1-選ばれる道
>「あっ...ううぅ...あ、あれは!?」
先手を取ろうと動き出そうとしたエクセターは。
レドルグの放った言葉で心を乱される。
彼女のメモリに浮かび上がった映像は、彼女の足を止めてしまった。
その合間を抜けたのがロセウスである。
彼らは指輪を割りながらも軍師としての力量で機先を制した。
>「―――〈光矢〉」
――まず最初に飛んできたのは光の矢。
レドルグへの怒りで我を忘れたフィンの魔法は、霧の体を確実に貫いた。
>「さぁ 舞台を降りる時間だ」
>『ぶーんと 飛んでけー!!』
続くのはネスと風の妖精の力による矢の一撃。
フィンの光の矢とは別の位置に風穴を開ける。
>「pour forcer le lien...」
>「ロセウスさん、エクセターちゃん!お兄さんたちも!
> あなたが今、護りたい人の名前を呼んで下さい!リルズ様が力を貸してくださいますっ!」
そして念の為にうち漏らした時のことを考えて、カレンはリルズに由来する奇跡を起こす。
これは大切な者の名を言うことで、呪いへ打ち勝つ力を与えるものだ。
後方の彼らが動いたあと。
戦場へ飛び出していたエクセターとロセウスが動き出す。
ロセウスは魔法を帯びた斧で裂き。
エクセターはご自慢の銃撃で貫き。
レドルグの体を消し飛ばす。
「ば、馬鹿な......!
まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
うぐ......ぐわあああああ!」
――断末魔。
周囲に残されたのは魔神の血液だけだった。
* * *
レドルグが完全に消滅した頃。
ジルはがっくりとその体を地に落とす。
「わ、私は......一体......」
彼は痛みに耐えるかのように、頭を抱えている。
その手に十字架を握りながら。
「教えて欲しいのは、俺たちの方だ。
あの霧の悪魔に操られていたのか?
それで、あんなことを......」
ジルのもとに歩み寄っていくのは、馬から降りたフレールだった。
先程までの燃え上がるような怒りは潜んでいる。
「あんなこと......そうか。
私は、私の手は......妻たちの命を奪っていたのだな。
――そして」
掌を広げ、どこか恨めしく悲しそうに見つめた後。
ジルはスールの方を見やる。
カレンの後ろで彼女はジルをじっと見つめていた。
「そうだ、俺やエクセターたちがもし来ていなかったら。
あんたは......同じようにスールを殺していたかもしれない。
たとえ操られていたからだとしても。
――そんなことをすれば、俺はあんたを......」
フレールは力を入れて拳を握る。
一方のミリューは一旦スールたちのいる場所まで向かってくるようだ。
「スール、落ち着いたみたいですね。
良かった。
カレンさん、ありがとうございます」
カレンに少し挨拶をしてから、ミリューはスールに話しかける。
「もう動けそう?
だったら、僕らと行こう」
最初の約束通り、ミリューはフレールと一緒にスールのことを連れ帰るつもりなようだ。
ミリューは優しくゆっくりと手を伸ばしたが。
「兄さん......。
わ、わたしは......」
スールはその手に応えようとして、途中で止める。
彼女は迷っているのだ。
* * *
「操られていただけのあんたに罪は本当はないかもしれない。
だが、それでも俺はあんたのことを信用できない。
だからスールは連れて帰る。
あんたには文句は言わせない」
フレールはそれだけ言ってミリューとフレールが待つ場所へ向かおうとする。
言いたい放題言われたジルはただ......項垂れているだけだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
戦闘は無事PC側の勝利です。
エクセターの銃撃については例外的に一行掲示板のものを拾っておきました。
先ほどの1ゾロはTP増加としておきます。
ここから先はエンディング決定シーンです。
といってもあまり長々やるとだれるの2、3進行で片付けていきたいなと思っております。
その場合延長期間に突入する必要がある可能性もございますので。
その際は改めてご連絡させていただきます。
とりあえず現時点では兄弟がスールを連れて帰りそうな雰囲気です。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『1-選ばれる道』にチェックを入れて投稿してください。
>「ば、馬鹿な......!
> うぐ......ぐわあああああ!」
忌々しげに末期の声をあげ、黒霧の魔神は消滅した。
同時に地に伏し、頭を抱え呻く青髭にフレールが問う。
>「......そうか。
> 私は、私の手は......妻たちの命を奪っていたのだな。
> ――そして」>掌を広げ、どこか恨めしく悲しそうに見つめた後。
>ジルはスールの方を見やる。>「兄さん......。
> わ、わたしは......」
「フレール、ミリュー 妹御を連れて行くのは少しだけ
待ってもらえないだろうか。
二人はまだ...お互いに【答え】を出していないからね」
秘める想い などと聞こえは良いが、うやむやに先送りにするのはいただけない。
「特にジル...、君がスールに説明をしなけれならない事があるだろう?」
怒りも、未練も、寂しさも ちゃんと言葉で相手に伝えていれば、付け入られる事も
なかったのだから。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
許す許さないは別にして、まずちゃんと謝っとけ!とPLは思いましたので
ジルの今後について気になったのでGMに質問した所
> 少なくともこの童話の世界では完全無実とまではいかないものの、
> 死刑となることはないといたしましょう。
との返答をいただきましたので、良くて所領(財産)没収とか、幽閉とか国外追放とかで
スールと顔を合わせる事もできなくなるんだろうなー。と思いましたので
なるべくジルの口から説明させて、スール自身に決断してもらいたいなぁ。と...。
ジャンヌから託された十字架は、きちんとその役割を果たした。
魔神はジルの体から叩き出され、俺達の前へとその姿を現したのだ。
そうしてくれればあとはもう容易かろう。
誰かを操るような魔神が、俺達の猛攻を受けて立ち続けることは出来まい。
その証拠に。
>「貴様......なんてことをしてくれたのだ......!
> 所詮竜になりきれぬ下賎な身の分際で。
> その煌めき......忌まわしき記憶が蘇る。
> かつて私が殺させたあの女がまたこうして邪魔をするというのか......」
余裕がなくなって来たのか、それとも無学の露呈か。
「お前馬鹿だろう。
俺達リルドラケンは、崇高たるドラゴンが人族とともに剣をその手に取りて戦うためにこの姿になったのだ。
蛮族の馬鹿とは違う」
蛮族にはドラゴンのなりそこないがいる。
竜になり切れぬ下賤な身はあっちであって、俺達ではない。
>「......まあ、よい。
> この男の心の弱さは誰よりも私が知っている。
> 何度邪魔されようとも、私が何度もこいつの中に潜ませてもらおう。
> そしていつまでも繰り返すのだ。
> こいつの最大の絶望を味わえるその日まで」
「その前にもっと美味いものを味あわせてやろう。
お前自身の絶望という、今まで食らったことが無かろうものをな!」
動くことができないエクセターのかわりに一声吼える。
パリンと音を立て、指輪がはじけ飛んだ。
問題ない、必要経費だ。
誰かが出来ぬことがあるのなら、出来るものが代わればいい。
俺達は個人主義の蛮族でも魔神でもない。
助け合うことを尊ぶ、人族なのだからな。
>「―――〈光矢〉」
>「エクシー!どうしたの、しっかりして!」
フィンの放った魔法の矢が、俺をかすめてレドルグへと突き刺さる。
容赦なく魔神を攻撃しながら、心優しいこの仲間は動くことのできないエクセターの身を案じた。
「おいエクセター、あの魔神にでかい絶望を一発頼むぞ!」
この世界に銃はないと兄弟が言ってたいと、エクセターとフィンからそう聞いた。
ならばあの魔神にとって、エクセターの銃撃は絶望にも等しいはずだ。
避けられない銃弾で身を穿たれる絶望は、きっと美味いのではなかろうかと思う。
>「さぁ 舞台を降りる時間だ」
続けて放たれるのは、ネスの魔力の矢。
避けることの出来ぬ魔力の矢がまたも、魔神の体に突き刺さる。
俺はミリューから魔法の力を授けられた斧を、握り直す。
俺は重戦士だ。
この牙も、爪も、鱗も。
誰かを護るためにある。
しかし俺はリルドラケンである。
普段はその背に畳まれた翼を広げ、魔神の頭上へと飛び上がった。
「すまんな、長々とお前の大好物を味あわせてやれなくて」
フィンと。
ネスと。
エクセターの攻撃を受けてすでに瀕死になっている魔神を、手にした斧で叩き斬る。
確かな手ごたえを斧に感じながら、着地した俺は翼をまた畳んだ。
* * *
戦いが終わり、ジルと、兄弟が言葉を交わす。
俺達はある種当事者だが、あまり、口をはさむものではないのかもしれない。
どうしたもんかなあ。
>「兄さん......。
> わ、わたしは......」
帰ろうと告げる兄たちに、スールは迷いを隠せない。
「一旦帰った方がいいのではないか?」
ああいや、一旦帰ってしまえば、それはすなわち離縁になるのか?
まあその辺りは当事者たちで決めてもらうことにしてだな。
「その後戻ってくるにせよ、実家にそのまま住まうにせよ、あの部屋の掃除が終わるまでは実家に身を寄せてはどうだ。
あの部屋は外のものに掃除させるわけに行かんし、あんただってしたくないだろう?」
壺を割り、魔法陣を消し、御遺体を埋葬するまで。
スールは実家に身を寄せた方がよいと思う。少なくとも俺はそう思う。
まあ、その場合の働き手は俺達になるんだが。
きっと他の仲間達もその辺りは拒否すまい。
......こうなるんなら、コボルドどもを連れてくるんだったなあという、割とどうでもいい後悔はあるが。
「時にジル。
一つ確認させてもらいたいんだが――いや今この瞬間でなければ意味のない確認だ」
項垂れる男に追撃するようでものすごく心が痛むが、今でなければきっと、スールの心はもう戻ってこないだろう。
優しいが故にジャンヌを愛し、魔神に付け込まれたのだろうとは想像に難くない。
だから、今。
「お前さん結局、これまでの妻たちとそれからスールを、ちゃんと愛していたのか?」
ジャンヌへの愛を捨てる必要があるとは俺は思わない。
叶わなかった想いは、きっといつまでも心に残るだろう。
彼の戦はこの国と、それからジルを形作るきっと根幹にあるはずだ。
だからその愛を捨てる必要はないだろう。
それにこの後どうせ失恋するのだし。
「怖がられてるのが分かってるのであれば剃ればよかっただろうその髭に怯えることなく、本来のお前さんをちゃんと愛してくれて、
今だって怖かったろうに、実家に帰りたかろうに、それでもなおお前さんを愛してくれようとしてくれているスールを」
ただの贄なのか。
それとも。
もしもそこに愛があったのであれば、俺は、大掃除に力を貸すのはやぶさかではない。
無かったら?
帰るに決まってる。仕事は終いだ。
―――――
PL;
前回書けなかった分も合わせて大量にRPするのです。
...今日だと思ってたんだよ? 本当だよ?
ロセウスが全力でdisってるのはドレイクです。
会ったことはないのでデータは知りませんが、「蛮族にはドラゴンのなりそこないの種族がいる」という知識だけあります。
その種族の名前がドレイクかどうかも詳しくは知らないんじゃないかしら。
どうでもいいと思ってそうなので。
ところで剥ぎ取りは出来ないんでしょうか...!
冒険者の、冒険者の権利を...!
スールが帰るか城に残るかはまあ、置いておくとして。
剃れよ! という魂の叫びもジルに伝えつつ。
割とロセウスの中で懸念材料であった「はたしてジルは今までの奥方+スールをどう思っていた(る)のか」について問いかけます。
もしもそれなりに愛していたとするのであれば、再構築もできるんじゃないかなって思うんです。
これまでのGMの描写によると、ジルは英雄で、そうなると各貴族は家同士のつながり欲しいからジルに嫁を取らせようとするのは分かりますし、娘がいたら嫁がせるよねっていうのは理解できます。
立て続けの攻撃を受け綻び始めたレドルグの体は、ロセウスの両断により完全に霧散する。
「ば、馬鹿な......!
まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
うぐ......ぐわあああああ!」
その断末魔は、反響をそのままに肉体とともに徐々に薄れていった。
戦いは終わった、一瞬の出来事だった。
銃をおろし、仲間たちに歩み寄る。
「ロセウス!フィン!...ありがとう。
エクセターボーっとしちゃってた...やな夢を見てたのかも...。
あっ、これは気にしなくてもいいよ。勝手に出てきたけど止まったから」
若干慌てて、顔の鼻血をハンカチで拭う。
原因は分からないが、もう大丈夫だろうという実感は有った。
----
敵は排除することは出来た、けど、この物語はまだ問題を抱えているみたい。
それは、青髭...ジルとスールの問題。
私は少し悩むような、そんな素振りをした後ゆっくりと項垂れるジルの元まで歩み寄った。
「...例え抗うことの出来ない命令に従っただけであったり。
心を操られていたために起こしてしまった事であったとしても。
それは紛れも無く自分がやった事だと、エクセターはそう思うよ」
残酷に現実をつきつけるような冷淡な声。
だけど、それが目の前に感じる壁の正体で、立ち向かう必要のあるものだと思うから。
あえてそれを告げる、心を決めるために。
「血に汚れた手を罪と呼ぶなら、それを償わないといけない。
逃げることは出来ない...逃げちゃいけない。向き合わないといけない。
...でも罪を犯した人は二度と幸せになれないのかな...?」
昔の自分なら、こんなことは考えなかっただろう。
正しいとか悪いとか、そんな難しいことは他の誰かに任せればいい。
自分は何も考えずに、目の前の敵を倒すことだけ考えてればよかった。
何も考えずに命令に従っているだけでよかった、考えなければ苦しまないから。
楽しいことだけ見て、嫌なことから逃げてれば幸せだった。
けど、それじゃダメだって気がついたから。
エクセターは自分で考えて、それでジルに手を伸ばしたんだ。
「都合の悪い過去をなかったことには出来ないし、都合の良い未来だけつかみとることも出来ない。けど、今を努力して少なくとも後悔が残らないよう頑張ることは出来ると思う」
「何をどうするか、それは自分で決めないといけない。
大変だけど...エクセターは自分で決めたよ、後悔しないように。
貴方も自分で決めなよ、やるべきことを」
自分に言い聞かせるような強い決意とともに、ジルの手を掴み力任せに起き上がらせる。
もう私から何かを言うことはない、後は本人たちの問題だと思う。
手助けはできるけど、結局解決するのは問題を抱えた当人でしかない。
私はゆっくりと足取りでその場から少し離れた場所まで移動し、
体育座りで座り込んで空を眺めることにした。
頑張って、それで幸せになれる保証なんてどこにもない。
もしかしたら頑張っても全部無駄で、無意味なことになるかもしれない。
「...けど、努力することに意味がある」
ポツリと、誰にも聞こえないような、懐かしいフレーズを口ずさむ。
「ヨークはこの言葉好きだったよね、エクセターは理解できなかったけど。
今なら、ヨークが考えてたこと、少しだけ分かるかもしれない...」
エクセターも、ちょっとずつ強くなってきたかな...?
そうだったら...いいな。
空は何も答えない。それで良いのだと思う。
答えは自分が歩いた先できっと見つかるはずだから。
=========================
PL・エクセターもエクセターなりにいろいろ考えてるようです
というわけで、ジルを助け起こして「自分で後悔しないよう決めろ」
という感じのことを言ったのち、そのあたりで座り込んでぼーっと空を眺めてます。
>「ば、馬鹿な......!
> まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
> うぐ......ぐわあああああ!」
悪趣味な断末魔と共に、趣味の悪い魔神は消滅しました。
といいますか。強くないですかね?魔神が瞬殺されてますよ?
魔神のことはともかく。
ジルさんはどうやら、これまで自分が何をしでかしたのか、自覚はある様子。
ここは言い訳などせずに正々堂々と懺悔し、悔い改めていただきたいところです。
>「スール、落ち着いたみたいですね。
> 良かった。
> カレンさん、ありがとうございます」
フレールさんがジルさんを問い詰めている間に、ミリューさんがこちらへとやってきました。
「いえ、わたしに出来ることなんて少ないので、出来ることをやったまで、です」
わたしとの会話‥挨拶もそこそこに、ミリューさんは本題を切り出していますね。
>「もう動けそう?
> だったら、僕らと行こう」
そう。お兄さんたちは、ジルさんがこういう結果だった場合にはスールさんを連れ戻す、と言っておりました。
ですが、ジルさん自身の意思だったわけではなく(いえ、多少はジルさんの意思も介在していたのかもしれませんけど)、魔神の能力によるものであったはずです。
>「お前さん結局、これまでの妻たちとそれからスールを、ちゃんと愛していたのか?」
向こうで、ロセウスさんがジルさんを問い詰めているこの言葉。
これは逆にも当てはまると、わたしは思うのです。
「‥待ってください。
確かに、スールさんは危険な立場にいらしたかもしれません。ですが、魔神を討ったことにより、その危険は去ったと思います。
それなのに、本人さんたちの意思を無視して連れて行くのは正しいのでしょうか?
勿論、先ほどまではわたしも、そうすることが正しい絆を導けると思っていました。
ですが、どうでしょう?今のジルさんは、スールさんを不幸に導く相手でしょうか?」
>「兄さん......。
> わ、わたしは......」
迷っている様子がありありと伝わるスールさん。
迷っている、ということは、ジルさんと共に在りたい、という気持ちがゼロではない、ということです。
まだ魔神の脅威が残っているのならともかく、今となってはそれを危惧する必要はないでしょう。
ならばどうなることが、2人にとって幸せなのか?
お兄さんたちは、まだジルさんと共に在りたいと思うスールさんを、それでもジルさんから引き離してスールさんが本当に幸せになれると思っているのでしょうか?
「‥ミリューさん。これは、わたしたち外野が決めて良いことだとは思いません。
一晩でも結構です。スールさんご自身に、考えて頂いて決めて頂きましょう?
意見を押し付けるのは簡単でしょう。血の繋がったご兄弟ですし、スールさんご自身もお兄さんたちを慕っていらっしゃる様ですし。強く意見を言えばきっとスールさんはお兄さんたちに従うでしょう。
ですが、それはスールさんの‥心からの想いとは違うかも知れません。
心からの絆。それが正しい形であるならば、わたしはそれを見守りたいのです」
真っ直ぐにミリューさんを見つめ、わたしは自分の言いたい事を伝えました。
ここから先は、スールさん次第ですかね‥。
―――――――――――――――
PL こるべっと
スールさん連れて行くのに反対!と意思表明です。
正確には反対ではなく、「そこはお兄さんが決めることじゃないでしょ。本人に決めさせてあげなよ」っていうスタンス。
ミリューさんとスールさんの相手しててジルの相手なんか出来ないよ!w
>「ば、馬鹿な......!
まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
うぐ......ぐわあああああ!」
霧の魔神は、ちいさな血だまりだけを残して、消滅した。
※ ※ ※
>「わ、私は......一体......」
>「あんなこと......そうか。
私は、私の手は......妻たちの命を奪っていたのだな。
――そして」
そう。スールさんまでも、手にかけていただろう。霧の魔神のあやつり人形として。
みずからのしていたことをようやく悟ったジルは、呆然とスールさんを見つめている。
>「操られていただけのあんたに罪は本当はないかもしれない。
だが、それでも俺はあんたのことを信用できない。
だからスールは連れて帰る。
あんたには文句は言わせない」
静かに宣告するフレールさんの背後で、スールさんもすこし呆けた表情でジルを見つめていた。
>「もう動けそう?
だったら、僕らと行こう」
手をさしのべるミリューさんに、スールさんはとまどっている。
>「兄さん......。
わ、わたしは.....」
カレンさんが、やわらかくミリューさんに制止の声をかけた。
>「‥ミリューさん。これは、わたしたち外野が決めて良いことだとは思いません。
一晩でも結構です。スールさんご自身に、考えて頂いて決めて頂きましょう?
意見を押し付けるのは簡単でしょう。血の繋がったご兄弟ですし、スールさんご自身もお兄さんたちを慕っていらっしゃる様ですし。強く意見を言えばきっとスールさんはお兄さんたちに従うでしょう。
ですが、それはスールさんの‥心からの想いとは違うかも知れません。
心からの絆。それが正しい形であるならば、わたしはそれを見守りたいのです」
ネスさんもつづける。
>「フレール、ミリュー 妹御を連れて行くのは少しだけ
待ってもらえないだろうか。
二人はまだ...お互いに【答え】を出していないからね」>「特にジル...、君がスールに説明をしなけれならない事があるだろう?」
僕もすこしためらったけど、フレールさんとミリューさんに向けてこう言った。
「ちょっとだけ...。ちょっとだけ、待ってください。これからどうするにせよ、おたがいに言っておかなくちゃいけないことが、あると思うんです」
※ ※ ※
ロセウスさんがシンプルに問いかけた。
>「時にジル。
一つ確認させてもらいたいんだが――いや今この瞬間でなければ意味のない確認だ」>「お前さん結局、これまでの妻たちとそれからスールを、ちゃんと愛していたのか?」
かつて愛したジャンヌを呼びもどす贄としてではなく、彼女たちをひととして、きちんと愛していたのか。
この問いには、ジルは答える必要があるだろう。スールさんのために。そして、ジルを信じて妹をたくした、ふたりの兄のために。
僕はなにも言わず、しずかに青いひげの男を見た。
エクシーがジルにほそい手をさしのべる。
>「都合の悪い過去をなかったことには出来ないし、都合の良い未来だけつかみとることも出来ない。けど、今を努力して少なくとも後悔が残らないよう頑張ることは出来ると思う」
>「何をどうするか、それは自分で決めないといけない。
大変だけど...エクセターは自分で決めたよ、後悔しないように。
貴方も自分で決めなよ、やるべきことを
魔神の影響から解き放たれて、ジルは今苦しんでいると思う。操られたとはいえ、みずからのやったこと、そこへ駆りたてた想い、そういうもの全部と今、向きあっているんだ。
僕は、「自分で自分のしたことに責任をもつ」って、そんなに簡単なことじゃないと思うんだ。
「心を強くもって、やればできる」なんてものじゃないと思う。
どんなに注意をはらったって、自分の言ったこと、したことでひとが傷つくことがある。伝え方を間違うし、失敗だってする。
だけど、それと同時に、どんなにむずかしくても、「やらなくちゃいけないこと」なんだ。
それを放りだしてしまったら、そして、甘やかしてしまったら。きっとひととの関係は、そこまでなんだろう。
そういうあり方もあっていいとも思う。世のだれもと色濃い関係をむすぶなんてことはとうていできないから。
けれどふたりは...ジルとスールさんは。
ジルは、これからもスールさんと心をつないでいくことを、望んでいるのか。
スールさんは、これからもジルとともに歩んでいくことを、望んでいるのか。
「......これから、どうしたいですか?...そのために、言わなくちゃいけないことありませんか?」
僕はジルにそれだけをそっとたずねた。それからふり返ってスールさんにちかづく。
「スールさんも、これからどうしたいですか?答えを迷われているなら、今すぐでなくてもいいと思います。でも、できれば、スールさんの言いたいこと、たずねたいことだけでも、言ってしまったらいかがでしょうか」
――PL(雪虫)より―――
まずは妹を連れ帰ろうとするお兄さんたちを引きとめます。
ジルに対しては、PLの言いたいことはみなさんが言ってくださっているので...。フィンからは「これからどうしたい?」とふたりにたずねます。
ジルはスールさんとこれからを共にしたいならジャンヌのことにはじまる一連のことを説明したほうがいいでしょうし、スールさんはどう決断するにせよ、一連のこと、ジャンヌのことについて説明を求めてもいいと思います。
スールさんが落ちつくまで時間がかかるのであれば、お兄さんといっしょに時間をかけてでも、ジルに真意を聞いたほうがいいでしょう。
(スールさん、このまま実家に帰っちゃったら、ものすごく当事者なのに蚊帳の外というか、けっきょく何がなんだったのかわからないままお別れになってしまいますよ!とPLは思います)
スールに手を差し伸べ、彼女を連れて行こうとするミリュー。
そんな彼をやんわりと引き止めたのは、カレンであった。
ここからの話はたとえ兄であるミリューたちであっても勝手に決めてはならない。
本人であるスールたちの意見を聞いてこそであるのだと。
二ェストルやフィンも彼女の言葉に続く。
スールはスールのやりたいように動くべきであると。
「カレン」
その言葉を聞いてスールは強く頷き。
宙に浮かせたままの手を引っ込めた。
それは彼女の小さな決意の証。
「そうよね。
私......まだ知らないこともある。
知らない方がいいこともあるかもしれない。
けれど、もう怖くないわ......今以上に恐ろしいものなんてそうはないはずだから。
――私はジルと話してくる」
スールはゆっくりと立ち上がる。
最初は少しよろめきかけたが。
一歩一歩進めていく足には確かに力があった。
* * *
一方ジルと対峙しているロセウスとエクセターに場面を移せば。
>「時にジル。
> 一つ確認させてもらいたいんだが――いや今この瞬間でなければ意味のない確認だ」
そう言ってロセウスは切り出そうとする。
ジルは弱々しくゆっくりとロセウスに反応する。
>「お前さん結局、これまでの妻たちとそれからスールを、ちゃんと愛していたのか?」
――それは、ジルが彼女たちを。
そして今でもスールのことを愛していたのか、という問い。
「私は......かつてジャンヌを愛していた。
それは紛れもない事実だ。
彼女が殺されたとき世界を憎んだのも事実。
可能ならば、彼女と再び見えたいと考えていたのも真実だ。
その気持ちが壺の魔神に利用されてしまったのだろう」
彼がまず重々しく語り始めたのはジャンヌへの想い。
それはレドルグに見せてしまった隙でもあった。
「だが、同時に現実を直視し諦めていた私がいたのも本当だ。
ジャンヌの影を無意識に追いかけていた可能性は否定しない。
それでも、私は現実で手に入る幸せを求めていたのだ。
私なりに人を愛し、私なりに人から愛されたいという幸せを。
もしかするとこの気持ちすらあの壺の魔神に植えつけられた感情かもしれぬ。
ただこれだけは偽りなく言えよう――私は彼女を大切な妻だと思っている。
......そう思えていると信じている」
騎士の家系のスールを始めとし、無意識にその影を追いかけていたかもしれない。
そもそも都合良く操るために魔神が植え付けた感情かもしれない。
けれど、ジルはただひとつの真実として語る。
――スールを大切に思っている。
>「都合の悪い過去をなかったことには出来ないし、都合の良い未来だけつかみとることも出来ない。けど、今を努力して少なくとも後悔が残らないよう頑張ることは出来ると思う」
>「何をどうするか、それは自分で決めないといけない。
> 大変だけど...エクセターは自分で決めたよ、後悔しないように。
> 貴方も自分で決めなよ、やるべきことを」
そんなジルにエクセターは手を差し伸べた。
見た目はまだ幼いエクセターにそう言って手を差し伸べられた彼は。
決して拒むことなくその手をやさしく包み、ゆっくりと立ち上がった。
* * *
ジルとスールは丘の上で相対する。
フレールとミリューはそんな二人を傍から見守っている。
「......スール、聞いて欲しい」
先に口を開いたのはジルの側であった。
「お前が何を見たのか、何を思ったか。
私は悔やみたくなるほど、理解しているつもりだ。
それでも......私はお前に......」
ロセウスやエクセターの言葉を受けて。
彼はスールに伝えようとする。
ジル自身の気持ちを。
「――それ以上、言わないで。
私はこれ以上貴方の話を聞く必要はないわ」
だが、彼の言葉はスールによって遮られる。
「スール......そうか......」
彼女の反応を受けてジルの顔に広がるの悲痛の感情。
それに追随するのは諦めの表情。
しかし、スールの方はそんな彼に優しく笑いかけた。
「だって、言われなくてもわかるもの。
私は確かに貴方を愛しているんだから」
――これが本当のスールの答え。
ミリューたちに流されそうな彼女が秘そうとした。
カレンたちの言葉によって告げることにした、彼女の気持ちだ。
「怒らないで聞いてちょうだい。
貴方に初めて会ったとき。
なんて恐ろしい顔の人だろうって思ったわ。
――でも、すぐに思い知った。
全ては見た目じゃないの。
貴方は勇敢で頼りがいもあって、聡明で......優しかった。
だから私は貴方のことが好きなのよ」
朗らかで積極的なスールだからこそ口を止めずに言えるのだろう。
先に話しかけたジルはというと、ただ黙ってスールを見つめていた。
少し驚きが感動へと移り変わっているように見える。
「ジャンヌっていう人について私は詳しく知らないの。
貴方にとって大切な人だったって聞けばそれでも嫉妬してしまうわ。
けれど、私はジャンヌに一つだけ絶対的に勝っているポイントがある。
私は今、ジル――貴方の妻なのよ。
貴方のことを一番傍で支えられるのは私だけ。
――ねえ、そうでしょう?」
彼女はジルに向けて微笑みを見せた。
それはどことなく挑発的なようで。
何よりも愛に満ちていた。
「貴方が犯した事実はなかったことにできない。
貴方はきっとこれから苦しい思いをすることだって多いでしょう。
その負担を私にも少しでいいから背負わせて欲しい。
だから、私は帰らないわ。
――我侭な妹でごめんね、フレール兄さん、ミリュー兄さん」
最初は心配そうに見つめていた二人であったが。
スールの言葉を聞いて諦めたのだろう。
ちょっとだけさみしそうに笑っていた。
「相変わらずだな、お前は」
「まったくですね。
兄妹揃って負担ばかりかけるのは正直勘弁して欲しいですよ」
少なくとも現時点で二人はスールの意志に反して連れ帰る気持ちはなさそうだ。
妹のことを大切に思うがゆえの決断だろう。
「勿論、貴方も私に帰れなんて言わないわよね......ジル?」
最後にスールはジルの気持ちを問う。
ジルの答えは決まっている。
「ああ......そんなこと言うはずがないだろう。
ありがとう――スール」
* * *
彼らの会話を眺めていたロセウスからは何かが抜け出ていく感覚がある。
「私からの救済などは必要なかったかもしれないな。
いや、お前たちの言動あっての顛末か。
心から......感謝しよう」
ジャンヌは彼ら二人を見届けて。
もうジルは問題ないと判じたのだろう。
「それにしても、これが人の愛の一つの形か。
私も少しぐらい味わってみても良かっただろうか」
少しだけぼそりと呟いたあと。
ジャンヌは光になってロセウスの体から抜け出していった。
その輝きは高く高く天まで昇っていく。
ジルはその様を見て、何かに気がついたかのように息を止める。
けれどそれ以上、彼女の名前を呼ぶことはなかった。
――ジルの思いは今ではもう、光だけに向けられているわけではないのだから。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
とりあえずそれぞれの言葉を受ければこんな形になります。
ロセウス、エクセターやジルたちとのやり取りからTPを1点、
最後のやりとりからRPを2点獲得できるものとしましょう。
おそらくフィン以外は5点以上になったはずです。
次回エンディングを投稿しようと思いますが、それ以前にやりたいことがあればどうぞ。
最後のCP獲得チャンスでもあるので。
ついでに剣のかけら7個分のダイスを適当に振り分けてください。
剥ぎ取りについてもお好きにどうぞ。
わたしやネスさん、フィンさんの言葉を聞いたスールさんは、強く頷いて。
>「カレン」
わたしにはそれがとても頼もしく見えて、自分の事じゃないのになんだか嬉しくなってしまいました。
わたしでも、こうやって誰かの背中を押してあげることが出来るんだ、と。
それなのにどうしてわたしは自分の事が出来ないのでしょう?
少尉さんだって、偶に帝都に帰って来た時にお食事とかするくらいですし‥もうちょっとこう‥。
は!なぜここで少尉さんが!?
わたしは冒険者で、少尉さんは軍人さん。互いの立場だってありますし、何より少尉さんはこれから忙しくなるでしょう。
あれ、なんだかちょっと寂しいですね?
でも、いつかわたしも、スールさんみたいに強い決意を持ってあの方とお話ししたいです。
>「そうよね。
> 私......まだ知らないこともある。
> 知らない方がいいこともあるかもしれない。
> けれど、もう怖くないわ......今以上に恐ろしいものなんてそうはないはずだから。
> ――私はジルと話してくる」
「えぇ。今が一番最下限なのだとしたら、あとは上昇しかないんです」
いってらっしゃい、と呟いてしまったのはなぜでしょう?
言葉は聞こえて来ませんけど、何を言ってるのかは何となく察する事はできます。
きっと、「そんなあなたでも愛してる」とか「ジャンヌさんはただの戦友だけどわたしは奥さんなんだからねっ!」とかそんな所でしょう。
こちらに背を向けているので表情は伺えませんけど、きっと幸せそうな笑みを浮かべてるんです。
「‥ミリューさん。どうか、あなたの妹さんを‥信じてあげてください。
妹さんが愛した男性なんです、信じるに値すると思いませんか?
今回みたいに、どこか間違うことだってあるかもしれません。でも、間違ったら直してあげればいいんです。
それが、夫婦というものでしょう?」
若干遠い目でスールさんを見つめているミリューさんに、そう言葉を掛けます。
「それに‥ご結婚されたからって、妹さん‥家族が減ったわけじゃないんですよ?
妹さんの旦那様という、家族が増えたんですから。折角の絆‥縁とも言いますけど、大事にしましょう?」
―――――――――――――――
PL こるべっと
不要かもしれないけど一応ミリューさんにフォロー入れとくの巻。
追記
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
21:47:39 こるべっと@カレン 1d6
剣の欠片 Dice:1D6[3]=3
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
「色々あったけれど...... 纏まりそうだね」
話の中心からすこし離れた場所で、ぼんやりとしているエクセターに声をかける。
視線で横に座る許可をもらい、荷物から二胡とジルの日記を取り出す。
「私たちにできることは大方終わっているから少し・・手持ち無沙汰になってしまったよ」
それでね・・暇つぶしにこの日記を曲にしてみようかと思っているのだけれど...
お客様に聞かせられる物にできているかジャッジしてもらってもいいかい?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
手持ち無沙汰なのでジルの日記を歌にできないか頑張ってみるの巻。
あまとうさんへ無茶振りをしていますが、スルーしてもいいのよ!
【判定ダイス】
21:38:24 飛龍頭@ネス 2d6+4 楽器演奏 Dice:2D6[1,3]+4=8
21:42:15 飛龍頭@ネス 1d6 剣のかけら Dice:1D6[3]=3
ダイスさま!おっさんの恋バナに気乗りしないのはわかるけど
もっとやる気だして!!w
「色々あったけれど...... 纏まりそうだね」
しばらくそう過ごしていると、ネスが隣までやって来た。
一人がちょっと寂しくなってきた頃だったので、隣にいてもらうことにしよう。
「うん、どうなるかは分からないけど。物語の終わりは近いと思う。
この物語はどんな結末を迎えるのかな...?」
返事を返すと、ネスはおもむろに楽器を取り出した。
「私たちにできることは大方終わっているから少し・・手持ち無沙汰になってしまったよ」
「あれ、ネス。何か聞かせてくれるの?」
音楽を聞くのはもともと好きだった。
実はエクセターもちょっとだけ演奏ができる。
下手で恥ずかしいから、あんまりやらないけど。
「それでね・・暇つぶしにこの日記を曲にしてみようかと思っているのだけれど...
お客様に聞かせられる物にできているかジャッジしてもらってもいいかい?」
「いいよ!エクセターが審判...じゃなくて審査員になる!」
そう宣言したのち、ピシっと引き締まった神妙な表情でネスの演奏に耳を傾ける。
その詩は、誰かが誰かを思う詩、家族のそれとは多分違うけど思いを感じる。
が、なんというべきか。
微妙な感想しか浮かばない。
-----
「うーん...34点!
あれだね、好きなのはよく分かったけど端的に言ってしつこいね!
砂糖を8杯以上叩き込んだアールグレイ並みにしつこい!」
詩が終わり次第、浮かんだ感想をパラパラと口から吐き出していく。
「曲としてもちょっと暗すぎるし、たのしー♪ってならないからエクセターは好きじゃないなあ。
もうちょっと明るいっていうか、ワクワクする感じがいいと思うよ!」
それにしてもネスがこんな感じの詩を作るのは珍しい。
きっと、題材にしたものが悪かったのだろう。
その点をヒートアップしたことも相まって大声で伝える。
「多分、題材っていうか詩に出てくる主人公が悪いんだと思うー
好きなのはもういいから!ッて感じ!」
「なんか自分で暗いことばっかり言って、つまらないよね。
しかも好きな人を守れなかった上に未練タラタラとかダサすぎー
重い、暗い、ダサいの三重苦だから爽快感がない!」
「しかもさー自分の外見がやだー、ってるけど髭ぐらい剃ればいいのにねー。
自分で似合ってると思うからそらないんだと思うけど、
それで行くって決めたならグチグチ言うなって思う」
「エクセターなんて足がちぎれても戦ってたのに、なんていうか根性がないよね!
そもそも青...うん?青髭?あれっ?」
なんか最近、って言うかさっきまで話していた人と特徴が似ているような。
恐る恐るジルの方を見てみる。
.........
「あぁぁぁ...青いお髭だぁぁぁ......!」
やってしまった。と言う表情で思わず口から地響きのようなうめき声が漏れる。
フォロー...早くフォローしないと!
「い、いや...その...うん、人が人を好きになることってとっても素敵だよね!
す、すっごく勉強になったなぁ~!こういうの...えっとそう!」
「反面教師!」
「...あ、ちがったこれ!」
何か言おうとすると、どんどんボロが出てきてしまう。
ど、どどど、どどどどど、どどど...どうしよう...!
そうだ、これしかない!
「ネスシールド!」
その叫びとともにネスの背中に身体をひっつけて身を隠した。
===========================
PL・エクセター、詩の主人公をダサいと大声で貶した後にジルだと気がつくの巻。
CP獲得のために空気読まない発言をする悪党になる覚悟!
なお空気に耐えられずにネスの背中に隠れます。
ダイス・
エクセター ネスの演奏について語る 2d6 Dice:2D6[3,2]=5
こういう時は身を隠すんだ! ネスの背中に隠れます 隠密判定 2d6+8 Dice:2D6[4,1]+8=13
1d6 剣の欠片 Dice:1D6[6]=6
追加の欠片ダイス 1d6 Dice:1D6[5]=5
>「勿論、貴方も私に帰れなんて言わないわよね......ジル?」
>「ああ......そんなこと言うはずがないだろう。
ありがとう――スール」
スールさんはジルを赦した。ジルも、彼女の愛に感謝し、共にあることを望んだ。
フレールさんもミリューさんも、すこし呆れた様子だけどあたたかい表情でふたりを見まもっている。
よかった。これでお話はおしまい、めでたしめでたしだ。
手をとりあうふたりをながめていると、安堵の気持ちがこみ上げた。
でも、と僕はちょっと考える。
ふたりの愛のきずなが新たに結びなおされた今だから、こう思うんだけど......。
......ジルが、このままじゃかっこわるくないかな。
今のところ、スールさんのおおきな愛にただ赦されっぱなしなんだけど、それってちょっと、どうなのかな...。
すくなくとも、ジルはもっともっと、せっかくなら、彼女の愛よりもさらにおおきな愛でスールさんをつつんでほしい。
僕はジルに話しかけた。
「スールさんを、ずっとずっと愛してください。あなたのありったけの愛で。あなたがかつて言葉に紡いだ愛よりも、おおきくふかい愛で。......えっと、覚えてますか?」
ジャンヌの死後、魔神に心を支配されていただろうジルは、もしかしたら忘れてしまっているかもしれない。もしそうだったらたいへんだ。
「あなたは、かつてこう書いていました。
『この風貌を......この青い髭を幾度恨めしく思っただろうか。
私は人から愛されることはなく、ただ恐れられるだけであった。』
...えっと......。
『しかし、私はそれを仕方のないことだと自分に言い聞かせていた。』
ひとに...、えと、
『人に愛されること、人を愛することなど私には過ぎた願いであることだと......」』」
たしかこんな一節が、ジルの日記にあったはず。
僕は読んだ日記の中身をいっしょうけんめい思いだそうとした。片方の耳が自然とたおれる。
「んと......。
『あれ程、あれ程までにも言い聞かせていたというのに......。
私はある乙女を愛してしまった。』
くるおしい...じゃなくて、こころから...、
『心から......狂おしい程に愛してしまったのだ。』」
いつしか、僕は文章を思いだすことに必死になっていた。風の吹きわたる草原をながめながら、首をひねってがんばる。
できるだけそれらしく聞こえるようにも努力してみる。だって、ジルの大切な愛の言葉たちだもの。
ああ、もっとちゃんとおぼえていたらよかったのに。ななめ読みしかできなかったのが今となっては残念だった。
「次はなんだっけ...。そうそう......、
『彼女のことを守っているという意識だけで私の心は高揚する。
そう、私が願うのはただ彼女を永遠に守り続けることだけ。』
...ええと、くわしくはあの、ネスさんが...彼が、本を持ってます。2冊。気になったら、見せてもらってください」
ネスさんのほうを手でしめす。ネスさんはちょうど、エクシーのとなりに腰をおろして、例の本をひろげて楽器を抱えているところだった。曲のインスピレーションでも湧いたんだろうか。
ともかく、僕はこれくらいしか思いだせないや。うん、とひとつうなずいて、言った。
「これよりも、熱烈でふかい愛の言葉をスールさんにささげてください。しばらくのあいだは、毎日。手紙にしたり、朝のおはようのあととか、いってきますの前とか、いつでも。スールさんがあなたにくれた愛情に負けないように」
僕はにっこりして、みじかい小指をたて、ジルに差しだした。
「約束、してください」
――PL(雪虫)より―――
スールさんがほんとに漢前なので、ジルもがんばれ!という気持ちで純粋にイノセントにはげますフィン君です。
PLとしては、ジルもただ赦されてばかりなのもなんでしょうし、外の世界の住人からの最後の置き土産として、かるく刑に処しておきましょうという気持ちです。
お兄さんたちにでも笑われるがよいのです。
「ジャンヌ」という固有名詞は出さない方向です。
【判定結果】
22:28:42 雪虫@フィン ≫ 剣のかけら 1d6 <Dice:1D6[5]=5>
23:48:16 雪虫@フィン ≫ 剣のかけら2つめ 1d6 <Dice:1D6[4]=4>
22:29:06 雪虫@フィン ≫ 日記の内容、暗誦できるかな? 2d6+9 <Dice:2D6[3,1]+9=13>
―――
PL;
ロセウスは特にすることもないので欠片ダイスだけ振っておきました。
言うべきことは言ったし。
23:43:31 りん@ロセウス 欠片ダイス 1d6
Dice:1D6[5]=5
>「曲としてもちょっと暗すぎるし、たのしー♪ってならないから
> エクセターは好きじゃないなあ。
> もうちょっと明るいっていうか、ワクワクする感じがいいと思うよ!」
元々が人に見せる気のない徒然文なのだから盛り上がりに欠けるのは仕方がない。
「ふふっ これは手厳しい
...確かにもう少し緩急をつけて演奏をしたほうがいいねぇ」
>「なんか自分で暗いことばっかり言って、つまらないよね。
> しかも好きな人を守れなかった上に未練タラタラとかダサすぎー
> 重い、暗い、ダサいの三重苦だから爽快感がない!」
子どもらしいシンプルで率直な感想を述べならが日記をパラパラとめくった手がぴたりと止まり・・
>「あぁぁぁ...青いお髭だぁぁぁ......!」
>「い、いや...その...うん、人が人を好きになることってとっても素敵だよね!
> す、すっごく勉強になったなぁ~!こういうの...えっとそう!」
>「反面教師!」
頭から煙を出しそうな勢いで、志向をフル回転させていたエクセターが向き直り
>「ネスシールド!」
の叫びと共にジルからの視線をさせるように背中に隠れてしまった。
「あはは 安心なさいエクセター
素直な感想に目くじらを立てるなんて狭量な事はないと思うよ?」
背後でちいさく丸くなってしまった幼子の為に先刻よりもう少し、明るい曲を弾くことにした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
あまとうさんに投げっぱなしジャーマンは良くないので、
エクセターをかばうサブ進行です。
19:39:46 飛龍頭@ネス 2d6+4 もっかい演奏 Dice:2D6[2,4]+4=10
今度の演奏は普通だ!!
ほんの少しだけ寂しそうな顔をしていたミリューにカレンは声をかける。
>「それに‥ご結婚されたからって、妹さん‥家族が減ったわけじゃないんですよ?
> 妹さんの旦那様という、家族が増えたんですから。折角の絆‥縁とも言いますけど、大事にしましょう?」
それはリルズの神官らしき言葉だった。
その言葉を聞いたミリューはふふ、と軽く笑みを漏らしてから。
「まったく、その通りですね。
きっと今こうした結末に至れたのは......スールがあなたに出会えたからでしょう。
妹の代わりにお礼を言わせてください」
どうやらミリューはこういう思想を持ったカレンがスールと会えてからこそ。
ジルとスールの二人が再度向き合うことができたと考えているようだ。
「それに、僕らもいつまでも兄妹離れできないままではいられませんしね。
特にフレール兄さんにはさっさと落ち着けてくれる相手と出会ってもらわないと」
ちょっとした軽い冗談も言えるくらい、ミリューの気持ちも落ち着いたようだ。
きっともうこの兄妹も大丈夫だろう。
* * *
一方スールとジルの気持ちが通じ合い、大団円を迎えようとしていたところだったが。
二ェストルがある日記を題材に歌を考えたところから事件は起きた。
エクセターがその主人公を大声で酷評してしまったのだ。
>「エクセターなんて足がちぎれても戦ってたのに、なんていうか根性がないよね!
>そもそも青...うん?青髭?あれっ?」>「あぁぁぁ...青いお髭だぁぁぁ......!」
しかも途中で主人公の正体に気づいてからはどんどんどつぼに嵌っていく。
>「これよりも、熱烈でふかい愛の言葉をスールさんにささげてください。しばらくのあいだは、毎日。手紙にしたり、朝のおはようのあととか、いってきますの前とか、いつでも。スールさんがあなたにくれた愛情に負けないように」
そしてフィンはというと悪気なく、むしろ良心からジルの過去の想いをさらけ出してしまう。
>「約束、してください」
「あ、ああ......わかった」
フィンから約束を求められたジルは困惑したように同意する。
直球と変化球で二方向から責められたので無理はないかもしれないが。
「あらら、そんなものがあったなんて知らなかったわ。
ねえ......二ェストルさん。
よかったらその日記貰えないかしら?
まずは内容を読まなければ、それ以上の愛を受け取れたかわからないもの。
今フィンくんと約束したし問題ないわよね......ジル?」
スールは二ェストルに日記を貰えるか尋ねたあと。
再度ジルに向けて笑いかける。
先ほどの愛に満ちた微笑みでも、挑発的な笑顔でもない。
それは完全に主導権を握ったものの笑い方であった。
「あ、ああ......私は......その。
特に問題ないが......」
答えたジルの顔は若干紅潮しているように見えた。
きっと流石の彼でも恥ずかしいのだろう。
「あんな顔してる時のスールは割とマジでやばいからな。
ジルもこれから大変だろうぜ。
......とりあえず、俺も何か書き残すときは注意するか」
二人を眺めていたフレールはそんな感想を漏らす。
きっと彼は彼なりに過去の思い出があるのだろう。
* * *
『物語は......綴られた。
役割を全うせしものには......証が送られることであろう』
――それからしばらくして脳裏に男の声が響く。
その言葉を認識すると同時に世界は白い光の中へ溶け込んでいくことだろう。
それは世界へやって来た時と同様の感覚だ。
どこかから勢いよくページが捲られる音がする。
最後には本が閉じられる音。
......ふわりと体が浮かぶ。
さあ、帰還の時だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
とりあえず返答分の進行です。
二ェストルとエクセター、フィンのやり取りでCPを1点差し上げましょう。
これで全員がSQ達成となります。
このあとエンディングを投稿します。