3-白い羽根の行き先

 GM(あんみつ) [2016/05/17 21:10:10] 
 

>「ええ、その意気ですよ。では手始めにアイリさんのお家を訪ねてみましょうか。
> 餌の時間を覚えているなら、いつも食べている餌を少し頂いておきたいですし」

アポロの志を聞き、ヴェンは次の目標を定めた。
まずはすぐ近くにあるだろう、アイリの家を訪ねてみることにしたのだ。

「アイリの家に行きたいの?
 じゃあ、おれが案内してやるよ!
 ほら、ついてこいよな!」

その旨をアポロに告げれば、張り切った様子でアポロは5番街をダッシュしていく。
まあ子供の速さ故、タビットであるヴェンデルベルトでもまったく追いつけないというほどではない。

   *   *   *

公園から出ていくらか曲がった先にある隣に並ぶ二軒の家。
これこそがアイリとアポロの家なのだという。

建物や敷地の構造などは彼らの家はよく似ている。
周囲の家も同様なことから、おそらく同一の建築家にここら一帯は作られたのだろう。
ただアポロの家は青系の屋根で庭に遊び道具やボールのようなものが置かれている一方。
アイリの家は赤系の屋根で庭には花壇が多く扉の横には可愛らしい表札がついているなど、違いはある。

「アイリの家は、こっちな。
 そっちはおれの家だから」

アポロに促されるままついていけば、彼は慣れた様子で入口のベルを鳴らす。
奥の方からはあい、と女性の声が聞こえたあとしばらくすれば......。
玄関が開かれて少しふくよかな女性がお洒落なエプロンをつけて顔を出す。

「あら、アポロ。
 さっきはごめんね、アイリが酷いこと言ったみたいで。
 あの子、シュガーのこと大切にしていたみたいだから」

女性の正体はアイリの母親であったようだ。
どうやらアイリがアポロにとった態度を少し気にしている様子だ。
少なくとも、アポロに対して不機嫌な態度をとることはなかった。

「ううん、おれが悪かったから仕方ないよ。 
 おれ、ちゃんとあの鳥を一緒に見つけて......アイリに返して仲直りするんだ」

アポロも彼女に対してだいぶ親しい様子だ。
おそらく近い年頃の子を持つ隣同士、家族ぐるみの付き合いというやつなのだろう。

「一緒に......?
 あなたはもしかして......フィンさんかしら?」

アポロの一緒に、という言葉で初めて彼女はヴェンデルベルトに意識を留めたらしい。
どうやら少し勘違いをしているらしいが。

「ううん、違うよ。
 こいつはヴェン......なんとかっていうんだ」

アポロはそんな間違いを訂正しようとするが......。
残念ながら名前の全ては覚えられなかったらしい。

「あら、そうなんですの。
 すみません、人違いをしてしまったみたいで。
 私はアイリの母のイリアと申します。
 アポロが探すのを手伝っていただいているんですね。
 ありがたいことですが、もしかしてアイリ共々ご迷惑をおかけしていないかしら?
 私たちでできることがあればもちろん手伝わせていただきますよ」

アイリの母、イリアに訪ねたいことや協力してほしいことがあれば言ってみればいいだろう。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

こちらヴェンデルベルトの新しいカテゴリです。
これからはこちらに投稿をどうぞ。

ひとまず5番街のアイリの家の前に場面を移しました。
【NPC:女性】【イリア・ネイヴァー】を登録しておきます。

餌はきっと求めれば渡してくれることでしょう。
他にも聞きたいことがあれば答えてくれます。

このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『3-白い羽根の行き先』にチェックを入れて投稿してください。

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/05/19 12:54:39] 
 

「アイリの家は、こっちな。
 そっちはおれの家だから」

「なるほど。良いお家ですね」

公園からほど近い場所に、その家はあった。素敵な家だ。庭の木々も生き生きとしている。
名の知れた建築家に住宅街をまとめて依頼したのであろうか。
どこか統一された雰囲気をもつその家は私の目に好ましく映った。


アイリ嬢の母君であるらしい女性が顔を出し、アポロ少年と言葉を交わす。
どうやら彼女は怒ってはいないらしい。愛鳥を逃がしたのだから立腹しているかと思ったが、余裕のある方たちらしかった。

「一緒に......?
 あなたはもしかして......フィンさんかしら?」
「ううん、違うよ。
 こいつはヴェン......なんとかっていうんだ」

「初めまして、ご婦人。ヴェンデルベルト・S・ライゼトラウムと申します。
 アポロ君のお手伝いをしております。ヴェン、で結構ですよ」

アポロ少年の言葉に続いて自己紹介をし、ぺこりと頭を下げた。

「あら、そうなんですの。
 すみません、人違いをしてしまったみたいで。
 私はアイリの母のイリアと申します。
 アポロが探すのを手伝っていただいているんですね。
 ありがたいことですが、もしかしてアイリ共々ご迷惑をおかけしていないかしら?
 私たちでできることがあればもちろん手伝わせていただきますよ」

「ありがとうございます。いえいえ、迷惑なんてとんでもない。
 では、よろしければ小鳥がいつも食べていた餌を頂けますか?
 それから、いつもの餌の時間と言うのを教えていただけますか?」

好意には遠慮なく。ご婦人から鳥の餌を頂いて、さぁ、迷子の小鳥を探しに行こうか。



ご近所さんに小鳥見ませんでしたか?と尋ねながら飛んでった方向へ進んでみましょうー。

 GM(あんみつ) [2016/05/19 22:49:00] 
 

>「なるほど。良いお家ですね」

アイリやアポロたちの家を眺めながらヴェンデルベルトは感想を漏らす。
アポロはその言葉を若干不思議に思ったらしく。

「そうかなあ?
 ずっと見てるからよくわかんないや」

というようにぼやいた。

   *   *   *

赤い屋根の家から出てきてヴェンデルベルトたちを出迎えてくれたのは。
イリアと名乗る一人の母親であった。

>「初めまして、ご婦人。ヴェンデルベルト・S・ライゼトラウムと申します。
> アポロ君のお手伝いをしております。ヴェン、で結構ですよ」

彼女に対してヴェンデルベルトも礼儀正しくご挨拶。
イリアも彼の動きに合わせて再度一礼。

「じゃあ、おれもヴェンって呼ぶ!」

そんなところに口を挟んできたのはアポロである。
名前を覚えきれていなかったから、ちょうど良い機会だったのだろう。

>「ありがとうございます。いえいえ、迷惑なんてとんでもない。
> では、よろしければ小鳥がいつも食べていた餌を頂けますか?
> それから、いつもの餌の時間と言うのを教えていただけますか?」

アポロとのやり取りのあと、改めてヴェンデルベルトはイリアにいくつか頼み事をする。
一つは餌を受け取ること、もう一つは餌の時間を知ることだ。

「ああ、探すのに餌が必要なんですね。
 ちょっとだけ待っていてくださるかしら?」

そう言うと玄関の中から少し奥にある棚をイリアは探し出す。
側には何もいない鳥かごのようなものが見える。
おそらくあそこにシュガーがいたのであろう。

棚から戻ってきたイリアは小さな木箱を手に持っていた。

「これが、よくアイリがシュガーにあげていた餌です。
 さあ、どうぞお持ちになってください。
 少し白い色をしているでしょう?
 シュガーは白い色が好きなんです、近しいものを感じるのかもしれませんね。
 それと、餌を与えていた時間は......そうですね。
 次はお昼と......夕方頃です」

イリアは手にした木箱をヴェンデルベルトに託す。
この中にシュガーのための餌が入っているのだという。

「それでは、ヴェンデルベルトさん。
 アポロとシュガーのこと頼みましたよ。
 アイリが......うちの子がまた笑顔になれること、期待しています」

ヴェンデルベルトとアポロの二人はイリアによって見送られていった。

   *   *   *

再び5番街の街並みに戻ると。
幾人か散歩をしている人たちの姿が見える。
犬を連れている者もいるようだ。

適当に話しかければ答えてくれる人がいるかもしれない。

――ただ一個だけ気になることがある。
あんだけ意気込んでいたアポロが、随分と大人しいのだ。
ふと隣にいる彼の顔を覗き込んでみれば。
その瞳は――赤く染まっていた。

「白い......大きな鳥......」

アポロはゆっくりと口を動かして言葉を紡いだ。
その調子はさっきまでの彼に比べて大人びているというか、神秘的だった。

「ん、どした......ヴェン?」

だが、次の瞬間には彼の瞳は茶色に戻り。
喋り方も年相応の子供らしいものになっていた。

「とりあえず聞き込みでもしよーぜ!
 へへ、ちょっと探偵にでもなった気分だな」

アポロの表情は少し楽しげだ。
アイリに怒られて泣いていた頃の彼はどっかにいったらしい。
今はアイリのために、そして何より楽しむために、小鳥探しをしたいようだ。


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あんみつ@GMより

ヴェンデルベルト進行です。

【分類:道具】【シュガーの餌】を登録しておきます。
ヴェンデルベルトは受け取っていくことができますね。

一時的にアポロが予言の力を発動します。
詳細はアーリーバードの頃と同じです。

5番街にはいろんな人がいます。
お好きな行動をどうぞ。

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/05/23 20:17:40] 
 

小鳥の餌を貰って、アポロ君と5番街を歩く。

「アポロ君?」

そうする内にアポロ君の様子が少しおかしいことに気が付いた。どうしたのかと顔を覗き込んでみれば、瞳が赤く見える。
勘違いかと思って目をしばたかせてもう一度見てみるが、確かに赤かった。

「白い......大きな鳥......」

そう言った彼はどこかここでは無いところにいるようで。ここでは無い世界のものの様で。

「ん、どした......ヴェン?」

けれど、声をかけようとした瞬間、元に戻ってしまった。

「いえ、何でも」

問いかけようかと思ったが、さっきまでの自分の様子を自覚していなさそうな彼に躊躇する。

「とりあえず聞き込みでもしよーぜ!
 へへ、ちょっと探偵にでもなった気分だな」

「えぇ、そうですね。そうしましょうか」

気を取り直して5番街を広場へ向かって歩く。
通りすがりの人々に白い小鳥を見なかったか聞きながら。

しかし、大きな鳥とはどういうことだろう。探している鳥は観賞用の小鳥のはずだが。
そして、アポロ君は何者なのだろうか。

「さて、どこへ行きましょうか。気になるところはありますか?」

広場までたどり着いて、きょろきょろとあたりを見回す。この広場は街の中心だ。ここからならばどこへでも行ける。

「その前に私達も腹ごしらえをしますか?」

小鳥も、そろそろ腹を空かせる時間だろうか。籠の鳥は餌を捕る事が出来ないと聞く。早く見つけてやった方が良いだろう。



進行日勘違いしてましたすみません!

5番街の通行人や庭に出てる人とかに尋ねながら中央広場へ!

 GM(あんみつ) [2016/05/23 21:53:25] 
 

ヴェンデルベルトは5番街で小鳥を見た人がいないか尋ねながら歩いていく。
だが、残念ながらその手応えは芳しくない。
大体の者は家から出てきたばかりで、外の鳥の姿など見てはいないのだ。

――とりあえずヴェンデルベルトとアポロはそのまま奏での広場に向かうことにした。
お昼前の広場にはベンチに腰掛けて他愛ない会話を交わしている人たちの姿が見える。
噴水際に腰掛けて涼んでいる人の姿も見えることだろう。

「今日、あそこの劇団を見に行くのよ。
 なかなかチケットが取れないからラッキーだったわ」

「最近流行りの可愛い踊り子いるじゃん?」

「蕾の美術館の今のテーマって鳥だっけ?
 まだ、見に行ってないんだよなー」

「さっき、4番街でさ。
 銀髪の男の人に声をかけられちゃったんだ!」

「エリックさんって言うルキスラの作家さんが着てるそうよ」

ちなみに聞こえてくる会話はこんな感じだ。

>「さて、どこへ行きましょうか。気になるところはありますか?」

今いる場所はこの街の中央。
ここからならどこへでも行けるだろう。
アポロはヴェンデルベルトに習って周囲の様子をキョロキョロと見回していく。

「んー、本当なら......6番街に行きたかったんだけどな。
 あそこ、おれのひみつき......。
 ううん、なんでもないぜ、ひみつきちなんかどこにもない!」

アポロあ北西の方角を見ながらつぶやいたかと思うと、急に焦りだした。
子供らしい短絡的な態度とも言えるが、それが可愛らしさとも言えなくもない。

>「その前に私達も腹ごしらえをしますか?」

ついでにお昼前ということもあり、アポロに声をかけると。

「お、おれはアイリの小鳥を見つけるまで我慢するぞ!」

そう口では言いながら、お腹の虫をグーと鳴らす。
体は正直というやつだ。

広場から少し出た大通りには、歩きながら食べやすいものも売られている。
広場自体にもここからが稼ぎ時だからか......。
サンドイッチやクレープをを売る移動式の屋台が準備を始めている。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。

5番街ではこれといった情報が手に入りませんでした。
現在は6番街に移動しております。

お次の行動をどうぞ。
軽い食事でしたらご飯を食べてから移動しても構いません。

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/05/25 23:02:37] 
 

中央広場はやはり賑やかだ。出店もいくつか出ていて、そこかしこから良い香りがしている。

「お、おれはアイリの小鳥を見つけるまで我慢するぞ!」

アポロ君はそう言ったけれど、その身体は正直だ。子供は一度に食べられる量が少ないのだし、これから成長するのに栄養が必要なはずである。
それに私は少々お腹が空いており、手元にはそこに売っている美味しそうなサンドイッチを買えるだけの余裕があるのだった。

「アポロ君、そこのベンチでちょっと待っていていただけますか?」

そう言って私は一人前に少し多い量のサンドイッチと飲み物を2つ買い、アポロ君の所へ戻る。

「アポロ君、実は私、小食でして。半分食べていただけませんか?」

何せ、私は人間の子供以下の体躯なのである。説得力は十分のはずだった。


◇ ◇ ◇


もぐもぐとスモークされたハムと薄く焼いた卵のサンドイッチを食べながら、私は懐のカードを思い出した。
小鳥を探す当てはさっぱり無い。どこへ行ったかと言う予測も立てられない。

こういう時に頼りになりそうなものが、『占い』と言うものなのではないだろうか。

「アポロ君アポロ君。ちょっとこのカード、1枚引いてみてくれませんか?」

ミスティックのカード。そう言えば自分を占うより、人を占った方が効果が高いのだ。
今いるのは街の中央なので、これで行くべき方向が分かるならしめたものである。


と言うわけでアポロ君のラッキー方向を占ってそっちに行きましょうぞ!(GMに丸投げともいう)

22:59:22 柑橘@ヴェン 幸運の星の導きを知る アポロ君のラッキー方向はどっちだ!? 2d+5+2 Dice:2D6[4,3]+5+2=14

代償はHP-9で!

 GM(あんみつ) [2016/05/25 23:37:26] 
 

ちょっと我慢している様子のアポロを見て。

>「アポロ君、そこのベンチでちょっと待っていていただけますか?」

ヴェンデルベルトはアポロを待たせている間に自分の分の昼食を買いに行ったようだ。
勿論紳士的に一人分にしては少し多い感じに買い込んで。

>「アポロ君、実は私、小食でして。半分食べていただけませんか?」

そしてさりげなくアポロに彼の分を手渡す。
アポロは自分と同じように小さなヴェンデルベルトの体を眺めて。

「あんまり食べられないのにいっぱい買うなんてバカだなー。
 しょうがないから、おれがちょっと食べてやるよ!」

口では仕方なさそうに言いながらも、一度口をつけるとガツガツと食べていく。
食べたい盛りの男の子なのだから当然か。
彼の分はあっという間に平らげてしまっていた。

「はー、うまかった。
 ヴェンがドジったおかげでいいもの食えたぜ」

満足そうな彼の様子を見る限り。
ヴェンデルベルトのささやかな気遣いには気づいてないようだ。

   *   *   *

サンドイッチをもぐもぐと食べながら。
ヴェンデルベルトはあることを思いついた。

>「アポロ君アポロ君。ちょっとこのカード、1枚引いてみてくれませんか?」

それは......占いである。

「え、何? 
 てきとーに引けばいいの?
 ――じゃあ、これ!」

お先に食べ終わって少し眠たそうにしていたアポロは。
ヴェンデルベルトの広げたカードの中から一枚を引き抜いた。
そのカードを見てヴェンデルベルトが読み解くことができたのは、6という数字。
コンチェルティアにおいて6と聞いて思いつくのは一つしかないだろう。

   *   *   *

「こっちの方がいい感じなんだっけ?」

ヴェンデルベルトがアポロを連れてやってきたのは6番街である。
この街で最も彩りが鮮やかな場所である。

今も鳥をテーマにした作品群が美術館に飾られているようだ。
一際目立つのは大きな白い鳥の像だろうか。

像の前には二つの人影がある。
一つはやや身長が低めの青髪の青年。
もう一つは青年より頭一つ分背が高い赤髪の女性だ。

「......鳥っていいわよね。
 空が飛べて、そして自由で」

女性が白い鳥の像を見ながら呟く。

「ヴォイスさんみたいなこと言ってどうしたんですか?」

「ううん、なんとなく言ってみただけ」

二人は他愛ない会話をしているようだ。

「まあ、自由がいいものだっていうのは同意しますよ。
 僕らがそういうものを手に入れるには根性が必要ですから」

「ただ、さっきの鳥には驚いたわ。 
 あれは展示品じゃなくて本物だったのね」

「ああ、さっきの白い鳥。
 ヴォイスさんについて行っちゃいましたけど」

二人はどうやらここでさっき鳥を見たらしい。
それも白い色をした鳥を。


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あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。

ご飯代で合わせて15ガメル程減らしておいてください。

占瞳の結果は「6」という番号がわかりました。
なので6番街に来ております。

他の部分はお好きにどうぞ。

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/05/25 23:48:54] 
 

「こっちの方がいい感じなんだっけ?」

「はい、そうですね。おそらくは」

占いの結果は『6』であった。ちょうどアポロ君の秘密基地があったりなかったりする方向で、進んでいた方向でもあった。

この街の6番街は、どうやら一番華やかな場所のようだ。今は『鳥』をモチーフにした美術品が多く展示されているらしい。
もっとも、私達が探しているのは彫像や絵画ではなく、生きている小鳥なのだけれど。

展示品に視線を奪われながらも、道を進んでどのくらい来ただろうか。腹ごしらえをした結果、その歩みはスムーズである。

「......鳥っていいわよね。
 空が飛べて、そして自由で」

鳥が空を飛べるのはその通りだが、彼らは彼らで大変なのである。体を軽くするための進化の過程などは、涙なしでは語れないのだ。
その二人が気になったのは、それがきっかけである。

「まあ、自由がいいものだっていうのは同意しますよ。
 僕らがそういうものを手に入れるには根性が必要ですから」
「ただ、さっきの鳥には驚いたわ。 
 あれは展示品じゃなくて本物だったのね」
「ああ、さっきの白い鳥。
 ヴォイスさんについて行っちゃいましたけど」

おや?この二人はもしかして。アポロ君の肩を叩き、二人の方へ歩み寄って話しかけた。

「申し訳ありません、会話が聞こえてしまったのですが、お二人は白い小鳥を見たのでしょうか?
 このアポロ君が実はスノーホワイトと言う真っ白な小鳥を探していまして。
 良ければお話しを聞かせていただけませんか?」

ヴェイスさん、と言う人がどんな人かも分からないし、この二人が見たのが探している小鳥かは分からないが。
やっと手がかりを得られる期待に胸が膨らむのも仕方のないことであろう。



アポロ君を前面に押し出して。話を聞きましょう!

食事代としてサンドイッチと飲み物で20G減らします!

 GM(あんみつ) [2016/05/28 19:58:27] 
 

>「申し訳ありません、会話が聞こえてしまったのですが、お二人は白い小鳥を見たのでしょうか?
> このアポロ君が実はスノーホワイトと言う真っ白な小鳥を探していまして。
> 良ければお話しを聞かせていただけませんか?」

美術館の前で話をしていた二人。
そこにヴェンデルベルトが入っていくことにしたようだ。
ちゃんとアポロの方を軽く叩いて向かうように合図してから。

「僕らの話ですか?」

まず反応してくれたのは青髪の彼だ。
素直で生真面目なタイプであるらしい。
もう一人の赤髪の女性は、少しだるそうだ。

「鳥についてですよね。
 はい、確かに僕たちはここで生きた鳥を見ました。
 あの鳥のオブジェクトみたいに真っ白な色のものを」

最初のヴェンデルベルトの問いかけには素直に答えてくれた。
彼らは、この6番街で白い鳥を見たらしい。

「ただ、その鳥はだいぶ前に飛んでいってしまっていて。
 正確に言うと僕らの仲間であるヴォイスについていってしまったらしくて。
 たまたまヴォイスが鳥の餌にもなる豆を持っていたから......。
 ついて行ってしまったのかもしれません」

青髪の彼曰く、ヴォイスという知り合いにその鳥はついて行ってしまったようだ。
偶然にも鳥の餌ともなりうる豆の類を持っていたからかもしれないとか。
シュガーは確かそろそろご飯の時間であったはずである。
ついお腹がすいて食べてしまったのかもしれない。

「あの鳥......スノウホワイトでしょう?」

青年が説明している中で、急に入ってきたのは。
気だるげな赤髪の女性の声だった。
少し低めの大人びた艶やかな声である。

「基本的に性格は臆病。
 ただ白いものに惹かれやすい性質がある。
 ヴォイスは白い大きなフードの付いたマントを羽織っているの。
 餌のこともあるし、親とでも勘違いしてるんじゃない?
 所詮鳥なんて......頭よくないだろうし」

先ほどイリアと話した時にも聞いた白いものに惹かれるという特徴。
それが今回ヴォイスについて行った現象の理由なのかもしれない。
ついでに彼の特徴を聞けたことで、少し探しやすくはなっただろうか。

「もう話は終わりでいいかしら?
 ヴォイスは南の方角に向かっていったはず。
 それ以上はわからないわ」

赤髪の女性はヴェンデルベルトに確認する。
これはまだ質問があるなら答えるという態度からではなく。
もう用がないならさっさと終わりにしたいという気持ちから来ていそうだ。

二人はどうやらここでさっき鳥を見たらしい。
それも白い色をした鳥を。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。

幾つかの情報を聞くことができました。
迷惑そうな態度こそとっておりますが、
追加で質問などあるようでしたらご自由にどうぞ。
少なくとも青年の方は答えてくれることでしょう。

またお次の行動などあるようでしたら、宣言しておいてください。

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/05/31 23:27:07] 
 

白い鳥を見かけたという彼らの話をまとめるとこうである。

スノウホワイトと思われる白い鳥が、彼らの仲間であるヴォイス、という人物について南へ行った。

初対面の人間に、いくら白い服を纏っていたとはいえ、いくら餌となる豆を持っていたとはいえ臆病で知られるスノウホワイトがついて行くだろうか。
実は懐きやすい性質であったのかもしれないが、そうであれば何故窓から逃げ出したのか。何に驚いたのか、それとも何かに呼ばれたのか。

謎が謎を生んでいる気がするが、今はこの情報を追ってみるしかないだろう。

「アポロ君、そう言う事らしいので、私達も南へ向かう、と言うことでよろしいですか?」

あくまでも、決めるのはこの子供である。決定すべきはアポロ君であろう。
そうして、方針を決めてから情報をくれた二人に向き合い。

「お話し、ありがとうございました。宜しければヴォイス、と言う方のことをもう少しうかがわせてください。
 恰好は白いフードのついたマント、と言う事でしたが、他に何か特徴はありますでしょうか?
 髪の色や背格好、瞳の色、持ち物など不都合が無ければ教えていただきたいのですが」

私はよろしくおねがいします、と腰を折った。

2人が小鳥を見かけてから時間が経っているようだから、シュガーを直接発見する事はかなわないかもしれない。
ならば、せめて小鳥がついて行ったというヴォイスさんを確実に発見したかった。


最終決定はアポロ君に!
ヴォイスさんを探すことになったら情報もう少しもらって南へ行きましょう!

 GM(あんみつ) [2016/05/31 23:55:44] 
 

>「アポロ君、そう言う事らしいので、私達も南へ向かう、と言うことでよろしいですか?」

ヴェンデルベルトはひとまずアポロの意志を確かめるつもりのようだ。
どうやら彼の意向に従うつもりらしい。

「え、おれが決めるの?
 うーん、南の方にいったかもしんないんだろ?
 だったらさ、おれたちもいこうぜ!」

急に話を振られて若干戸惑ったような様子こそ見せたものの。
単純に考えて南へ、つまり5番街の方角へ行きたい旨を告げる。

>「お話し、ありがとうございました。宜しければヴォイス、と言う方のことをもう少しうかがわせてください。
> 恰好は白いフードのついたマント、と言う事でしたが、他に何か特徴はありますでしょうか?
> 髪の色や背格好、瞳の色、持ち物など不都合が無ければ教えていただきたいのですが」

またヴォイスなる人物の特徴についてさらに問うてみると。

「あ、ヴォイスさんの特徴ですか?
 うーん、まあ、その......そうですね」

若干言いにくいのか。
青髪の青年は少し歯切れの悪い対応で返したあと。

「背はそれなりに高めです。
 髪の色は白ですが、おそらくフードをかぶっているので見えにくいかと。
 瞳の色は......茶系統でしょうか。
 持ち物についてはおそらく弦楽器の入るようなケースを持っているかと思います」

それなりにヴェンデルベルトの質問に答えてくれた。
弦楽器のケースを持っているとのことだから、演奏家なのだろうか。

   *   *   *

そうしてヴェンデルベルトとアポロはぐるっと回って5番街へと戻ってきた。
さて、南の方角へと向かったというヴォイスとそれについていった鳥であるが。

果たしてすぐに見つかるだろうか。

「アイリ、帰ってきたのかな。
 まだ見つけられてないし、怒ってるかな......」

アポロは自分たちの家――つまりアイリの家がある方向を見ながら、ぼそり呟いた。
アイリのことをつい考えてしまうからか。
先ほどまでに比べると若干気弱である。

「ヴェンもごめんな。
 関係ないのに、こんなについてきてもらってさ」

ついでにここで出会ったヴェンに対して言葉をかける。
彼なりにヴェンのことを気遣っているのだろう。

「シュガー......ヴォイスって人のところにいるのかな。
 ちゃんと見つかればいいんだけど」


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。

さらに幾つかの情報を入手することができます。
その上でアポロと一緒に5番街まで移動することとなりました。

次回のイベントを決定する上で、2D6のダイスをお振りください。

他の部分についてはご自由にどうぞ!

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/06/03 21:21:18] 
 

「え、おれが決めるの?
 うーん、南の方にいったかもしんないんだろ?
 だったらさ、おれたちもいこうぜ!」

「鳥を見つけて、アイリ嬢に許して貰いたいのはアポロ君でしょう?
 でしたらアポロ君が決めないといけませんよ。私はただのお手伝いです。
 はい、では南へ行きましょう」

私のこれは暇に飽かせたただのおせっかいであり、報酬を約束されているものではない。
言ってしまえば、私は鳥が見つからなくても全く問題はないのである。

追加で聞いたヴォイスと言う人物の特徴は

・背は高め
・髪は白
・フードを被っている
・瞳は茶系
・管楽器の入るようなケースを持っている

とのこと。ふむふむと頷いて一礼し、2人とは別れた。


◇ ◇ ◇


「ヴェンもごめんな。
 関係ないのに、こんなについてきてもらってさ」

「いえいえ、アポロ君と私は一緒にサンドイッチを食べた仲ではないですか。
 つまりは友人でしょう。関係ならもう出来ましたよ」

何やら愁傷な態度になったアポロ君はどうにも可愛らしい。慰めるように頭を撫でるのに、私の方が背伸びをしなければならないのがつらい所だ。

「シュガー......ヴォイスって人のところにいるのかな。
 ちゃんと見つかればいいんだけど」

「見つかりますよ、大丈夫」

諦めて探すのを止めなければ、であるが。


さて、スノーホワイトを探すにあたって、一つの疑念が浮上してきた。
もしかして私達も、白いローブを被った方が良いのだろうか?


もしかしてアポロ君がまっ黒な服装をしていたから小鳥が驚いて逃げだした可能性がかもしれませんな!(ない
5番街に行く途中で衣料品店なぞありますでしょうか!白いローブはおいくらで売ってますでしょうか!

21:20:06 柑橘@ヴェン 指定ダイス 2d Dice:2D6[2,4]=6

 GM(あんみつ) [2016/06/03 22:37:51] 
 

>「いえいえ、アポロ君と私は一緒にサンドイッチを食べた仲ではないですか。
> つまりは友人でしょう。関係ならもう出来ましたよ」

ヴェンデルベルトはそう言って、アポロの頭を撫でようとする。
身長の関係上ちょっと不格好ではあるが。
それでも気持ちは伝わるものだ。

「そっかー、おれとヴェンは友達かあ......へへ」

ちょっとアポロは嬉しそうだ。
ヴェンデルベルトに触られる感触がくすぐったくも暖かくて気持ちいいのだろう。

「じゃあ、もっと友達になったらおれの秘密基地にあんないしてやるよ!
 おれ以外はアイリにしかまだ教えてないんだぜ?」

   *   *   *

ヴォイスを探し求めて5番街を二人が歩いていると。
一軒の服屋の姿が見えるだろう。
あまり派手すぎない程度の看板を出している。
おそらく地域に密着しているタイプの店なのだろう。
タビット用とはいかないかもしれないが......お洒落な子供服なら揃っている。
探せば白い色のローブだって見つかることだろう。
値段も一般住民が対象だからかお手ごろだ。

   *   *   *

「うーん、いないなあ」

アポロがキョロキョロと周囲を見渡すが。
シュガーどころか楽器を背負った白い服を着た男の姿すら見つからない。
更に南の方へとしまったのだろうか。

「もう5番街にはいないのかなあ。
 ――ヴェンは見っけた?」

アポロが尋ねてくるが。
確かにヴェンデルベルトの目にも見つからなさそうだ。

「うーん、思ったより動くの速いのかな。
 おれたちも走ってこうぜ!」

5番街ではそれなりの人数が行き交っている。
少しくらいヴォイスの行方を知っている者がいるかもしれない。

もしくはアポロの言う通り適当に手がかりも無く探し走り回ってみようか。
それはそれで見つかるかもしれない。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。

ダイスや行動その他の結果から、ヴォイスと合流することはできませんでした。
どうやら5番街にはもういないようです。

白いローブについては服屋で購入できます。
とりあえず10ガメル出せばそれなりのものは買えるでしょう。
もっと高いものが欲しければそれ以上出せば買えます。

ヴェンデルベルトは次の行動を選択してください。

具体的なものは以下の2つです。

・ヴォイスの行き先を訪ねてからその方向へ向かう
・あてもなく街を走って移動してみる

どちらの行動をとる場合も2D6のダイスを振っておいてください。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!

他の部分についてはご自由にどうぞ!

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/06/06 22:34:25] 
 

「あぁ、そうだ」

服屋の看板が見えて、私は思いついたことがあった。
白いローブの人について行ったなら、私達も小鳥を捕まえるなら白い服を着ていた方が良いかもしれない。

「ちょっとお待ちくださいね」

アポロ君に一声かけて、私はその服屋に向かった。
おあつらえ向きにそこにはお手頃価格の服が売っていた。

店員に声をかけて、私が着れそうなものと、アポロ君、少年用の白いフード付きローブを買う。
手がかりが少ない以上、思いついたことは何でもやってみるべきだろう。

「はい、アポロ君。私達も白い恰好をしてみましょうね」

アポロ君の所へ戻り、白いローブを渡して。さて、小鳥探索再開と行こうか。


◇ ◇ ◇


「うーん、いないなあ」

楽器を持っているという位だから弾き語りでもしているのかと思ったが、そんな人物は見かけない。

「もう5番街にはいないのかなあ。
 ――ヴェンは見っけた?」

「いいえ、アポロ君の言う通り、どうやらこの辺りにはもういないようですねぇ」

小鳥をくっつけたまま歩き続けているのだろうか。童話にそんな話があった気がする。

「うーん、思ったより動くの速いのかな。
 おれたちも走ってこうぜ!」

「そうですね、それもいいかもしれない。けれど、その前にちょっとだけ方向を定めましょうか」

闇雲に走り回るのは子供の特権で、それはそれで楽しそうなのだが。

「すみません、この辺りで白いローブを着て弦楽器のケースのようなものを持った人を見ませんでしたか?」

折角人がいたのだから、話を聞いてみることにしよう。
走るだけなら、いつでもできるのだから。


・ヴォイスの行き先を訪ねてからその方向へ向かう

を選択します!そして走る!!
22:34:01 柑橘@ヴェン 指定ダイス 2d Dice:2D6[6,5]=11

 GM(あんみつ) [2016/06/06 23:31:28] 
 

>「ちょっとお待ちくださいね」

ヴェンデルベルトは5番街で見つけた服屋に寄ることにしてみた。
どうやらお目当ては白い服のようだ。

白いものに惹かれる癖があるらしいため。
もしかしたら効果があるかもしれない。

>「はい、アポロ君。私達も白い恰好をしてみましょうね」

ヴェンデルベルトとは自分の分だけでなく、アポロの分も買ってきた。

「おれも、これ着るのか?
 なんかおそろいみたいで恥ずかしいや」

そう言いながらもちゃんと白い格好をしてくれる。
それに口ではああ言うが意外と笑顔だ。
友達と似たような格好をするのは照れくさいかもしれないけど、嬉しいんだろう。

   *   *   *

5番街には残念ながらヴォイスとシュガーの姿はなかった。
次にどこをどう目指すか。
ヴェンデルベルトが手がかりにしようとしたのは、人からの情報だ。

>「すみません、この辺りで白いローブを着て弦楽器のケースのようなものを持った人を見ませんでしたか?」

近くを歩いていた壮年の男性に声をかけてみれば......。

「ああ、それなら私も見たよ。
 確か南の方、4番街に向かっていったなあ」

というような情報を入手することができる。

「4番街の方に行ったんだな!
 じゃあ、行くぜヴェン!
 ダッシュ、ダッシュ、ダーッシュ!」

情報を聞けばすぐにアポロは走り出す。
子供の足だからそれなりに追いつけるだろう、頑張れば。

   *   *   *

二人は4番街までそのまま駆け込んでくる。
アポロは全力を出しすぎて行きも絶え絶え、ヘロヘロだ。

「は、はぁ......シュガ......いるか、な......はぁ」

ひとまず息を落ち着かせ。
4番街を適当に探してみると。
うっかり劇場街のメインロードからは外れてしまう。

だが、そんな4番街の裏道で。
二人は白い色のシルエットを見つけた。
背中には弦楽器のケースがある。

「あ、もしかしてあれじゃないか!
 おれ、声かけてくるぜ!」

アポロは一直線に走り出した。
きっとその動きはヴェンデルベルトより早いだろう。

「あのさ......って、あああ!」

彼に話しかけようとしたアポロであるが。
突然おっきな声を出す。

近づいてみればすぐにわかるはずだ。
彼のそばに白い色の鳥が隠れていたのだ。
見た目からしてスノウホワイトらしい。

そして近づいてみればもう一つ気がつくかもしれない。
彼は人ではない、ナイトメアでもない、人に紛れる姿をしたものだと。

「俺に......何か用があるのか......?
 それとも用があるのはこいつか?
 少しだけ困ってたんだ、なぜか知らないけどついてくるから。
 白い格好で......俺にも翼があるからかもしれない」

白いフードをかぶった青年はアポロに語りかける。
勿論ヴェンデルベルトが傍にいれば彼にだって。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。

ダイスや行動の結果。
白いフードの青年と白い鳥が一緒にいるのを見つけます。

真偽判定14以上を出せば、彼がただの人族ではなさそうな予感がします。

他の部分についてはご自由にどうぞ!

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/06/09 21:17:54] 
 

見つけるのはどちらが早かっただろう。少なくとも、声をかけたのはアポロ君の方が早かった。

「あのさ......って、あああ!」

「どうしましたか、と。良かった。見つかりましたね」

先ほどの二人が行っていた風体の人物のそばに、小さく白い影を見つけた。
アポロ君のこの反応からして、これがシュガーなのだろう。

ほっとしながらそれに近づけば、人影に違和感を感じる事になった。
人ではない。リルドラケンやナイトメアでも、ましてやシャドウやヴァルキリーなどでもなかった。

「俺に......何か用があるのか......?
 それとも用があるのはこいつか?
 少しだけ困ってたんだ、なぜか知らないけどついてくるから。
 白い格好で......俺にも翼があるからかもしれない」

その声は、知性的で、困惑が見えるがそれでも落ち着いている。

「翼を、お持ちなのですか。良いですね」

白いフードを被っているので、顔はあまり見えない。覗き込むのも失礼であろう。
人の形をしていて、翼のある種族など私はドレイクしかしらないが、けれど私の耳も尻尾も、髭ですら反応をしていないのだから、ヴォイスと呼ばれたこの人物は危険ではないのだろう。
私は私の第六感を信じている。

「はい、私達はその小鳥を探していたんです。有難うございます。
 アポロ君アポロ君。見つかりましたよ、良かったですね。
 とりあえず迷子のシュガーには鳥かごに入って貰いましょう?」

まずは、目的を果たそうか。翼が見たい、という私の好奇心を満たすのは、その次でいいはずだった。


鳥かごの許可有難うございます!
どこまで進めて良いか分からなかったのでとりあえずここまで!

この後は
・シュガーを鳥かごに入れる
・アポロ君にアイリちゃんの家まで1人で返しに行ってもらう
・↑の後をつけて無事に帰れるか見守る

みたいな行動をとろうかなと思っております!
しかしヴォイスさんの翼!見たい!触りたい!(ノシU*´ω`)ノシワキワキ

 GM(あんみつ) [2016/06/09 22:47:04] 
 

>「翼を、お持ちなのですか。良いですね」

白いフードをかぶった彼。
その彼から人ならざる空気感を憶えながらも。
ヴェンデルベルトはとりわけ警戒した様子を見せなかった。
本能的な危険を感じなかったからであろうか。

「翼と言ってもこの鳥のように自由に羽ばたけたりはしない。
 むしろ俺を縛りつける呪いのようなものさ。
 普通に考えたらいいものではないだろう。
 ――だが、この翼のお陰で俺は戦い抗うことも覚えた。
 そう考えれば、悪いことばかりでもないか」

最初の方はヴェンデルベルトに答えているような体であったが。
途中からはむしろ考えていることを口に出しているだけのようだった。
あまり人付き合いが得意なタイプではないのだろう。

そんな彼がもしかしてこの鳥に用があるのかと聞いたから。

>「はい、私達はその小鳥を探していたんです。有難うございます。
> アポロ君アポロ君。見つかりましたよ、良かったですね。
> とりあえず迷子のシュガーには鳥かごに入って貰いましょう?」

ヴェンデルベルトは素直に応じ。
アポロにシュガーを鳥かごに入れてはどうかと勧める。

「そ、そうだな!
 また逃げられたら困るし、さっさと入れちゃおうか。
 行くぞー、それ!」

ヴェンデルベルトの言葉を聞いて気がついたアポロは鳥かごになんとか入れようとする。
アポロにヴェンデルベルトが手を貸せば、ずっと早く中に入れることに成功するだろう。

   *   *   *

何度目かの挑戦の果てに。
シュガーは鳥かごの中に無事入る。

「よっしゃー、やった、やったぜ!
 行くぜ、ヴェン、ハイタッチだ!」

アポロは全身で喜びを表現している。
ヴェンデルベルトが気持ちに応えて手を挙げれば。
ビシッとハイタッチを痛いくらいに決めてくれるだろう。

「――そうか、本当にその鳥を探してたんだな。
 だったら悪気はなかったといえ、そいつを連れて歩き回るのは良くなかったな。
 お詫びの品にこいつを......いやお詫びにはならないか。
 俺たちとあまり関わらないほうがいいかもしれない。
 まあいいか......とりあえず渡しておく」

白いフードで白髪の青年が出してきたのは二枚の紙。
よくよく見れば、どこかの楽団のチケットだ。
楽団名はトゥルー・ソウルズというらしい。

「要らないなら捨てるなりしてくれて構わない。 
 どうせ余ることになるだろうしな。
 じゃあ、俺は行くよ。
 音が......呼んでる気がする」

そうとだけ言うと、彼は振り返ることなく道の向こう側へと歩いて行った。

「じゃあ、あとはシュガーをアイリの家に返すだけだな!
 ほらほら、早く行こうぜ!」

姿が見えなくなったころ。
アポロはヴェンの裾を引っ張って急かす。
早くアイリの家まで返しに行きたいようだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ヴェンデルベルトルート進行です。
シュガーは無事に鳥かごに入ります。
アポロを手伝っても手伝わなくても構いません。

ヴェンデルベルトとアポロ二枚分のチケットを受け取れます。
【トゥルー・ソウルズ】について見識判定が可能です。目標値は17
成功すれば【分類:組織】に書かれている情報がわかります。

白フードが去ったあと、アポロがヴェンを急かします。
特に何事もなければ次カテゴリに移動し、アイリの家に向かうことになるかと思います。

他の部分についてはご自由にどうぞ!

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2016/06/10 00:14:33] 
 

ヴォイスと呼ばれた彼は語る。

翼など、良いものではないと。呪いのようなものなのだと。
それがあるだけでは自由に羽ばたけたりはしないのだと。

けれど、今の自分があるのはそれのお陰でもあるのだと。
呟くように、知っていたけれど意識していなかったことが口から出て来た、という様に。

人には歩んできた道がある。それは『人』でないものであろうと同じなのだろう。

「行くぞー、それ!」


「はい、任されましたよ」

アポロ君と協力して、小鳥は無事に鳥かごに入れる事が出来た。

「よっしゃー、やった、やったぜ!
 行くぜ、ヴェン、ハイタッチだ!」


「やりましたね。ハイタッチ、です」

アポロ君に合わせて両手を上げると、勢いよく打ち鳴らされた。
こちらは肉球があるので、人同士のようにパチンと良い音はしなかったが、それでも気持ちの高揚を表す事は出来ただろう。

「ヴォイスさん、本当に有難うございました」

小鳥は彼と相当に離れがたかったらしく、鳥かごに入れる際にもそれが大変役に立ってくれた。彼がいなければまたおいかけっこが始まっていたかもしれない。

アポロ君のはしゃぎようにどれだけ探していたのか察したらしい彼がこちらに差し出したのは、2枚の紙。
受け取ってみてみると、どうやらどこかの楽団のチケットのようだ。

「トゥルー・ソウルズ?」

はて、どこかで聞いたことがあったような?
私が脳内の情報を検索しているうちに、ヴォイスさんは行ってしまった。

トゥルー・ソウルズトゥルー・ソウルズ。
あぁ、そうだ。珍しい編成の楽団と言われていたはずだ。確か、ラミア、ライカンスロープ、ウィークリング、ラルヴァにドレイク。
『穢れなどに屈しない真に強い魂』を持つという自負がある5人組の楽団だ。
どうやらコンチェルティアに来ていたらしい。

「じゃあ、あとはシュガーをアイリの家に返すだけだな!
 ほらほら、早く行こうぜ!」

思い出したことに満足していると、アポロ君に急かされる。

「はい、では行きましょうか。小鳥を脅かさないようにそっと持ってくださいね。
 それからこれを」

鳥かごとヴォイスさんに渡されたチケットをアポロ君に渡して。

「お詫びついでに誘ってみては如何ですか?」

公演は夕方かららしいが、この辺りの人ならば楽団の公演に行くのは珍しくないことであろう。
保護者が必要であるというならば、自腹を切っても惜しくはない。
その程度には私はその珍しい楽団の公演を聞きたいと思っていたし、アポロ君とアイリ嬢の行く末を見守りたいと思っていたのだった。


(U*´ω`)若人はデートしたらよいでのす。

22:52:01 柑橘@ヴェン 【トゥルー・ソウルズ】 2d+10 Dice:2D6[4,5]+10=19
23:07:55 柑橘@ヴェン ドレイク! 2d+10 Dice:2D6[4,1]+10=15
23:16:04 柑橘@ヴェン ライカンスロープ 2d+10 Dice:2D6[2,3]+10=15
23:16:10 柑橘@ヴェン ラミア 2d+10 Dice:2D6[5,5]+10=20
23:16:22 柑橘@ヴェン ウィークリング 2d+10 Dice:2D6[2,3]+10=15
23:20:33 柑橘@ヴェン ラルヴァ 2d+10 Dice:2D6[4,3]+10=17