1-最後の願い

 GM(あんみつ) [2016/09/12 23:59:32] 
 

地面に向けて落下してくるアティファ。
彼女を救ったのはセスシナングの翼だった。

「きゃっ」

空中でアティファを抱えるのに成功したため。
大きな衝撃はなくセスシナングはアティファを包み込める。

「ふう......助かったわ、セス。
 うふふ、やっぱり貴女は私の立派な護衛ね」

安堵の息を吐いてから。
ゆっくりとアティファはセスシナングに微笑みかけた。

セスシナングが着地するとハフィーズがすぐさま駆け寄る

「ご無事ですか、アティファ様」

「――ええ、セスのおかげでね。
 お父様とお母様は?」

アティファはセスシナングのもとから離れ。
指輪に吸い込まれていた国王夫妻の元へと向かう。

「気を失われているようですが、ご無事のようです。
 ――本当に、良かった。
 お前たち、陛下たちをお休みになれるところまで」

ハフィーズはまだ無事な兵士たちに国王たちを場内へと運ぶように命令した。
残された他の兵たちには同じく吐き出された国民たちの介抱を指示する。

「私も城内に戻ろうと思います。
 アティファ様はいかがなされますか?」

ハフィーズも一旦城内の様子を見に戻るらしく。
アティファにも声をかけたが。

「いえ、私はもう少しここに残るわ」

彼女はそう言って、まだここに残る意志を示した。

「――承知致しました。
 もうあまり危険はないようですが、お気を付けて」

ハフィーズはただそうとだけ言って、国王たちを連れた兵たちと共に城内へ消える。

――残されたアティファはアラジンの方を眺めていた。

   *   *   *

一方グレースはファッティの意識を起こし。

>「イスラさん、彼を起こしましたので側に行ってあげてください。」

イスラにファッティの傍へと向かうよう声をかける。

「わかった、礼......言う」

イスラはグレースに会釈した後。
ゆっくりと目を開けたファッティのすぐそこにしゃがみこんだ。

「う......ああ......」

力なく、少しだけ口を開く。
その瞳の光は弱かった。

「――ファッティ様」

イスラが優しくファッティの胸に手を当てる。

「俺は......俺......は......」

ファッティはその手をつかもうとするが届かない。
魔神に喰われかかったことでその体も心も弱っているのだろう。
病気でも呪いでもなければ奪われた源は癒せない。
それはそれなりに高位の神官であるグレースでも同様だ。

「......ファッティ様」

イスラの顔が悲しげに歪む。
でも、それだけではなかった。

「生きていれば、私、守れる。
 必ず、守る」

そこに宿っていたのは決意の炎。
ファッティの命令としてではなく、自分で彼を守りたいと考えたイスラの意志だった。

「イス......ラ......」

彼女の言葉に答えるかのように。
虚ろで弱々しいながらも。
――ファッティは彼女の名を呼んだ。

   *   *   *

「良かった......アティファが無事で」

セスシナングにアティファが抱えられたのを見ながら。
アラジンは胸をそっとなでおろした。

>「アラジン、ナーゼルに奴を弱くしてもらったが....お前の願い、少しだけ叶えた
>あとはお前がやりたいようにやれ」

そんなアラジンにルークが声をかける。

「そうだな、ルークやアメリアたちのおかげだ。
 ほんと、どれだけお礼を言っても足りないぜ」

彼はルークの方に振り向いて。
にっと笑ってみせた。

>「姫さん、助けに来たんだろう?
>....なら、行ってやれ。そのために来たんだろう?」

そしてルークはアラジンの背中を押す。
だが、彼の背中を押したのはルークだけではなかった。

「そうだよ、マスター。
 僕はマスターの願いが叶うのを見るのが幸せなんだから。
 あ、そうだ......せっかくだから最後の願い使ってから行ってみようか?」

ナーゼルが宙に浮かびながら、アラジンの前に躍り出る。
彼の言う通り、まだあとひとつだけ。
願いの力が残っている。

「僕の力でマスターを王子に変えてあげようか?
 そうすれば、王女様ともお似合いのベストカップルだよ。
 あ、でもせっかくだし救国の英雄みたくすっごく強い剣士もいいかもね。
 もしくは大賢者様とか、僕に願えばなんだってなれるよ」

最後の一つの願いを使えば。
アラジンはアティファと釣り合う存在になることだって簡単だろう。
願いの力は、冒険者たちが実際に目にしてきた通りだ。

「その願いって、オレ以外の願いでも叶えられるのか?」

ナーゼルの話を聞きながら、アラジンは問いかける。
ナーゼルは少しだけキョトンとした顔をしながらも。

「マスター以外の願い......? 
 あ、そうかお姫様の願いだね。
 うん、マスターがお姫様の願いを叶えて欲しいと僕に言ってくれたら。
 僕がその願いを叶えられるよ。
 なるほどなー、そっちも結構ロマンチックかもね!」

たとえばアティファの願いを叶えたいといえば。
アラジンの願いとしてナーゼルが叶えられることを告げる。

「そっか、わかったよ。
 ――教えてくれてありがとな」

アラジンはナーゼルに礼を言ってから。
今度は冒険者たちの方に向き直る。

「オレさ、感謝しなきゃいけない相手がいっぱいいすぎてさ。
 幸せだとは思うけど、こういう時困っちゃうよな。
 ......それにやっぱりオレの願いだって叶えられるなら叶えたいし、迷っちゃうぜ。
 こんなとき、たったひとりのひとつの願いを選ぶなら。
 あんたたちならどれを選ぶんだ?」

アラジンは問いかけた。
残されたひとつの願い。
それは、誰のために使うべきだろうか、と。

「まあ、オレなりにも少しは答えは決まりかけてるけど。
 ――聞かせて欲しいんだ。
 みんなの気持ちも」


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

進行ですー!
ここからはちょっとだけですがこちらのカテゴリにご投稿ください。

アティファはセスシナングにがっつり抱えられ助かります。

ほかのところはもろもろ雑多にイベントを処理しました。

ナーゼルはアラジンの最後の願いを叶えたいようです。

アラジンはというと、皆さんに誰の願いを叶えるべきか聞いています。
誰でもいいので、誰かいるなら挙げてみればいいんじゃないでしょうか。
勿論、自分の願いを叶えてくれって言ってもいいのですよ。

他のところはお好きにどうぞ!

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 グレース(コルチョネーラ) [2016/09/13 21:48:33] 
 

アメリアさんは、戦いが終わってから呟いた。

>「やっぱり慣れないことは、するものじゃないですね‥‥」

>「そうか?結構いい歌だったぜ」

ルークさんは素直に感想を述べる。
バトルソングは一応、習ってはいたが僕も正直言うと歌う自信はなかった。
ただ、前線にとってはとてもいい効果を持たせられる。
もちろん回復だスキルだと忙しくないことが絶対条件ではあるが。

 「やっぱり女性の歌は癒されますね。僕が歌うよりいいでしょう。」

機会があれば、一度くらいはやってもいいと思った。


ルークさんは戦った後のお礼も忘れない。


>「魔法での援護ありがとうな、おかげで体も無傷に近い」

 「やっぱり前線は華がありますね。
 (小声)ちなみに癒したのは僕じゃないですよ?ドルクーア三世ですから。」


後方回復がメインの僕としては、ルークさんにキュアハートが必要なほど
ダメージを食らっていなかったのだ。
だからあの場はドルクーア三世が癒した。
彼は、実に多彩なスキルを持っている。
とても役にたっているのだ。


ルークさんはアラジンさんに声をかけ、
僕が声をかけたイスラさんはファッティさんと話をはじめた。

ありゃあ絶対トラウマになるだろうな。
夢の中であの魔神は時々出てくる気がする。
でも、そんなときは心の支えになる人の存在が貴重になるだろう。


セスさんが無事に助けた王女はお礼を述べられると共に
セスさんを立てるお言葉をかけられた。
こういう細やかな気遣いのできる王女だった。
そりゃあファッティさんも気に入るだろうな。

   *   *   *

さて、ランプの願い事はあと一つ残っていた。

ナーゼルさんの話によれば、アラジンさんの願いであれば
なんでも叶うのだと言う。
アラジンさんがその権利を譲渡することもできるらしい。


>「まあ、オレなりにも少しは答えは決まりかけてるけど。
>――聞かせて欲しいんだ。
>みんなの気持ちも」


 「そうですね...。」

せっかく命がけでランプを見つけたのだから、
普通に考えればアラジンさんに権利はある。


 「アラジンさんが納得のいく願い事をされれば宜しいのではないでしょうか?
  願い事の3つのうち二つは、危険を回避するためのものでしたし、
  おひとつくらいは、我儘を聞いてもらってもバチはあたりませんでしょう。」

僕は言葉を続けた。

 「ですが、あまりつり合いについては考えなくても宜しいかなと思いました。
  僕が推察するに、アティファ王女は、王宮に居ないタイプの
  貴方に惹かれているように思えるからです。
  釣り合いを意識するあまり、それが逆に王女の望んだ貴方でなくなってしまっては
  意味がございませんからね。」


もし、僕がアラジンさんの立場だったら何を望むかと言われれば、
僕は紙とペンを出して、アラジンさんだけにわかる言葉を伝えるだろう。


少なくとも、自分を慕ってくれる、それなりに好意を持っている人がいる、
生活も不自由はない、
この国が闇に閉ざされるのを救った英雄なのだから、
少なくとも貧乏生活ではなくなるだろう。
王族にもなれる可能性すらある。
いや、逆に、王族になるのならなったで
それなりに大変かもしれない。勉強することは山ほどあるだろうし、
公務、礼儀作法、外交とか、激務だとは思うが、
それは魔法で解決するほどの問題ではない、と僕は思うからだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――

コルチョネーラです。

やっぱ最後の願いくらいはアラジンさんの好きにしちゃいなよ
というのがグレースの意見ですが、

グレースがそういう立場なら、

「ナーゼルさんと一生涯の友達になりたい」

という願いをすると思います。
(尋ねられたら、そう書いて見せると思います)

三つめの願いが叶ったら、彼はランプの中に帰っちゃうんですもんね。
ちょっとそれは寂しいかなと。

 セスシナング(ニカ) [2016/09/15 03:19:57] 
 

>「きゃっ」

間一髪でした。
アティファさんは私の腕に無事、抱き抱えられています。

>「ふう......助かったわ、セス。
> うふふ、やっぱり貴女は私の立派な護衛ね」

そろそろ翼が疲れてきたようです。
ゆっくりと着地しましょう。

  
「いいえ。結局、あなたを危ない目に合わせてしまいました。
 どうやら、私はあなたの護衛には相応しくなかったみたいです」


地に降り、アティファさんを降ろした後、
ハフィーズさんの指揮で、
アティファさんのご両親を始めとした方々が中へ運ばれていくのを
私はただ眺めていました。
すべての方が運ばれ、ハフィーズさんも城内へ去った後も、
アティファさんはずっとアラジンさんの方を眺めていました。

 
「私一人ではあなたを助けることは出来ませんでした。
 ここまで来られたのは、
 アラジンさんを始めとした皆さんが力を貸してくれたからです」

「特に、アラジンさんはすごく必死だったんですよ。
 最初に会った時の彼はあなたを助けようと、脇目も振らず駆け出そうとしていたんです。
 とても大切に想われていらっしゃるのですね。羨ましいです」

 
ふふふと笑いながら、私は続けます。

 
「あの魔神を倒すことが出来たのは、ランプと、あそこにいるナーゼルさんのお陰です。
 でもきっと、アラジンさんはランプが無くても、勝てる見込みがなくても、あなたを助けようとここに来たと思います。
 私は彼と出会って間もないですが、何となく分かります」

「さあ、アラジンさんに元気な姿を見せてあげて下さい」

 
私は愛を司る神の神官ではありませんが、
今だけはその教えを遵守したい気分です。
きっと、アステリア様もお許し下さるでしょう。

―――――――――――――――――――――――――――

ファッティさんもグレースさんの気付けの魔法で目を覚ましました。
その瞳も声も弱々しく、初めて出会った時のあの姿が嘘のようです。
彼は魂そのものが弱っているようでした。
癒やしを司る妖精でも、心を司る妖精でも、魂そのものを癒やすことは出来ません。


彼はこれからどうなってしまうのでしょうか。
その前に裁かれてしまうのでしょうか。
元のように戻れるのでしょうか。
よそ者にすぎない私達に彼の行く末を定める権限はありません。


>「......ファッティ様」

>「生きていれば、私、守れる。
> 必ず、守る」


...そうですね、そうでした。
生きていれば、命さえあれば、何とかなります。


>「イス......ラ......」


弱々しいですが、ファッティさんはイスラさんの名前を呼びました。
イスラさんがいる限り、ファッティさんは大丈夫です。
自分の事を心から想ってくれる方がいる、これ以上心強い事はありません。

 
「貴方達に、神々の加護がありますように」

 
私は小さく、祈りを捧げたのでした。

――――――――――――――――――――――


もう一つ、考えるべきことが残っていました。
ランプの、最後の願いの事です。
もちろんアラジンさんのお好きな願いを叶えるのが一番だと思いますが...

例えアラジンさんが願いの力で王子になったとしても、英雄になったとしても、
知識人になったとしても、誰もが見惚れる紅顔の美男子になったとしても――そこに何の意味もありません。
アラジンさんはその事を分かっているようでした。
そして愛は目で見るものではありません、心で見るものです。


>「まあ、オレなりにも少しは答えは決まりかけてるけど。
> ――聞かせて欲しいんだ。
> みんなの気持ちも」

 

「ふふ。私も、アラジンさんと同じ考えだと思いますよ」

 

何でも願いを叶える力なんて、私には重すぎてとても扱いきれません。
私は大きいヒトではありません。
自分の為に願いを使ったならば、何を選んでも満足するし、後悔もするでしょう。
それならば。

 

「最後の願いは大事な友人の為に。
 今まであなたを助けてくれた友人の願いを叶えるのがいい、そう私は思います」


――――――――――
◯PL
進行お疲れ様です。
ここにきてRPをがっつり稼ぎに行ったつもりなのでした。

最後の発言はつまり、
『願いはナーゼル君開放して自由にする事です』って事です。
件の場面でセスシナングはいないのですが、
不思議パワーで色々察してるってことにして下さいませ。

 アメリア(甲子 幸) [2016/09/15 19:50:34] 
 

指輪に捕らわれていた方々、アティファさん、
魔神になっていたファッティさんも何とか事なきを得ました。

ナーゼルはアラジンさんに最後の願いを叶えるように勧め
アラジンさんは私たちにこう切り出します

>「オレさ、感謝しなきゃいけない相手がいっぱいいすぎてさ。
> 幸せだとは思うけど、こういう時困っちゃうよな。
> ......それにやっぱりオレの願いだって叶えられるなら叶えたいし、迷っちゃうぜ。
> こんなとき、たったひとりのひとつの願いを選ぶなら。
> あんたたちならどれを選ぶんだ?」

>「まあ、オレなりにも少しは答えは決まりかけてるけど。
> ――聞かせて欲しいんだ。
> みんなの気持ちも」

「そうですねぇ‥‥少なくとも私個人には叶えて欲しい願いはないですね。
 幸せは今日までに色々な方から沢山頂きましたし」

私は辺りを見回して、この場に居る人たちを順に見てから

「‥‥アラジンさん。大切な存在と一緒に居られるのって、きっと奇跡なんですよ。
 強いて言うなら、それこそランプの精に叶えて貰うのに十分なものだと思います」

「どうか叶えてあげてください。その方は今まで自分の願いを二の次にしてきたようですから」

========================================
PLより 短いですが投稿ー

ちょっと分かり難いですが『ナーゼルの願いを叶えてあげて』と言ってます

 ルーク(グラフ) [2016/09/15 22:32:35] 
 

戦闘も終わって一段落だ
イスラももう命令がなければ動けないってかんじでもない
ファッティは気に食わんがあいつがいいというのならいいのだろう

>「オレさ、感謝しなきゃいけない相手がいっぱいいすぎてさ。
> 幸せだとは思うけど、こういう時困っちゃうよな。
> ......それにやっぱりオレの願いだって叶えられるなら叶えたいし、迷っちゃうぜ。
> こんなとき、たったひとりのひとつの願いを選ぶなら。
> あんたたちならどれを選ぶんだ?」

どれを選ぶか?
俺だったら『もっと強くなりたい』だが....最初にも言ってたがそれは自分の努力で掴み取るものだ
ほかに願いなど無い、多分
皆もアラジンの好きな願いを、って感じの意見で一致しているし俺もその通りだ

>「まあ、オレなりにも少しは答えは決まりかけてるけど。
> ――聞かせて欲しいんだ。
> みんなの気持ちも」

みんなの気持ちか、俺の気持ちは....

「決まっているのなら好きにしな、色々あったが俺は友の願いを叶えるためにここにいる」

にっと笑ってアラジンを見る、大体の予想は付いているが、こいつの願いは....


--------
PLより

アラジンの願いをどうぞです!

 GM(あんみつ) [2016/09/16 23:08:38] 
 

>「私一人ではあなたを助けることは出来ませんでした。
> ここまで来られたのは、
> アラジンさんを始めとした皆さんが力を貸してくれたからです」

>「特に、アラジンさんはすごく必死だったんですよ。
> 最初に会った時の彼はあなたを助けようと、脇目も振らず駆け出そうとしていたんです。
> とても大切に想われていらっしゃるのですね。羨ましいです」

セスシナングはアティファを地面に降ろした後。
アラジンがアティファを助けようと駆け出していたことを語る。

「まあ......。
 なんというか、アラジンらしいわね。
 私は彼のそういうところが――好きなのよ」

そう返すアティファの表情は。
今までで一番幸せそうであった。

>「さあ、アラジンさんに元気な姿を見せてあげて下さい」

「そうね。
 本当にありがとう、セス。 
 貴女に今日出会えて、本当に幸せだったわ」

アティファはアラジンたちの方へと歩き出した。

   *   *   *

>「アラジンさんが納得のいく願い事をされれば宜しいのではないでしょうか?
> 願い事の3つのうち二つは、危険を回避するためのものでしたし、
> おひとつくらいは、我儘を聞いてもらってもバチはあたりませんでしょう。」

>「最後の願いは大事な友人の為に。
> 今まであなたを助けてくれた友人の願いを叶えるのがいい、私は思います」

>「‥‥アラジンさん。大切な存在と一緒に居られるのって、きっと奇跡なんですよ。
> 強いて言うなら、それこそランプの精に叶えて貰うのに十分なものだと思います」

>「どうか叶えてあげてください。その方は今まで自分の願いを二の次にしてきたようですから」

>「決まっているのなら好きにしな、色々あったが俺は友の願いを叶えるためにここにいる」

冒険者たちの回答を一通り聴き終えて。

「ありがとな、オレも......答えが決まったよ」

アラジンの最後の願いが定まったようだ。
もうその答えは決まっていたのかもしれない。
それでも、冒険者たちの言葉はアラジンを願いへ進ませるためにそっと背中を押した。

「なあ、ナーゼル。
 オレだってさ、夢多い若い男だからな。
 欲しいものなんていっぱいあるんだ。
 でも、ルークは言ってただろ?
 夢や願いは自分で叶えるものだってさ。
 だから、オレは、オレの夢はオレの力で叶えて見せようと思う」

そんなアラジンたちの元にアティファが歩いて近づいてきた。
アラジンはそんな彼女の手をとった。

「他にもアティファが叶えたい夢だっていっぱいあると思う。
 それを叶えてあげて、アティファの喜んでるところを見たい。
 けどな、道具に頼って叶えてやったってかっこ悪いじゃん?
 オレはさ、アティファの願いだってオレの力で叶えてやりたいぜ!」

アラジンはにやっとアティファに向けて笑いかけ。
アティファは少しその頬を赤く染める。

「オレ、ちょっとだけわかったんだ。
 魔法のランプはなんでも願いを叶えられるけど、三つまでしか叶えられない。
 でもオレたちは簡単に願いを叶えられるわけじゃないかわりに。
 三つなんて数に留まらないくらい夢や願いを叶えられる......そうだろ?」

アラジンがアティファを救えたのも。
イスラがファッティに出会えたのも。
確かに魔法のランプがあってこそだろう。

しかし決してそれだけではない。
アラジンやイスラの意思があったから。
彼らの意志を四人の冒険者たちが汲み取り、叶えようとしたから。
人の力があってこそ、今があるのだ。

「つまり、マスターは僕がいらないっていうこと?」

アラジンの言葉にナーゼルは顔を曇らせる。
確かにその言葉は魔法のランプを必要としていないかのようにも聞こえる。
でも――違った。

「いいや、そんなことはねえよ。
 オレにも一個だけ、魔法のランプの力を使わなきゃ。
 ナーゼルがいないと叶えられない願いがあるんだ?」

「本当?
 よかった......嬉しいな。
 じゃあ、マスター、早くその願いを聞かせてよ!」

元気を取り戻したナーゼルはアラジンを急かす。
アラジンはというと神妙な顔付きで。
ゆっくりとその口を開いた。

「じゃあ、言うから、聞き漏らすんじゃねえぞ。
 ――ナーゼル、オレは願うぜ。
 ランプの精ナーゼルを解放して、オレの友達にして欲しい。
 マスターなんかじゃなくて名前で呼んでくれるようにさ!」

「......え?」

何を言われたのかがわからないようなナーゼルの体を。
遥か空から差し込んだ一筋の光が包み込む。
それはまるで、神からの贈り物かのように。
光の中でナーゼルは人に生まれ変わる。
煙に包まれていた下半身はズボンを履いた人間の脚へと変わっていた。

「ど、どうして......マスター?」

彼は人の子供の姿に生まれ変わった自分が未だ信じられないかのように。
両の手で体を触れている。

「言ったろ?
 オレとかアティファの夢はオレが掴み取ってやるって。
 けどさ、お前と友達になりたいって願いだけはお前がいなくなっちゃ絶対に叶えられないんだ。
 だから願ったんだよ。
 お前に、オレと友達になって欲しいってさ。
 勿論、なってくれるよな?」

アラジンはナーゼルに手を伸ばす。

「僕は......いろんなマスターの夢を叶えるのが使命だった。
 使命を叶えるのは僕にとって、当然で。
 マスターたちが幸せになっているのを見て、僕も幸せな気分になってたんだ。
 でも、やっぱり......僕もマスターたちみたいに自由に行きたいって何度も願ってた。
 いけないことだと思ってたけど、何回だって願ってちゃったんだ。
 だけど、叶ったんだね、僕の願い――マスターのおかげで。
 ありがとう......マスター」

ナーゼルはその瞳から涙の筋を流す。
それは願いを叶え続けた彼の隠れた願いが叶った嬉しさの表れだ。

ただし、アラジンはどこか不満足なようで。

「違うだろ、ナーゼル?
 オレはもうお前のマスターじゃない。
 自由になったお前の友だちだ」

ナーゼルは年相応の人の子のような笑顔で。

「うん、そうだったね。
 これからもよろしくね......アラジン!」

アラジンが差し出していたその手をとった。

   *   *   *

そんな彼らを見守ってしばらくしたこと。

『物語は......綴られた。
 役割を全うせしものには......証が送られることであろう』

――脳裏に男の声が響く。
ここからは彼らの物語だ。
冒険者たちのなすべきことは果たされたということだろう。
その言葉を認識すると同時に世界は白い光の中へ溶け込んでいく。

それは世界へやって来た時と同様の感覚だ。
どこかから勢いよくページが捲られる音がする。

最後には本が閉じられる音。
......ふわりと体が浮かぶ。

さあ、帰還の時だ。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

エンディング前最後の進行です。
アラジンの物語の結末はこのようになりました。
RPを1点以上獲得できますので、セスシナングも達成となります。

本編後編で元の世界に帰りますが、
その前に簡易なアクションなら起こすことは可能です。

また次回エンディングになりますので、剣のかけら計10個を皆様でふりわけておいてください。

あと少しお付き合いの程宜しくお願い致します。

 グレース(コルチョネーラ) [2016/09/17 15:11:41] 
 


アラジンさんの最後の願い。
僕らの言葉を聞いた上で、結論を出したようだ。
もちろん、ある程度は決めていたのかもしれない。


「アラジンさんカッコイイですね...」


アラジンさんは言った。
自分の夢、自分の大事な人の夢は自分で掴むと。
もちろん自分の手で叶えてあげた大事な人の喜ぶ顔というのは
自分自身をも幸せにする素敵な笑顔だ。
魔法で叶えるよりもずっと価値がある。


あ、そうそう。
アティファ女王の手を自然に取るというところもポイントだ。
ここで赤面したりしないから余計にカッコイイ。


>「オレ、ちょっとだけわかったんだ。
>魔法のランプはなんでも願いを叶えられるけど、三つまでしか叶えられない。
>でもオレたちは簡単に願いを叶えられるわけじゃないかわりに。
>三つなんて数に留まらないくらい夢や願いを叶えられる......そうだろ?」


 「逆にランプの願い事が無制限ですと、色々問題が出そうですからね。」


まずマスターがランプを手放さないだろうし、
それが当たり前になってしまうと、自分は神だと勘違いする人が出そうだ。
願い事は3つくらいだからちょうどいいのだと僕は思う。


アラジンさんは最後の願いで、ナーゼルさんと友達になることを望んだ。
天から降り注いだ光が彼を人間の少年へと変える。
もしかして、ナーゼルさん自身は神の媒介者か何かだったのだろうか。
ナーゼルさん自身が把握いていないうちに変化するということは
そういうことなのかもしれない。
初めて、彼の足が現れた。

>「言ったろ?
>オレとかアティファの夢はオレが掴み取ってやるって。

>けどさ、お前と友達になりたいって願いだけは
>お前がいなくなっちゃ絶対に叶えられないんだ。
>だから願ったんだよ。
>お前に、オレと友達になって欲しいってさ。
>勿論、なってくれるよな?」


やっぱりそういわれたら嬉しいに決まっている。
ナーゼルさんを必要とするマスターはたくさんいた。
しかし、魔法の力じゃなく、ナーゼルさんの人柄の良さを
気に入ってもらえたのだから。
自由になったという悲願とはまた違った嬉しさがあるだろう。

涙が頬を伝うナーゼルさんに僕はランプを包んでいた
大判のバンダナを差し出す。

「どうぞ。このバンダナお返ししなくていいですよ。
 これは僕からの誕生日プレゼントです。」

まあ、ちょっと趣味が悪いけど使い勝手はいい。

「ねえ、アラジンさん。
 人間としての第一歩を歩み始めたナーゼルさんですけど、
 事実上今日がナーゼルさんの誕生日ということになるわけですよね?
 皆でお祝いしませんか?」


もちろん僕はイスラさんとファッティさんの所にも行く。

「生きていれば、人生どうにかなるんですよ。
 そして、この世に生まれたことに感謝するんです。
 誕生日は、人に祝ってもらってこそ喜びがあります。
 良ろしければ、ご一緒しませんか?」


そういう習慣を二人でもすればいい。
イスラさんやファッティさんだって誕生日はあるはずだ。
僕?
僕は拾われた立場だから、ナーゼルさんと同じく、
本当の誕生日はわからないけど、一応二月にしている。

そうして、僕が誕生祝いを企画し、乗っているところに、
頭の中で声が聞こえてきた。


>『物語は......綴られた。
>役割を全うせしものには......証が送られることであろう』 


「――そんな。」

無情にもこのタイミングでの帰還命令だ。

 「皆さん申し訳ありません。
  大変お名残惜しいのですが、
  僕らはそろそろ帰らなければならなくなりました。
  どうか、皆さんお幸せに。」


ああ、二人の婚礼まで見届けることも叶わなかったが、
誕生パーティすらできなかったとは。
エリックさんももう少し待ってくれればいいのに――


僕は皆に手を振った。
僕らは光に包まれ、この世界を後にしたのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――


コルチョネーラです。


なんかほろっとしちゃいましたね。
アラジンさんがカッコイイです。
グレースのキャラでは模倣できないけど
こういうのも素敵ですね。


もう必要なくなったランプは
イカランプとして第二の人生を歩んでもらいたいです(笑)
というか、セスさんが読書の供として持ち帰るとかありでしょうか?
彼女だけ財宝の部屋に行ってなかったので、
何も貰ってないんですよね。
彼女だけ手ぶらというのもあれかなぁと思いまして。

15:09:21 コルチョネーラ@グレース ≫ 欠片ダイス 2d6 <Dice:2D6[1,3]=4>

欠片ダイス運の無さは健在です!
レディファーストにして良かった。
みなさんごめんなさい。

 ルーク(グラフ) [2016/09/17 23:31:16] 
 

アラジンは願いを口にした

>「じゃあ、言うから、聞き漏らすんじゃねえぞ。
> ――ナーゼル、オレは願うぜ。
> ランプの精ナーゼルを解放して、オレの友達にして欲しい。
> マスターなんかじゃなくて名前で呼んでくれるようにさ!」

>「......え?」

会ってまだそんなに経っていないがアラジンってやつはすごい真っ直ぐな奴だと言うのを改めて思った
願いは自分の力で、それを実行に移そうとしているのもそうだし、なにより今の願いがまさにそれだ
こんなに付き合いをして気持ちがいいやつは久しぶりな気がする、これが物語の中だけの関係ってのが少し残念だが、それもまた一期一会ってやつだろう

>「うん、そうだったね。
> これからもよろしくね......アラジン!」

っと話も終わったみたいだ、ナーゼルのやつも体が変わっている

>「ねえ、アラジンさん。
> 人間としての第一歩を歩み始めたナーゼルさんですけど、
> 事実上今日がナーゼルさんの誕生日ということになるわけですよね?
> 皆でお祝いしませんか?」

グレースがなんだか誕生日の祝いを提案している

「ナーゼルの誕生日か、面白いな。しっかしこんな場所か...もっとうまいもんが食えるところが良かったんだが、まぁしょうがねぇか」

あ、調味料はあるけど感じの食料がねぇな、保存食じゃいかんし....となると祝うのは難しいか

「今回は無理か」

今回は、というかこれからも、だが
話の中とは言えこいつらには幸せになってもらいたいな


>『物語は......綴られた。
> 役割を全うせしものには......証が送られることであろう』

これでこのお話から俺たちも出るわけか

「ではこれでお疲れさん、だな
色々あったが最後には....それなりにいい結果となったか?」

解答を問うような口調で呟く、宮殿の兵士たちは死んでしまっていた、もうすこし早く着いていれば、などの気持ちがないわけではない
そう思うとすこしばかりちくりと胸が痛む
結局のところ全ての行動に正解なんてものはないんじゃないかと思う


俺はそう思いながら完全に光に包まれ始まりと同じような感覚に体を任せた

----------
PLより

15:34:27 グラフ@ルーク ≫ 欠片ダイス 2d6 <Dice:2D6[4,5]=9>

ダイス目は9です!それなりに高い

そういえばコルチョさんが以前ルークとツーショットと言ってましたねー
いいですねぇ、私もRPしててグレースさんは面白い方(自然に笑いを取る感じが)だと思っておりますし二つ名とかからも親近感が湧いていたりしますよ!

 セスシナング(ニカ) [2016/09/19 00:09:08] 
 

私はアラジンさんのお話をただただ聞いていました。
夢は自分で叶えなければ意味がない、
願いを叶えようと力を尽くす事こそが力となり、魔法となりえる。
そう、彼に改めて教わった気がしました。


>「じゃあ、言うから、聞き漏らすんじゃねえぞ。
> ――ナーゼル、オレは願うぜ。
> ランプの精ナーゼルを解放して、オレの友達にして欲しい。
> マスターなんかじゃなくて名前で呼んでくれるようにさ!」

>「......え?」


天から光が降り注ぎ、ナーゼルさんの体を包み込みます。
まるで、祝福をしているような優しく、美しい光でした。

>「ど、どうして......マスター?」

天からの光が消えた時、そこにいたのは不思議なランプの魔神ではありませんでした。
ナーゼルさんはひとりの人の子に変化したのです。
使命に縛られることも、次なる契約者を闇の中で待つこともない、一人の自由な人へと。

同時にアラジンさんとナーゼルさんの関係は契約者と従者から、
対等な友達へと変わりました。

最後の願いは叶えられ、ランプの伝説は終焉を迎えたという事でしょうか。
手に入れた者の願いを何でも叶える、強大な力を持つランプ。
しかし、私はそんなモノよりも、目の前の少年の喜びの涙の方が遥かに価値があると思うのです。

 
グレースさんがナーゼルさんの誕生日を祝おうと、仰っていました。
いいですね、とても。
今日がナーゼルさんの人としての誕生日となるのですね。
ここでは、大それた祝宴は出来ませんが、心からの言葉を贈りましょう。

「ナーゼルさん、お誕生日おめでとうございます。
 きっと楽しい日々が続きますよ」

 

これからのお話を私達が側で見られないのは残念ですが、
すべてのものが新鮮なはずのナーゼルさんにとって、
この世界は驚きと喜びに満ち溢れている事でしょう。

 

――――――――――――――――――

  

皆さんに断って、私はお城の中に入りました。
大分混乱していたせいか、部外者である私が入っても特に咎められず、
すぐにハフィーズさんを見つけることが出来ました。

 

「ハフィーズさん、少しよろしいでしょうか?」

 

このままお別れは寂しいものです。
せめて一言だけでもと、私はハフィーズさんのお時間を少しだけ頂くことにしたのです。

 

「お忙しい所すみません。
 先程はありがとうございました。
 お怪我はありませんでしたか?」

 

アティファさんを助ける為とは言え、
あの場に一人残してしまった事は申し訳ないと今でも思っています。

 

「...私達はこの国の者ではありません。
 もうすぐここを立ち去らなければならないのです」

 

恐らく、二度と会うことは叶わないでしょう。
アティファさんにも、アラジンさんにも、ナーゼルさんにも。
ハフィーズさんにも。

 

「後の始末をお手伝いできないのは心残りです。
 そして、それ以上に――」

 

命を落とした兵士、損傷した城。
残された傷跡は決して小さくはありません。

 

「魔神を止める事は出来ましたが、結局、被害を出してしまいました。
 その事は悔やんでも悔やみきれません」

「これからの事はよろしくお願いします。
 それにアティファさんと、アラジンさんも」

 

特にアラジンさんは重要な部分です。
まずはハフィーズさんに認めて貰う事が、
第一の試練になるでしょう。
頑張ってください、アラジンさん。

  
―――――――――――――――――――――
全てが終わり、皆さんの所に帰った頃。


>『物語は......綴られた。
> 役割を全うせしものには......証が送られることであろう』


脳裏に響く声。
私達の世界へ帰る時が来たみたいです。
世界が白く染まって行きます。
この世界の皆さんにとって私達はどう見えているでしょうか。

 
「ああ。もう、お別れみたいです」
 
「私達は通りすがりの魔法使いのような者だったと思って下さい。
 魔法が解ければ元の場所に戻らないといけないのです。
 さようなら、皆さん。どうかお元気で」

 
どこかで本が捲られ、閉じられる音が聞こえました。
ふわりと体が浮く感触。視界がが白く染まって行く。
初めてこの場所に来たときと同じ感覚です。
本当に、これでお終いなのですね。
私達はこの世界に良いモノを残せたでしょうか――

 
――――――――――――――――――
◯PL
剣の欠片は3回分降って合計8でした。
微妙です。

ランプはどうなるのでしょうねー。
頂けるなら頂けるなら嬉しいですが、
元の世界に持っていけるものなのでしょうか?


剣の欠片 3d6 Dice:3D6[3,3,2]=8

 アメリア(甲子 幸) [2016/09/19 23:02:08] 
 

私たちのの答えを聞いたアラジンさんは、自分で叶えられる願いは自分で叶える。
そう決めたみたいです。そしてこう続けます。

>「オレ、ちょっとだけわかったんだ。
> 魔法のランプはなんでも願いを叶えられるけど、三つまでしか叶えられない。
> でもオレたちは簡単に願いを叶えられるわけじゃないかわりに。
> 三つなんて数に留まらないくらい夢や願いを叶えられる......そうだろ?」

>「つまり、マスターは僕がいらないっていうこと?」

ナーゼルは表情を曇らせてそう聞き返して‥‥でもアラジンさんは

>「いいや、そんなことはねえよ。
> オレにも一個だけ、魔法のランプの力を使わなきゃ。
> ナーゼルがいないと叶えられない願いがあるんだ?」

>「本当?
> よかった......嬉しいな。
> じゃあ、マスター、早くその願いを聞かせてよ!」

そしてアラジンさんは、ゆっくりと願いを口にします。
ナーゼルを解放して、友達にして欲しいという願いを。

>「......え?」
>「ど、どうして......マスター?」

空から降りてきた光に包まれたナーゼルはその中で人の子どもの姿に変わっていきました。

>「お前と友達になりたいって願いだけはお前がいなくなっちゃ絶対に叶えられないんだ。
> だから願ったんだよ。お前に、オレと友達になって欲しいってさ」

アラジンさんはナーゼルにそう言い、勿論、なってくれるよな?と手を伸ばします。

ナーゼルは今までその内に隠していた自分の願いを叶えてもらえた嬉しさからか
その瞳から涙を流していました。ありがとうマスターと‥‥

>「違うだろ、ナーゼル?
> オレはもうお前のマスターじゃない。
> 自由になったお前の友だちだ」

>「うん、そうだったね。
> これからもよろしくね......アラジン!」

差し出された手を取り合う二人の友情はこれからもずっと続いていくのですね。

-*-*-*-*-

亡くなってしまった方々への祈りと弔いを終えたころになって頭の中に突然

>『物語は......綴られた。
> 役割を全うせしものには......証が送られることであろう』

この声は?そう考えた時には既に世界は白い光に包まれていて、
ページを捲る音と本が閉じられる音。身体が浮かぶ感覚。

「これは、帰る時になったということなんでしょうね。少し寂しいですけど」

どうかお幸せに、もう会うことの無いであろう友人たちに想いを馳せて帰還の途につきます。

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PLより 1ゾロ3回か‥‥もう本当に何か憑いているとしか‥‥

かけらダイスはちょいと少なめでした
19:56:34 甲子 幸@アメリア 3d6 剣のかけら×3 Dice:3D6[2,5,2]=9

 GM(あんみつ) [2016/09/20 22:10:34] 
 

>「どうぞ。このバンダナお返ししなくていいですよ。
> これは僕からの誕生日プレゼントです。」

「......ありがとう。
 僕、泣いたのなんてすっごく久しぶり。
 もしかしたら初めてかもしれない。
 でも、これが当然なんだよね......今日から僕は人間なんだから」

ナーゼルはグレースのバンダナを受け取りながら言う。
グレースの誕生日プレゼントは、喜んでくれたようだ。

   *   *   *

また帰還までの僅かな間。
セスシナングは城内にいたハフィーズに声をかける。
彼は近くにいた衛兵たちに指示を出してから、少しだけ壁にもたれかかって休んでいた。

>「ハフィーズさん、少しよろしいでしょうか?」

「おや、どうされましたか?
 少し休んでいたところなので、構いませんよ」

ハフィーズは相も変わらず真面目な応対で応える。
それでも、流石に少し疲労しているようだ。

>「お忙しい所すみません。
> 先程はありがとうございました。
> お怪我はありませんでしたか?」

「まあ、残念ながら無傷......というわけにはいきませんでしたね。
 ただしそれは自分の力不足故。
 むしろセスシナング殿にアティファ様を追いかけていただき、助かりました。
 おかげで、殿下は今もこうして無事でいるのですから」

彼の気持ちに嘘はない。
ハフィーズはセスシナングを送り出したことを間違いとは思っていないのだ。
例え、あそこで彼が命を落とすことになっても、そうしたのだろう。

――そんなハフィーズに。
セスシナングは別れの言葉を告げる。

>「これからの事はよろしくお願いします。
> それにアティファさんと、アラジンさんも」

セスシナングは別れの前に、ハフィーズに言葉を残す。

「任せてください。
 もう二度と殿下を危険な目に遭わせることは致しません。
 ――しかしあの若者にはいろいろと話を聞く必要がありそうですね。
 殿下のことだけでなく、どうやら城への秘密の入口まで知っているようでしたし」

どうやらアラジンにはあまりいい感覚を持っていないらしい。
頑固そうなハフィーズなら仕方ないだろうか。

「ただ、彼も殿下やこの国を救った英雄です。
 それについては認めなければなりませんね」

それでも、彼は決してアラジンを認めていないわけではない。

「勿論、それは貴女方も同様です。
 私は......いえこの国は貴女方の存在を忘れることはないでしょう」


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あんみつ@GMより

とりあえずいくつかお返し。

エンディングは別カテゴリで。

 グレース(コルチョネーラ) [2016/09/22 20:39:41] 
 

>「ナーゼルさん、お誕生日おめでとうございます。
>きっと楽しい日々が続きますよ」

セスさんは、僕の案に対し、ナーゼルさんに言葉で祝ってくれた。

一方で、ルークさんは、

>「ナーゼルの誕生日か、面白いな。しっかしこんな場所か...
>もっとうまいもんが食えるところが良かったんだが、まぁしょうがねぇか」


結構食に拘るタイプなのだろうか、料理のことを気にしているようだった。
かといって、今まで見てきた限り食いしん坊という感じでもない。
であれば作るのが好きなのだろう。

>「ではこれでお疲れさん、だな
>色々あったが最後には....それなりにいい結果となったか?」

「そうですね。物語としては、いい感じにまとまった気がします。
 冒険者的にはダメなんでしょうけどね。」


恐らく僕だけじゃないけれど、
ひっかかる部分はあった。
冒険者である以上、死亡者を出すというのは仕事をする上で
やってはいけないとだと、殆どの人はそう意識している。
それは僕らが普段は冒険者として仕事をしているからである。


たとえば、正面から全員で行くという選択もあった。
死者は出なかったかもしれないが、ランプの願いを使った可能性はあっただろう。

そうするとナーゼルさんの自由を犠牲にすることになってしまう。


「最後の願いで、死者を生き返らせることもできたかもしれません。
 もしも、そこで願いを使い切ってしまったとしても、
 ナーゼルさんの解放はアティファ王女にマスターになってくだされば
 できたはずですよね。
 冒険者としての仕事であれば、そういうやり方もあったんです。
 もちろん、ストーリー的なものを無視しても良いのなら。」

物語そのものをぶち壊しにすることのほうが
依頼人の意向には沿っていないのだとみんなは思った。
だから僕らが選択する上でこれが一番の結末だったと思う。

冒険者としての最高の結果は、作家としての最高の結果とは限らない。
これが僕の出した結論だ。
これらを両立させる最高の結果を求めるのはかなり難しいだろう。