2-お嬢様と灰猫
目を誘うのは踊り子の纏う紅。
耳を撫でるのは弦楽器の歌声。
鼻を擽るのは絵の具の匂い。
コンチェルティアの6番街は未来を夢見る若き者たちの集う場所だ。
"花開く街"の象徴とも言える区画である。
そこをふらふらと歩いていたのは......。
真っ白な肌に真っ白な髪、そして真っ白な服だがお目目は真っ赤。
そんなグラスランナーのカプリである。
カプリにとっては久しぶりのコンチェルティア来訪であろうか。
訪れた理由はカプリのみ知ることであろう。
なんとなく立ち寄っただけかもしれないし。
もしかしたら目的があったのかもしれない。
ただ一つ正しいことは......カプリがここにいるということだ。
6番街は街全体が一つの大きな舞台と言える。
カプリが演奏なり踊りなりパフォーマンスをすれば、きっと観客はふらふらと現れることであろう。
* * *
少し時が経った頃。
カプリが6番街から離れようとした際のことだった。
「あら、あなたは......」
正面からある人影が近づいてくる。
金色の長い髪に赤い花の飾りをつけて。
白と青を基調としたドレスを身に纏っている女性だ。
ドレスは動きやすいデザインのようだ。
「えっと、確か......お聞きしたところ、カプリさんだったかしら。
ヴィクトリア・キャピレットです......覚えていらっしゃいますか?
とても懐かしい――あの丘の件依頼ですわね」
彼女の名前はヴィクトリア・キャピレット。
主に演劇を中心にコンチェルティアの振興を担うキャピレット家の一人娘である。
ヴィクトリアとカプリは共にかつてこの街を中心に起こった"死神事件"の当事者だ。
「私は少し4番街の様子を見つつ、ちょっとした用事を済ませたところですけど。
カプリさんはどういう理由でこちらにいらしたの?」
4番街は劇場街になっている区画である。
キャピレット家の娘としてそこを訪れることは別段珍しいことではないのだろう。
ただちょっとした用事とは......彼女が下げている籠に入ったもののことだろうか。
籠の中には本が一冊。
表紙には猫の挿絵が描かれている。
タイトルは魔動機文明語で『猫の飼い方・育て方』と書かれている。
言葉がわからなくても表紙から猫に関わる本であることは推測できよう。
「......ああ、そうだわ!
カプリさんって冒険者でしたわよね。
冒険者でしたら動物と関わることも多いんじゃないかしら」
ふとヴィクトリアは何か思いついたかのように声を上げると。
独り言を呟きながら少し考え始める。
――そして数秒後。
「カプリさん、もしお暇でしたら私の家までいらしていただけませんかしら?
勿論しっかりとおもてなしもさせていただきますわ。
......その、少しご相談したいことがありまして。
実は昨夜庭で倒れていたのです、そう......猫が一匹。
私たちは猫はおろかどの動物も育てたことがなく、困っておりますの」
ヴィクトリアはカプリを彼女の屋敷まで招待した。
目的は猫について、少しでもいいから協力して欲しいとのことだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらカプリ用のルートです。
カプリの投稿はこちらのカテゴリにお願い致します。
カプリはコンチェルティアの6番街にいます。
カプリがコンチェルティアを訪れている理由や6番街での過ごし方はお好きにどうぞ。
【NPC:女性】に【ヴィクトリア・キャピレット】を登録しておきます。
並びに【分類:組織】に【キャピレット家】を、
【分類:その他】に【死神事件】について登録しておきます。
カプリは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ヴィクトリアにお呼ばれする
・ヴィクトリアにお呼ばれしない
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
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カテゴリ『2-お嬢様と灰猫』にチェックを入れて投稿してください。
とおい昔、わたしに楽器のえんそうを教えてくれた人が、わたしの髪と肌の色をまいおちる雪にたとえてくれた。
旅芸人としてはよくあるように、それをきっかけにわたしは雪の精というすじがきで、一座のかたすみで楽器をならしてわらっていた。
「白雪の花が萌ゆる頃に」というしめ口上も、その人が考えてくれたものだ。
それからわたしは、雪のふる冬がとてもとてもすきになった。だから、旅にでるなら冬がいい。
冬の空気はとうめいで、香りもしんしんとしずかになる鈴の音のように心をおちつかせる。
そして季節は足をとめることなくうつりゆき、こくたんによる単色の下書きにすこしずつ油絵の具を乗せはじめるように、草花が顔をだしてあたたかくなった空気がそれらの香りをやわらかな風に乗せてはこび、動物たちもひとりまたひとりとおもてに顔をだしはじめる。
そうして鳥たちが歌声をひびかせるようになると、人々もまた太陽のめぐみにかんしゃし、活発に動きはじめる。
エルフが詩をうたい、ドワーフが彫像をこしらえ、人間は舞台で喜劇をえんじる。わたしはそんな人族がだいすきだ。
みんながせわしなく動きはじめると、わたしもそわそわして走りまわりたくなってくる。
それはお祭りのふんいきに似ている。春はそれだけでお祭りみたいなものなのだ。
だから、春の空気も冬のそれとはまた違って、すきだ。
わたしはてばさきに戻る前にコンチェルティアによった。
路銀はほとんどつかっちゃったから、コンチェルティアで満足するまで歌って飲んでわらってすごし、またおしごとをしにてばさきへと帰るつもりだった。
いちばん演奏がしやすいばしょで荷をおろし、わたしはヴィバーチェを両の手にかかえた。
演奏をはじめる前にいちど弦を弾く。ととのえられた音がなるのをたしかめ、あたまの上の友人を指でなでてわらう。
春は、あかるくてたのしい歌がいい。
コモド、コンアグレッツァ、エスプレッシーヴォ。
ヴィバーチェをぞんぶんに歌わせ、草花の香りといっしょに風にのるように、たからかに喉をふるわせる。
"この世界は全て舞台"
だからわたしは、コンチェルティアの空気もまた、すきなんだ。
* * * * *
> 「あら、あなたは......」
「ぬー?」
気がすむまで歌って、酒場をさがしに移動しようとしたところで声をかけられた。
きれいなドレスを着た、じょうひんなおんなのひと。
「こんにちは、おねえさん! なにかごようでしょうか?」
にっとわらってあいさつをし、しまうまえのヴィバーチェをてろんとならす。
足をとめてくるりとふりかえって向きあい、ぺこりとあたまをさげる。
> 「えっと、確か......お聞きしたところ、カプリさんだったかしら。
> ヴィクトリア・キャピレットです......覚えていらっしゃいますか?
> とても懐かしい――あの丘の件依頼ですわね」
「うん、カプリはカプリだよ。
ヴィクトリアさん、ヴィクトリアさんー」
ぬーとうなり、またヴィバーチェをてろんとならす。
前にコンチェルティアに来たのはたしか二年ちょっと前。
その時はグラさんとあそんで、それから丘でカプリッチオーソが、あーあの子が。あー。
「あー、あー」
あちゃーとにがい顔をして、あたまをぶんぶんと左右にふる。
「そのせつは、まことにごめいわくをおかけしまして」
そしてぺこりとふたたびあたまをさげる。
人生、いろいろとしがらみがあるのだ。
> 「私は少し4番街の様子を見つつ、ちょっとした用事を済ませたところですけど。
> カプリさんはどういう理由でこちらにいらしたの?」
「ようじはないの。カプリは行きたいと思ったから来ただけ。
ずっとずっとそうだよ。これまでも。これからも」
ね? とあたまのうえのパストラに言う。
それを見ていたのか、ヴィクトリアさんはなにか考えごとをはじめた。
> 「......ああ、そうだわ!
> カプリさんって冒険者でしたわよね。
> 冒険者でしたら動物と関わることも多いんじゃないかしら」
> 「カプリさん、もしお暇でしたら私の家までいらしていただけませんかしら?
> 勿論しっかりとおもてなしもさせていただきますわ。
> ......その、少しご相談したいことがありまして。
> 実は昨夜庭で倒れていたのです、そう......猫が一匹。
> 私たちは猫はおろかどの動物も育てたことがなく、困っておりますの」
「ねこ!」
ほうほうとうなり、ヴィバーチェをしまった。
そういえば、ねこの絵がかかれた本を持っているみたい。
「行く! ねこさんのおせわする!」
手をあげてこたえた。
ねこのおせわはべつに得意じゃないどころかしたこともないけど、するのだ。
==============================
PL@一葉より:
とりあえずまずは初手を。
あんみつGM、紫乃さん、柑橘さん、キャスパーさんよろしくお願いいたします。
文章が読みづらいのは仕様なのでご容赦下さい。
まずは好き勝手に過ごしながら、ヴィクトリアさんにお呼ばれしていく方向で!
まあね、ちょっとね、昔にね。
ヴィクトリアさんの恋人のカイル君をね、ころころしようとした経緯がありまして(未遂)。
ちょっと謝っておこうかと思いましてね。。。
こんな感じになりました。
でもすぐに戻るこどもてんしょん。
カプリを呼び止めたのはヴィクトリアという名の令嬢だった。
どうやら最初は彼女のことを忘れてしまっていたようだが......。
過去に思いを馳せるうちにちょっとずつ思い出していったようだ。
――ついでに、ちょっとした事件のことも。
>「そのせつは、まことにごめいわくをおかけしまして」
だからカプリはヴィクトリアに謝ることとした。
実に素直な応対であることだ。
「ご迷惑......?
ううん、そういうのじゃありませんのよ。
もしカプリさんたちがいなければ、私もカイルも......どうなっていたかわからないもの。
その意味では皆様は両家の恩人とも言えましてよ」
それでもヴィクトリアはカプリたちに感謝しているようだ。
ちなみに、カイルというのはヴォルディーク家の当主の名である。
キャピレット家とヴォルディーク家は親しい関係にあるのだ。
――その後、カプリはヴィクトリアからの誘いを受ける。
猫のことについて手をかしてほしいと語る彼女に対して。
>「ねこ!」
まずは、子供のように第一声。
>「行く! ねこさんのおせわする!」
さらにすぐ手を伸ばして、キャピレット邸に向かう意志を示す。
「ありがとう、いらしてくれますのね......!
では、2番街まで参りましょう。
どうぞ、ついていらして」
カプリの言葉にヴィクトリアは嬉しさと安堵の混じった表情をしたようだ。
そしてすぐにでもカプリを案内してくれることだろう。
貴族たちが暮らす場所――コンチェルティアの2番街へ。
* * *
少し歩いていけば二人はコンチェルティアの2番街まで辿り着く。
大きな庭が有る建物や複数の階層を持つ建物。
一目見て立派だと感じるような街並みの一角に、キャピレット邸はあった。
壁や屋根が全体的に暖色系で彩られた優雅さと共に温もりのある建物だ。
「さあ、カプリさん。
お入りになってください」
ヴィクトリアと共に門を潜り、庭を抜けていけば。
使用人たちがこちらに近づいてくる。
そんな彼女たちにヴィクトリアはて早く幾つかの指示を出した。
どうやらカプリのための準備を頼んでいたらしい。
「猫のいる部屋に案内させていただきますわ。
お飲み物と軽いお菓子の用意も頼んでおきましたので、一緒に是非」
邸内に入ってから外の庭に沿うかのように彼女は邸内を歩いていく。
どうやら目的の部屋は庭のそばにあるらしい。
* * *
ようやく立ち止まった先にあったのは一階に備えられた客間であった。
扉を開いて見れば大きな窓から外の庭の様子を伺うことができる。
丁寧に育てられているらしい花々の彩りが実に美しい。
「部屋に入った時に、庭に倒れているのが見えましたの。
......この灰色の猫ですわ」
ゆったりとした椅子の上に悠々と丸まっているその姿。
図々しいようでさすが猫らしく愛らしくも見える。
灰色の毛並みをした猫でそのくりっとした瞳は活発的な印象を与える。
カプリはそんな瞳でじっくりと様子を少しの間観察されることになるのだが。
「コンチェルティアの街自体に寄る辺なき動物がいることは珍しくありませんが......。
流石に家の庭で倒れているものを見過ごすのは偲びなく思いまして。
ひとまず中に連れてきたものの、慣れぬことばかりで困っていましたの。
もしよければ、お力をお菓子して頂ければ助かりますわ」
そうこうするうちに、部屋の中にお茶とお菓子を持った使用人が姿を現す。
砂糖やミルクの類も充分だ。
ヴィクトリアはどちらかというと甘い方が好きなタイプなのだろう。
机の上に綺麗に並べられ。
座り心地の良さそうな椅子へとカプリは促される。
――そんな様子を灰色の猫はじっと見つめていた。
特に果実を使ったタルトを中心として。
お腹でも減っているのであろうか。
まあ猫が焼き菓子に食いつくのは若干不思議ではあるが。
「とりあえず、先にお菓子とお茶をどうぞ。
......カプリさんは可愛らしいから甘いものもお好きかと思ってましたけど。
もし違うなら――どうぞ遠慮なく仰ってくださって構いませんわ。
すぐに取替えさせていただきますから」
客人であるカプリが席について手を伸ばせば......ヴィクトリアも座ることだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
カプリは2番街のキャピレット邸までたどり着きました。
客間には灰色の猫がいますね。
あとはお茶とお菓子がでてきます。
お好きな行動をどうぞ!
ついでにダイスを2D6ひとつだけ振っておいてみてください。
> 「ありがとう、いらしてくれますのね......!
> では、2番街まで参りましょう。
> どうぞ、ついていらして」
「はあい、ついていきます!」
ぴょこんと前にでて、はいっと右手をさしだす。
わたしは背がひくいから、あおぐようにしてヴィクトリアさんの顔を見る。
「ね、はぐれないように、手をつないで?」
* * * * *
「おじゃましまーす」
案内されたおおきなおやしきで、しようにんさんたちにむかえられた。ぺこりとあたまをさげ、あいさつをする。
きれいにととのえられていて、完成された絵画のようなふんいきのあるお庭にそってすすむ。
そうしてある一室へとたどりついた。
> 「部屋に入った時に、庭に倒れているのが見えましたの。
> ......この灰色の猫ですわ」
「......ふぉぉ」
ちょこんと椅子のうえでまるまる、はいいろをしたねこ。
腰をおとして四つんばいになると、そろりそろりと近づいて、けど近づきすぎないで止まる。
>「コンチェルティアの街自体に寄る辺なき動物がいることは珍しくありませんが......。
> 流石に家の庭で倒れているものを見過ごすのは偲びなく思いまして。
> ひとまず中に連れてきたものの、慣れぬことばかりで困っていましたの。
> もしよければ、お力をお貸しして頂ければ助かりますわ」
ねこをしげきしないようにしゃべり返さず、こくんとひとつうなずいた。
距離をたもったまま、体をちいさくまるめてねこを見て、たまにすこし視線をはずして、また見る。
> 「とりあえず、先にお菓子とお茶をどうぞ。
> ......カプリさんは可愛らしいから甘いものもお好きかと思ってましたけど。
> もし違うなら――どうぞ遠慮なく仰ってくださって構いませんわ。
> すぐに取替えさせていただきますから」
しばらくそうしてからゆっくりと動きだし、ねこからはなれる。
足をふみだしてうまれる振動がおおきくならないよう気をつけて歩き、ヴィクトリアさんに首をかしげる。
「ねえ、ねこはどうしてたおれてたの?」
おおきなけがはしていないし、ヒトにかじょうなけいかいをしている様子もない。
こまるほどのことがなにかあったのかなって、気になった。
それからおかしを一つつまむ。
「あまーいー」
もしゃもしゃして、つぶやいた。
==============================
PL@一葉より:
自由&気を遣わない&言葉が足りないのすりーこんぼ。
とりあえず質問をしてみるのです。
見た感じ大きな問題はなさそうね? という感じ。
あと初めにねこを観察して何か気付くことがあればいいなって。
余談ですが私の家には猫がいます。にゃんにゃん。
■ダイス
23:45:52 一葉@カプリ 指定ダイス 2d6 Dice:2D6[1,2]=3
ひっく。
>「......ふぉぉ」
庭のそばの部屋にやってきたカプリは、椅子の上の灰色の猫を見つける。
ちょっとだけ近づいてみれば......。
その猫は不思議そうな瞳でカプリのことを見つめ返したことであろう。
そんなカプリが猫のことをじっくり見つめてみればちょっとだけ違和感を覚えるだろう。
なんだろう、本当にちょっとだけの違和感なのであるが。
この灰色の猫、ちょっとだけカプリのよく知る動物たちと違う感じがするのだ。
居住まいや雰囲気がどことなく、というレベルではあるが。
そんなことを感じながら一旦カプリはお菓子の傍までやっていき。
>「ねえ、ねこはどうしてたおれてたの?」
まずはヴィクトリアに一つご質問。
内容は猫が倒れていた理由についてだ。
「それが......よくわかりませんの。
何か食べさせてあげたら元気になったようですので......。
お腹がすいていただけかと思っておりますけど。
病気についてはよくわかりませんが......怪我はしていないと思いますわ」
どうやらヴィクトリア曰く、猫は餌をやれば元気になったという。
カプリの目から見てもヴィクトリアの推測は概ね正しいだろう。
「まあ、とりあえず猫自体は無事でしたわ。
ただ私たちが困っているのはここからですの。
まずこの猫が一体どこの猫なのか調べないといけませんわ。
もし誰かが飼っている猫でしたら、飼い主に返さねばなりませんし。
そして野良猫であるのならば、ここまで手を差し伸べた以上無下にすることもできませんわ。
かといって、いきなり育てるには道具が足りませんの。
――まあ付け焼刃に本を一冊持ってきてはみましたが」
どうやらヴィクトリアの悩みとはこの猫の処遇についてらしい。
まず飼い猫なのか野良猫なのか判別をつけねばならず。
どちらであっても、それなりの動きをしなければならないとのことだ。
そんなヴィクトリアの悩みには一切興味がないかのように灰猫はくるりと丸まったままだ。
かと思えば急にむくりと顔を上げ、椅子の上から飛び降りた。
そしてカプリとヴィクトリアの座るテーブルの方に歩いていき。
地面を這いずるかのようにドレスを身に着けたヴィクトリアの下を潜っていく。
向こう側に出てから、にゃあとひと鳴き。
その時の猫の目は......どことなく気持ち悪かった。
なんとなく破廉恥な感じだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
予備ダイスは真偽判定に使用しました。
出目が11となり最低ラインの10を超えたので、
なんかこの猫動物っぽくないぞ、とちょっとだけ思いますね。
ちなみにヴィクトリアの悩みとはどんな猫か判断しなければならないとのものみたいです。
あとはお菓子を食べるなりお好きにどうぞ。
ヴィクトリアさんいわく、ねこは怪我や病気をしていたわけではないらしい。
それはよいことなので、うんうんとうなずく。
となると、もんだいは――
> 「まあ、とりあえず猫自体は無事でしたわ。
> ただ私たちが困っているのはここからですの。
> まずこの猫が一体どこの猫なのか調べないといけませんわ。
> もし誰かが飼っている猫でしたら、飼い主に返さねばなりませんし。
> そして野良猫であるのならば、
> ここまで手を差し伸べた以上無下にすることもできませんわ。
> かといって、いきなり育てるには道具が足りませんの。
> ――まあ付け焼刃に本を一冊持ってきてはみましたが」
「ふむふむ。なるほど。
じゃあまずはねこをさがしてる人たちに、ねこがいるよって教えてあげないといけないねえ。
ねこはごはんとお水とあったかい寝床とトイレがあれば、ほうっておいてもだいじょうぶ。
怪我や病気がなければだけどねー」
そう言いつつ、わたしはおもう。ヴィクトリアさんはやさしい。
わたしの感覚では、ねこはねこでじぶんの力で生きなくてはいけないと、きちんとにんしきしているはずだ。ぎゃくに言えば、そうでなければ動物は生きていけない。他のだれかに生きるすべを依存してしまうのは、つまりじぶんという個のじゆうを捨てるということに他ならない。だから、ねこは寝床があってごはんが出てくる、楽なかんきょうがあるなら利用すればいいぐらいにおもっているはずで、ヴィクトリアさんがめんどうを見なければいけないという責任はけっしてない。
ただ、それがじゅんすいな善意からきてているいじょう、むげに止めるつもりもまた、ない。
それが幸運にしろ不幸にしろ、どうするかをえらぶのは、ねこだ。
ただし――
ひと鳴きしたねこをよこめでちらと見て、それからそちらはほうってもうひとうお菓子をつまんだ。
もぐもぐとそれを食べながら、ヴィクトリアさんに話しかけた。
「そうしたら、しんでんとかけいびの人たちとか、そういうところに言ってみようよ。
ねえ、お絵かきしよう! ふたりでねこの絵をかいて、じょうずなほうを持っていくの!」
* * * * *
ヴィクトリアさんが席をはずしたら、しっかりとあしおとが遠ざかったのをかくにんして、てばやく動きだす。
まずはしっかりと部屋のとびらをしめる。かぎまではかけない。
それからタルトを手にとり、食べずに果実をとった。そうして果実をみっつほど持ってねこに近づき、すこしのきょりを保って足をとめ、ひざをついてその顔をのぞきこんだ。
――ただし、あくいがあるなら"きにいらないから"わたしはそれをじゃまをする。
なければそれでいいのだ。だから、ヴィクトリアさんにはできるだけひみつでしらべてみる。
「ねえ、なにがしたいの?」
果実をひとつほうって、そう聞いてみた。
==============================
PL@一葉より:
あやしいーあやしいよー。この猫あやしいよー。
あやしいからストレートに聞いてみるよー。
キャラシートですが【G5カプリ:ソードダンサーver.】で確定します。
そして、早速色々と行動に移します。
方針としては、ヴィクトリアさんの善意は尊重しつつ、
害を加える可能性があったら積極的に排除する方向です。
とはいえまだ分からないので、警戒しつつ様子見していくのです。
だから、似顔絵を描いて神殿等持っていくというのもまた本気です。網を広く張るスタイル。
ちなみに、ナイフ出して脅してみるという腹案がありました(''*
自重しました。今回はゆるふわでいくのだ(既に怪しくなってきている気がするけど)。
カプリはこどもっぽいですがずっと旅をして一人で生きてきてる上に裏がアレなので、
生死感についてはかなーりドライです。やりたいように、自己責任。それが基本。
■行動宣言
・ヴィクトリアさんに、失せ猫の情報を神殿などに届け出ようと提案します。
・似顔絵を持って行って情報を補強しようと提案します。
・似顔絵を描くための道具を持ってきてほしいと依頼します。
・ヴィクトリアさんが席を外したら、猫に単刀直入に問いかけます。
これはよく動物に声掛けするような返事を期待せずにする話しかけではなく、
返答がある事を期待した話し掛けになります。
反応が無ければ妖精語、グラスランナー語でも話しかけてみます。
■ダイス
21:08:27 一葉@カプリ ききみみ 2d6+5 Dice:2D6[1,2]+5=8
21:08:37 一葉@カプリ よび 2d6 Dice:2D6[6,2]=8
ダイス目が死んでるぜえ。
>「そうしたら、しんでんとかけいびの人たちとか、そういうところに言ってみようよ。
> ねえ、お絵かきしよう! ふたりでねこの絵をかいて、じょうずなほうを持っていくの!」
まずはどんな猫か調べたいと語っているヴィクトリアにカプリは提案する。
絵に描いて誰か見たものがいないか尋ねてみるのだ。
「なるほど、確かに効率的な話ですわね。
ただ、今日はもうそろそろ準備しなければならないことがありますので......。
一緒に探しに行くのは難しいかもしれませんわ。
......そうですわね、絵だけは今のうちに描いてしまいましょうか。
紙と道具を持ってきますので、少々お待ちになっていただけるかしら?」
ヴィクトリアは今日にちょっとだけやらねばならない用事があるようだが。
絵だけは今のうちに描くつもりになったようだ。
そこでヴィクトリアは紙と道具を取りにこの部屋から姿を消す。
――これはカプリにとって思い通りなことであった。
* * *
部屋に残されたのはカプリと灰色の猫が一匹。
それ以外何もいなくなってからカプリは速やかに動き出す。
外に音が漏れないよう扉を閉め、タルトから果実だけを持って猫の方に近づいたのだ。
――カプリは話しかける。
>「ねえ、なにがしたいの?」
灰色の猫は素知らぬ顔でにゃあ、とひと泣き。
だがカプリが気がついているのかとついに観念したのか......。
がくっと頭をうなだれてから、もう一度果実を見てから、カプリを見上げる。
「いやあ、ただの可愛い子かと思っとったけだ。
嬢ちゃん、結構鋭いんやなあ」
猫はおかしな訛りが入った感じではあるものの。
少なくとも人の言葉――交易共通語を話した。
それはこの猫がただの動物の猫ではないという証だ。
「俺はグレイっちゅうねん......よろしゅう頼むわ。
んで、俺はミアキスって種族でな。
今みたいに猫の形になれんねん。
こうして猫の格好しとんのは別にやましい考えがあってとかじゃないで。
単純に過ごしやすいだけや。
どこでも寝れるし、今回みたいに餌くれたりする人もおるしな」
灰色の猫だからだろうか。
名前はグレイというらしい。
グレイは猫の姿に化けられる人族の一種――ミアキスであるとのことだ。
彼がこの格好をしているのは単純に過ごしやすいからであるからだそうだ。
少なくともグレイの言葉では、だ。
「ただまあ昨日はどうにもめぐり合わせが悪くてな。
ほんまにお腹空かせてここの庭に倒れとったんや。
そこをこの家の嬢ちゃんが拾い上げて餌食わせてくれたっちゅうわけやな。
冗談抜きで命の恩人やで、可愛いしな」
そして昨日庭で倒れていた理由についてはどうやら本当に空腹だったかららしい。
これもグレイの言葉が本当ならであるが......。
あまり嘘をついているようには見えない。
「そこでや、嬢ちゃんはおそらく冒険者なんやろ?
嬢ちゃんを立派な大人の冒険者と見込んで話があんねん。
俺をやな......確かヴィクトリアいうたか。
この家の嬢ちゃんに取り次いで欲しいねん。
恥ずかしながら、俺はあの嬢ちゃんにほんまにホの字でな。
ただなぁ、いきなり話しだしたらビビられてまうかもしれんやろ?
そうなったら俺はもう生きてられへん。
だから冒険者の嬢ちゃんに頼みたいんや。
助けてくれたお返しがしたいねん......あかんやろか?」
カプリの聞く何がしたいかに該当する答えはこれだ。
グレイはどうやらヴィクトリアに惚れてしまったらしく。
だから、恩返しという名目で仲良くなりたいという腹なのだろう。
* * *
少しすれば、コツコツと足音が聞こえてくるかもしれない。
ヴィクトリアが戻ってきたようだ。
あと少しで扉を開けて帰ってくることであろう。
「ほんじゃ、頼むで......嬢ちゃん」
最後に念押しをしてから。
グレイは再度椅子の上に飛び乗って丸まっていった。
――そして部屋の扉はゆっくりと開く。
お嬢様らしく小さな動作も優雅だ。
「お待たせいたしましたわ。
とりあえずこれで十分でしょうか?」
部屋に入ったヴィクトリアはその手に素描用の木炭と紙を持っている。
そんなヴィクトリアをカプリ越しにグレイはうっとりと眺めていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
ヴィクトリアは部屋から出ていきます。
その後カプリが猫に話しかければ招待を明かしてくれます。
【NPC:男性】に【グレイ・トムキャット】を登録しておきます。
シーンの最後にヴィクトリアが帰ってきていますが。
それまでにやっておきたいことがあればご自由にどうぞ。
大抵のことでしたら融通をきかせます。
またヴィクトリアが帰ってきたあとにやりたいことがあれば、
そちらもお好きにどうぞ(*´∀`*)
> 「いやあ、ただの可愛い子かと思っとったけだ。
> 嬢ちゃん、結構鋭いんやなあ」
「おぉぉ、しゃべった......!」
はなしかけておいてなんだけど、じっさいにへんじされると、思ったよりびっくりした。
ちょっと迷ってから、もっていた果実をじぶんの口にほうりこんで、またたずねる。
「こんにちは、カプリです。ねこのおなまえは?」
> 「俺はグレイっちゅうねん......よろしゅう頼むわ。
> んで、俺はミアキスって種族でな。
> 今みたいに猫の形になれんねん。
> こうして猫の格好しとんのは別にやましい考えがあってとかじゃないで。
> 単純に過ごしやすいだけや。
> どこでも寝れるし、今回みたいに餌くれたりする人もおるしな」
「ねこは人なの? ふむぅ、これはてつがくだ。
でー、ねこはなにをしてるの? 猫ごっこ?」
> 「ただまあ昨日はどうにもめぐり合わせが悪くてな。
> ほんまにお腹空かせてここの庭に倒れとったんや。
> そこをこの家の嬢ちゃんが拾い上げて餌食わせてくれたっちゅうわけやな。
> 冗談抜きで命の恩人やで、可愛いしな」
> 「そこでや、嬢ちゃんはおそらく冒険者なんやろ?
> 嬢ちゃんを立派な大人の冒険者と見込んで話があんねん。
> 俺をやな......確かヴィクトリアいうたか。
> この家の嬢ちゃんに取り次いで欲しいねん。
> 恥ずかしながら、俺はあの嬢ちゃんにほんまにホの字でな。
> ただなぁ、いきなり話しだしたらビビられてまうかもしれんやろ?
> そうなったら俺はもう生きてられへん。
> だから冒険者の嬢ちゃんに頼みたいんや。
> 助けてくれたお返しがしたいねん......あかんやろか?」
「えっとねぇ」
ちょっと考えて、それから両手でばつをつくった。
「ダメー」
さいごの果実をひょいと口にほうると、立ちあがってひざを軽くはらう。
「だってねこ、えっちいでしょ。
ダメだよ。女の子にそういうことするのは、わるいことなんだよ」
腰に手をあてて、むーんと胸をはった。
ヴィクトリアさんはわたしが守るのだ。
* * * * *
> 「お待たせいたしましたわ。
> とりあえずこれで十分でしょうか?」
「よーし、じゃあ、おえかきで勝負ね!」
もくたんと紙を受けとると、わたしはねこのスケッチをはじめた。
==============================
PL@一葉より:
ここでまさかの拒否(デデーン
あとかたくなに「ねこ」と呼んでいくスタイル。
王道的には断らなくてもいいんですけど、
・カイルいるし
・行動が紳士じゃないし
という理由で上手くいかなそうなので、むしろダメー! という方向に持っていってみる。
反応を見てみます。どうなるのだろうか(・∋・)
■ダイス
00:11:22 一葉@カプリ おえかき 2d6 Dice:2D6[2,3]=5
普通にあんまり上手くなーいw
......ヴィクトリアにホの字やねん。
だからカプリに彼女との取次を頼んだグレイであったが。
彼の野望は残念ながら。
>「えっとねぇ」
>「ダメー」
思いっきり第一段階で粉砕された。
「にゃ、にゃんでや!」
正直断られるとは思ってなかったのであろう。
猫の鳴き声と訛りが中途半端に混じった言葉がグレイの口から出てきた。
ついでに体がガクッとよろめいている。
>「だってねこ、えっちいでしょ。
> ダメだよ。女の子にそういうことするのは、わるいことなんだよ」
グレイの答えに対する回答はこうだ。
カプリは得意げに腰に手を当てながら胸を張っている。
「そんな殺生なこと言わんといてや。
しゃあないやん、ああいうのはな、男の性やで」
椅子の上に佇む彼は急に元気がなくなったようにいじけている。
そんな部屋の中に入ってきたのが画材を持ってきたヴィクトリアである。
カプリは彼女から木炭と紙を受け取って。
>「よーし、じゃあ、おえかきで勝負ね!」
いじけた様子の猫を描き始めた。
「うふふ、受けて立ちますわ」
ヴィクトリアはカプリに優しく微笑んでから。
紙の上で筆を走らせて猫の姿を写し取っていく。
* * *
カプリにお願いを拒否され、ずっといじけていたグレイであったが......。
ヴィクトリアとカプリたちからモデルにされていることがだんだんと楽しくなってきたようだ。
丸まってみたり。
宙で手を遊ばせてみたり。
威嚇するような格好をしてみたり。
無駄につぶらな瞳を強調してきたり。
初めはまだ猫らしいポーズであったが。
椅子の背を使って立ち上がってみたり。
豪快に股を開いてみたり。
セクシーなポーズをとってみたり。
段々と様子がおかしくなっていく。
「私、知りませんでしたわ。
猫というものはここまで器用な生き物でしたのね」
それでもまだヴィクトリアはこれが猫だと信じているようだ。
ちなみに彼女の絵を見れば、それなりの教養があるからか......。
まるで教科書のようになかなかに上手であった。
――そして、事件は起こった。
グレイが次のポーズを取ろうとした時。
足を滑らせて椅子から落っこちてしまったのだ。
「ぐぉ......あいたたた......。
――あ」
つい人の言葉を話してしまったグレイが見上げると。
驚きで紙を地面に落としてしまったヴィクトリアの顔がそこにあった。
「あ、あなたは......ただの猫じゃなかったのですわね......!
いったい何が目的なんですの......?」
一歩、また一歩ヴィクトリアは後ずさる。
グレイは彼女を捕まえようとするかのように肉球のある手を伸ばす。
「ち、違うで。
俺は決して悪い猫とちゃうんや。
お願いや、し、信じてくれや?
な、なあカプリちゃん......頼むわ。
何でもするさかい、俺を助けてくれへんか......」
猫のようにまんまるとした目で見つめながら......グレイはカプリに助けを求めた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
お断りされてグレイは絶望的な表情をしていました。
ただヴィクトリアたちからモデルにされていることで調子に乗って自爆したようです。
カプリは好きなように行動をどうぞ。
> 「ぐぉ......あいたたた......。
> ――あ」> 「あ」
猫が自爆した。
わたしはお絵かきの道具を置いて、そばに置いておいたヴィバーチェを手に取った。
> 「あ、あなたは......ただの猫じゃなかったのですわね......!
> いったい何が目的なんですの......?」> 「ち、違うで。
> 俺は決して悪い猫とちゃうんや。
> お願いや、し、信じてくれや?
> な、なあカプリちゃん......頼むわ。
> 何でもするさかい、俺を助けてくれへんか......」
ヴィバーチェをひとつ弾く。
それから椅子にすわったまま足をくんで、ゆったりとした音を奏でみじかい詩をうたった。
詩は四分の四拍子で八小節だけ。あとは音がおおきく響かないようやさしく弦を弾きつづける。
「とりあえず、おちつくの。
ねこも、ヴィクトリアさんもね」
まずはヴィクトリアさんに話した。
「だいじょうぶ、ねこはわるい猫じゃないよ。
もしもわるい猫でも、わたしがいるからあんしんして」
それからねこに。
「そうやってたよるから、ねこはダメなの。
勇気をださず、楽なほうににげて、いきづまったらだれかの手をかりる。
それでなにかを手に入れたって、それはするりと手のひらからこぼれおちるよ。
だって、自分の手でつかんだんじゃ、ないんだもの」
わたしがわたしらしくいるために、だれかの手をかりたらそれは嘘になる。
進む先をさすのはわたしの手。転ぶのはわたしがえらんだ道。立ちあがるのはわたしの足。
そうして歩いてきたからこそ、わたしは"ここに居る"と胸をはれる。
==============================
PL@一葉より:
要約:人に頼ってないで自分の力でなんとかしなさい。
あとおかしな動きをしたら、斬る。
という訳で、まずは落ち着きなさいよお二人さん。
それからきちんと話してみたらどうでしょうか。
無理だと思うけど(・∋・)
■ダイス
21:37:37 一葉@カプリ ねこつよさ(ぼうけんちりょく) 2d6+8 Dice:2D6[1,4]+8=13
21:37:47 一葉@カプリ えんそう(ぱふぉーまーきよう) 2d6+8 Dice:2D6[3,2]+8=13
21:37:56 一葉@カプリ うた(しんがーせいしん) 2d6+7 Dice:2D6[3,2]+7=12
■IRC質問ログ
21:26 (kazuha22) ねこの強さ分かりますか?
21:33 (Anmitsu) しらべればわかりますな
21:33 (kazuha22) 技能はない(・∋・)
21:34 (Anmitsu) 冒険者技能+知力で雰囲気くらいはつかめそう
21:37 (kazuha22) 13
21:38 (Anmitsu) わるくない
21:41 (Anmitsu) ほぼどうれべるっぽいふうかくをただよわせてるにゃんこですね
21:41 (kazuha22) ほう、やる。
思いっきり落下してつい言葉を話してしまったグレイ。
それを見て戸惑うヴィクトリアとさらにそれを見て慌て出すグレイの真ん中で。
――カプリはヴィバーチェを手に取り、軽く弦を弾く。
その段階で二人からの注目が集まった。
次にカプリは軽く短く歌ってから。
>「とりあえず、おちつくの。
> ねこも、ヴィクトリアさんもね」
一度二人に落ち着くように声をかけた。
まずはヴィクトリアからだ。
>「だいじょうぶ、ねこはわるい猫じゃないよ。
> もしもわるい猫でも、わたしがいるからあんしんして」
「確かにカプリさんはいらっしゃいますけど......」
ヴィクトリアは落ち着いてはいるものの。
まだ完全に安心は出来ていないようだ。
とりあえずカプリはそのままグレイにも声をかける。
>「そうやってたよるから、ねこはダメなの。
> 勇気をださず、楽なほうににげて、いきづまったらだれかの手をかりる。
> それでなにかを手に入れたって、それはするりと手のひらからこぼれおちるよ。
> だって、自分の手でつかんだんじゃ、ないんだもの」
カプリの言葉にグレイは猫の顔のまま、はっとした表情になる。
どうやら少し考え込んでいるようだ。
そんなグレイをヴィクトリアが遠目に眺めて一分ほど。
――グレイはしっかりとヴィクトリアの顔を見上げた。
猫の顔のままであるが、どことなく覚悟を決めた顔である。
「......その......黙っとって、すいません。
俺、グレイ・トムキャットいいます。
見ての通りただの猫やなくて、ミアキスっちゅう種族なんですわ」
グレイの話し方はちょっと真剣っぽかった。
彼の言葉を受けてヴィクトリアは少し伏し目がちに。
「ミアキスと呼ばれる方々については私も存じておりますわ。
コンチェルティアでも数こそ少ないもののお姿を拝見することはございますもの。
――ですが、どうしてそんなあなたがこの家の庭に?」
要するに、ヴィクトリアの最大の懸念点は何故グレイが庭にいて。
今この瞬間もこの家の中にいるのか、ということだ。
キャピレット家もコンチェルティアにおいては名家である以上。
妬みを買うこともあるだろうし、敵だっていないことはないだろう。
カイルと親しい......親ヴォルディーク派であることも大きい。
だから単純に気になるのだ。
このミアキスの狙いはなんなのであるか、と。
「別にやましい気持ちはありません。
まあ......ヴィクトリアさん可愛いなあとは思ったりしとりますけど。
――あ、今のはその......変な意味やないんで、忘れてください。
あの庭で倒れとったんは単純に腹が減って力尽きてただけですわ。
ヴィクトリアさんに飯食わせてもろたお陰で今も元気なんです。
せやから、その......」
まだ少し不審そうなヴィクトリアに対して、グレイはこわごわ話を続ける。
「俺はヴィクトリアさんに恩返ししたいな、思とったんです。
今もそう思てます。
ほんまはそこのカプリちゃんに助け舟出してもらおうとしとったけど。
やっぱ俺の言葉でちゃんと伝えなあかんな。
――ヴィクトリアさん、俺に食わせてくれてほんまありがとうございました。
俺から、ヴィクトリアさんに恩返しできることないですやろか?」
何度もカプリを使って間接的に言おうとしていたことを。
とりあえずグレイは口に出してみたようだ。
対するヴィクトリアは黙ったままだ。
「そうですか、お話しくださりありがとうございます。
申し訳ございませんが、私はキャピレットの者として......。
あなたの言葉全てを信じるわけには参りませんわ」
ヴィクトリアはやはりグレイの言葉全てを真と受け止めることはできないようだ。
グレイは猫の顔のままであるがショックを受けたように項垂れる。
「だから、恩返しは結構ですのでお帰りいただいて構いません。
......そう言いたい気持ちはあるんですが。
実は、少し手伝って欲しいことがないわけではありませんの。
ですが、先ほど申した通り私はあなた全てを信じることができませんわ。
そこでですが......」
ヴィクトリアは視線をグレイからカプリへと移す。
「もしよかったら、カプリさんにもお手伝い願えませんか?
仕事を果たして頂ければ、お礼の方ももちろんさせていただきますわ」
ヴィクトリアが言うには、グレイに恩返しの機会を与えてやってもいいが。
その際にカプリに見張りを頼めないか、というところらしい。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
素直にグレイが話したところ、条件付きで恩返しの機会を作ってやるとのことです。
その条件とはカプリが同伴することとなりますが。
カプリは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・グレイの手伝い(見張り)をする
・グレイの手伝い(見張り)をしない
内容については、カプリが承諾した場合のみ公開されます。
一応言っておきますと、雑用系です(・∋・)
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
> 「俺はヴィクトリアさんに恩返ししたいな、思とったんです。
> 今もそう思てます。
> ほんまはそこのカプリちゃんに助け舟出してもらおうとしとったけど。
> やっぱ俺の言葉でちゃんと伝えなあかんな。
> ――ヴィクトリアさん、俺に食わせてくれてほんまありがとうございました。
> 俺から、ヴィクトリアさんに恩返しできることないですやろか?」
ねこはきちんと気持ちを自分から話す事ができた。
ヴィクトリアさんは明るい顔をしていないけれど、その一歩に心の中で拍手を。
> 「そうですか、お話しくださりありがとうございます。
> 申し訳ございませんが、私はキャピレットの者として......。
> あなたの言葉全てを信じるわけには参りませんわ」
> 「だから、恩返しは結構ですのでお帰りいただいて構いません。
> ......そう言いたい気持ちはあるんですが。
> 実は、少し手伝って欲しいことがないわけではありませんの。
> ですが、先ほど申した通り私はあなた全てを信じることができませんわ。
> そこでですが......」
> 「もしよかったら、カプリさんにもお手伝い願えませんか?
> 仕事を果たして頂ければ、お礼の方ももちろんさせていただきますわ」
「えっとねぇ」
てろんとヴィバーチェを一つ鳴らす。
首をゆらゆらと左右に振って少し考えて、それからゆっくりと頷いた。
「いいよー。
人助けだからね、お礼は別にいいの」
==============================
PL@一葉より:
短くてすみませんが、お受けするよという返答を。
受けるとは言ったが雑用を飽きずにするとは......言っていない!(テテーン
>「いいよー。
> 人助けだからね、お礼は別にいいの」
軽く音を鳴らしながら、そう言ってヴィクトリアの頼みを承諾する。
「ほんまか、カプリちゃん!
恩にきるでぇ......」
グレイはというと図々しく体を擦り付けようとしてくる。
ちょっとウザイかもしれない。
「本当に助かりますわ。
それで、カプリさんとあなたに頼みたいことなのですが......」
ヴィクトリアはちょうど廊下を横切った使用人に声をかけ。
とあるものを部屋まで持ってこさせる。
そのものとは――やや小さめな袋であった。
「中を見て頂ければ、わかると思いますが。
その中に入っているのはある楽団の公演のチケットですの」
カプリが中を開けば、紙が幾つか入っているのがわかるだろう。
トゥルー・ソウルズと名前が書かれているのも見える。
「今日の日没頃から始まる予定なのですが。
上手くお客様を集めることができなくて困っていましたの。
そこで、他の方に手を貸して頂きたいと思っていたところでして。
カプリさんたちに観客を集めていただくお手伝いを......。
つまり街でチケットを売り歩いて欲しいのです」
ヴィクトリアの頼みとは......。
このトゥルー・ソウルズという楽団のチケットを売りさばいて欲しいというものだった。
ただ上手く売れないのは売れないなりの訳があり。
「ただ、一つだけ大きな懸念点があるとすれば、彼らが皆蛮族であるということですわ。
まだこの地方では名が知られているとは言い難いですし。
正直なところ、忌み嫌われたり恐れられたりすることもあると思いますわね」
構成員は全て蛮族であるのだという。
だとすれば、一般人たちの反応が悪くなるのも致し方ないだろう。
「なら、どうしてそんな連中の公演の手伝いをしとるんです?」
グレイの問いかけも当然だ。
それに対してヴィクトリアの回答は。
「私が会話した限りでは、悪い方たちではございませんでしたわ。
多少変わったところがあったことは否定いたしませんけども。
それに......いえ、わざわざ語ることではありませんわね」
話してみて悪い人ではなかったから、というのがひとつの理由。
だが、それ以外にも本当の理由がありそうであったが。
途中で語るのをやめてしまった。
「まあ、ええですわ。
とにかく俺たちがチケットを売り捌けばいいっていう話ですやろ?
こういう仕事は正直向いとる気がしますわ。
頑張ろな、カプリちゃん」
とりあえずグレイはそれ以上は追求せずに、チケット売りに協力する旨を告げる。
彼自身の目的はヴィクトリアへの恩返しなのだから、当然だろう。
「もし、今私にできることがありましたら、どうぞ仰ってくださいね。
お手伝いしていただけること、本当に感謝しておりますもの」
何か頼みたいことがあれば、頼めばいいだろう。
何もなければ、この部屋をあとにするだけだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
ヴィクトリアが頼みたいのはチケットの売り子でした。
ヴィクトリアからチケットが入った袋を受け取れます。
また【トゥルー・ソウルズ】については見識判定が可能です。
もしヴィクトリアに頼みたいことがあれば、今のうちにどうぞ。
> 「本当に助かりますわ。
> それで、カプリさんとあなたに頼みたいことなのですが......」
> 「中を見て頂ければ、わかると思いますが。
> その中に入っているのはある楽団の公演のチケットですの」
「トゥルー・ソウルズ。
へえ、劇団かあ。すごいねえ」
きちんとした場所で演奏をして、それでお金をもらう人たち。
私のように流れながら歌うのとは、ちょっと違う。
> 「今日の日没頃から始まる予定なのですが。
> 上手くお客様を集めることができなくて困っていましたの。
> そこで、他の方に手を貸して頂きたいと思っていたところでして。
> カプリさんたちに観客を集めていただくお手伝いを......。
> つまり街でチケットを売り歩いて欲しいのです」
> 「ただ、一つだけ大きな懸念点があるとすれば、彼らが皆蛮族であるということですわ。
> まだこの地方では名が知られているとは言い難いですし。
> 正直なところ、忌み嫌われたり恐れられたりすることもあると思いますわね」
「ばんぞく」
たとえばゴブリン、ボガード。
蛮族は人族とながく戦いつづけているしゅくてきの"穢れ"持ち。
わたしは旅のさなかでいろんな人とはなし、かれらの文化にふれてきた。そうして積みあげてきたちしきが、楽しいことと楽しくないことをみきわめるものさしになっている。
> 「私が会話した限りでは、悪い方たちではございませんでしたわ。
> 多少変わったところがあったことは否定いたしませんけども。
> それに......いえ、わざわざ語ることではありませんわね」> 「まあ、ええですわ。
> とにかく俺たちがチケットを売り捌けばいいっていう話ですやろ?
> こういう仕事は正直向いとる気がしますわ。
> 頑張ろな、カプリちゃん」> 「もし、今私にできることがありましたら、どうぞ仰ってくださいね。
> お手伝いしていただけること、本当に感謝しておりますもの」
「んー」
わたされたチケットをしこし眺めて、むうんとむずしい顔で悩んで。
それから、ヴィクトリアさんに首をふってみせた。
「それだけじゃあ、おてつだいできないの。
ヴィクトリアさんを信用できるということと、へいおんなくらしをのぞんでいる人たちが
ヴィクトリアさんの信用する蛮族の人たちを信用できるかって、べつのはなしだよ」
ふるさとを焼かれた人たちがいる。したしい人を殺された人たちがいる。
それらの咎はけして蛮族だけがおうものではなく、人族だってだいなりしょうなり同じようなことはしているとしても、旅烏には旅烏としての流儀と礼儀がある。
わたしはコンチェルティアのカプリではないのだから。
==============================
PL@一葉より:
迷ったんですが、ちょっと話を進める前に確認を。
蛮族の楽団がコンチェルティアという小さくない街の規模で演奏会をするという話ですが、
そのパトロン(スポンサー?)に地元の有力な貴族が付いているというのは
ソードワールド2.0の世界観としてびみょんなのではないでしょうか(''
ぶっちゃけ、一般人の認識としては蛮族ってゴブリンやボガードな訳ですよ。
そもそもお互いの信仰してる神も相容れてないし、文化的には大変面倒だと思うんですよね。
バルバロス・テイルズの蛮族PCの欄に、以下のような記載があります。
「蛮族は基本的に人族の敵であり、種族単位で協調できることはまずありません。
友情関係が築けるとするならば、個人と個人、あるいは、それに類する小集団に限られます」
「人族と蛮族が行動を共にしていることは極めて稀で、かなりの弊害があります」
まあ、名誉点250程度で「都市レベルで受け入れられている」程度の称号も得られるんですけど。
そこはいささか基本設定と難度が矛盾してる気もしますが(英雄候補だからですかね?)。
それらを踏まえて「蛮族が」「地元の有力者の支援で」「商業的興業を行っている」という
状況にトラブルの種がないとは考えづらく、
その上でそもそもコンチェルティアという集団に所属していないカプリが触れるには
若干ハードルが高いなーと、そういうあれこれでこんな反応になっております。
実際にチケットの売上は芳しくないようですし、知名度も目標値から見て低そうですし。
と、ここまでは素のPLとしての想いです。
ですが「そもそもそーいうメンドウな事を考えるセッションじゃないんじゃ?」とも思います。
これがシリアスなシティアドだったら確実に断るか黒カプリで遊びに行く所ですが、
今回はただぶらぶらしようかなーという思いで来ているので、
これから先に進む前にGMに一度確認を入れさせてもらえればと思いまして。
トゥルー・ソウルズが蛮族で構成されているという件、
世界観としての基本設定は深く考えずに「ちょっとした弊害」と認識してよいですか?
という点について、ご回答願えれば幸甚です。
どうやってチケット売るか考えてた時に、
むしろ「蛮族だけどこんないい音楽演奏するんだよ」って
ネコとネココスプレでハロウィン的な大道芸パフォーマンス即売会を思いついたんですが、
いやでも蛮族だよ。トラブルだろ。っていう可能性が拭えなくて。
蛮族である事を隠してたら余計ヤバイし。というのがここに至るまでの裏話(''
>「それだけじゃあ、おてつだいできないの。
> ヴィクトリアさんを信用できるということと、へいおんなくらしをのぞんでいる人たちが
> ヴィクトリアさんの信用する蛮族の人たちを信用できるかって、べつのはなしだよ」
カプリはすぐに、はいとは首を振ることはしなかった。
蛮族であることを聞いて、少し気になったようだ。
「まあ、カプリさんの仰ることも当然ですわ。
父にも話しましたが、あまりいい顔はしていませんでしたし......」
ヴィクトリアは少し断られたことが残念そうであった。
ただ思い当たる節はないことはないのだろう。
父親に相談した時もあまりいい顔はされなかったようでもある。
「でも、私は......成功させたいと思っているのです。
元々彼らは他地方ではそれなりに認められた身でもありますし。
好き嫌いはあれど、彼らの腕前は確かだと思っておりますもの」
ただ、ヴィクトリアはそれでもやり遂げたいと思っているらしい。
その理由は彼らが蛮族ではあっても、腕前を高いと評価しているから。
そして理由はそれだけではなく。
「この街は......コンチェルティアは広く芸術を愛する者たちを受け入れる街です。
そしてこの街ではどんな身分であっても本当に優れていれば相応の名誉が与えられる場所です。
ですが、ヴォルディーク家に悲劇が起きたあの日から少しずつ変わり始めていきました。
近頃は四花祭りでは内容以外にも暗黙にバックについているパトロンの家柄が重視される傾向にありますわ。
でも、そういうのは間違っていると思いますの。
呪われていようと、穢れていようと評価されるべきものは評価されるべきですわ。
カイルだって無事にお姉さんを取り戻したのだし......もうそういうものはこの街に要らないと思います。
だから私は今回のことをやり遂げたいと思っていますの」
本当の理由は以前ヴォルディーク家に悲劇が起きて以降保守的になってきた街を。
かつてあった本来の姿に戻してきたいというのが理由なようだ。
――実際のところは、そんな大それた公的な理由以上に。
カイルたちのことを慮る私的な理由がウェイトを占めている気がしなくもないが。
「でも、カプリさんに頼むは多少早計だったかもしれませんわね。
カプリさんは冒険者であって、この街において責任を負うべき存在ではありません。
何か問題が起きた時に矢面に立たされるのはよろしくありませんわ。
だから、お断りしていただいても問題ございません。
その場合は私が私なりのやり方でやらせていただきます」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
一応ヴィクトリアのやりたいことだけ答えておきました。
基本的なスタンスでは「ちょっとした弊害」認識でいいんじゃないかな、って思います。
ただ蛮族である以上、下手なやり方をすればリスクは伴います。
まあよっぽどじゃなければ、悪くても嫌な顔されるレベルでしょうけど。
またヴィクトリアは何が何でもカプリにやってもらいたいわけではないので、
自分からは言いませんが、尋ねたり調べればばわかることに以下のことがあります。
・トゥルー・ソウルズは他地方ではそれなりの実績がある。
(データ的にはいずれかの他地方において例外的存在相当の対応を受ける)
・街の意思決定機関である歌政院においてはどうにかして、トゥルー・ソウルズの来訪を許可済みである。
・街の音楽に関わる人を中心にトゥルー・ソウルズを知らない人がいないわけではない。
・チケットの売れ行きが良くないのは蛮族への恐れなどと同時に、
ヴィクトリアにとって商売事は初めてに近い経験であるから。
お断りするなら別にそれでも構わないので、改めてご宣言をお願いいたします。
> 「この街は......
> コンチェルティアは広く芸術を愛する者たちを受け入れる街です。
> そしてこの街ではどんな身分であっても
> 本当に優れていれば相応の名誉が与えられる場所です」
なるほど、とおもった。
それがヴィクトリアさんの、ほんとうの気持ちなのだろう。
意識のうらでくすくすとあの子がわらう。
"無知で向こう見ずで、なんとも甘ったるい理想を掲げたもの。
こちらとあちらはそもそも世界が違うのに。
握手を求めたその手のひらを切り落とされてから「こんなはずじゃない」と叫ぶのかしら。
愚かであるとすら言ってもいいぐらい"
こちらとあちらの狭間にいるあの子は、その純粋さを理解できない。
ヒトの善意を信じるには、ヒトの悪意を知りすぎて来たから。
"だけど――"
だけど。
あの子があきれたようにわらう。
"あなたはそれを綺麗と言って笑うんでしょう?"
そうだ。
ただきれいなセカイをのぞんで悪いなんてことがあるだろうか。
だって、あの子だって、心の底ではそれをのぞんでいたんだから。
だから、わたしがいるんだから。
> 「でも、カプリさんに頼むは多少早計だったかもしれませんわね。
> カプリさんは冒険者であって、この街において責任を負うべき存在ではありません。
> 何か問題が起きた時に矢面に立たされるのはよろしくありませんわ。
> だから、お断りしていただいても問題ございません。
> その場合は私が私なりのやり方でやらせていただきます」
首をふるふるとよこにふった。
「ううん、そんなことはないの。
ヴィクトリアさんの考え、すてきだとおもうよ」
よっといすから飛びおりて、ヴィバーチェをもういちど歌わせた。
「だから、やっぱりてつだわせてほしいの。
ちょっとでも、ほんのちょっとでも、おてつだいができたらうれしいから!」
だれもがわらってしまうようなハッピーエンドになればいい。
その舞台のはじでいっしょにわらえたら――あの子とわたしはきっとしあわせだ。
* * * * *
「ヴィクトリアさん、楽譜がほしいの。
トゥルー・ソウルズの、できればたくさんの楽曲の。
それで、できたらいちにちだけ、それをかしてほしいの」
ひさしぶりに髪にくしを入れて、まっしろいそれをととのえる。
「それから、服をかしてもらいたいな。
わたしとグレイのふたりぶん。
できれば、ちょっとめだつぐらいの、赤と青のえんび服がいいの」
楽譜をかしてもらったら、それをその場でヴィバーチェに歌わせてみる。
メロディラインだけをぬきだし、それをアップテンポにアレンジし、もりあがる部分をいちぶだけぬきだしてはつなぎあわせ、メドレーにしてそくせきの楽譜をつくりだす。
「グレイは、できればねこのままでいて?
グレイは赤い服で、わたしは青い服。
そうしたらできるだけ人がたくさんとおる所へ行こう。
わたしが演奏するから、グレイはチケットを売るの!」
ここが芸術のまちであるなら。
それが"目をひいて"、"すぐれた音楽"なら。
かならず、みんなの目と耳を惹く。
それから、にがおえ描きで使ったこくたんを手にとると、指でこすってくろい粉にする。
じぶんのしろい肌にくろはめだって見えるだろう。
さゆうのほっぺにさんぼんのくろ線をじぶんでひく。
「グレイはねこ。わたしもねこ。
ね? 草原妖精も、ミアキスも、ばんぞくだって、見た目がちがってあたりまえなんだから、
だったら、たのしく歌って演奏すれば、きっと受けいれてもらえるよ!」
==============================
PL@一葉より:
GM承知しました!
面倒くさい事をして申し訳ありません!
グレイの服選びの話もあったので、こっからもりもり活動するよ!
行動としては、
・トゥルー・ソウルズの楽譜をありったけ貸してもらいます。
・それを突発アレンジでメドレー形式にループできるよう編曲します。
・グレイには猫のままで居て欲しいです。
・赤と青みたいな子供用の燕尾服を二着用意(購入でも可)して、
グレイに青、カプリは赤を着て、ちっちゃな目立つ正装の二人組になります。
・カプリは自分の頬に黒炭で三本線を引いて猫の仮装をします。
・ヴォルディーク大通りに出て、カプリが編曲したトゥルー・ソウルズの楽曲を
触りだけのメドレーで演奏する横で、グレイにチケットを売ってもらいます。
で、どうだー!
あ、やりすぎだったらとめてください(・∋・)
■ダイス
21:55:40 一葉@カプリ へんきょく(バードせいしん) 2d6+6 Dice:2D6[6,1]+6=13
21:55:46 一葉@カプリ かそう(パフォーマーきよう) 2d6+8 Dice:2D6[3,1]+8=12
21:55:51 一葉@カプリ えんそう(バードせいしん) 2d6+6 Dice:2D6[1,2]+6=9
21:55:58 一葉@カプリ うた(シンガーせいしん) 2d6+8 Dice:2D6[4,6]+8=18
※まちがい。+7で達成値は17。
21:56:04 一葉@カプリ すてっぷ(ダンサーびんしょう) 2d6+7 Dice:2D6[2,2]+7=11
演奏はお粗末だけど歌が割と良い出来。他はふつう。