2-終わりへの分岐点
>「ゴーテルさん。雨に濡れて寒いでしょう?これを貸します。どこか雨をしのげる場所に行きませんか?」
ラキアスはそう言って自らの来ていたローブを差し出す。
けれどゴーテルからの反応はない。
果たして見えているのかいないのか。
少なくとも受け取るつもりはないようだ。
......ただ抵抗する意思はないので、無理やり着せようとすればできるだろう。
少しの間――それぞれの体は雨に濡れていく。
雷こそ落ちてこないが、雨の勢いは未だ強い。
「私は......いつから間違っていたんだろうねえ......」
雨に消されそうな弱々しさでゴーテルは呟く。
「お前たちは子供が欲しいと思うことはあるかい?」
急にゴーテルは二人に尋ねる。
そのような問いかけをするのは二人が女性だからであろうか。
「私はかつて城に愛する相手がいて、その男の子供が欲しいと思っていた。
けれど私にはできなかったのさ......子を生せる体ではなかったんだよ。
そしてある日男は私にこう言ったよ。
『お前は神に愛されぬ魔女だから子供を作れないんだ』とね。
――まあ、昔の......遠い昔の話さ」
ゴーテルは続けて昔語りを始める。
決してシィノヴィアとラキアスに対して心を開いたからではないだろう。
ただ単純に、どうでもよくなっているのだ。
「それから私は城を離れて森に住み始めた。
一人になった私は――余計に誰かが恋しくなったよ。
子供が欲しいという思いが強まっていったのさ。
そんな要望が村の夫婦を罠にかけ契約を結ばせ――あの子を手に入れさせた。
そう、ラプンツェルをね」
先ほどシィノヴィアの聞いたこと。
昔のゴーテルとキャベツのやりとりは、ゴーテルから仕掛けたものだったらしい。
そして彼女はラプンツェルを手に入れ今日まで育ててきたのだ。
「だけど、そんな私がまともにあの子を育てることができるわけがなかったんだね。
私にできたのは森と塔に閉じ込めてあの子を私だけのものにすることだけだった」
自嘲に満ちた笑みを浮かべて、ゴーテルはシィノヴィアを見つける。
「お前の呪いも、あの子にかけた呪いもね。
私の魔力で維持されているものなのさ。
だから私が死ねば、全てが解放されるんだよ」
雨が一瞬だけ止んだ気がする。
「......私を殺したくはないかい?」
ゴーテルを殺せば、確かにすべてが自由になるだろう。
彼女を犠牲にするのは実に簡単だ。
そういった気持ちさえあれば。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらラキアスとシィノヴィアのカテゴリになります。
ゴーテルの過去を聞けたので、シィノヴィアにTPを1点差し上げましょう。
現在は3点になっている......はずです。
呪いの解き方としてゴーテルの命を奪うことが一つあります。
現在《強烈な依存》の効果で能力はほぼ0状態なのでやろうと思えば簡単にできます。
倒した場合、シィノヴィアのメインNPCであるためTPを2点入手でき、
戦利品と剣のかけら10個も獲得可能です。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ゴーテルを殺す
・ゴーテルを殺さず、対話を試みる
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
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>「私は......いつから間違っていたんだろうねえ......」
ゴーテル殿が、誰に聞かせるでもなく話しだした。
シィノは黙って聞く。
>「お前たちは子供が欲しいと思うことはあるかい?」
子ども......考えたことすらなかった。
シィノはシィノが生きるだけで精いっぱいだったから。
それに、シィノからシィノでないヒトが作られ、ひとつの人格を持って存在するということが、どうも想像できない。
ゴーテル殿の話によると、キャベツ殿との「約束」はゴーテル殿が謀ったもの。
>「お前の呪いも、あの子にかけた呪いもね。
> 私の魔力で維持されているものなのさ。
> だから私が死ねば、全てが解放されるんだよ」
なるほど。
野菜に呪いの力があるというよりも、野菜を媒体にして呪いを授けているようなものなのだろう。
と、シィノはその程度の感想しか抱かなかったのに。
次の一言は、まったく心外なものだった。
>「......私を殺したくはないかい?」
その言葉が終わるか終らないかのうちに、シィノはダガーを抜いてゴーテル殿の目の前に迫った。
「死にたいのですか」
離れられず、かつゴーテル殿の体が安定するように、腕をからめている。
右手のダガーは、すでにその細い首元へ狙いを定めている。
たったひとつ、右手を引くだけで、この人は死ぬ。
「シィノはあなたを殺すことに興味はありませんが。
あなたが死にたいというなら、手を貸すことはできます。
ところで、あなたが死ねばラプンツェル嬢は哀しむでしょうね。
シィノを恨み、復讐するために邪道に踏み込むかもしれない」
シィノは今、どんな目をしているだろう。
ほかの人族の丸いそれと違い、シャドウの目は闇を見通し、鋭く、少し獣くさい。
「負の感情が何を生むかは、あなたがよくご存じのはず。
あなたは気づいた。だから、これからでも間に合う。
そのご老体がどれほどもつのかは知りませんが、最後くらい報われたいと思いませんか?
さあ。ラプンツェル嬢のために死ぬか、ラプンツェル嬢のために生きるか」
シィノは生きるために生き、生かすために殺してきた。
生きたいと望むことは正しい。
あとは、「どのように」生きるかだ。
ゴーテル殿の、全てを諦めている姿が気にくわない。
償いの気持ちでも、怒りでさえも、"無"よりはましだ。
生きることを望め。
シィノの前で死を選ぶな。
だが、死にたいというなら――――シィノがこの手でもたらそう。
後悔する暇さえ与えてはやらない。
ゴーテルさんは貸し出した迷彩ローブを受け取ろうとはしませんでしたが、拒否しているわけでもありませんでしたので、一言断ってから着させました。
雨はまだやみません。感情に合わせて天気が左右されているとしたらしばらくは晴れそうにありませんね。
>「私は......いつから間違っていたんだろうねえ......」
ゴーテルさんは誰にでも聞かせるわけでもない独り言をつぶやき始めました。
少し黙って話を聞きます。
>「お前たちは子供が欲しいと思うことはあるかい?」
「まあ、少しは、欲しいです。」
唐突な質問に言葉を詰まらせながら答えます。
いつまでも元気に生きられるわけではありませんので、いずれは身を引いて命を繋ぐんだろうなと考えてはいましたが、まだ先の話しに思えていました。
>「私はかつて城に愛する相手がいて、その男の子供が欲しいと思っていた。
けれど私にはできなかったのさ......子を生せる体ではなかったんだよ。
そしてある日男は私にこう言ったよ。
『お前は神に愛されぬ魔女だから子供を作れないんだ』とね。
――まあ、昔の......遠い昔の話さ」
なるほど。だから場所も立場も似ているレタス王子をあんなに憎んでいたんですね。
子供の様に可愛がっていたラプンツェルさんが取られるのが嫌となのと愛していた男に裏切られ、出ていかざる得なくなったつらい過去をまた味わいたくない気持ちが、ラプンツェルさんに外に出られない呪いをかけたのでしょうか。
>「それから私は城を離れて森に住み始めた。
一人になった私は――余計に誰かが恋しくなったよ。
子供が欲しいという思いが強まっていったのさ。
そんな要望が村の夫婦を罠にかけ契約を結ばせ――あの子を手に入れさせた。
そう、ラプンツェルをね」
・・・不器用な方ですね。他にも方法があったでしょうに。
>「お前の呪いも、あの子にかけた呪いもね。
私の魔力で維持されているものなのさ。
だから私が死ねば、全てが解放されるんだよ」
「自力では解けないのですか?」
シィノさんにかけられたあの呪いも永続するわけではなかったんですね。
自力で何とかなるならそうしてほしいです。いつまでも辛気臭いと気分が悪いです。
>「......私を殺したくはないかい?」
やっぱり。ここまでは予想できます。が、次の行動は読めませんでした。
>「死にたいのですか」
"紫電"のごとく瞬く間にゴーテルさんを拘束。鋭い刃を細い首筋に狙いを定めていました。ひとは怒りが頂点に達したときに急に冷静になるときがあります。
とらえた瞳はひどく冷め切ったように見えます。
私はそれをただ見ていることしかできませんでした。
>「シィノはあなたを殺すことに興味はありませんが。
あなたが死にたいというなら、手を貸すことはできます。
ところで、あなたが死ねばラプンツェル嬢は哀しむでしょうね。
シィノを恨み、復讐するために邪道に踏み込むかもしれない」
>「負の感情が何を生むかは、あなたがよくご存じのはず。
あなたは気づいた。だから、これからでも間に合う。
そのご老体がどれほどもつのかは知りませんが、最後くらい報われたいと思いませんか?
さあ。ラプンツェル嬢のために死ぬか、ラプンツェル嬢のために生きるか」
・・・私も彼女に色々突っ込みたいところがある。
近づき右手でダガーを掴み、首から離します。
危ないですが、ダガーは押すのではなく引くほうがよく切れます。しっかり掴み動かさなければ大丈夫です。
「・・・私が最初に冒険者やり始めた仕事先で世界を変える理想を求め、戦力の確保の効率化を研究していたルーンフォークの男がいてね。最後、自分に魔法で首を飛ばして命を手放したんだよ。そいつの持っていた日記には自分の研究成果を上から認められず無力さゆえの嘆きについて書かれていたよ。」
「今の話は事情が違うけど、自分から命を絶つのは滑稽だよ。だってようやく間違いに気づいて変われるチャンスが巡ってきたのにそれを捨てちゃうんだもの。
さっき言ってたけど自分に時間が残っているのならいつでも間に合うんだよ。
好きな人にそんなこと言われたらさっさと切って次を見つければいいし、子どもが作れないのなら作れるようになる方法を探すとか、なければ孤児を探して育てるとか。他に方法はあるんじゃないかな。」
淡々と話していたつもりが感情的になっていきます。
「そういった前に進もうとしないのが気に入らねえんだよ!頭にくる!ラプンツェルさんが一緒に住もうとか考えるかもしれねえだろ!どうして後ろ向きになるんだよ!
一人寂しいなら仲間に入れてもらえるよう謝りに行こう!説得なら一緒にいってやる!だから命を自分から捨てるな。」
途中わけわかんないところもあった。ここまで口が悪くなるのは久しぶり
これでも全く心が動かないのなら意見を尊重するつもりだ。
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PLより
会話を試みます。ラキアスおこです。
あ、マジギレではないです。
かなーりながくなっちゃったかな
シィノヴィア、そしてラプンツェルにとって呪いの源であるゴーテル。
そんな彼女を殺したいかどうか、と――ゴーテル自身が問いかけた。
自力で解けるのか尋ねるラキアスの言葉は無視したまま......。
>「死にたいのですか」
まず動いたのはシィノヴィアであった。
彼女はゴーテルに接近し拘束する――首元にダガーの刃を当てながら。
そしてシィノヴィアは問いかける。
ゴーテルは果たして死にたいのか、それとも生きたいのか。
その答えを聞こうとして。
「私は......」
ゴーテルの言葉が紡がれる前に次に動いたのはラキアスだ。
シィノヴィアがすぐにゴーテルに死を与えられるよう首元に当てられたダガーを離す。
ラキアスのとった行動はシィノヴィアとは大きく異なる。
自ら体験してきたこと、見てきたことから......自ら死を選ぶことの愚かさを語る。
その言葉に次第と感情が入り、言葉は荒々しくなるもそのおかげでストレートに刺さる。
ラキアスの言葉を最後まで聴き終えてから、ゴーテルは呆れたような顔で笑う。
「お前みたいなのはなんていうか知ってるかい?
真っ直ぐで生き辛い思いをすることもあるからね、馬鹿って言うのさ。
私にはこっちの娘の方が上手いことやっていけるような気もするもんだ。
――まあ、私はお前みたいなのも別に嫌いなわけじゃないけれどね」
先ほどまでの諦観や無気力感はほんの少しだけ薄れているように見える。
ラキアスの気持ちに多少はあてられたのかもしれない。
「私は別に本当に死にたいと思っていたわけじゃないさ。
自ら死を選ぶっていうのはね、お前の言うように無知や無謀な奴か。
――それとも全てを捨てれる勇気と覚悟があるやつにしかできないのさ。
私は残念ながらどっちでもない......ただの陰気な魔女だからね」
そう言いつつも一方では。
「まあそんな悪い魔女だから、お前たちに殺されても仕方ないって思ってたんだよ。
――それもあの子のためになるかもしれないってね」
殺されたいとは思っていたのかもしれない。
心の片隅では少しだけぼんやりとでも。
「でも、お前たちが私を殺すつもりがないのならそれでいいさ。
言った通り、私は自ら死を選ぶつもりはないからね。
まあ......でもそうさ、さっき呪いを自力で解く方法はないかって言っただろう?
なんてことはない、私が解こうと思えば解けるんだよ」
とりあえず今の彼女は死ぬ気などはないようだ。
ラキアスの気にしていた呪いの解き方についてだが。
ゴーテルが解こうと思っていれば解けるものらしい。
「そうだね......もう終わりにしようか。
今まで充分幸せを感じさせてもらったよ、あの子にね。
それにもう疲れたのさ、魔女として迫害され続けるのにもね。
――私は今日ですべてを終わりにしようと思う。
これで自由さ......勿論お前もだよ」
そして彼女は決断した。
呪いを全て解くということを。
決して良い結果だけがもたらしたものではないが。
少なくともこれで自由になる。
シィノヴィアも......そしてラプンツェルも。
体を蝕んでいた呪いの文様がすうっと消えていくのが見てわかるだろう。
「お前はもう森から出るのも自由だ。
好きにするがいいさ。
私は――独りで森の中で生きることにするよ。
最期の時までね」
彼女はこれからは独りで暮らすつもりになっているようだ。
ラプンツェルを森から外の世界へと解放させて。
彼女は森から出ることはほぼないのだろう。
けれどラキアスとシィノヴィアは外にだって出れる。
勿論ラプンツェルとレタスたちの待つ森の端まで。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行になります。
とりあえずゴーテルは殺されなかったように動かします。
シィノヴィアの呪いが解けました。
ラプンツェルのものも一応解けている、はずです。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ラプンツェルのもとへ向かう
・この場所に残る
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
ダガーを握りしめたままゴーテルさんの返事を待っていました。
途中わけわかんなくなってしまっているのは自分でもわかります。おかしなことを言っていると思われるかもしれません。
>「お前みたいなのはなんていうか知ってるかい?
真っ直ぐで生き辛い思いをすることもあるからね、馬鹿って言うのさ。
私にはこっちの娘の方が上手いことやっていけるような気もするもんだ。
――まあ、私はお前みたいなのも別に嫌いなわけじゃないけれどね」
「えっ。」
思わぬ第一声の罵詈に黙って聞いていました。自殺する人、その意思はないことや私達に殺されてもいいこと。最後、私が気になった呪いの解き方について話を聞きました。時折こくこく頷きます。
呪いは自分で解く意思があれば解けるものだそうです。
馬鹿にされたはずなのに嫌味からくる言葉ではないからか、不思議と頭には来ませんでした。
自殺の意思はないとのことなので話の途中でダガーを離しました。少しは切れているかもしれませんが、このくらいならすぐに治せます。
>「そうだね......もう終わりにしようか。
今まで充分幸せを感じさせてもらったよ、あの子にね。
それにもう疲れたのさ、魔女として迫害され続けるのにもね。
――私は今日ですべてを終わりにしようと思う。
これで自由さ......勿論お前もだよ」
シィノさんに目を向けるとグレースさんのいうにはこのちょっとカッコイイ紋様が呪いを受けた証拠。それが薄くやがて消えていきました。
手を両手て掴み状態を確認します。
「シィノさん何ともない?痛くない?」
>「お前はもう森から出るのも自由だ。
好きにするがいいさ。
私は――独りで森の中で生きることにするよ。
最期の時までね」
「彼はゴーテルさんにミモザの花を渡しに探して戻ってくると思うからここでまっています。すれ違うのは困りますしね。それまでお話ししません?いろいろ話してみたいんです。魔女になったきっかけとか駄目ですか?」
一人で生きるのはとても辛いことだと思います。
喜びでも悲しみも誰かに分かち合うことができなくなります。
溜めることで不満がたまり、それは自らを狂気に満ちた底なしの沼へ足を運んでしまいます。
人は一人では生きていけない生き物なのです。
知り合いでも変わった客人でも何かしらの絆が持てたらきっと、この出来事のきっかけになった負の感情が無くなると思っています。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
PLより
アイベックスです。
すみません時間がかかりそうなので
書く行動先に書きます
変更 遊びにいく約束を提案して帰りを待ちます。寂しさまぎらわせる為ですね。グレースさんの行動を確認してすれ違いが起きる可能性がありましたので
追記
とりあえず完成です。
お話ししながら待機するということにしました。
もう少しで完結ですか・・・どうなるかな
>「私は......」
ゴーテル殿の答えを聞く前に、ラキアスにさえぎられた。
ラキアスにもラキアスなりに、ゴーテル殿に言いたいことがあるのだろう。
はじめは落ちついて話していたが、最後はかなり声を荒げていた。
>「そういった前に進もうとしないのが気に入らねえんだよ!頭にくる!ラプンツェルさんが一緒に住もうとか考えるかもしれねえだろ!どうして後ろ向きになるんだよ!
>一人寂しいなら仲間に入れてもらえるよう謝りに行こう!説得なら一緒にいってやる!だから命を自分から捨てるな。」
ラキアスのストレートな言葉は、ゴーテル殿にも伝わったようだ。
―*―*―*―
>「そうだね......もう終わりにしようか。
> 今まで充分幸せを感じさせてもらったよ、あの子にね。
> それにもう疲れたのさ、魔女として迫害され続けるのにもね。
> ――私は今日ですべてを終わりにしようと思う。
> これで自由さ......勿論お前もだよ」
見れば、手の甲の文様が薄れて消えていく。
>「シィノさん何ともない?痛くない?」
「問題ありません」
ロクでもない呪いの印だったが、きらきらしていて恰好よく見えなくもなかった。
何の後も残さずに消えてしまった文様を、少し惜しむ。
>「お前はもう森から出るのも自由だ。
> 好きにするがいいさ。
> 私は――独りで森の中で生きることにするよ。
> 最期の時までね」
そう言われるが、シィノには森を出る理由がない。
アルフェイト殿たちはここへ帰って来る。シィノはここで待つ。
魔女であること。
それがゴーテル殿の"呪い"なのだろう。
ならば今、この状況は、呪いの解除だろうか。それとも成就か。
「"独り"がゴーテル殿の安らぎになるのなら、それもいいでしょう」
人に関わるということは、人に傷つけられるリスクがあるということ。
ゴーテル殿が身をもって経験してきたことだ。
「しかし、つなぎとめられるものまで捨てることはないと思いますよ」
人と関わらなければ、人の優しさは得られないのだから。
シィノも最近ようやくわかりはじめたばかりだけれど。
顔をあわせること。言葉を交わすこと。
たったそれだけで、心が救われることもあるのだ。
>「"独り"がゴーテル殿の安らぎになるのなら、それもいいでしょう」
シィノヴィアは独りになることを積極的に咎めたりすることはなかった。
>「しかし、つなぎとめられるものまで捨てることはないと思いますよ」
それでも彼女はゴーテルの身を案じ、最良の選択をすることを望んだ。
きっとシィノヴィア自身が感じてきた沢山のことがそうさせるのであろう。
独りでないことは時に霧のように迷いも生むけれど、世界を晴らすこともあるのだと。
>「彼はゴーテルさんにミモザの花を渡しに探して戻ってくると思うからここでまっています。すれ違うのは困りますしね。それまでお話ししません?いろいろ話してみたいんです。魔女になったきっかけとか駄目ですか?」
一方のラキアスは積極的にゴーテルに関わろうとする。
小さな関わりでも彼女を救う何かになるのではないかと信じて。
「魔女になったきっかけ?
そんな不幸な話が聞きたいのかい?
お前も変わったやつだねえ」
どこか不思議なものを見るような目でゴーテルはラキアスを眺める。
積極的に不幸話を聞き出そうとする態度が気になったのだろうか。
「まあいいさ......別に大した話じゃないよ。
私はね、生まれた時から魔女なのさ。
魔女になりたくなったわけでもないし、何か切っ掛けがあったわけでもない。
そうだねえ......切っ掛けがあったとするならそれは――この世界に生まれたことさ」
ゴーテルは魔法の練習をして魔女になったわけではない。
何か魔法のアイテムに触れて魔女になったわけでもない。
この世界に産み落とされた時から魔女だったのだ。
「私には運命は変えられなかった。
だって、もうそのように生まれてしまったんだ。
後戻りはできない。
たとえ死んだとしてもそれは別のステージに進むだけさ。
魔女として生まれた私はいつまでも魔女として在り続ける。
――どうしようもないことはこの世にたくさんあるんだよ」
深い溜息。
魔女であるという事実は果たしてゴーテルにどれだけの苦しみを与えたのだろうか。
「そもそもこの世界で選択できることなんて少ないものさ。
お前たちはどうして今のように生きているんだい?
全て自分で選択した結果だと言えるのか?」
ラキアスもシィノヴィアも今はこうして冒険者として生きている。
そんな二人にも何らかの切っ掛けはあったのかもしれない。
それは生まれた時なのか最近なのか。
形があるものなのかそうでないのか。
二人の中にしか答えは用意されていないだろうが。
「私が魔女として生まれて何よりも恨んだのは母のことだったさ。
だからなのかもしれないね、私が母になれない身体になったのは」
いつの間にか雨は穏やかになっていた。
つい先程までの激しさはなく。
ただ寂しげに降り続くだけ。
「本当に......戻ってくるのかね......?」
誰が、とは聞くまではないだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行になります。
ゴーテルのもとから離れることは選択されなかったのでそのように。
場面的には大きく進行していませんが。
すこしおしゃべりなどどうぞ(*´∀`*)
>「魔女になったきっかけ?
そんな不幸な話が聞きたいのかい?
お前も変わったやつだねえ」
「ははは、よく言われます。ただ単に気になっただけですよ。迫害されても今も魔女を続けているのは誇りをもっているからかなって」
まあ、私は同族と比べたら変わり者です。 言いたいことをよく口に出しますし様々なものに興味を持ちます。 良くも悪くも関係無く。 故に小柄な体格と相まって幼く見られますので否定はしません。
治す気は一応あります。>「まあいいさ......別に大した話じゃないよ。
私はね、生まれた時から魔女なのさ。
魔女になりたくなったわけでもないし、何か切っ掛けがあったわけでもない。
そうだねえ......切っ掛けがあったとするならそれは――この世界に生まれたことさ」
ゴーテルさんの話いわく魔女になったのは生まれつきだそうです。
これだけを聞くと魔法を使う際のあの複雑な手順と呪文をすぐ扱えるようになるのは魔法の適性の低い私にとってうらやましいなと思います。
でも、本人は....
>「私には運命は変えられなかった。
だって、もうそのように生まれてしまったんだ。
後戻りはできない。
たとえ死んだとしてもそれは別のステージに進むだけさ。
魔女として生まれた私はいつまでも魔女として在り続ける。
――どうしようもないことはこの世にたくさんあるんだよ」
とても辛かった。言葉の代わりに顔で現れていました。おそらく理解者も少なかったのでしょう。この悩みを誰にも打ち明けられず周りの人から拒絶される。どれほど苦しかったのかはきっと私が想像した以上だと思います。
生まれはともかく生きることにも絶望的な捉え方をするのは物語だからでしょうか。
>「そもそもこの世界で選択できることなんて少ないものさ。
お前たちはどうして今のように生きているんだい?
全て自分で選択した結果だと言えるのか?」
「命の恩人の行動に感銘を受けたからです。敷かれた道は選べませんが、進むかどうかは選べますから、この生き方の道に進むことにしたんです。
決して楽ではないとしても、全て自分で選んだ道だと思っています。」
>「私が魔女として生まれて何よりも恨んだのは母のことだったさ。
だからなのかもしれないね、私が母になれない身体になったのは」
........ふと、両親を思い出しました。私とよくささいな事で口喧嘩をしましたが、生まれた私をどう思っていたのかを。
>「本当に......戻ってくるのかね......?」
「はい。彼らは一度決めた約束を守ります。なので私も信じて待ちます。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
PLより
アイベックスです。
簡潔にですが投稿しました。
私はいっそのこと両親共に城に連れ出してもいいんじやないかなっておもっています。
ある程度慣らすのは必要そうですが。
>「私には運命は変えられなかった。
> だって、もうそのように生まれてしまったんだ。
> 後戻りはできない。
> たとえ死んだとしてもそれは別のステージに進むだけさ。
> 魔女として生まれた私はいつまでも魔女として在り続ける。
> ――どうしようもないことはこの世にたくさんあるんだよ」
物語の中だから、綴られたそのときから役は決まっていたのだろうか。
少なくとも、ゴーテル殿は"そう"なのだ。
>「そもそもこの世界で選択できることなんて少ないものさ。
> お前たちはどうして今のように生きているんだい?
> 全て自分で選択した結果だと言えるのか?」
「たとえ道が一つしかないとしても、歩くかどうかを決めるのはシィノ」
じっと餓死することもできたけれど、危険を冒してでも盗んで食いつなぐことを選んだ。
大人しく殺されることもできたけれど、抗い戦うことを選んだ。
黙って見知らぬふりをすることもできたけれど、見知らぬ他人を助けることを選んだ。
シィノはいつでも、シィノの納得の行くほうを選んできた。
それが"決まっていた"ことだとしても、後悔はない。
>「私が魔女として生まれて何よりも恨んだのは母のことだったさ。
> だからなのかもしれないね、私が母になれない身体になったのは」
生まれる。
そうだ、この世に生を受けることだけは、決して自分では選べない。
"生まれる"。受け身だ。
結果として生を受けられないことはあっても、自ら生を受けることを拒否することはできない。
生む生まぬの選択ができるのは、親である。
そうであるなら。
「ゴーテル殿は、選ばれて"生まれた"のですね」
今ここにシィノがいることが、急に不思議に思えてくる。
シィノも"生まれた"のだ。
シィノではない者の意思で、選ばれた。
生を受けるとは、なんと不自由なことか。
そして、とても尊く感じた。
>「本当に......戻ってくるのかね......?」
緩く降り続く雨の中、ゴーテル殿がつぶやく。
とりあえず、一度は必ずここへ戻るだろう。
問題はそのあと。
ラプンツェル嬢は、どこで生きることを選ぶだろうか。
――――PL――――
ラプンツェルの行き先に関しては、お城がいいんですかねぇ。
お城で暮らして、たまに両親やゴーテルのとこに遊びに来れたらベストかな。
ゴーテルは今まで一緒に暮らしてきたんだし、娘を嫁に出すと思って送りだしてほしい。
両親も寂しいかな。せっかく娘に会えたのに、すぐに嫁に出すなんて。
王子が了承するなら、しばらく両親のもとで外の暮らしに慣れてから嫁いでもいいかもしれない。
>「たとえ道が一つしかないとしても、歩くかどうかを決めるのはシィノ」
>「命の恩人の行動に感銘を受けたからです。敷かれた道は選べませんが、進むかどうかは選べますから、この生き方の道に進むことにしたんです。
>決して楽ではないとしても、全て自分で選んだ道だと思っています。」
二人の冒険者たちは言い切ってみせた。
自らが歩んできた道を選んで歩いてきたのは自分自身であるのだと。
「そうかい......そう言えるならお前たちは私と違って強いということさ。
ただ強いってこと同じくらい辛いっていうことでもある。
......本当に強ければ、どんな辛さだって乗り越えられるかもしれないけどね」
ゴーテルはどこか眩しそうにしているように見えた。
* * *
それから幾らかの時間が経った頃。
止みかけの雨の中。
森の向こうからやってきたのは四つの影。
よく見知ったアルフェイトの姿。
彼の場を歩くグレースの姿。
そしてレタスに守られるようにして向かってくるのは――ラプンツェルだ。
彼女の髪はかつてに比べてだいぶ短くなっている。
シィノヴィアの呪いが解けたのと同様だろう。
「ラプンツェル......」
その時のゴーテルの顔から見えた感情は極めて複雑なものだった。
驚き、喜び、愛しさ......そして寂しさ。
「戻ってきたわ、お婆さん」
ラプンツェルの表情は実に朗らかだ。
まるで今は雲に隠れてしまっている太陽のように。
「約束は守りました......ゴーテルさん」
レタスの言う約束とはラプンツェルを守りきるというようなものだった。
ゴーテルはそんなレタスの言葉を無視して語りかける。
「......決めたのかい?」
ラプンツェルはその問いかけに少し悩んでから。
ゆっくりと頷いた。
「......うん。
私は......やっぱり外の世界を見てみたい。
お婆さんの思い出と本が教えてくれる世界だけじゃもう足りないのよ。
今この瞬間でも私はお婆さんのことが好き――嘘じゃないって誓えるわ。
だから......ごめんなさい」
ラプンツェルは勢いよく頭を下げる。
その動きに従うように黄金色の髪が流れ落ちていく。
髪の質量は少し前に比べると嘘みたいなほどの少なさで。
それが示しているのは――彼女の自由。
そんなラプンツェルを黙って見つめていたゴーテルは。
「好きにするがいいさ。
そして私のことなんて忘れてしまうがいい。
魔女なんてものはね......記憶に残しておくべき存在じゃないよ」
捨て台詞のように言い残してこの場を去っていこうとしたが......。
――ラプンツェルに腕を捕まれ動きを阻まれる。
「......嫌よ!
私は必ずまたこの森に来るわ。
そしてお婆さんに会いにいく。
お婆さんとの思い出を全部忘れるなんてできないの!」
彼女は意地でもゴーテルの腕を離そうとはしない。
そんな二人に近づいていくひとつの影。
レタスの姿だった。
「忘れないでください、ゴーテルさん。
全ての女性は幸せになる権利を持っているんです。
そこには美醜も老若も――体に流れる血すら関係ありません。
僕は......貴女にも幸せになって欲しい」
女性のために全てを尽くす彼らしい言葉を――ゴーテルにかけた。
二人からの言葉を受けゴーテルは進ませようとした足の動きを止め。
――ゆっくりと振り返る。
「おかしいねえ......私はもっと賢く育てたつもりだったんだけどね。
こんな馬鹿みたいな子に育つなんて思ってなかったよ。
傍にいる男も馬鹿なようじゃもう救いようがないよ。
他にも馬鹿な奴らばかり集まってくるし......でも本当は私も知ってるのさ」
冷酷な魔女ゴーテルの皺だらけの頬を。
「本当に一番馬鹿なのは......私だってことをねえ......」
一筋の涙が道を作っていった。
それは魔女という響きから感じる冷たさとは程遠い。
暖かな人間味に満ち溢れたものであった。
いつしか森に降り続いていた雨も上がり。
雲間から太陽の光が差し込んでいる。
冒険者たちから見て三人の人物の背後には――聳える塔を囲む虹の輪が見えたことだろう。
* * *
『物語は......綴られた』
――そして脳裏に響く謎の男の声。
その言葉を認識すると同時に世界は白い光の中へ溶け込んでいくことだろう。
ラプンツェルのいる世界へやって来た時と同様の感覚だ。
どこかから勢いよくページが捲られる音がする。
最後には本が閉じられる音。
......ふわりと体が浮かんだ。
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あんみつ@GMより
進行です!
グレースとアルフェイトはこちらのカテゴリにご記入ください。
とりあえず今までの動きから鑑みて結末が定まりました。
多分なかなかのハッピーエンド。
ラプンツェルを森から完全に出したことや、
レタスの願いを少し叶えたこと、
ゴーテルを少しでも救ったことなどその他諸々含めて全員にHPを3点お配りしましょう。
最後に場面転移を行っていますが。
それまでに少し暗い言葉をかけたり行動する機会はあります。
なのでこのシーンではお好きな行動をどうぞ。
また次回エンディング投稿となります。
剣のかけら6点程の名誉点を差し上げますので。
計6つのダイスをお振りになってください。
それでは最後まであと少し宜しくお願い致します。
僕らは再び森の中に入り、みんなが待つ場所に向かう。
雨が小降りになってきた。
上がるのは時間の問題だろう。
人影が3つあるのが見えてくると、僕はほっとした。
ゴーテルさんはまだ健在だ。消えていない。
ということは、自主的に呪いを解いてくれたのだ。
>「ラプンツェル......」
ゴーテルさんの声。
たぶん僕らは目に入っちゃいないだろう。
>「戻ってきたわ、お婆さん」
>「約束は守りました......ゴーテルさん」
王子は完全にスルーらしい。
僕は仲間に挨拶をしておこう。
「お待たせしました。ゴーテルさんがご無事で何よりでしたよ。
お二人ともお疲れさまでした。
こちらは、ご夫人の病気を癒しまして親子のご対面を果たせましたよ。」
呪いが解けたのは、シィノさん、ラキアスさんの働きかけがあったと思う。
頑張ったんだろうなと思い、やんわりと労う。
シィノさんは短くお礼を言ってくれた。
ラキアスは、軽いハグの後、こちらの状況も気にしているようだった。
ハグそのものについては二人の時は寧ろ当たり前で自然なことではあったが、
激しい雨でずぶぬれ状態の後というのは初めてだ。
一瞬、(仕事中はそういうことをしないようにしてたはずでは...)と思ったが、
今回は、ありのままに演じることも仕事なんだと思うことにした。
「そりゃあ久々のご対面ですし、色々ありましたけど
想定内でしたよ。」
両親の片方が冷静だったから思ったほどではなかった。
二人とも大反対なら大変だったと思う。
ラプンツェルさんの今後のことについては...僕が説明するまでもないだろう。
>「......決めたのかい?」
>「......うん。
>私は......やっぱり外の世界を見てみたい。
>お婆さんの思い出と本が教えてくれる世界だけじゃもう足りないのよ。
>今この瞬間でも私はお婆さんのことが好き――嘘じゃないって誓えるわ。
>だから......ごめんなさい」
別れるなら忘れたほうがいいと、ゴーテルさん。
別れの記憶は辛いのはそれだけ大事な人だからだ。
辛さだけを忘れられればいいが、人間そうは都合良くできていない。
「ゴーテルさん、貴女は魔女である以前に母親なんです。
養母でも実母でも、母であることにかわりはありません。」
たぶんまるっと忘れているだろうが、この場で言っておこう。
「ミモザの花は見つかりませんでした。でも、僕から女性として祝ってもらうよりも、
娘さんから母として祝ってもらったほうが嬉しいですよね?」
知らないようなら、母の日というのがあるというのを教えておこう。
子から母へカーネーションの花を贈る日だ。
父も母も知らない僕に言わせれば、母が二人もいるなんて羨ましい話だ。
情報交換が済めば僕はこう言うだろう。
「それにしても、100年にひとりと言っても言い過ぎではない、天才魔法使いが、
ひっそりと静かに、誰にも継承されずに消えてしまうというのも、
勿体ないお話ですね。」
魔女に生まれただけで忌み嫌われるなんて、立派な人種差別だ。
もう少し魔女にとっても住みやすい世の中であればいいのに、と思う。
市民権を得られる世の中なら、寧ろ魔法を教わりたい人もいただろうに。
実子は無理でも、それほどの腕前ならきっと弟子には困らなかっただろう。
本当に孤独が好きな人は旅に出る。
ゴーテルさんは森に留まるのだから、やっぱり寂しいのだと思う。
* * * *
雨が上がり、塔に虹がかかる。
物語が良い方向で終わる時にありがちのシーンだ。
言い換えれば、僕らのここでの時間はもうすぐ終わるということでもある。
>『物語は......綴られた』
頭の中に響く声。
これはクライアントからの帰還命令だ。
まあ、そういう頃合いだろう。
「そろそろ僕らは元の世界に帰ろうかと思います。
皆さんにお会いできて良かったです。
お二人とも、お幸せに。ゴーテルさんもどうかお元気で。」
僕らは再び不思議な光りに包まれ、童話の世界を後にすることになった。
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コルチョネーラです。
魔女のイメージを良くするための曲を作ってもらい、
天才吟遊詩人がエンディング曲を奏でるというのも考えたんですけどね。
(作詞/グレース 作曲/アルフェイト)
人々に広まり噂を聞いた誰かが、ゴーテルさんに弟子入りでもすれば
ゴーテルさん的にも寂しくない未来、とか考えたんですけど。
07:25:59 コルチョネーラ@グレース ≫ 剣の欠片*2 2d6 <Dice:2D6[2,1]=3>
出目が酷すぎてすみません...。
>「そうかい......そう言えるならお前たちは私と違って強いということさ。
ただ強いってこと同じくらい辛いっていうことでもある。
......本当に強ければ、どんな辛さだって乗り越えられるかもしれないけどね」
「一人では乗り越えられなくても同じ気の合う仲間と一緒ならのりこえられることがありますよ。」
「私は魔女だからって理不尽に差別する奴らがおかしいです。魔法自体は悪くありません。ただ、その人の使い方に問題があると思います。
だから、もっと早くあなたに出会えたら理解してくれる人が一人でもそばにいたら違う道に進むことができたはずなのに、って。」
人は恐怖。特に未知なるものに対する恐怖を本能的に強く感じます。
どこかでさり気なく読んだ本の中に書かれていた一文で知ったことを思い出して拝借しました。
脅威を排除するのはごく普通のことですが、話が通じる相手であれば和解を試みるのも一つの手だとも思い始めています。なのでまずは相手の事情を知ることから初めてみて受け入れられるようにします。
また相手もむやみに力を振るう真似をしないことです。
力が強い場合なら特に。一度でもしてしまうと一瞬で台無しになってしまいます。
これらは時に隙を与えることにも繋がりますが、まあ無力化してからですね。
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>「ラプンツェル......」
>「戻ってきたわ、お婆さん」
>「約束は守りました......ゴーテルさん」
向こうの茂みから知っている人達が現れました。
なんかラプンツェルさんの髪がかなり短くなっていますが、あれが呪いが解けた証拠なのでしょう。
なら大丈夫そうです。顔色もとてもいいですしね。
>「お待たせしました。ゴーテルさんがご無事で何よりでしたよ。
お二人ともお疲れさまでした。
こちらは、ご夫人の病気を癒しまして親子のご対面を果たせましたよ。」
「そっちもお疲れ。特に思ったことを話しただけだよ?結果的にはよかったけどね。
というかよく戻ってこれたね。両親から反対されたり泣かれたり大変じゃなかった?」
こっちより多分大変であろう二人に軽いハグと私もねぎらいの言葉を掛けました。
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>「......決めたのかい?」
>「......うん。
私は......やっぱり外の世界を見てみたい。
お婆さんの思い出と本が教えてくれる世界だけじゃもう足りないのよ。
今この瞬間でも私はお婆さんのことが好き――嘘じゃないって誓えるわ。
だから......ごめんなさい」
>「好きにするがいいさ。
そして私のことなんて忘れてしまうがいい。
魔女なんてものはね......記憶に残しておくべき存在じゃないよ」
>「......嫌よ!
私は必ずまたこの森に来るわ。
そしてお婆さんに会いにいく。
お婆さんとの思い出を全部忘れるなんてできないの!」
「ゴーテルさん。大好きな人を忘れることなんて無理な話ですよ。それが何者なのかは関係ないんですよ。」
二人の掛けた言葉の魔法は氷山の様に固く冷たいゴーテルさんの心を溶かしていきそれは涙となってあふれていきました。
春が訪れたんです。心の中に。長かった冬はもう終わりを迎えたのです。
私は言葉を掛けずただ優しく背中をさすり続けました。
これからもこの森で暮らしていくつもりでも、きっと一人寂しく一生を終えることはないでしょう。
血のつながっていないけどかけがえのない家族とこれからその子の夫となる王子がいるのですから。家族が二人になりますよね。
平等に女性の幸せを願う彼なら二度とこういった不幸が起きないよう案を立てるでしょう。そしたらもしかしたら魔法に興味があって訪れる人が現れるかもしれません。
人が不当な理由で差別されることのない世の中になる事を私も願います。
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>『物語は......綴られた』
ああ、もう時間ですね。 白い光で世界が包まれる前に。
「皆さんお幸せに!仲良く暮らせるいい世の中になる事を期待しているよ!あとゴーテルさん!よかったら遊びに来てもいいかな?試したい手作りお菓子を持って行くからそれとあなたの魔法見てみたい!」
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PLより
アイベックスです。いろいろありましたが、ハッピーエンドなってよかったです。
ヤマイさん心身ともにお疲れのようなので最後までお付き合い出来なかったのが心残りです。回復したらまた遊びましょう!なのでゆっくり休めてくださいね。
もしものためにヤマイの分の剣の欠片のダイス回数残しておきます。
遠慮なく振っちゃってくださいな。
21:38:47 アイベックス@ラキアス 剣の欠片 1d6
Dice:1D6[6]=6
前回に引き続きまただw
ラプンツェル嬢たちが戻ってきた。
その髪は見るからに短くなっている。
とても、とても軽そうだ。
表情も明るい。
両親と会えたことは、悪くなかったようだ。
>「お待たせしました。ゴーテルさんがご無事で何よりでしたよ。
>お二人ともお疲れさまでした。
> こちらは、ご夫人の病気を癒しまして親子のご対面を果たせましたよ。」
「ありがとうございます」
本来ならば依頼されたシィノが行くべきだったのだが。
キャベツ殿の「娘に会う」という願いを果たせたのだから、誰がつれて行こうが些末なことだろう。
それに、シィノではラプンツェル嬢の母の病気はどうしようもなかった。
ラプンツェル嬢は"外"で生きることを決めたようだ。
ゴーテル殿もわかっていたのだろう。
早々に立ち去ろうとするゴーテル殿だが、それをラプンツェル嬢が引きとめた。
そう。100か0かなど、誰が決めた。
もっと欲張ればいい。
自分が幸せで、相手も幸せになれる道を。
いつの間にか雨は上がっていた。
光が、虹が。
ああ、"おしまい"だと。そう思った。
>『物語は......綴られた』
白くなっていく景色の中で、ゴーテル殿を見つめた。
「ノヂシャ、ごちそうさまでした。味はよかった」
――――PL――――
名誉点ダイスは1つだけ振らせてもらいます。
20:53:58 紫乃@シィノ ≫ 剣の欠片 1d6 <Dice:1D6[6]=6>
どやぁ