C1-薔薇と家
キリエとシオンはオアシスで水を汲む。
石化を戻すためには十分な量がそれぞれ入っているだろう。
ちなみに......もし飲んでみたら美味しいかもしれない。
* * *
廃墟の街――サンディに到着した冒険者たち。
そこには蛮族の姿もない。
その理由が父が街から追い出したからだと語るエレミアに対し。
>「大半、と言うと、残っている少数派もいるんですか?」
シオンは尋ねる。
「いつでもあそこにいるのはコボルドが一人だけ。
屋敷の掃除や料理を仕事として任されているの。
まあそれなりに毛並みが綺麗で愛らしい顔つきなのよ。
だから父も傍に置いているんじゃないかしら」
屋敷にいる蛮族はコボルドだけだという。
戦力的に障害になりうるものはいないということだろうか。
* * *
「じゃあ、二人の分の衣装も渡すわね。
キリエはこれ、シオンにはこれね」
キリエに渡されたのは赤を基調とした派手派手な衣装。
これまた少し変わった赤色の帽子もセットになっている。
それぞれアクセントに星柄なども取り入れられており、非常に目立つ。
ジャグラー......曲芸師の格好だ。
「実はこれ、本当は子供用なのよね。
でも、キリエにはちょうどいいんじゃないかしら?」
確かにサイズ的には人間の子供用であった。
若干模様が可愛らしいのはそのせいだろうか。
つまりキリエには逆にぴったりフィットするはずだ。
一方のシオンに託されたものは男性用の踊り手の衣装だ。
上半身は肌を存分に露出させるように最低限の黒い布地しか使われていない。
まあ比較的身長が高く戦士としてそれなりに鍛えられた体のシオン故、見劣りするということはないだろう。
下半身は黒のズボンで全体的にモノトーンで落ち着いたカラーリングだ。
アクセサリーとして銀製の品々も付属している。
「とりあえず適当な場所で着替えてきてちょうだい。
武器とか鎧とかは他の荷物と纏めておいて。
あとで別便で持っていくから。
――キリエの服はゴテゴテしてるから下に隠してもバレないかもしれないけど」
そう言ってエレミアも綺麗な廃屋へと入っていく。
キリエなら一緒に入っても問題ないだろう。
流石にシオンが入っていくのは問題かもしれないが。
* * *
しばらくして着替え終えたエレミアが出てくる。
身に纏っているのは真っ赤なバラのようなドレスだ。
上半身は胸元が開いており、強くその存在をアピール。
下を見れば花弁のように赤いひらひらとしたスカートから白い足が覗いている。
髪の赤さも相まって薔薇というよりかは炎のようにすら見える。
真っ黒な装いのシオンとはいいコントラストになっているかもしれない。
「――準備できたかしら?
できたならすぐに屋敷へ向かいましょう。
まずは挨拶するだけよ、この格好で戦えだなんて言わないわ」
そう言って真っ赤な靴で砂の街の奥へと足を進めようとしたが。
「ああ、そうだ。
戦うための諸々についてはその他の荷物と一緒にバルレ――いやコボルドに運んでもらいましょう。
大丈夫、いい子だから中の荷物を検めたりしないわ。
二人は機を見て準備してくれれば構わないから。
――あたしの方もいろいろ用意しなきゃいけないことがあるしね」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
これから屋敷に向かうにあたり、カテゴリを次に移しました。
これからはこちらのカテゴリに投稿してください。
衣装についてはこんな感じで。
振り分けについては趣味です(・∋・)
大まかに書きましたが詳細を詰めたいのであれば概略に反しない程度にお好きに(*´∀`*)
一応コボルドについて魔物知識判定が可能です。
目標値は6/11ですね。
次進行でモノマニアの屋敷に入ります。
いきなり戦闘はよっぽどでなければありませんが、
中に入るまでに行いたいことがあればどうぞ。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『C1-薔薇と家』にチェックを入れて投稿してください。
>「じゃあ、二人の分の衣装も渡すわね。
キリエはこれ、シオンにはこれね」
エレミアに渡されたのは派手派手な赤い曲芸師の衣装。
まあ、大体予想通り。
シオン君は黒い踊り手の衣装。
やたら露出が多いけど、似合ってるじゃないの。
>「実はこれ、本当は子供用なのよね。
でも、キリエにはちょうどいいんじゃないかしら?」
そんで、私のは子供用と。
子供用・・・いや、うん。
可能性はあったけどさ。
実際渡されると凹むというか・・・
まあここで落ち込んでても仕方ない、切り替えて・・・いけるのかな。
(さっさと来いよ成長期・・・)
とかそんなことを考えつつ途中エレミアに手伝ってもらったりしながら着替えを済ませる。
うーん、我ながら似合ってる・・・のか?
思ったことは、意外に動き辛くない。
服の中にも余裕があるしこれなら銃も隠せそうだ。
懐に4つ、袖の中に1つずつデリンジャーを、ズボンの中にダガーを、忍ばせておく。
勿論、中でぶつかって音が鳴らないよう気を付けながら。
ジェザイルとサーペンタインガンは・・・隠せそうにないな。
無理しないで預けてしまおう。
よし、こんなものか。
皆も準備できたみたいだし、いよいよってところだな。
>「ああ、そうだ。
戦うための諸々についてはその他の荷物と一緒にバルレ――いやコボルドに運んでもらいましょう。
大丈夫、いい子だから中の荷物を検めたりしないわ。
二人は機を見て準備してくれれば構わないから。
――あたしの方もいろいろ用意しなきゃいけないことがあるしね」
と、エレミア。
中に入っていきなり戦闘ってワケじゃないみたいだな。
流石にそうか。
「了解だ。
ああ、その前に、何の用意をするのか、聞かせてくれ。」
依頼人を疑うのはアレだけど、後ろから刺されるのは御免だからな。
------PL
00:36:09 シイナ@キリエ まもちき(平目) 2d
Dice:2D6[6,2]=8
キリエがなんか暗殺者じみてきた・・・
武器についてはデリンジャーとダガーだけ服の中に隠しておきますね。
>「じゃあ、二人の分の衣装も渡すわね。
> キリエはこれ、シオンにはこれね」
エレミアさんから黒い踊り手の服を受け取る。結構、露出度が高いな。
武装解除は正直怖い。護身用としてナイフでも持ってくるべきだったか?
ただ、信用を得るには好都合なのかも知れない。
>「実はこれ、本当は子供用なのよね。
> でも、キリエにはちょうどいいんじゃないかしら?」
......何やら苦悩しているキリエさんに言葉を掛けられない。
少なくとも下手な言葉を掛けたら逆に怒られそうな気がするし、気持ちは分からないでも無い。
>「とりあえず適当な場所で着替えてきてちょうだい。
> 武器とか鎧とかは他の荷物と纏めておいて。
>あとで別便で持っていくから。
> ――キリエの服はゴテゴテしてるから下に隠してもバレないかもしれないけど」
女性陣を見送り、別の部屋で着替える。
着替えに手間取るような構造の服ではないが、鎧を脱ぐのに時間が掛かった。
ポーションインジェクターと宝石の類いは外しておこう。
着替えが終わった女性陣が出てくる。
>「――準備できたかしら?
> できたならすぐに屋敷へ向かいましょう。
> まずは挨拶するだけよ、この格好で戦えだなんて言わないわ」
それはそうだ。今の自分は多少は動けるが、文字通りに動けるだけだ。
イスカイアの魔導鎧は本当に優秀だ。軽くは無いが、動きを全く制限しないのだ。最も、それに見合う痛い出費だったが......
>「ああ、そうだ。
> 戦うための諸々についてはその他の荷物と一緒にバルレ――いやコボルドに運んでもらいましょう。
> 大丈夫、いい子だから中の荷物を検めたりしないわ。
> 二人は機を見て準備してくれれば構わないから。
> ――あたしの方もいろいろ用意しなきゃいけないことがあるしね」
「分かりました。そのバレル? って言うコボルドは別に何もしてこなければ放置でいいですか?」
はっきり言って殺しは嫌いだ。相手がこちらを殺す気で来るなら仕方ないが、初めから無抵抗で命乞いをされたら殺せる自信は無い。
__________________
平山です。
身長に関しては思っても絶対に口に出さない。幼少時代は周り(リルドラケン)との差を気にしてたシオンです。
シオンは肌の色と服の色で見事にモノクロームになりました。武装は完全解除状態なので、不安です......
平山@シオン : 魔物知識 2D6 → 5 + 1 + (8) = 14 (12/26-19:54:29)
>「了解だ。
>ああ、その前に、何の用意をするのか、聞かせてくれ。」
「父は――舐めて勝てる相手じゃないからね。
せっかくだからゴーレムでも作ろうかなって。
――不安?......まあ、そうよね。
何ら別に見張っていっても構わないわよ」
ゴーレムを作る......という用意があるらしい。
けれど、そこには若干の含みがあった。
嘘......という程のものではないが。
>「分かりました。そのバレル? って言うコボルドは別に何もしてこなければ放置でいいですか?」
――また、シオンの問いかけに対しては。
「そうね......寝かせちゃおうかと思ってたわ。
あたしの戦いに関係はないし......悪い子じゃないしね」
わざわざコボルドを殺す必要はないようだ。
エレミアは邪魔にならないように、もしくは危害が及ばないように眠らせておくつもりらしい。
おそらく魔法でもかけるつもりなのだろう――これもまた彼女の用意の一つかもしれない。
「それじゃ、二人共よく似合ってるし行きましょう?」
* * *
エレミアが目指して歩き出した先にあるのは、父の棲む館。
翡翠のような屋根と白磁のような壁。
門から見える屋敷の庭には砂漠に咲く亜種だろうか――薔薇の庭園がある。
その赤色の絨毯の中には美しい男女の石像。
まるで"生きている"かのように美しい技巧である。
門には鍵上の魔動機が備えられており、簡単には開かないようになっている。
その門には別の何かが備え付けられているようだ。
知識を探れば、遠くの様子を見るための魔動機と通話ができる魔動機だとわかるだろう。
おそらくこの街に勢いがあった頃の名残の品であろう。
「......エレミア......お前か?」
その魔動機から聞こえたのは、どこか影のある男の声。
「ええ、エレミアです......お父様......」
その声に返すエレミアの声は気持ち悪いくらいに丁寧なもの。
エレミアの口ぶりからして、今話している相手はモノマニア――彼女の父であろう。
「後ろの者たちは......?」
「――お父様の想像しているとおりですわ」
モノマニアとエレミアの間では少し意味深な会話が交わされていた。
「まあいい......中に入るがいい」
「ありがとうございます。
――ああ、そうだ少し荷物がありますの。
バルレにお願いしてもいいかしら?」
「構わない。
すぐに行かせよう」
そこで通信が途絶える。
親子の会話はこれで終わったようだ。
魔動機越しとはいえ、ひどく淡白で事務的なものであった。
カチッと機械的な音がしたあと。
門が独りでに開いていく。
屋敷への招待の準備が整ったのだ。
* * *
「エレミアお嬢様!」
白い毛並みのコボルドが正面玄関から庭園へと駆け出してくる。
「あら、バルレじゃない。
久しぶりね、元気だった?」
バルレと呼ばれたコボルドに対してエレミアが見せたのは自然な笑顔であった。
父親とは異なり、このコボルドについては複雑な感情はなさそうだ。
「はい、わたしもモノマニア様も元気でした!
二年前はお嬢様がいきなり出て行ったのでとても心配していたのですが。
お元気だったようで何よりです!」
「ありがとう......ごめんね。
そういえば荷物の話聞いてる?
あそこの家にあるの、私たちはお父様にご挨拶してくるから。
部屋まで運んでおいてくれるかしら」
エレミアが指差したのは先程キリエとシオンたちが着替えた場所だ。
そこには武器や鎧などの荷物がまとめられている。
「わかりました!
お嬢様のお部屋へお持ちしておきますね!」
そう言ってバルレは深々とお辞儀をしたあと。
エレミアが示した方向へと駆け出した。
* * *
「武器や道具についてはバルレにお任せして。
お父様にお会いしましょうか。
――入ってすぐの部屋よ」
エレミアはそう言って庭園の中へと歩みだしていこうとする。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
少し進行ですー。
【バルレ】を『人物表』に登録しておきます。
屋敷の門に対しては魔法的な鍵がかけられています。
魔法的な手段で達成値25以上を出せば、解除できます。
魔動機の類については見識判定を試みることができます。目標値は14。
成功すれば、それぞれの機能がわかります。
まあ監視カメラとインターホン的なものですね。
エレミアについていけば屋敷へと入っていくことが可能です。
>「父は――舐めて勝てる相手じゃないからね。
せっかくだからゴーレムでも作ろうかなって。
――不安?......まあ、そうよね。
何ら別に見張っていっても構わないわよ」
私の問いにエレミアはそう返す。
「分かった。
疑ってるようで悪いね。
ま、ゴーレム作りはおれも興味あるし、ついでに見させてもらおうかね。」
残っているコボルドは眠らせておくらしい。
壁になられても困るし、弾も無駄に使いたくないし。
仕事が終わったら自由にするなり仕事を紹介するなり、色々あると思うけど、そこはエレミアに任せておこう。
>「それじゃ、二人共よく似合ってるし行きましょう?」
------
エレミアに案内され屋敷の門前にたどり着いた。
屋敷は荒廃しきったサンディの街とは対象に綺麗にされ、ここだけが別の、大きな町の高級住宅地にでもあるような雰囲気を醸し出していた。
「はー・・・こんな砂漠のど真ん中にある街で薔薇の庭園なんて見るとは思わなかった。」
門の中に見える薔薇の庭園。
覗き込んでみると男女の石像が目に留まった。
まるで生きているかのような、美しい技巧のそれは庭園の風景とも相まってこの屋敷の美しさを際立たせているように見える。
けど・・・何だか気持ちが悪い。
砂漠の中にこんな綺麗な屋敷が建っているという異質さもだけど、特に庭園の石像が。
相手はバジリスクだ。
人蛮問わず芸人やらを屋敷に呼んでいるとも言っていた。
・・・まさかな?
私の思い過ごしであってくれ。
>「......エレミア......お前か?」
>「ええ、エレミアです......お父様......」
門に取り付けられた魔動機越しにエレミアが会話を始める。
相手が父親・・・今回のターゲットか。
その会話は親子の会話というには酷く淡白で、エレミアと父親の間にある溝はとても深いものだと、そう感じた。
エレミアが会話を終えると門はひとりでに開いた。
その中から白い何かが飛び出してきて一瞬身構えるが、すぐにエレミアの言っていたコボルドだと理解して、警戒を解く。
ああ、確かにかわいい顔してるなこいつ。
人懐っこそうな感じだし、こいつは気にする必要なさそうだ。
話しかけられたら適当に応対して、もしこちらに牙を剥くなら迷わず殺す。
それでいい。
エレミアが荷物の話をするとバルレは深々と頭を下げて、私達が着替えた建物へと走って行った。
・・・なかなかいい子だな。
>「武器や道具についてはバルレにお任せして。
お父様にお会いしましょうか。
――入ってすぐの部屋よ」
さていよいよか。
覚悟位は決めておこう。
------PL
蛮族相手には非常にドライなキリエさん。
かと思いきやコボルドが思ったより可愛くて若干キャラがブレてしまったの巻き。
扉の鍵は特に手出ししません。
見識判定も技能無いのでパスでお願いします。
深々とお辞儀をするバルレと呼ばれたコボルドに軽く会釈をした。
反射的で危うく同じく深々と頭を下げるところだった。昔の客商売の癖が中々抜けない。
エレミアさんの言うとおり、悪い感じは微塵も無い。従順と言うよりは、素直なのだろう。
......問題は、遠距離から声や姿を確認できる魔動機だろう。下手な場所に同じような物があるとこちらは動きづらくなる。
そして、扉に至ってはただの鍵では無いようだ。僕が解除するのは明確に不可能だろう。
> 「武器や道具についてはバルレにお任せして。
> お父様にお会いしましょうか。
> ――入ってすぐの部屋よ」
「分かりました。しかし、本当に立派な屋敷ですね。管理も大変でしょうに」
魔動機に聞かれる可能性が在るので、下手なことは言えない。
__________________
平山です。
監視カメラと聞くと中の人がメタルギアの癖で反射的に壊したくなるけど、我慢。
魔法的な解除は無理なので、そちらはパス。
内部にもカメラ等が無いか不安です。
平山@シオン : 見識判定 2D6 → 6 + 4 + (8) = 18 (12/29-18:41:27)
これから忙しくなるので、投稿が遅れたらごめんなさい。
>「分かりました。しかし、本当に立派な屋敷ですね。管理も大変でしょうに」
シオンが魔動機に気を遣いつつそんな言葉を漏らすと......。
「昔は建物だけでなく空気――雰囲気も立派だったのよ。
......人族の貴方たちにはちょっと微妙かもしれないけど。
今はただただ綺麗な建物があるだけ。
なんていうか――虚しいわね」
バルレを傍目で見送りながら、エレミアはため息をついた。
* * *
屋敷の中も極めて絢爛な作りであった。
姿が映るほどピカピカに磨かれた床。
きっと毛をなるべく落とさないようにしながらバルレが掃除したのだろう。
他にも天井にはシャンデリア。
壁には夫婦と一人娘の肖像。
価値の高そうなものがいくつも並んでいるが......大切なものが欠けている。
――音だ。
何も音がしない。
おかげで豪華な品々に囲まれたこの中を歩くとどうも居心地が悪い。
「謁見の間、父はこの中よ。
扉を開けるわね......大丈夫いきなり魔法が飛んできたり睨まれたりはしないから。
ただ、そうね......最初の挨拶については必要以上に話さないほうがいいと思うわ。
貴方たちには衣装を着てもらってはいるけど、変なところからボロが出るかもしれないでしょう?
――それに、別に父と長々と話す必要なんて更々ないわ」
二メートルほどの翡翠やエメラルドで彩られた石造りの扉を開くと。
まず目に映ったのは知のように床を這っていく赤い絨毯。
そしてその先には黄金と赤い布地で作られた椅子に座る一人の男性。
目隠しをしており、その年齢や容姿は推測し難いが......。
彼の真っ赤な髪色はエレミアと同じく薔薇の花を思わせる。
「お久しぶりです......お父様」
恭しくエレミアが一礼したその先にいる人物こそ。
シオンとキリエの討伐対象――モノマニア・バルカロールである。
「よく来たな、エレミア。
――そして美しき客人たちよ」
晒されている唇に笑みが浮かぶ。
まずはエレミアの姿を上から下まで舐めるように見て。
今度はキリエとシオンについても同様にだ。
二人はモノマニアの目隠し越しの視線に少々悪寒がするかもしれない。
バジリスクの瞳の呪われた魔力か――それともモノマニアの個人的な癖であろうか。
......もっとも体が石化するなどの影響はないためそこは安心できる。
「その風貌から思うにそちらはエレミアと同じく踊り手か。
――そして曲芸の遣り手であるか。
其方らの技芸を見させて貰えるのが楽しみなものだ」
「ええ、勿論。
彼らの技をお父様には存分にご覧になっていただきますわ」
モノマニアの言う"技"とは何で。
エレミアの言う"技"とは何か。
「ところで、お父様。
まだまだお話したいこともあるのですけれど......。
私たち砂漠を越えてきたところで、少し疲れておりますの。
少々お部屋で休んでからまたお父様のところへ参っても構いませんかしら?」
ほんの少しの親子の会話を終えたところでエレミアの方から話を切る。
勿論、準備を始めるためであろう。
「......ふむ、構わない。
久々のお前の家だ......ゆっくりするといい。
御客人たちの案内はお前に頼めるか?
バルレもそろそろ戻る頃だろう。
戻ったらバルレで交代するといい」
モノマニアもエレミアを変に引き止めることはなかったようだ。
久々に砂漠を越えて帰ってきた実の娘をいたわっているのであろうか。
「ありがとうございます。
――それでは」
再び一礼をしてエレミアがこの場を離れようとしたとき。
「そうだ、エレミアとご客人の方々よ。
去り際に申し訳ないが一つ聞いておきたいことが」
そんなエレミアの背中に向けて呼び止めるモノマニアの声。
――続く言葉は。
「――私が......怖いか?」
エレミアの体は一瞬びくりと震える。
そして一度振り返った後。
「どうして、お父様が怖いことがあるのかしら?
もっともお父様のお力については恐れ多いものですけれど。
私一人では親子喧嘩すらできませんもの」
モノマニアの続く言葉はなく。
沈黙のあとエレミアは再び、一礼して部屋を出ていった。
* * *
「ふう......」
エレミアは部屋の扉を締めた後大きく深呼吸をして。
「あたしは"部屋で休ませてもらうこと"にするわ。
貴方たちはこれからどうする?
なんならお屋敷を歩いてもいいわよ。
ただくれぐれも"お父様に迷惑をかけない"ようにね」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行ですー。
多少長くなりましたが基本的にはお話をしていただけですね。
面会中モノマニアに対してPCから言葉をかけていただいて構いません。
流れの整合性についても特に気にされないで結構です。
勿論挨拶をするだけでも構いませんが。
次回の進行はちょっとした自由行動になります。
お好きな行動をおとりください。
具体的に例を挙げれば。
・エレミアと過ごす
・バルレと過ごす
・モノマニアと過ごす
・屋敷を歩いてみる
・庭を歩いてみる
の5つくらいでしょうか。
外には出れませんのでご了承ください。
戦闘用の準備については別枠としますので、行動を選択する際は無視して大丈夫です。
キリエとシオンで別行動をとっても問題ございませんのでお好きにお過ごし下さい。
屋敷の中は酷く静かだった。
鏡のように磨き上げられた床も、屋敷を飾る豪華な調度品も。
・・・この家の主とその家族が描かれた肖像も。
この音の無い屋敷の中では違和感のような、不気味さを引き立たせてしまっている様に思えた。
>「謁見の間、父はこの中よ。
扉を開けるわね......大丈夫いきなり魔法が飛んできたり睨まれたりはしないから。
ただ、そうね......最初の挨拶については必要以上に話さないほうがいいと思うわ。
貴方たちには衣装を着てもらってはいるけど、変なところからボロが出るかもしれないでしょう?
――それに、別に父と長々と話す必要なんて更々ないわ」
ボロが出る、ね・・・
まあ、実際そうなんだろうけど、こう見えてもこういう場面での口の上手さにゃそれなりに自信があるんだ。
相手の気を緩めさせるためにも、ここは1つ道化になってやろうじゃないの。
エレミアが謁見の間の扉を開く。
居たな、あいつが今回のターゲットか。
>「よく来たな、エレミア。
――そして美しき客人たちよ」
ぞくりと背に悪寒が走る。
目隠しをしていて目線も表情も読めないが、舐め回すように全身を見られてる感覚がして、思わず息を呑んだ。
(ジロジロと見やがって、気持ち悪いな畜生・・・)
駄目だ、表情は崩すな。
息を整えろ。
声は決して震わすな、今この場に居る『大道芸人』の私になりきれ。
「えー、本日はこの様な絢爛豪華たる屋敷にて芸を披露させていただける事、誠に光栄でございます。
私、しがない旅の芸人をしております『サン』と申します。以後、お見知りおきを。」
さあ、久々にやるぞ。
動作は大きく、若干早口だけどはっきりと聞こえるように。
ああ、そうだ。
勢いに任せて適当な偽名名乗っちゃった。
後で二人に言っておこう。
「まだまだ若輩故、至らぬ事もあるでしょう。
ですが、このような場で芸を披露できるという、私にとっても又と訪れることのないであろう貴重な機会であります故、全身全霊を賭け、私の芸を披露させて頂きたく存じます。」
後は適当に喋って二人の後ろへと下がる。
さて、これでどんな反応が返ってくるか、見せて貰おうじゃないの。
そうしてエレミアとモノマニアの会話が終わり、私達は一旦客室へと案内されることになったのだが。
>「――私が......怖いか?」
モノマニアからの問い。
ああ、何を考えてる・・・?
こっちの腹の内を探るのか、それとも支配者故の興味本位か、イマイチ掴めない。
「モノマニア様はバジリスクだと伺っております。
私のような矮小な存在が、バルバロスの支配階級におられる方を恐ろしく無い、と言えば嘘になりますね。
ですが私は芸人として、ここに招かれました・・・私の芸を披露する相手を恐ろしがっていては、芸人としての名が廃ってしまいます故・・・
そうですね、ここは恐ろしくもあり、恐るるに足らず。とお答えさせていただきましょう。」
口調はわざとらしく取り繕ってはいるが、これは私の本心。
冒険者になって、初めてバジリスクなんて相手にすることの恐ろしさと、背中を預けることが出来る仲間がいることの安心感。
その二つを合わせての答えだ。
------
その後、客室に案内されたが、予想以上にやる事が無い。
荷物と服の中にある銃の点検を済ませたり、持ってきた食料を齧って腹を満たしたりしたはいいものの、どうも手持無沙汰な訳で
敵陣のド真ん中だというのに暢気なものだなと自嘲しつつも、無意味にガンスピンをしていたりしていた。
・・・あ、そういえばエレミアはゴーレム作るとか言ってたな。
暇つぶしついでに見に行ってみるか。
そんなワケで、部屋を出てすぐに見つけたバルレにエレミアの部屋の場所を聞き出し、数回のノック。
「邪魔するよ。」
そう言ってドアを開けるとそこには着替え中で何故か全裸のエレミアが!
・・・なんてことは無くていい。そんなのは使い古された設定の恋愛小説の中だけで十分だ。
兎に角、エレミアへと歩み寄りながら話しを切りだす。
「あー、ゴーレム作るって言ってたろ?
見張りってほど信用してないワケじゃないけど、どんなのか気になってさ。
邪魔はしないから、おれにも見せてくれよ。」
------PL
仕事モード、というか交渉とか司会とか、あとは演説的な事をするときにキャラが変わるキリエさん。
一体何を目指しているのか。
余談ですがこの演技はキリエの父親の影響です。
多分某俺は悪くねぇ!RPGの鬼畜眼鏡大佐みたいな人。
商人の家で裕福な家庭だったので、仕入れの交渉とかすごく上手いんでしょう。
結構喋ってる気がしますけど実は挨拶してるだけっていう。
>「昔は建物だけでなく空気――雰囲気も立派だったのよ。
> ......人族の貴方たちにはちょっと微妙かもしれないけど。
> 今はただただ綺麗な建物があるだけ。
> なんていうか――虚しいわね」
......建物だけ、エレミアさんにはここはかつての幸せの抜け殻にしか見えないのだろう。
気持ちは分からないでも無いが、蛮族の価値観までは理解は簡単には出来ないだろう。
中もかなり綺麗だ。バレルが日頃から入念に掃除しているのだろう......広さが広さなので素直に感心した。
シャンデリアや価値のありそうな美術品には実際に興味があるが、それと同時にこの場の様子を映す魔動機が無いかを確認する。
それと、エレミアさんの言っていた『虚しさ』が、理解できた。不気味なほどの静寂、綺麗な建物だけと言うのはこの事だろう。
ついでにここまで静かでは、暗殺の選択肢は難しいだろう。
>「謁見の間、父はこの中よ。
> 扉を開けるわね......大丈夫いきなり魔法が飛んできたり睨まれたりはしないから。
> ただ、そうね......最初の挨拶については必要以上に話さないほうがいいと思うわ。
> 貴方たちには衣装を着てもらってはいるけど、変なところからボロが出るかもしれないでしょう?
> ――それに、別に父と長々と話す必要なんて更々ないわ」
そもそも、父親を殺すために僕達を雇ったのだ。仲直りをするつもりなど、エレミアさんには無いのだろう。
だからこそ、エレミアさんの母親とティムと言う人物が気になる。モノマニアかエレミアさんに聞くのが手っ取り早いだろうが、前者は危険性が高く、後者は多くは語らないだろう。
バレルにそれとなく聞いてみるか。
「お初にお目に掛かります。
シオンと申します」
モノマニアの悪寒の感じる品定めの後、自己紹介をする。
この先は問いに対して答えるつもりだが、エレミアさんから早々に話を切り上げ始めた。
>「そうだ、エレミアとご客人の方々よ。
> 去り際に申し訳ないが一つ聞いておきたいことが」
戻ろうとした際、モノマニアから声が掛かり、足を止める。
>「――私が......怖いか?」
少々意外な質問だった。
試しているのか、探りを入れているのか、単純にこちらを気遣っているのか......
「会って間もないの方に言うのは失礼とは思いますが、正直に言いますと、怖いです」
これは僕の素直な感想だが、正確には予想していたのよりは怖くは無い。
もっと高圧的な態度を予想していたが、それでも十分に怖い。
エレミアさんに続いて、謁見の間を後にして、自然と詰まっていた呼吸が楽になった。
>「あたしは"部屋で休ませてもらうこと"にするわ。
> 貴方たちはこれからどうする?
> なんならお屋敷を歩いてもいいわよ。
> ただくれぐれも"お父様に迷惑をかけない"ようにね」
「自分は少し、屋敷を見て回りたいですね。
屋敷や美術品にも興味はあります。
バレルさんをお借りしてもいいでしょうか?」
バレルさんに屋敷を案内して貰いつつ、モノマニアの背景を探ってみるか。
甘いとは思うが......出来るなら、あまり人族に干渉しないで、仲をどうにかしたい。
__________________
平山です。
行動はバレルに屋敷を案内して貰う感じでお願いします。
駄目なら入っては行けない場所だけ聞いて、そこ意外を回る予定です。
>「えー、本日はこの様な絢爛豪華たる屋敷にて芸を披露させていただける事、誠に光栄でございます。
>私、しがない旅の芸人をしております『サン』と申します。以後、お見知りおきを。」
モノマニアを前にしてキリエは自らの名を偽る。
エレミアはキリエの言葉を特に気に留めていない。
>「まだまだ若輩故、至らぬ事もあるでしょう。
> ですが、このような場で芸を披露できるという、私にとっても又と訪れることのないであろう貴重な機会であります故、全身全霊を賭け、私の芸を披露させて頂きたく存じます。」
そう言って後ろへすたっと下がったキリエに対し。
「ふふ......人族の身ながら私のような蛮族相手にでも芸を見せたいと思うか。
恐れを覚えぬ変わり者かそれとも天性の芸者か。
――まったく、楽しみなものだな」
面白いものを見つけたかのようにモノマニアは唇を歪ませた。
* * *
単なる興味心からか、それとも思惑があるのかはわからないが。
モノマニアは三人に問うた。
――自分が怖いか、と。
>「モノマニア様はバジリスクだと伺っております。
> 私のような矮小な存在が、バルバロスの支配階級におられる方を恐ろしく無い、と言えば嘘になりますね。
> ですが私は芸人として、ここに招かれました・・・私の芸を披露する相手を恐ろしがっていては、芸人としての名が廃ってしまいます故・・・
> そうですね、ここは恐ろしくもあり、恐るるに足らず。とお答えさせていただきましょう。」>「会って間もないの方に言うのは失礼とは思いますが、正直に言いますと、怖いです」
キリエとシオンはそれぞれの答えを出したが。
モノマニアは二人の言葉に対し頷きもせず。
ただただ......視線一つだけを送り続けていた。
* * *
部屋を出て、少し依頼の実行まで時間を取ろうというエレミアの言葉に
>「自分は少し、屋敷を見て回りたいですね。
> 屋敷や美術品にも興味はあります。
> バレルさんをお借りしてもいいでしょうか?」
シオンはこの蛮族の屋敷を見て回りたいと答えた。
「わかったわ、バルレに話しておくわね」
そんなシオンの言葉にエレミアは軽い調子で許可を出す。
「とりあえず空いている部屋に案内するわ。
ついてきて......あとでシオンの部屋にバルレを向かわせるから少し待っててちょうだい」
――それぞれが案内された部屋は何もない部屋だった。
最低限過ごせるだけの家具がある部屋。
狭いわけでなく部屋自体はそれなり広い。
だからこそ寝具などを除いて何もないことに寂寥感を憶える。
――監視用の魔動機などもなさそうなため、そこは安心だろうか。
* * *
何もない部屋の中、キリエが手持ち無沙汰になっていた。
そんな中で時間潰しとして思いついたものがエレミアの部屋への来訪だった。
>「邪魔するよ。」
――エレミアの部屋にノックをして。
キリエが部屋の中を見ると部屋の中央でエレミアはぼんやりと立ち竦んでいた。
どうやらキリエが入っていたことには気がついていないようだ。
>「あー、ゴーレム作るって言ってたろ?
> 見張りってほど信用してないワケじゃないけど、どんなのか気になってさ。
> 邪魔はしないから、おれにも見せてくれよ。」
エレミアに向けてキリエがそうやって話しかけたところで。
ようやくエレミアの時間が動き出した。
「......えっと、来てたのね。
悪いわね――気づけなくて。
そっかそろそろゴーレムも作っておかないとね」
営業スマイルでにっこりと微笑みながら。
エレミアは手に持っていた何かを荷物にしまいこんだ。
――ペンダントだろうか。
「ゴーレムの作成って結構集中しなきゃいけない作業だから。
あまりお相手できないけれど許してね」
エレミアはバルレに運んでもらった袋の中から杖と動物の骨を取り出す。
そして魔法の言葉と動きを交えながら――創造の儀式を開始する。
集中しているのかエレミアにはキリエの姿が見えていないようだ。
斥候の技術を持つキリエがこっそり動いても気づかれないだろう。
* * *
シオンの佇む部屋にコンコンとノックの響く音。
「お休みのところ申し訳ございません、バルレです。
お客様が屋敷内を歩いてみたいということですので。
私がご案内させていただきます」
ドアを開いてみると視界に飛び込んできたのは白い毛玉のような物体。
よくよく見れば――バルレである。
バルレの案内で屋敷を見て回る。
気になるものとしては屋敷内にちらほらと見つかる石像である。
どうやら素材は同一のもので、その姿は性別や種族を問わず美形揃いだ。
「私とモノマニア様の部屋以外はほとんど使われておりません。
昔使われていた調度品が少し残っているだけなんです」
バルレの言葉の通り、幾つかある他の部屋は皆寂しい感じがした。
家具すらない部屋もあり、生活感と呼べるものは何もなさそうであった。
「あ、こちらは......」
バルレの案内のままモノマニアの屋敷を進んでいたシオンであったが。
とある一室の前で足を止める。
バルレが急に目の前で止まってしまったのだ。
他のところに比べると少しだが豪華な調度だ。
ドアの傍には門の扉に備えられていた監視用の魔動機がある。
「こちらはモノマニア様のお部屋ですね。
私も入ることを許可していただいていない部屋なんです。
なのでお客様もお通しすることはできません。
......申し訳ありません」
予想通りここはモノマニアの部屋なのだろう。
蛮族の支配者の居室である。
何か眠っているものでもあるのだろうか。
「あとは......そうですね。
奥様の使われていたお部屋だけは入れませんが。
あとのお部屋はお入りいただいて構いませんよ。
――あ、そうですね!
よかったらお風呂にお入りになるのはどうですか?
魔動機で動いていてあったかくて気持ちいいですよ」
バルレはシオンの――そしてエレミアの思惑など何も知らないのだ。
だから至れり尽せりのおもてなしをしようと考えている。
「そういえばお客様。
何かお困りのことなどございませんか?
もしおありでしたら私に申し付けくださいね」
* * *
――しばらくしてエレミアのゴーレム作成が終わったようだ。
作り上げられたのは骨で組みあげられた獣型のゴーレムだ。
「よし、完成。
お待たせしたかしら?」
キリエの方を振り向いたエレミアの顔はどことなく疲れていた。
一時間通しで魔法の儀式を行っていたのだから当然ではあるが。
「申し訳ないんだけれど――少しだけ休憩させてくれない?
ちょっと休んだら貴女たちを呼びに行くわ。
あまり長引くと父に勘付かれるかもしれないし。
シオンにもそう伝えてくれる?」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行ですー(*´∀`*)
キリエはエレミアの部屋で隠密判定の達成値13以上を出せば、
部屋の様子を伺ったりちょっとしたことならバレずに可能です。
シオンはバルレに聞きたいことがあれば、聞いてもらって構いません。
作成したゴーレムはボーンアニマルですね。
次回から戦闘に向けて動き出そうかと思います!(*´∀`*)
>「ゴーレムの作成って結構集中しなきゃいけない作業だから。
あまりお相手できないけれど許してね」
そう言ってエレミアはゴーレム制作の儀式に取り掛かる。
・・・
・・・
・・・見てるだけって案外暇なのな。
邪魔はしないと言った手前、話しかけるのもどうかと思うし。
そう考えていると視線はエレミアから部屋全体を見渡すように移っていった。
何か面白そうな、怪しそうなものは無いか。
何か役立ちそうな情報が隠れてないか。
エレミアに悟られないように部屋の中を探してみる。
そうして小一時間の間、儀式の見物の傍ら、部屋のガサ入れをしていると、ようやく儀式が終わった。
>「申し訳ないんだけれど――少しだけ休憩させてくれない?
ちょっと休んだら貴女たちを呼びに行くわ。
あまり長引くと父に勘付かれるかもしれないし。
シオンにもそう伝えてくれる?」
「ん、了解。お疲れさま」
部屋を探っていたことを感付かれる前に退散だ。
------PL
今回は短めです。
11:32:24 シイナ@キリエ 隠密判定 2d6+10
Dice:2D6[3,2]+10=15
もうなんか冒険者より暗殺者の方が向いてる気がしてきた気がします。
>「お休みのところ申し訳ございません、バルレです。
> お客様が屋敷内を歩いてみたいということですので。
> 私がご案内させていただきます」
休んでいたら、バレルさんが来た。エレミアさんの言う通り、確かに良い子だ。
「お願いします」
屋敷の中には石像が多々ある。モノマニアはバジリスクと言うことを考えると......最悪、自分も並ぶかも知れない。
>「私とモノマニア様の部屋以外はほとんど使われておりません。
> 昔使われていた調度品が少し残っているだけなんです」
場所によっては家具も部屋ない。掃除は楽そうだが、文字通り、本当に抜け殻なのか。
>「あ、こちらは......」
バルレさんが足を止めた部屋の扉は少しだが豪華な感じで、この場所を映すの魔動機、これだけ監視が厳重と言うことは......
>「こちらはモノマニア様のお部屋ですね。
> 私も入ることを許可していただいていない部屋なんです。
> なのでお客様もお通しすることはできません。
> ......申し訳ありません」
やはり、モノマニアの部屋らしい。
「入れたら怒られるでは済まなそうなので、気にしなくて良いですよ。
......中は気になりますけど」
ダメと言われると余計に気になるが、好奇心は猫をも殺す。
監視の目が在るのに危険を犯す必要はないだろう。
>「あとは......そうですね。
> 奥様の使われていたお部屋だけは入れませんが。
> あとのお部屋はお入りいただいて構いませんよ。
> ――あ、そうですね!
> よかったらお風呂にお入りになるのはどうですか?
> 魔動機で動いていてあったかくて気持ちいいですよ」
うぅ......本当に良い子だ。
騙しているこちらの良心が痛い......
>「そういえばお客様。
> 何かお困りのことなどございませんか?
> もしおありでしたら私に申し付けくださいね」
さて、切り出してみるか。
「来る前にエレミアさんに聞いたのですが、エレミアさんの母親と言うのはどのような方だったのでしょうか?
あまり詳しくは聞けなかったので」
今も母親が使っていた部屋に入れないとなると、モノマニア自身も何か思うことがあるのだろう。
恐らくは、モノマニアとエレミアさんの不仲になった切欠、それを知りたかった。
ティムと言う人物については......聞くのは後にしよう。
__________________
平山です。
BBSは相手の反応を伺う質問が使いにくい......ティムは諦めて、母親の方を質問することにしました。
......依頼を達成したら、バレルの働き口探すの手伝うかな......騙すのが辛いです。PLとPC的に
キリエはこっそりとエレミアの部屋を捜索してみる。
少なくとも監視用の魔動機の類は見たところなさそうであった。
エレミアがキリエたちを騙しているわけではなく。
そしてモノマニアもエレミアのことを必要以上に疑っていることはなさそうだ。
エレミアの部屋はキリエたちの部屋に比べると飾り物が多い。
壁にかけられているのは一枚の絵だ。
どうやらモデルはエレミア自身らしい。
右下には描き手のサインだろうか......交易共通語の文字で【T・ルーヴル】とあった。
またエレミアの荷物から少しはみ出しているきらめき。
それは先ほどエレミアが見つめていた銀製の首飾りであった。
華美な装飾はなく、先の方には半円のモチーフがつけられていた。
まるで何かと噛み合いそうな形をした。
――エレミアは言っていた。
今回の戦いの理由は大切なものを奪われた復讐であるのだ、と。
その片鱗が少しだけ見えてきたかもしれない。
* * *
>「来る前にエレミアさんに聞いたのですが、エレミアさんの母親と言うのはどのような方だったのでしょうか?
> あまり詳しくは聞けなかったので」
何か困ったことがあれば言ってくれというバルレに対し。
シオンは少し気にかかっていたことを尋ねてみる。
その内容とは――エレミアの母であり、モノマニアの妻である人物についてだ。
「奥様......イネス様はとても麗しいお方でした。
このお屋敷には今まで幾人もの旅人が訪ねてこられましたが......。
イネス様よりも美しいお方は一度も見たことがございません。
私がこの屋敷で働き始めた頃から既に病に臥せっておられましたが。
どんなときでもイネス様はお強く、そしてお優しくいらっしゃいました」
本来使いやすい労働力としてしか捉えられていないことの多いコボルドたるバルレの口から、
このような言葉が聞こえるのだから確かにイネスはエレミアにとって自慢の母だったのだろう。
そしてモノマニアにとってもおそらく最高の妻であった。
大切な拠り所を失った二人は心にぽっかりと穴が開いて。
――そしてその穴は簡単には越えることのできない程巨大化してしまったのだ。
親子で殺し合いをしようとする程度には。
「お客様はどのような場所でお嬢様とお知り合いになったのかは存じませんが。
......どうかお嬢様にとって心休める場所となってくださいませ。
私はお嬢様とご主人様の笑顔を見ることこそが何よりも幸せなことですから」
嘘のような翳りなど一つもない瞳でバルレは言った。
* * *
それからしばらくして。
ついにその時はやってきた。
「二人共準備はできてる?」
背中にゴーレムを連れてエレミアは二人の前に姿を現した。
二人も今や偽りの格好ではなく真の戦いに赴く姿をしていることだろう。
「私の方はばっちりよ。
――バルレには彼女のベッドで休んでもらっているわ」
今頃バルレはエレミアの魔法が齎した夢の中なのであろう。
これもまたエレミアの優しさであるのかどうか。
「父はまだ、謁見の間にいるみたいね。
――ちょうどいいわ。
あの部屋は無駄に広いから戦いやすいもの」
そう話すエレミアの体はどことなく震えていた。
戦いを前にした武者震いか。
全てを終えて手にできる自由に対する喚起からくるものか。
バジリスクという強者を相手にする怯えか。
それとも実の父を殺すという罪悪感がそうさせるのか。
「大丈夫......気にしないで。
私は大丈夫だから。
――全部、終わらせるだけよ」
響くのはコツコツという靴の音だけ。
これを嵐のまえの静けさとでも言うのだろうか。
屋敷の中は相も変わらず静寂の中に落ちていた。
――そしてようやくたどり着くのは正面の扉。
最初に見たときよりもそれはどことなく重々しく見えた。
「それじゃ、開くわよ......」
そう言ってエレミアは扉に手をかけようとする。
運命の対峙はもう間もなくだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行ですー(*´∀`*)
キリエはまあもろもろ見つかりますね。
エレミアはなんも気づいていないです。
【イネス・バルカロール】を『人物表』に登録しておきますね。
次回から戦闘シーンに入るかと思われます。
モノマニアの部屋に入る前に6R以上効果の続く魔法やアイテムなら事前に使用できるとします。
入っちゃったら簡単には使えません(・∋・)
今のうちにほかにやっておきたいことがありましたら、どうぞ!
エレミアの部屋を見渡してる中で、1枚の絵画が目に留まった。
エレミア自身の肖像画の様で、隅に【T・ルーヴル】とサインがされていた。
T・ルーヴル・・・ティム・ルーヴル?
依頼を受けた時にエレミアが小さく【ティム】と零していたのを思い出した。
あの時はさして気に留めなかったが、こうしてみると偶然とは思えないような気がする。
もう一つ、エレミアの荷物からはみ出してる銀の首飾りも、おそらくそのティムとやらに関係があるのかもしれないな。
------
精神を集中する。
銃の弾丸を、短刀を、ガンベルトの中身をそれぞれ検め異常はないことを確認する。
曲芸師の服は脱ぎ捨て、いつもの服へと着替え終わり、その時を待っていた。
>「二人共準備はできてる?」
エレミアがゴーレムを連れてやってくる。
「オーケー。何時でもいけるぜ。」
決戦だ、派手に行こうじゃないか。
>「父はまだ、謁見の間にいるみたいね。
――ちょうどいいわ。
あの部屋は無駄に広いから戦いやすいもの」
エレミアはそう告げる。
・・・震えてんぞ。大丈夫かよ。
>「大丈夫......気にしないで。
私は大丈夫だから。
――全部、終わらせるだけよ」
そう言われても、大丈夫そうに見えないんだよな・・・
よし。
「無理すんなって。」
そう言ってエレミアの背中を強めに叩く。
怖いなら怖いと言えばいい。
相手はここら一体を支配するバジリスク。
・・・怖いのは、みんな一緒だからよ。
「あんたはおれ達の依頼人だ。
だから堂々と構えてりゃいい。
・・・安心しな。全部、おれ達に任せとけ。」
そうして扉の前へとたどり着く。
マギスフィアを起動して、影を纏う。
ああ、堪んねえな。
怖くて怖くて、泣き出しそうだ。
・・・さあ、行くぞ。
------PL
未だにRPが安定しない。
戦闘前にシャドウボディを発動しておきます。
これで6Rの間、回避に+1の修正です。
HP・33/33 MP・22/25
ジェザイル 3/3
デリンジャー1(右手) 2/2
デリンジャー2(左手) 2/2
デリンジャー3 2/2
デリンジャー4 2/2
デリンジャー5 2/2
デリンジャー6 2/2
サーペンタインガン1(活性弾) 3/3
サーペンタインガン2(活性弾) 3/3
ガンベルト(弾丸) 12/12
バレットスリンガー(弾丸) 12/12
>「お客様はどのような場所でお嬢様とお知り合いになったのかは存じませんが。
> ......どうかお嬢様にとって心休める場所となってくださいませ。
> 私はお嬢様とご主人様の笑顔を見ることこそが何よりも幸せなことですから」
嘘偽りはない。バレルさんの本当の願い。
ただ、両立はかなり難しい。それはエレミアさんの覚悟から見て取れる。
「まあ、出来るだけの事はやりますよ」
そろそろ、こちらの準備も整えなければ行けない。中途半端な覚悟では、こちらが死んでしまう。
魔香草にワインを少々付け、それを揉み、腕に貼り付け、待つこと十分、特別消耗していたわけでは無いので、マナは回復した。
「準備はよし、と......ふぅー」
意図せず力が入っている肩の力を抜くために一度、深呼吸をして、目を閉じる。
ウォーハンマーと鎧、宝石、ポーションインジェクターを付け直し、戦闘の準備は整った。
......一度、モノマニアを大人しくさせてから話し合わせるのが、現実的だが、その課程が非常に危険だ。
そうこう、考えている内にエレミアさんがやって来た。
>「私の方はばっちりよ。
> ――バルレには彼女のベッドで休んでもらっているわ」
「できる限りでは、準備は出来ています」
>「父はまだ、謁見の間にいるみたいね。
> ――ちょうどいいわ。
> あの部屋は無駄に広いから戦いやすいもの」
エレミアさんは微かに震えていた。
格上の相手への恐怖か、親殺しへの罪悪感か......こちらもいつの間にか力が入っている肩を何度か回す。
>「大丈夫......気にしないで。
> 私は大丈夫だから。
> ――全部、終わらせるだけよ」
「お節介以外の何でも無いですが......
バレルさんは貴女とモノマニアの笑顔を見るのが幸せなそうです。
貴女の覚悟が、後悔しない選択であることを祈ります」
雇われた身なので、エレミアさんを止めることは出来ない。
他人が出来ることはアドバイスだけ、その先は当人同士で解決するしか無い。
「さて、隠す理由はそもそも無いですし、始めから出し惜しみなし......本当の意味で本気で行きますか」
帽子をしまい、異貌化する。
異貌化するのは久し振り、人前でやったのはもうずいぶん前だが、こちらの姿の方が調子が出やすい。
試しに魔晶石を使いつつ、無言でストーン・ガードを使ってみると、体は完璧に覚えている。
__________________
平山です。
甘い考えを持つシオン、だけどそんな考えを持っていたら危険なので、頭の隅に置いて置きます。
隠す理由は最初の段階で消えているので、異貌状態で行きます。
その他に知力の指輪、装備
エレミアさんを待っている間に魔香草を使用
扉の直前に異貌状態でストーンガードを使用
平山@シオン : ストーン・ガード(3点魔晶石使用と異貌状態) 2D6 → 3 + 4 = 7 (01/08-17:26:12)平山@シオン : 魔香草使用 8 = 3 (5 + 5 = 10) + 【5】 キーNo. : 0 (01/08-17:25:33)
MPは27/28