろう。
* * *
「......私はエール、この神殿の巫女です。
ようこそ求める者よ――私たちは貴女のことを歓迎致しますわ」
室内に入ったところで乙女は自らの素性を明かす。
彼女こそ、ラドンの語っていた神殿の巫女なのである。
「どうぞ......その牙をこちらに」
エールが持ち出してきたのは翼のモチーフが付けられた台座である。
頂部には金製の器があり......そこには物を置くことができそうだ。
「竜の加護は一日の間貴方の身に宿りますわ。
この加護を受けている限り貴女は竜からは襲われることはないでしょう。
ですが大切なことがあります――それはこの世界ができたときに幻獣たちで作られたルール。
全ての者がこの秩序を守り暮らしているわけではないのです」
竜の加護は一日の間その身に宿り続けるらしい。
そしてその力の現れ方というものは......。
「竜の加護を受けている間に一時的に竜の力の一部を借り受けることができますわ。
貴女はどこにその力を宿したいのですか?
イメージを描き強く念じるのです。
儀式の果てに望みの場所にその力は宿るでしょう」
ティキが念じたその部位に......竜の血は流れ出す。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
乾いた頃にエールがやってきますので、どうぞ建物の中へ。
滝の洞窟には再度訪れた際に挑戦できますぜ(*´∀`*)
ティキはどの部位に竜の力を宿したいか選択ください。
選択肢は以下の6つです。
・竜の知恵:知力B+1、ドラゴン語を話せる(もう話せるけど)
・竜の息吹:戦闘時にブレスを吐けるようになる(効果はドラゴネットと同等)
・竜の力:筋力B+1、するどい爪が生える
・竜の翼:翼が生えて、飛行効果を得る(近接への命中・回避+1)
・竜の鱗:防護点+1、硬いウロコで守られる
・竜の尻尾:尻尾が生えて、《テイルスイング》を一時的に習得する
どれを選んでもいいですし、1D6で決定してもいいです(*´∀`*)
牙を差し出さないと儀式は始まらないので、受けたいのでしたらどうぞお差し出しください。
>「竜の加護を受けている間に一時的に竜の力の一部を借り受けることができますわ。
貴女はどこにその力を宿したいのですか?
イメージを描き強く念じるのです。
儀式の果てに望みの場所にその力は宿るでしょう」
説明を聞いたが、竜の力を借りるイメージとはどういうものか、よくわからない。しかしもとより腹は決まっている。
私にとって一番身近な竜、ニコデムスの姿を思い浮かべた。そして、その強靭な翼を。
「......お願いします」
>ティキが念じたその部位に......竜の血は流れ出す。
「うっ......」
体の中に何か、熱のようなものを感じる。それが、体を駆け巡るような感覚。
それがどのくらい続いたのかわからないが―ふいに背中に重みを感じ、後ろを振り返る。そこには深い赤の鱗にびっしりと覆われた、力強い翼が生えていた。
「......こういうことなのか?竜の力を得るというのは......まさか、ほんとに生えるとは」
重心がいつもと違う。翼を羽ばたかせるのにも、普段と違った体の使い方が要りそうだ。それでも何か、言いようのない嬉しさと頼もしさが、この翼を見ると湧き上がってきた。
「まあ、そのうち慣れるか―エールさん、加護をありがとうございました」
巫女に深く頭を下げ、礼を言う。同時に、巨人の声と竜の声とが建物内に響いた。入り口まで行ってみると、イフリートとニコデムスが神殿の扉にへばりついているのが見えた。外に待たせた二体が遅いと催促していたのだ。
《遅いぞティキ―なんだ?それは。おかしなものが背についているぞ》
《竜の翼だ、ちょっと借りた。それとのぞき込むのをやめろ、入り口が壊れそうだし神殿の人が怖がる》
イフリートはすぐに離れたが、ニコデムスの方は動かない。よく見ると、入り口に顔をくっつけたまま、目をまん丸にして絶句していた。
『変か?』
『......わからない』
......色々複雑な気持ちなのだろう。
* * *
《ああ、そうだよ。また駄目だった》
私達は大穴へ向かう前に、再度滝の島へ来ていた。あの水の石がどうしても気になったのだ。
結果から言うと、妖精の加護を加えてもなお、また吹き飛ばされた。惜しいが、あきらめた方がいいのかもしれない。
《いいから行くぞ。ちゃんと乾かしてくれ》
イフリートの大笑いに耳をふさぎながら。自前の翼で大穴へと向かった。
PL
竜の加護は、「竜の翼」を選択します。
ドレイクと間違われそうですが私とティキは大満足です。
滝の島で生命抵抗に再挑戦。フェアリーサポートを行使。
20:24:49 キャスパー@ティキ 生命抵抗 2d+13 Dice:2D6[1,3]+13=17
20:24:38 キャスパー@ティキ フェアリーサポート 行使 2d+14 Dice:2D6[3,1]+14=18
20:29:28 キャスパー@ティキ フェアリーウイッシュ 行使 2d+14 Dice:2D6[4,5]+14=23
で、失敗しました。フェアリーウイッシュかけ直しで、またイフリートに乾かしてもらいます。
石欲しかったなあ。
MP38/45
>「......お願いします」
ラドンから受け取った古竜の牙をエールに託し......。
ティキは儀式を前にして身構える。
「少し気分が悪くなるかもしれませんが......。
それだけの力が貴女に宿るということです。
どうか最後までお耐えになってくださいませ」
台座の上に古竜の牙を置いたエールはティキにはひどく難解な言葉を紡いでいく。
そしてその言葉に反応するかの如く牙は赤色に発色し......。
その赤はまるでオーラのようにティキの体に流れ込んでくる。
>「うっ......」
強い違和感につい声を漏らすも。
――全てが終わったとき、ティキの背中には赤い竜の翼があった。
>「......こういうことなのか?竜の力を得るというのは......まさか、ほんとに生えるとは」
「ええ、今回のように翼が生えることもございますわ。
......とはいえ、実際に姿を現すのはその人の想像の強さや感覚に依存致します。
ですから、貴女のその立派な翼が生えた背景には――貴女の心の強さ。
もしくは......貴女のイメージした存在への強い思いがあったのかもしれませんわね」
竜の加護の現れ方は、エールが言うには人それぞれであるようだ。
ティキの背中に今存在しているものも、ティキが思い描いたからこそ産まれたものである。
>「まあ、そのうち慣れるか―エールさん、加護をありがとうございました」
少しその背に違和感を感じながらも......。
竜の一員となれたことを感謝し、ティキは巫女に向けて礼を言う。
「いえ、私は当然のことだけをしただけですのよ。
この神殿は――巫女はこの世界で迷える存在に手を差し伸べるために在り続けるのですから」
――そして、ティキは神殿を後にした。
* * *
神殿から竜の大口へ向かう道中のこと。
ティキは再度、久遠の雲海をニコデムスと共に飛んでいた。
その最中、再度見つかったのは例の滝が流れる島だ。
滝の向こうには水を作り出す玉がある。
間違いなく貴重なもののため......ティキは再度それに挑戦したが。
>《ああ、そうだよ。また駄目だった》
再度強大な水流によって島の外へと投げ出された。
残念ながらその流水はちょっとティキの体力では辛いものがあったようだ。
さて......今ティキの背中には竜の証たる翼がある。
この竜の翼があれば、ティキは竜たちのルールによって大半からその身を守られるであろう。
この力が続くのは一日と限られている。
だが、まだ多少時間があるのは事実である。
少し寄り道や状況確認を行うのもいいかもしれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ティキに竜の翼が生えました。
空を飛ぶことができるようになります。
水の珠は残念ながら取得できませんでした。
おまけだからって目標高すぎたなとちょっと反省_(:3 」∠)_
今回シーン的にはあんまり進んでません。
最終段階に向けて大事なところですので(・∋・)
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・ラドンの家に寄り道する
・一度穴の中の様子を伺う
・気にせずに潜っていく
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
《―おい、ティキ。穴へは行かぬのか?》
《先にラドンの家に寄る。それに穴に入るときには妖精には帰っていてもらうよ、竜じゃないから狙われるかもしれない》
雲海を抜けて、穴の周辺。
私は一度ラドンの家へ寄ることにした。やはりもう一度礼を言いたいのと、折角の加護の効果を見せたくなったのだ。
『それと、少しゆっくり飛んでみるぞ。上空から穴の様子を伺う』
『わかった』
先に見たあの小さな光は、まだ見えるだろうか。結局、あれの正体についてはよくわからないままだが......そうだ、ラドンに聞いてみるのもいいかもしれない。
PL
選択としては、一度ラドンの家を訪ねます。必然的に穴のすぐ近くによるはずなので、見える範囲で縁から穴の中の様子を探ります。慎重に慎重に。
ラドンに会った場合、重ねて協力の礼と、さらに最初に穴の中で見た光について心当たりがないか尋ねてみます。
それと前回の進行文にニコデムスに跨ってとありましたが、自分の翼で飛んでいるという事にしておいて下さい!
19:32:16 キャスパー@ティキ 予備ダイス 2d Dice:2D6[1,4]=5
19:31:51 キャスパー@ティキ 探索判定 2d+14 Dice:2D6[1,5]+14=20
大穴の傍まで迫ったティキは慎重に......でも自由に空を飛ぶ。
縁から除けば再び例のぼんわりとした明かりが穴の底に見えた。
あれは光というよりかは――巨大な灯火であろうか。
そのように縁から様子を伺っていると。
穴の少し深部で何かが飛んでいるように見えた。
それは力強く羽ばたいて......少しずつ大きなって......。
急スピードとティキとニコデムスの方に近づいてきた。
入口付近まで勢いよく羽ばたいて、その姿を現したのは――ワイバーンだ。
ワイバーンは一度旋回してティキたちのことに気づいたようだが......。
特に気に留めることなく山の方へと飛んでいく。
――竜たちに契られた約束の効果だろうか。
勿論ティキたちの方から仕掛けるのであれば、その怒りは攻撃へと変わるだろう。
* * *
その後ティキは一度ラドンの家へ寄ることに決めた。
すぐそばに行けばケルブが軽く吠えるだろう。
ティキたちに警戒をして――というわけではなく。
主人たるラドンのことを呼ぶためだ。
『ほう......戻ったか。
なかなかいい翼じゃないか』
同じく竜の翼を持つラドンにとってもティキの翼は良いものに見えたらしい。
少し自慢に思えるだろうか。
『先ほど飛竜が飛んでいったのを見たが......。
お前たちも奴に会ったか?
――まあその翼があれば襲われることはないだろうが』
ラドンは窓からワイバーンを眺めていたのだろうか。
このような荒涼とした場所では時折空を自由に駆ける竜たちを見るくらいしか娯楽もな
さそうだ。
『今から竜の大口に潜ろうというのだな。
行くのであれば蛮族と魔神に気をつけるといい。
奴らは竜の姿を取れども奴らの秩序の上で生きている』
エールも話していた。
あそこには竜のルールに縛られない者たちがいると。
それらの存在こそが蛮族もしくは魔神ということなのだろう。
『まあ......まだ時間もあるだろう。
儂の家で少し休んでいっても構わん。
豪勢な持て成しはできんがな』
竜の加護は一日の間持続するという。
少しくらいラドンの持て成しを受けるのも悪くはないだろう。
ただ気持ちが急くのであれば、大穴まで潜っても問題ない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ティキが大穴の傍まで飛んでいると、ワイバーンに遭遇します。
【ワイバーン】について魔物知識判定をどうぞ。目標は8/15です。
何もしなければ飛び去っていきます。
何らかの敵対行動を起こせば戦闘になります。
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ラドンの家に寄る
・このまま大口へと潜る
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
>『ほう......戻ったか。
なかなかいい翼じゃないか』
『ありがとう。まさかこういう形の加護だとは......』
>『先ほど飛竜が飛んでいったのを見たが......。
お前たちも奴に会ったか?
――まあその翼があれば襲われることはないだろうが』
『ああ、何もなく通り過ぎていったよ。本当に敵対しなくなるんだな』
だが懸念は、やはり翼を持つ蛮族や魔神の類だ。自分でも考えていた通りのことを、ラドンにも指摘された。
>『まあ......まだ時間もあるだろう。
儂の家で少し休んでいっても構わん。
豪勢な持て成しはできんがな』
『そうさせてもらえるとありがたい。ニコデムスも飛んでばかりだし、私も神殿からここまで飛んできたからね......まだ慣れてなくて、疲れていたんだ。背周りの筋肉がすごく痛い』
代わりに、小屋の修繕や傷んだ家具、欲しい日用品などあれば自分が拵えると申し出た。
PL
ラドンの家に上がって、体を休めます。その際に世間や身の上の話なんかでもう少し親しくなっておこうと思います。
また家の外で魔香草を使わせてもらって、MPを回復させておきます。
前回拾ってもらえませんでしたが、ラドンに最初に穴の中で見た光について心当たりがないか尋ねてみます。
・あれ何か知ってる?
・よくあることなの?
・灯りっぽいんだけどあんなところに人なんか棲んでるの?
それとも、ラドンも何も知らなかったということでしょうか?
19:08:09 キャスパー@ティキ 魔物知識判定 2d+14 Dice:2D6[1,2]+14=17
19:10:33 キャスパー@ティキ 魔香草・薬師道具セット使用 1d+4 Dice:1D6[6]+4=10
MP45/45
↓予備
19:11:20 キャスパー@ティキ 木工 2d+7 Dice:2D6[1,6]+7=14
もしよかったら家に上がっていかないかと尋ねるラドンに対し。
>『そうさせてもらえるとありがたい。ニコデムスも飛んでばかりだし、私も神殿からここまで飛んできたからね......まだ慣れてなくて、疲れていたんだ。背周りの筋肉がすごく痛い』
そう言ってティキはありがたく一休みさせてもらうことにした。
翼を手に入れたとはいえ、いつまでもどこまでも飛んでいられるわけではないのだ。
『わかった......少し肉でも出してやろう。
そこのお前の相棒も軽く食べるか?』
どうやらラドンは戦いの前に肉料理でも出してくれるらしい。
確かにこの世界に来てからいろいろと飛び回ったので多少空腹感もあるだろうか。
* * *
ラドンが出してくれた肉料理は。
そこそこ大きめの鳥を丸焼きにしただけの簡易なものだ。
あまり器用ではないリルドラケンであり......。
更にこのような僻地に一人で住んでいるのだから仕方のないことかもしれない。
ただシンプルに最低限味付けされたものはそれなりには美味しく感じられるだろう。
予め希望しておけばニコデムスの分も出してくれているはずだ。
『悪いな......いつも儂とあとはケルブのものだけしか作らんのでな。
あまり凝った料理などはできんのだよ』
ラドンはその言葉通りあまり器用ではなさそうで。
今彼が座っている木製の椅子もだいぶガタが来ているのを無理やり修理した感じだ。
『そういえば神殿まで行ったのならばいろいろと景色を見ただろう。
どうだ......お前の目からこの世界はどう見えた?
難しく考える必要はない、単純に気になっただけだからな』
こんな感じの話をしながら食事と休息の時がゆったりと流れている。
もしティキが穴から見えたぼんやりとした明かりについて聞いてみるならば。
『あの大口の底の方にはな。
炎が吹き出してくる穴が空いているのだ......。
お前が見たものはおそらくそれだろう。
潜る際はくれぐれも注意することだ。
いきなり体中を焼かれてしまわんようにな』
――というように返してくれるだろう。
* * *
十分休息が取れた頃。
ティキは大口に向けて出発しようとするだろう。
『――往くのだな。
前にも話したがあの大口の奥にはこの世界と外の世界の境界の一つを司る竜がいる。
そいつの力を借りればお前たちも元の世界へ帰ることができるだろう。
まあ、どうなるかはお前たち次第だ』
ラドンはそう言って送り出してくれるだろう。
特に心配の言葉などは投げかけず。
別に見守ることもしない。
もう十分ラドンはティキに手を貸しているのだ。
あとはティキとニコデムスの実力と運次第であろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ということで大穴に入って行く前にラドンのところでゆっくりと。
いろいろ書いていますが拾いたいところだけ拾って頂ければよろしいかと思います。
次回はおそらく大穴に潜ります。
もしほかにに何かしたいことがあれば言ってくださいね(*´∀`*)
ラドンは、私に鳥料理を振る舞ってくれた。飾り気のない料理だが、私には好みで、十分なご馳走だ。うまいうまいと頬張っていると、ラドンが一つ質問をしてくる。
>『そういえば神殿まで行ったのならばいろいろと景色を見ただろう。
どうだ......お前の目からこの世界はどう見えた?
難しく考える必要はない、単純に気になっただけだからな』
特に考え込むこともなく、私は即答した。
『ここに住む者を、まだほとんど見ていない。故に、どう見えるかは判断し難い。世はそこに住む者なしには考えられないからね』
『ただ、私の直感だけでいいなら......楽園のようであり、檻のようでもある。自由を象徴するようでいてその実閉じた空間、そう感じた。観光でならまた来たいが、一生住むのは御免だ』
ここの生き物は、ここで生まれたもの以外はみな意思とは関係なく連れてこられたのではないだろうか。もちろんそれを喜んだものと、悲しんだものがいただろう。結局、ここに住んで感じるもの次第だが、要はここを気に入るかどうかで見方は変わる。守っているのか、閉じ込めているのか―何のための魔剣の迷宮か、それが分からないのでここまでしか考えられない。
『もしあなたがここを窮屈に思っていて、本気で出たいと私に話していたら、私は魔剣を獲りに行っただろう。だが既に私の腹は古竜と決まった』
聞いてどう思うだろうか、ラドンの反応を見た。
***
小屋の前に椅子を一つ置いく。
『直しておいた。魔香草を焚きに外に出たとき、勝手に借りてた』
簡単なものだが、薪の頑丈そうなのと、釘など無いか貴重なものだろうから、身のつんだ木の鋲で留めて補強し直しておいた。本当はもう少し削ったり磨いたり、にすを塗ったりなどした方が良いだろうが、そこまでやっていると一日以上熱中してしまいそうだ。
『華美に作るよりかは、丈夫に作るのが得意なんだ。―ということで、見てくれの悪さは勘弁してくれ』
言いながら、ニコデムスを手で呼ぶ。ニコデムスは大きく伸びをするように、翼を一杯に開いた。調子は万全のようだ。
『うまかったよ。ありがと、ラドン』
しっかりと礼を言うニコデムスの足元には、食べかすの一つも散らばっていない。ケイトめ、いい躾をしている。
>『――往くのだな。
前にも話したがあの大口の奥にはこの世界と外の世界の境界の一つを司る竜がいる。
そいつの力を借りればお前たちも元の世界へ帰ることができるだろう。
まあ、どうなるかはお前たち次第だ』
『ああ、もう十二分に手は借りた。―どうにでもしてみせるさ』
翼をゆっくりと、一杯に広げる。気のせいか、先ほどよりも大きく見えた。
赤いな。と、心の中で呟いた。
『行くぞ』
私とニコデムスと、全く同時に飛び立った。初めは高く高く、そして落下しながら速度を上げていく。
自分の後ろに紫紺の竜を従えて、ついに大穴の中へ飛び込んだ。
PL
いよいよ出発。大穴へダイブです。会話は、地の文の内容も伝えたとしてください。
椅子修理には前回の木工ダイスを使います。
探索とか振った方が良かろうか
18:43:05 キャスパー@ティキ 探索判定 2d+14 Dice:2D6[5,6]+14=25