1-血と鉄と魔と
スールはカレンは勿論のこと、エクセターとフィンを連れて扉を目指す。
「えっと、突き合わせちゃってごめんなさいね。
せっかく仲間の人たちと会えたばっかりだったのに。
あと、エクセターちゃんとフィンくんだっけ。
うふふ、可愛らしい子が一緒だとなんだか元気になるわね」
スールはまずはカレンに謝って。
エクセターとフィンには改めてご挨拶だ。
カレンにはわかるがそうしているうちにどんどんと目的の扉が近づいてくる。
シンプルで小奇麗な他の部屋の扉とは違う明らかに異質な扉だ。
赤黒く、どことなく不吉な感じがする。
「この鍵を使えば、開けられるそうよ。
試してみたことはないけれど」
スールが差し出したのは、一つの鍵束だ。
その中に明らかに異質な金属で作られた赤黒い鍵がある。
まず間違いなく、この扉を開けるために使われる鍵であろう。
勿論、この鍵を使わなくとも開けることのできる可能性はある。
魔法の鍵が上手く嵌れば、きっと鍵も開くだろう。
――ちなみに、この間にポチを通して合図を送ることができたかどうかは。
カレンとフィン、そしてエクセターのみが知ることである。
* * *
「あれ、スールたちはどこ行ったんだ?」
一方客間にはフレールとミリューの兄弟。
そしてロセウスと二ェストルが残された。
こっそりポチも一緒である。
「......まさか」
ミリューは何か思い当たることがあったのか。
ちらりと二ェストルの方を見る。
「エクセターとフィンもいつの間にかいなくなってるじゃねぇか。
どこ行ったんだ?」
フレールは逆に何も思い当たる節はないようだ。
まあ、何も聞かされてないのだから仕方ないが。
「まあ、すぐに戻ってくるだろ」
どうにも楽観的なフレールに対して。
ミリューは若干何かが気になって仕方がないようだ。
おそらく、スールたちが向かった先についてだろう。
「もしかして、扉に?」
ミリューは扉に向かったのではないかと心配しているようだ。
そして実際に今どこにいるのかは、ポチがきっと教えてくれることだろう。
合図を受けてロセウスと二ェストルが扉に向かおうとするならば。
まず間違いなくついてくることであろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
最後の大詰めに至ったので、新しいカテゴリに移しました。
これからはこちらのカテゴリに投稿ください。
とりあえずいろいろ行動が錯綜してしまいそうなので一旦ここで区切ることにします。
扉はスールの鍵を使えば簡単に開けることができます。
【アンロック】や【アンロックキー】を使用するならば、目標値は15となります。
合図についてはお好きなタイミングで。
ロセウスと二ェストルもお好きなタイミングで移動なりして構いません。
扉の方まで向かうなら、フレールとミリューはついていくことでしょう。
あと予備ダイスを3つほど用意しておいてください。
既に用意してあるなら、それを使用しても構いません。
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>「それにしても、僕にどうしてそんな話をするんですか?
> いったい何が狙いなのです?
「狙い・・か、まぁ無事に幕引きをしたい と言うだけなんだけれど」
判りやすく警戒したミリューに、もう少しうまくやればいいのにとも思うけれど、
まっすぐ家族の身を案じる誠実さは好感が持てる。
どう続けたものかと思案していた所に、カレンとロセウスのやり取りが始まり
彼の気が私から大きく逸れた。
その隙にフィンから【例の扉】に向かうこと、追従のタイミングを知らせるための
使い魔のポチを預かった。
(...やぁ 今回もよろしく頼むよ?)
肩に佇む真っ白な小鳥を一撫でし、ミリューに向き直ると、彼は少々毒気を抜かれた様に
スールが城へ嫁いだ時期と、青髭の様子を教えてくれた。
「まぁ大方、君の言う様に地位も名誉もある者が 若く美しい奥方を次々に
娶ったのだから、やっかみ半分によくない噂を流した。
という所なのかもしれないねぇ.........」
―― そうであればいい。
妄執に囚われ、自身とジャンヌが守った人々を踏みにじる様な事が
起こっていないなら それが一番なのだから。
* * *
客間から静かに出て行く影を横目に眺め、細い竹の棒...
占い道具のひとつをシャラシャラと弄びながら、ポチからの
合図を待っていると、妹達の姿が見えなくなった事に気づいた
フレールが声をあげた。
>「エクセターとフィンもいつの間にかいなくなってるじゃねぇか
> まあ、すぐに戻ってくるだろ」
事情を知らない彼は、妹達はお茶でも取りにでたと考えたのだろうか、
姿を探すのを止めた、が・・
>「......まさか もしかして、扉に?」
ミリューがこちらを見るその時、肩のポチがぱさりと羽を震わせた。
「うん そのようだねぇ...フィンからの報せだ。
さて、私たちは確かめに行かねばならないのだが......
たぶん、君たちが見ておもしろい物はないと思うよ」
それでもいいなら一緒においで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
お話しが終わったら客間からスール達のいる扉の前までダッシュダッシュです。
合流してからのやり取りはみんなが来てからサブか追記かな?
【予備ダイス】
01:49:57 飛龍頭@ネス 2d6 予備ダイス1 Dice:2D6[2,3]=5
01:50:01 飛龍頭@ネス 2d6 予備ダイス2 Dice:2D6[4,3]=7
01:50:05 飛龍頭@ネス 2d6 予備ダイス Dice:2D6[5,3]=8
また付番失敗してるしー、出目低いしー、もー。
>「カレンありがとう ...うーん? 方々を歩き回っていたせいかな
> まぁしばらくここで休ませてもらえれば大丈夫だよ」
顔色が良くない様に見えましたが、ネスさんは平気だと仰います。あまり弱い所を見せない方なので言葉通りに受け取るのも危ない気がしますけど、それでもわたしはネスさんを‥仲間をちゃんと信じます。
「そう、ですか‥。わたしが言う事ではないかもしれないですけど、ゆっくりとお寛ぎくださいね」
今のわたしに出来ることは、そんなネスさんに余計な気遣いをさせないこと。そうですよね?リルズ様。
>「なになに?探検するの?
> エクセター探検好きだよっ!」
>「僕、ついて行きます。その扉の中になにがあるのか、たしかめたいと思っていたんです。
> ただ...僕たち4人だけで行動するのは......。スールさんはそうしたいでしょうけど、すこし危ないと思います。
> ロセウスさんとネスさんにも、このことを知らせましょう。
> 僕がポチをつかって合図をするので、後ろからついてきてもらえるよう、頼んできます」
さすが。お二人とも、わたしの期待に違わずに一緒に来てくださる様です。しかも後詰(と言うのでしょうか?)にロセウスさんとネスさんの事もポチさんで合図を送ると。さすがですね。
「探検‥なんですかね?確かに、わたしたちだけだと不安は隠せないかもしれません。エクセターちゃんいるからそうでもないかも知れないですけど‥」
二人とも、扉を見たことはないわけですし、その場所が近くなってもわからないですよね。
なのでわたしがフィンさんに合図しえ、そこからロセウスさんとネスさんに合図を送る、という形に落ち着きました。
スールさんの先導で、先ほどの扉まで歩きます。首尾よく、お兄さんたちには気づかれずに客間を出る事ができたみたいです。
ロセウスさんとネスさんの話術のお陰ですね。‥ロセウスさんはわたしをからかってただけの様にも思えますけど‥まだ顔が熱いです。
>「えっと、突き合わせちゃってごめんなさいね。
> せっかく仲間の人たちと会えたばっかりだったのに。
> あと、エクセターちゃんとフィンくんだっけ。
> うふふ、可愛らしい子が一緒だとなんだか元気になるわね」
「いいんですよ。わたしも気になりますし、疑問を解消できるのなら出来るうちにしちゃった方が良いはずです」
悪い方向に解消される可能性も、勿論あります。何せここは物語"青髭"の世界なのですから‥。
話しながら歩くと、目的の扉がもうそこの角を曲がると見えるところまで来ました。
わたしは、内心で「ごめんなさい」と呟きながらフィンさんの耳を引っ張ります。軽くですよ?
右の耳を2回引っ張り、目的を告げるとほぼ同時に、スールさんから鍵のお話がありました。
>「この鍵を使えば、開けられるそうよ。
> 試してみたことはないけれど」
鍵‥。フィンさんが居る以上、魔法の鍵でも問題はないはずですけど、どうでしょう?
正体の解らない不安で胸が一杯になったわたしは、スールさんの言葉に返事を返すことが出来ずに、エクセターちゃんとフィンさんをじっと見つめてしまいました。
―――――――――――――――
PL こるべっと
扉開ける前(合流前)までかな?とりあえずフィンの耳は引っ張ります。2回。持ち上げない程度にね!(ここ重要
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
20:46:16 こるべっと@カレン 2d6 予備1 Dice:2D6[6,2]=8
20:46:20 こるべっと@カレン 2d6 予備2 Dice:2D6[6,5]=11
20:46:27 こるべっと@カレン 2d6 予備3 Dice:2D6[3,6]=9
20:46:37 こるべっと@カレン よし、中々良い出目だw
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
>「えっと、突き合わせちゃってごめんなさいね。
せっかく仲間の人たちと会えたばっかりだったのに。
あと、エクセターちゃんとフィンくんだっけ。
うふふ、可愛らしい子が一緒だとなんだか元気になるわね」
「あ、ど、どうも......どうかお気になさらず......」
僕は明るく笑いかけるスールさんに、ごにょごにょとあいさつらしきことを口にして、ぺこりと頭をさげた。
こそこそと抜けだしてきた応接室をすこしふり返る。誰かが飛び出してくる気配はない。
廊下をすこしすすんで、曲がり角にさしかかったとき、カレンさんが僕の右の耳を2回、ひっぱった。
僕はすかさず、ポチに意識をとばす。
(ポチ、合図して)
これでネスさんとロセウスさんに伝わったはず。
ここにはすでにカレンさんとエクシーがいる。
それに、ネスさんとロセウスさん...それからフレールさんとミリューさんが、急いで来てくれる。だいじょうぶ。だいじょうぶ。
どっどっどっ、とはやくなる自分の心臓の脈動をかんじながら、僕は必死で自分をなだめた。
と、エクシーも僕の耳をさわってくる。なぜだかふにゃっと満足げに笑う様子に、つられて笑みがこぼれた。すこし、緊張がほぐれる。
いよいよ扉が近いようで、スールさんは僕たちに鍵を見せてくれた。
赤黒い、ほかの鍵とはあきらかにちがう鍵。『青ひげ』の物語では、この鍵に血がついて、そして取れなくなって、それを見た青ひげは、花嫁を......。
>「この鍵を使えば、開けられるそうよ。
試してみたことはないけれど」
「あ、あの!エクシーと僕、鍵あけ練習してるんです!遺跡とか、そういうところの扉を開くために...。いつもなら、こんなお屋敷の扉を開けるようなことしません。でも、も、もしかしたらその、スールさんが秘密の扉の鍵をあけたとなったら、旦那様に怒られちゃうかもしれないし......。れ、練習がてら、まず僕たちに開けさせてくださいませんか?」
できるだけ、その鍵はいまの状態でおいておきたい。血や汚れを、つけさせたくない。僕は「開錠」の魔法をつかえるし、エクシーには斥候の技術と道具がある。もしかしたら、スールさんの鍵をつかわなくても、扉を開けるかも......。
だって、お兄さんたちはほんとうに、このひとを愛しているんだ。その気持ちは僕にだってわかる。だいじな、だいじな妹で、家族なんだ。僕も、スールさんには、すこしでも危ない目にあってほしくない。
僕が急に服のすそをつかんでおおきな声をだしたから、きっとスールさんはびっくりしただろう。
曲がり角を曲がると、やっぱり赤黒い、いやな雰囲気の扉が見えた。
僕たちは扉の前に立つ。
カレンさんが、僕たちを見つめているのがわかった。きっと、彼女の気持ちも僕といっしょだ。こみあげる不安と戦っている。
「......エクシー、どうする?」
僕はちいさな声で赤い髪がゆれる耳もとにささやきかけた。アンロックキーは使ってしまったらそれきりのはず。無駄にはできない。
僕の魔法は、ふつうの鍵なら問題なく開くけれど、なんとなくこの鍵は「ふつうの鍵」だという気がしない。鍵がかけられたときに込められた力を、僕の意思の力が上回らないと開けないだろう。
成功の確信はもてないけれど......。
「......僕はスールさんに鍵を使ってほしくないんだ。危険を減らせるなら、すこしでも」
今、何もできないわけじゃないから、何かしたい。
扉からスールさんをかばう位置に立って、僕は後ろを気にした。ロセウスさんたちの気配が、感じられないかと思って。
>「エクセターがやるよ、練習したいのは本当だしね」
エクシーはくすっと冗談めかした笑みをうかべて、僕にあたりの警戒をするように告げると、鍵穴の前にしゃがみこんだ。
「エクセターがやってみます。念のためなんですが、鍵を、しっかり持っていてください。ぜったいに離さないで」
僕はスールさんにそう頼み、カレンさんにうなずいてみせた。そろそろ、ネスさんたちがこちらに向かっているはずだ。
>「...予想通り、魔法のドア...だね」
エクシーはそうつぶやいた。やっぱり、そうか...。
>「ちょっと集中するね...デバイス・エクスプローラーエイド起動」
ちいさなくちびるが短く起動のための合言葉をとなえると、マギスフィアが変形してエクシーの目もとをおおった。いくつかの魔動機文明語らしきサインが浮かんでは走り、消える。
そのまま、ほそい手がアンロックキーを押しこみ、もう片方の手がピックをあやつる。
――ガチャン。
音がした。エクシーが手をひねると、カチリ、と歯車が噛みあって回転したようだ。
>「解除完了...1分くらいかな?」
マギスフィアでできたゴーグルがもとの形にもどり、あどけない笑顔があらわれた。
僕はほうっとつめていた息をはきだす。
「ありがと、エクシー。スールさんの鍵は、使わずにすんだね」
僕はいちどエクシーの手をぎゅっとにぎって、笑いかける。うまく笑顔になっていたかはわからないけれど。
そして、扉に向かいあう。だいじょうぶ、ネスさんもロセウスさんも、かならず来てくれる。
みんながそろったら......、この扉のむこうの真実をたしかめよう。
この物語の結末がどんなものになるのか、きっと、この先に答えがある。
――PL(雪虫)より―――
とりあえず、「扉をどうやって開けよう?」の段階まで投稿し、後で追記します。(5/19追記しました)
>あまとうさんへ
扉を「アンロックキー」あるいは「真語魔法アンロック」で開こうか、というところまではご相談していましたが、どっちから試そう?ということはご相談できていませんでした。
アンロックキーは消耗品ですので、温存したいということであればフィンが「アンロック」を試します。もちろん、エクシーが先に解錠をこころみてうまくいかなかった場合も、「アンロック」を使います。
最終的にどうにもならなかったら、スールさんに開けてもらいましょう。
スケジュールがせまってきていることもあり、途中ですがエクシーに「どうする?」というところまで投稿してしまいました。すみません。
あまとうさんのなさりたいようにRPしていただけたら、それをうけて私も追記します。
よろしくおねがいします。
>あんみつGMへ
予備ダイスですが、先に宣言したものを使わせていただきたいと思います。
あらためて、こちらに貼りつけます。5/16、ダイスチャット2で振っています。
【予備ダイス】
22:06:00 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス1 2d6 <Dice:2D6[6,5]=11>
22:06:13 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス2 2d6 <Dice:2D6[5,5]=10>
22:06:21 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス3 2d6 <Dice:2D6[5,5]=10>
よろしくおねがいします。
「えっと、突き合わせちゃってごめんなさいね。
せっかく仲間の人たちと会えたばっかりだったのに。
あと、エクセターちゃんとフィンくんだっけ。
うふふ、可愛らしい子が一緒だとなんだか元気になるわね」
「よろしくね!ぶいっ」
ペコリと頭を下げるフィンとは対照的に、
右手にVサインを浮かべにっこりと微笑み返した。
キョロキョロとお屋敷を探検するように見渡しながら進む。
そうしているうちに、カレンやスールの態度が少し変わったのを感じた。
扉が近いのかな、そう思って横を見ると何故かカレンがフィンのお耳を引っ張っていた。
「?」
よくわからないけど、楽しそうだからエクセターもお耳を触ってみよう。もふもふ。
「ぽへーん」
ほっこりした。
・・・
角を曲がると、それは現れた。
赤黒く変色したような、優雅な屋敷に似つかわしくないこの扉。
おそらく、あれがそうだろう。なにか不吉なものを感じる。
「この鍵を使えば、開けられるそうよ。
試してみたことはないけれど」
フィンから聞いた青髭のお話だと、この後が大事なことだった気がする。
花嫁は好奇心に負けて、扉を開け...あるものを見てしまう。
そしてそれがきっかけで青髭は花嫁を...と言う流れだったはず。
この先で何が起きるのか、それはわからない。
けれど、このドアの先にあるものを誰かが見なければならないのだろう。
「......エクシー、どうする?」
フィンの視線を感じる。
フィンはエクセターかフィンのどちらかで鍵を開けるべきだと言っている。
これは、どちらがやるかの問いかけだ。
「エクセターがやるよ、練習したいのは本当だしね」
クスクスと冗談めいた笑みを浮かべながら、小さな声で返事をする。
辺りの注意をお願いね、とフィンに伝えた後...私は作業を始めた。
鍵穴自体は普通の構造だが、少し調べてすぐにそれが魔法のかかったものであると分かった。
通常のピックでは、こじ開けるのは無理だろう。
「...予想通り、魔法のドア...だね」
一応カチャカチャと解錠を試みるが、ピン部分が一向に動かない。
これはアンロックキーを使用する必要があるだろう。
「ちょっと集中するね...デバイス・エクスプローラーエイド起動」
スマートフォースが起動コードに反応し、ゴーグル状の視野拡張装置に変形する。
拡大表示や簡易的な分析を平行して行ってくれるため、精密な作業には持ってこいだ。
一度魔法の鍵だと分かってしまえば、アンロックキーを錠に押し込んだ後、
アンロックキー単体では持ち上がらない細かなタンブラーなどを、ピックで押し上げるだけだ。
ガチャン。
手応えがあった。すかさずアンロックキーを捻ると容易に回転し鍵が解除されたのを確認した。
効果を発揮したアンロックキーを引き抜くと、手の中でボロボロに砕けてその役目を終えた。
いずれにせよ、これで中に入ることが出来るだろう。
「解除完了...1分くらいかな?」
エクスプローラーエイドを解除し、待っていたスールや仲間たちに自慢気に振る舞った。
===================
PL・というわけでエクセターが解除します
おまたせして申し訳ないです!
*ダイス*
エクスプローラーエイドを使用 MP残り9/16 アンロックキーを使用して扉の鍵を解除 2d6+11 Dice:2D6[3,3]+11=17 アンロック完了 アンロックキー消失
予備ダイス1 2d6 Dice:2D6[6,1]=7
予備ダイス2 2d6 Dice:2D6[6,3]=9
予備ダイス3 2d6 Dice:2D6[5,6]=11
予備ダイスは引き続き。
カレンとフィンとエクセターとスールが、連れ立って客間を出る。
視界の隅にそれを確認しながら、フレールとの会話を続けた。
>「蛮族か、俺は街の傍に現れる妖魔程度しか相手したことがないからな。
> ロセウスの行った戦いがどんなものだったのか、想像がうまくできないな。
> まあ、戦争なんていいものじゃないだろうさ。
> 俺が騎士になったばかりの頃のやつもあれは本当にひどかったさ。
> ――相手は蛮族じゃない、人間同士の戦争だけどな」
おそらくそれが、ジルやジャンヌの参戦した戦であったのだろう。
人族と蛮族とのいつ果てるともしれぬ戦いとは違う、もっと、えぐい戦だ。
ありがたいことに、俺はそういった戦いには今のところ縁がない。
>「まあ、戦争とか悲惨なやつじゃなくてさ。
> なんかの退治とかでロセウスが戦ってるところを見てみたいもんだな」
「まあなあ。
なんのかんの言いつつ、ゴブリンあたりとの小競り合いが、俺達も主な仕事だからな」
そう言った、確かに危険はあるが、今の俺達にとってはそれほど危険でもない戦いであれば、共にするのは楽しかろう。
そういった、カレンが暇であり続けるだけの仕事をいつか共にしようと、笑い合う。
>「あれ、スールたちはどこ行ったんだ?」
>「エクセターとフィンもいつの間にかいなくなってるじゃねぇか。
> どこ行ったんだ?」
>「もしかして、扉に?」
>「うん そのようだねぇ...フィンからの報せだ。
> さて、私たちは確かめに行かねばならないのだが......
> たぶん、君たちが見ておもしろい物はないと思うよ」
「どれ、俺達も行くとしようか」
のそりと立ち上がり、盾と斧をその手に持つ。
その場で一つ首をひねり、この兄弟には俺達が何をしに来たのかを告げておいた方が話が早かろうかと考える。
「先ほどフレールの言っていた人間同士の戦に、ジルも参戦していたのだと思うが。
その戦でジルと共に戦っていたのが、俺達の依頼人のジャンヌだ。
ジルはジャンヌを愛していた。
――まあ、お前さん達も過去の恋愛でどうのこうのとは言うまいよ。
ジャンヌはすでにこの世にいないのだし、ジルが選んだのはお前さん達の妹なのだからな」
それにジャンヌは、彼にその想いを返さなかったのだし、と、付け加えるのを忘れない。
返さなかったのか、
返せなかったのか。
それとも、気が付きもしなかったのか。
「スールがそれについてどう思うかは俺は知らん。
夫婦の感情は生憎、三度目の脱皮からそれほど時の経っていない俺にはよくわからんからな」
......なんでかしらんがちょくちょくおっさん扱いをされるが、俺はリルドラケンにおける成人の印である、三度目の脱皮を終えたのはここ、ルキスラに出てきてからである。
故に俺自身はまだまだ若輩の域を出ないというかリルドラケンの間ではヒヨッコ扱いを受けている。の、だ、が。
まあ納得いかんのは置いておいてだな。
「ジルはどうやら、それをこじらせたらしくてな。
俺達はジャンヌから、もしもジルが本当に道を踏み外そうとしているなら、それを止めてくれと頼まれたって訳だ」
踏み外しておらず、スールとの結婚によって悔い改めたのであれば、まあ。
まあそれじゃあ、物語にならねぇよなあ。
―――――
PL;
移動しながら説明してるつもりです(つもり
扉を開ける前に近くまでのしのし行く所存!
開けた扉から魔物が出てきても全力移動で割って入れる距離まで移動したけどそれって3m以内ですよね。ハハハ。
予備ダイス三つ。ごめん、酷かった★
りん@ロセウス : よび3 2D6 → 2 + 6 = 8 (05/19-22:56:04)
りん@ロセウス : よび2 2D6 → 3 + 2 = 5 (05/19-22:55:59)
りん@ロセウス : よび1 2D6 → 1 + 3 = 4 (05/19-22:55:55)
もしかしてスールたちは今聞いた閉ざされた扉へと向かったのではないか。
そんな不安を口に出したミリューに答えたのは二ェストルだ。
>「うん そのようだねぇ...フィンからの報せだ。
> さて、私たちは確かめに行かねばならないのだが......
> たぶん、君たちが見ておもしろい物はないと思うよ」
フィンからのポチを通して送られてきた合図。
それを二ェストルは受け取ったのだ。
「......相変わらずな妹ですね」
ミリューは大きくため息。
>「どれ、俺達も行くとしようか」
そんなミリューを尻目にロセウスが動き出し。
二ェストルも共に向かっていく。
向かうまでの間、ロセウスはジャンヌとジルについて語る。
それはスールの夫であるジルがかつてジャンヌを愛していたという話。
そして......今この時でも彼の気持ちが消えていないのではないかという予想。
「ジャンヌ......その名は俺も知ってるよ。
戦争の中でその名前を口に出すのは禁止されてるがな。
ただ、最近は本当に聖女だったっていう説もあるみたいだが。
――でも本当にロセウスたちがあったジャンヌはそのジャンヌなのか?
だったら、聖女だっていうのもあながち間違いじゃないかもしれない」
フレールは戦争に出ていたから、ジャンヌの名前や噂程度なら知っているそうだ。
「それよりもロセウスたちはどこに行こうとしてるんだ?
俺さ、あんまり話についていけてなくて......」
ただそれよりもフレールは他の者たちの動向が気になるようで。
ロセウスと二ェストルに対して問いかけた。
だが、二人が答えるよりも先に動いた彼がいた。
「――僕も行きます。
杞憂かもしれませんが......それはあなたたちでも同じですよね。
何も起きないかもしれませんし。
何も起きて欲しくないと思ってます。
でも、やはり妹は放っておけませんので」
ミリューは立ち上がり、ロセウスたちについていくつもりのようだ。
「なんだ、お前も行くのか?
じゃあ俺も行かせてもらうぜ。
何があるのか正直分かんねえけどな。
一人になんのも退屈だし」
ミリューもついて行くなら当然のようにフレールも同行する気なようだ。
まあ、彼はひとりでじっとしていられる性質ではないから当然だろう。
* * *
扉を開ける鍵はスールが持っていたが。
それは使うことなくエクセターが挑戦することにしたようだ。
>「エクセターがやってみます。念のためなんですが、鍵を、しっかり持っていてください。ぜったいに離さないで」
「鍵を持っていればいいの?
わかったわ、ちゃんと持ってるわね」
フィンの言葉に頷き、スールは鍵束を固く握った。
>「ちょっと集中するね...デバイス・エクスプローラーエイド起動」
そして解除を担当することになったエクセターは、マギスフィアをゴーグル状に変形させる。
次に魔法の鍵を手にして、赤黒い錠前の開錠を試みる。
ちょうどかかった時間は一分。
>「解除完了...1分くらいかな?」
ゴーグルを元の球状に戻しながら語るエクセターは実に得意気だった。
エクセターは鍵を開けることに成功できたのだ。
「まあ、エクセターちゃんすごいのね。
その丸いボールみたいなのも不思議だわ。
小さいのにちゃんと魔法が使えるのね?」
エクセターの技術に素直にスールは感動する。
――そのまま何気ない仕草で。
「じゃあ、さっさと開けちゃいましょうか。
帰ってくる前に鍵を締めないといけないしね」
当然かのようにノブを回し扉を開いてしまう。
それだけ、この扉の奥が気になっていたということなのだろう。
* * *
スールが扉を開いて、まず一番に感じたのは嫌な......ひどく嫌な臭いだ。
生理的に受け付けない――どこか気持ちが悪くなる臭い。
ああ、これは......血の匂いだ。
「きゃ」
扉を開けたところのスールが何かを避けるようにして足を退かす。
中から何かが出てきたのだ。
液体のようだ......赤い色をしている。
そしてそれと同時に見えてしまう。
部屋の中の姿が。
それは誰が見ても惨状というべきものであった。
「いや......」
スールが一歩足を下げる。
すっと力が抜けた腕から鍵束が流れてきた血の川に落ちる。
「いやああああああああああああああ」
スールは悲鳴を上げて廊下の壁際に倒れ込んでしまう。
無理もないであろう。
部屋の中には沢山の娘の姿をしたものが吊るされていた。
全てかつては生きていた女性たちのようだが......もう生きてはいない。
その死に様は色々だ。
頭を砕かれていたり、首を切り裂かれていたり、胸を貫かれていたり。
ただひとつ共通するのは死の瞬間をそのまま留めているということだ。
おそらく魔法的な力の影響を受けているのだろう。
「スールっ!」
後ろから全速力で駆け込んできたのはフレールだ。
そのすぐ後をミリューがついてくる。
「これは......まさか......。
そんな、さっきの話は本当だと......?」
ミリューは部屋の中の様子を見て愕然とする。
彼に続いて中を眺めたフレールはひどく驚愕し......その驚きは怒りに変わる。
「なんだ、これは......。
次々と結婚した相手が消えるって聞いたが、こういうことだったのか!?
だったら、あの男はスールを......」
フレールは部屋を見て、次に恐怖に身を竦ませているスールを見る。
彼の怒りの感情がさらに高まったかのように見えた。
「行くぞ、スール。
俺たちのところに帰ってこい。
こんなところに......お前を置いていけるわけがあるか!」
フレールが声をかけてもスールの体は動かない。
無理はないだろう、ごく普通に、いや良く正しく育てられた女性には衝撃が強すぎる。
見かねたフレールはスールを抱え上げた。
「行くぞ、ミリュー。
スールを運ぶのを手伝ってくれ」
彼は他の五人には見向きもせずに廊下を進んでいった。
ミリューの方は少し冒険者たちの方に視線をやったが......。
「待ってください、兄さん......!」
フレールに声をかけてその後を追いかけていく。
* * *
さて、中を詳しくは見なかった彼らに比べて。
冒険者たちはいくつかの事実を知ることができただろう。
吊るされた骸のちょうど下にある床の部分には。
血で描かれた魔法陣がある。
それは聖女を呼び戻すというには幾分かおどろおどろしく見える。
またさらに部屋の奥にはこれまた歪で悪趣味な祭壇があり、その中央には一つの壺がある。
その壺からは黒い靄のようなものが溢れ出しているようだ。
見る者が見ればわかるだろう。
あれは悲願の壺とよばれるもの。
この壺には本来蓋があり、それを開けばどんな願いでも叶えられると言われている。
――だが、そんな虫のいい話があるわけがない。
悲願の壺は決して願いを叶えてくれる壺ではない。
むしろ強い願いを持った者の心を喰らう壺なのだ。
なぜなら、壺の中には魔神が棲んでいるのだから。
人の望みにつけ込む霧の魔神、レドルグが。
ついでにこの壺から溢れ出る黒い霧には......。
人の持つちょっとした望みを増強させる効果があるという。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行しました。
扉は勝手にスールが開けてしまいます。
知りたくて知りたくて仕方がないですからね。
酷いものを見たのでTPを1点差し上げます。
スールを連れてフレールとミリューは退場します。
おそらく入口に向かったみたいですね。
二ェストルとロセウスは好きなタイミングで登場できます。
【分類:道具】に【悲願の壺】を登録しておきます。
【分類:その他】に【壺の真実】を登録しておきます。
それぞれ見識判定の目標値は14,16です。
予備ダイスの1つ目と2つ目を使用したところ、どちらも判定に成功しています。
また、3つ目は【レドルグ】の魔物知識判定に使用したところ、
フィンが弱点まで抜いていますね。
この後の行動はお好きにどうぞ。
共に部屋を出たフレールとミリューへロセウスがジャンヌとジルの関係。
未だ未練を残し、おそらくそれが今回の禍根になっているのだろう。という
状況を手短に説明する。
>「それよりもロセウスたちはどこに行こうとしてるんだ?
> 俺さ、あんまり話についていけてなくて......」
「うぅん ざっくり説明するなら、君たちの妹御に危険が迫っている、
かもしれないから確かめに行くところだねぇ」
>「――僕も行きます。
> 杞憂かもしれませんが......
> でも、やはり妹は放っておけませんので」
「スール嬢も見しらぬ者より、兄君たちがいてくれた方が心強いだろうから
そうしてもらえると助かるよ」
あと少しという時、廊下の先 皆の待つ扉のあたりから、突然 耳をつんざく
様な悲鳴が響く。
>「スールっ!」
>「これは......まさか......。
> そんな、さっきの話は本当だと......?」
妹の声と確信したフレールが走り出し、すぐ後をミリューが追う。
「悪いほうの予感があたってしまったね...急ごうか」
* * *
>「行くぞ、ミリュー。
> スールを運ぶのを手伝ってくれ」
追いついた先ではスールを抱えたフレールが屋敷を去ろうとしていた。
>彼は他の五人には見向きもせずに廊下を進んでいった。
>ミリューの方は少し冒険者たちの方に視線をやったが......。>「待ってください、兄さん......!」
「こちらはいいから三人を頼むよ
...物語の通りなら、おそらく"青髭"が戻ってくるだろうからね」
* * *
「......覚悟はしていたけれど、酷いありさまだ」
花嫁たちは無残な死に様をそのままに部屋中に吊るされていた。
試しに手袋を外した指に血を乗せ床の魔法陣を擦ってみるが、これといった変化はない。
どうしたものかと視線を動かせば、溢れた血の川にスールが落としたであろう鍵束が沈んでいた。
「フィン済まないが何か拭うものを貸してもらえるかい?
......ありがとう」
引き上げた鍵束の血を拭い、さらに部屋の奥に足を踏み入れると歪な祭壇に祭られた壺が
黒い靄を吐き出し続けていた。
「悲願...ねぇ "希望は苦しみを長引かせる最悪の災い"と言うのは
あながち間違いではないのだろうねぇ」
願いに、希望にしがみつくことで強くなる者もいるが、
手放すことで強くなる時もあるのにねぇ。
「彼はまだ、間に合うといいのだけれど.........」
呟いて扉に鍵をかけ、屋敷の外に向かった仲間を急いで追いかけた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
戸締まりはまかせろー(バリバリー ってことで、カレン、ロセウス、エクセターは
オルドル三兄妹をお願いします。
壺と魔神の説明をフィンからしてもらって、中をざっと見たら扉と鍵を閉めて
みんなの後を追います。
【予備ダイス】
20:48:30 飛龍頭@ネス 2d6 予備ダイス1 Dice:2D6[6,2]=8
20:48:40 飛龍頭@ネス 2d6 予備ダイス2 Dice:2D6[5,1]=6
精神抵抗あるかもなので、予備ダイス振っておきます。
>「まあ、エクセターちゃんすごいのね。
その丸いボールみたいなのも不思議だわ。
小さいのにちゃんと魔法が使えるのね?」
明るく言ったスールさんはそのまま。
>「じゃあ、さっさと開けちゃいましょうか。
帰ってくる前に鍵を締めないといけないしね」
「あ、まって......!」
僕がのばした手は間に合わなかった。スールさんの手が、すんなりとノブをまわして扉を開く。
体の芯がすぅっとつめたくなる。
>「きゃ」
「スールさん!?」
スールさんが一歩足をひいた。そこに流れ出てきたのは...血液だ。
>「いや......」
スールさんは鍵を取り落とし、鍵は血の川のなかにひたってしまった。ああ、僕のミスだ。僕があずかっておけばよかったのに...。
>「いやああああああああああああああ」
スールさんは悲鳴をあげた。廊下の壁で体をささえるのがやっとだ。
「スールさん!」
僕は彼女にかけよろうかと思ったけど、いったん部屋の中をのぞきこんだ。
「うっ...うぶっ......」
たちこめる血臭。死のその瞬間の姿をとどめたまま、かつての花嫁たちとおぼしき女性たちが、無残な姿で吊るされていた。
その遺体の下には血液で描かれたような魔法陣が。
>「スールっ!」
フレールさんだ。ミリューさんも。来てくれた......。ふたりは部屋の中を見て、顔色をかえた。
>「これは......まさか......。
そんな、さっきの話は本当だと......?」>「なんだ、これは......。
次々と結婚した相手が消えるって聞いたが、こういうことだったのか!?
だったら、あの男はスールを......」
様子からみるに、ネスさんかロセウスさんが、ミリューさんに詳しく青ひげについて話したようだった。
>「行くぞ、スール。
俺たちのところに帰ってこい。
こんなところに......お前を置いていけるわけがあるか!」
そう声をかけても立ちあがれないスールさんを、フレールさんはいくぶん乱暴に抱えあげた。
>「行くぞ、ミリュー。
スールを運ぶのを手伝ってくれ」
そう言ったフレールさんは僕たちにかまわず廊下をずんずん引きかえしていく。
ミリューさんは一瞬だけど、僕たちを気にした。
>「待ってください、兄さん......!」
「ミリューさん、青ひげに気をつけて...!」
とっさにそれだけしか言えない。声は届いただろうか。
追いついてきたロセウスさん、ネスさん、それにエクシーとカレンさんの視線をかんじながら、部屋の奥、祭壇をじっと見た。ぶらぶらとゆれる遺体におもわず目をとじてしまう。
けれど、もういちど目を開く。
気味の悪い装飾がほどこされた祭壇に、一見すると価値のありそうな壷が置かれていた。デザインからしてふたがあるはずなのに、今はない。
ぽっかりと開いた口から、黒い靄のようなものが吐きだされ続けている。
「これは......『悲願の壷』とよばれるものです」
最悪だ。うつろな僕の声が呪われた部屋にひびく。
「この壷のふたを開けたものは、その不思議な力によってどんな願いでも叶えられると言われています。でも......そんなの嘘です。じっさいには、壷の中にひそむのは霧状の体をした、魔神レドルグです。レドルグはふたを開けたものを誘惑し、憑依し、望みをかなえるふりをして意のままにあやつるといいます。たぶん、今、ジルにはレドルグが憑依している状態だと思われます。この部屋のありさまも、レドルグの言いなりになったジルの手によるものと見て間違いないでしょう」
ああ、最悪の展開だ。
「黒い霧を吸いこまないでください。心にひそむ望みが不自然なかたちで増幅されるおそれがあります。下手をしたら、歯どめがきかなくなります。ジルは、『愛するジャンヌを復活させる』という強い望みを持っていたがために、魔神に心を喰われたんです」
遺体の足もとに描かれた魔法陣を見る。
「レドルグはかなり高位の真語魔法と操霊魔法を使いこなします。あらゆる言語に精通し、獲物の心につけいろうとします。弱みがあるとすれば......。その霧状の体が、純粋なマナの力に対しては比較的もろいということでしょうか」
僕はみんなをふりかえった。
「鍵は...。この部屋の鍵は、筋書き通り、血にひたされてしまいました。おそらく青ひげが、ジルがもどってきます。スールさんのもとへと。フレールさんとミリューさんだけでは、おそらく分がわるいです。でも、僕たちなら......」
みんなをまっすぐ見あげる。僕たちがみんなそろえば、きっと。
※ ※ ※
部屋に残ったネスさんと僕は、あらめて部屋の惨状をながめる。
>「フィン済まないが何か拭うものを貸してもらえるかい?
......ありがとう」
僕は息をとめたりはきだしたりしながら、ポケットから取りだした紺色のハンカチをネスさんに渡した。
「......とれますか?」
物語どおりなら、この血は絶対とれない。それを見た青ひげが殺人鬼に姿を変えるのだけれど......。
そう、筋書きがすすむより先に、きっとフレールさんたちが黙っていないだろう。
フレールさんとミリューさんにも、「壷の中の魔神・レドルグ」の話は伝わるだろうか。先行した3人がうまく話してくれるといい。
>「悲願...ねぇ "希望は苦しみを長引かせる最悪の災い"と言うのは
あながち間違いではないのだろうねぇ」
壷から流れだす黒い霧を見ながら、ネスさんが苦々しくつぶやいた。
>「彼はまだ、間に合うといいのだけれど.........」
「レドルグは、言葉巧みに獲物の希望をかきたて、そこから一気に絶望のどん底へたたきおとすことを無上の喜びとしているそうです」
僕もぽつりとつぶやく。
「みんな、心のなかに願いを持ってる......。ジルも、そうだった。これだけの人殺しをかさねて、そうまでしてもジャンヌを呼びもどしたかった。呼びもどせると、信じていた」
ぶら下がる遺体のひとつにすこし近づき、僕はそっとひざを落として魔法陣をしらべた。
「ともかく、レドルグをこのままにはできません。僕たちも、あとを追いましょう」
――PL(雪虫)より―――
壷について、レドルグについて、フィンにわかるかぎりのことはお伝えしています。
いちおう、遺体の足もとの魔法陣についても見識判定をしてみました。もちろん「ジャンヌを生き返らせる」こととはほぼ無関係だと思われますので、実際にはどういうたぐいの術がかかっているのかわかればと思います。が、出目がふるわなかったので微妙かも。
この部屋に鍵をかけて、ネスさんといっしょに先行したみなさんを追います。
【判定結果】
20:57:25 雪虫@フィン ≫ 見識判定 魔法陣 2d6+9 <Dice:2D6[2,2]+9=13>
20:57:39 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス1 2d6 <Dice:2D6[1,5]=6>
20:57:52 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス2 2d6 <Dice:2D6[6,2]=8>
>「スールっ!」
>「これは......まさか......。
> そんな、さっきの話は本当だと......?」>「悪いほうの予感があたってしまったね...急ごうか」
「まあフィンの話聞く限り、ハナから悔い改めてましたは無かろうと思っていたからな」
そうでなければわざわざ物語の中まで来る必要はあるまい。
あるまいというか、それじゃあ道化にすらならぬではないか。
「いいかよく考えろよネス。
......髭のおっさんの恋愛エピソード満載だけで終わったら、俺は、泣くぞ」
そんなつまらん本と冒険、俺は願い下げである。
カレンやエクセターなんかは好きかも知らんが、俺は冒険活劇の方が好きだ。
そもそも本なぞ滅多に読まんがな。
スールを抱え上げて、フレールが足早に屋敷から立ち去ろうとする。
>「行くぞ、ミリュー。
> スールを運ぶのを手伝ってくれ」>「待ってください、兄さん......!」
こちらを見るミリューに、俺は頷いてみせる。
行ってやれ。
おそらくそれが正しかろう。
もっとも俺は、フィンから何が行われていたのかを聞いてから追いかけるつもりだ。
フレールはスールを抱えているから、それほど速く走れはすまい。
ならば俺は無理でもきっとエクセター辺りは簡単に追いつくだろう。
無理なら俺はそこらの窓を開けて飛び出すつもりだ。
この翼は剣の加護を受けて空に舞う。ならばそれでよい。
使えるものは何でも使うのだ。俺は、冒険者だからな。
> 「鍵は...。この部屋の鍵は、筋書き通り、血にひたされてしまいました。おそらく青ひげが、ジルがもどってきます。スールさんのもとへと。フレールさんとミリューさんだけでは、おそらく分がわるいです。でも、僕たちなら......」>「こちらはいいから三人を頼むよ
> ...物語の通りなら、おそらく"青髭"が戻ってくるだろうからね」
「分かった。俺達は先に行く。
エクセター、あの兄弟に言伝だ。
屋敷を出る前に追いついて、カレンが神官であることと、スールに奇跡を行使して落ち着けた方がいいと伝えてやれ」
ジルがどこにいるのかわからぬ以上、戦端が開かれるより先にあの兄弟を確保しておきたいというのはおそらく共通の気持ちであろう。
俺が護れるのはこの腕の、体の届く範囲だけである。
三人全員まとめては難しい。
「ほらカレンも走るぞ。
ジルよりも先に、あの娘さんを救ってやらねばなるまい」
友達になったんだろう?
そう言って、カレンを追い立てる。
―――――
PL;
フィンの解説を聞いてから追いかけます。
追いかけますが、エクセターに全力疾走を要請します。
理由としては足が速いから。
そして、エクセターは二人とさっきまで一緒にいたので、二人っていうかフレールもエクセターの制止は聞くかもしれないと思うからです。
聞かなかった時のために、神官の奇跡の行使をちらつかせる。
ぶっちゃけサニティが必要なのはスールじゃなくてフレールだけどな!
22:05:05 りん@ロセウス よび3 2d6 Dice:2D6[5,1]=6
22:05:01 りん@ロセウス よび2 2d6 Dice:2D6[5,2]=7
22:04:56 りん@ロセウス よび1 2d6 Dice:2D6[5,5]=10
どんどん悪くなるぅ
開く扉、流れ出る赤黒い液体‥。そして、響くのは鍵束が床に落ちた音とスールさんの悲鳴。
ああ、しまった。何があるのかわからないのだから、扉を開けるのもわたしたちに任せてくださいね、と伝えるのを失念していました‥。というか、とても素人さんの動き方とは思えない自然さでしたね‥。
いえ、今はそんなことを考えてる場合ではありません。
スールさんが持っていた鍵束は、床に流れる血の川に落ちてしまいました。
‥これで、物語が悪い方向へ流れてしまうのでしょうか?
血液の川と共に流れ出る異臭。いえ、死臭というのでしょうか。
部屋の中はやはり、フィンさんの知ってる通りの部屋でした。
ずるずると壁にもたれてぺたんと座り込んでしまうスールさん。わたしはその傍にしゃがみこんで、なるべくスールさんの視界に部屋の中が入らないように‥と思いましたけど、どうやら気を失われた様ですね。
>「うっ...うぶっ......」
部屋を覗き込んだフィンさんが苦しそうに口を押さえています。無理もありません‥。
>「スールっ!」
>「これは......まさか......。
> そんな、さっきの話は本当だと......?」
>「悪いほうの予感があたってしまったね...急ごうか」
>「まあフィンの話聞く限り、ハナから悔い改めてましたは無かろうと思っていたからな」
まあロセウスさんの言うこともわかるんですけど、今はそんなに落ち着いてる場合じゃないでしょう!
「‥それにしても、あの壺は何なのでしょう‥なにやら良くない気配しか感じないのですけど‥」
なにやら黒い霧を吐き出している怪しげな壺。わたしがそれに気を取られていると、フィンさんが補足してくださいました。
なんでも、あの霧を吸い込むと、心の弱い人は都合の良い幻覚を見せて操ろうとする、魔神の物のようです。
床に描かれている魔方陣も気にはなります。フィンさんに心当たりがなさそうなので、どうやら一般的な魔術のものではなさそうですけど‥。
そうこうしてる内に、フレールさんとミリューさんがスールさんを運び出します。
確かに、このままここにいるよりは良いでしょう。
>「ほらカレンも走るぞ。
> ジルよりも先に、あの娘さんを救ってやらねばなるまい」
ええ、ええ。友人‥と呼べるほどなのかは何とも言えませんけど、まだ短い時間とは言え共にお茶を飲み、悩みを話し合った仲です。
「‥はい!」
わたしは、短い言葉に決意を込めてロセウスさんに返し、スールさんたちを追いかけます。
―――――――――――――――
PL こるべっと
一応魔方陣についても調べてみたり。仮にもセージのはしくれ!
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
13:36:19 こるべっと@カレン 2d6+7 魔方陣について見識判定 Dice:2D6[2,5]+7=14
13:36:26 こるべっと@カレン 微妙?期待値
13:36:37 こるべっと@カレン 予備1 2d6 Dice:2D6[4,2]=6
13:36:43 こるべっと@カレン 予備2 2d6 Dice:2D6[2,4]=6
13:36:48 こるべっと@カレン 予備3 2d6 Dice:2D6[2,1]=3
13:36:53 こるべっと@カレン おいいいいい
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
とは言え、時間も短いですし、思うような成果を得られない様でしたらスルーしてくださって大丈夫です。
魔方陣について調べるよりもスールさんたち追いかけるほうが大事ですからね!
悲鳴。床を伝って流れる赤い液体。
吊るされた女性たちが展示されているかのような室内の惨状。
ただただ、赤い。赤黒い。
ここは地獄だ。
「......あ」
スールは悲鳴を上げて倒れこみ、今は動かない。
慣れていないものには、あまりにもショックが大きいため放心状態になってしまったのだろう。
慣れていたとしても、こんなものを見て嬉しいわけがない。
いつの間にか、フレールやミリュー、ロセウスやネスもこちらに来ていた。
私は、私はどうすればいいんだろう。
こんな時、私はどうすればいいのだろう。
なぜ私は、仲間を心配するでもなく、怯えるでもなく。
部屋の奥にある祭壇の...中心にある壺から目が離せないのだろう。
...近づいて、そうだ近づいて確かめないと。
おぼつかない足取りで、前へと進む。
数歩歩いて、横から聞こえたカレンの声にハッとなった。
「‥それにしても、あの壺は何なのでしょう‥なにやら良くない気配しか感じないのですけど‥」
「ぁ...なんでエクセター...近づいて?」
訳がわからない。この惨状に動揺してしまったのだろうか。
けれど、あの壺は危険だ迂闊に近づいてはいけない。
そう思い直して、部屋にはいる直前で踏みとどまった足先を廊下へと戻す。
気が付くとスールやフレール達兄弟の姿は居なくなっていた。
外に...向かったのだろうか。
「これは......『悲願の壷』とよばれるものです」
混乱した頭に、フィンの言葉が響く。
「この壷のふたを開けたものは、その不思議な力によってどんな願いでも叶えられると言われています。
「どんな願いでも...?」
いつも一緒にいてくれた、大好きな後ろ姿が脳裏をよぎる。
どんな願いでも、というならヨークを探しだすことも出来るのか。
そう考えた...しかしフィンの続ける言葉に、そんな考えは吹き飛ぶことになる。
でも......そんなの嘘です。じっさいには、壷の 中にひそむのは霧状の体をした、魔神レドルグです。レドルグはふたを開けたものを誘惑し、憑依し、望みをかなえるふりをして意のままにあやつるといいま す。たぶん、今、ジルにはレドルグが憑依している状態だと思われます。この部屋のありさまも、レドルグの言いなりになったジルの手によるものと見て間違い ないでしょう」
魔神レドルグ。
僅かな希望をいだいて近づいた存在を食い物にする悪魔。
「黒い霧を吸いこまないでください。心にひそむ望みが不自然なかたちで増幅されるおそれがあります。下手をしたら、歯どめがきかなくなります。ジルは、『愛するジャンヌを復活させる』という強い望みを持っていたがために、魔神に心を喰われたんです」
その言葉を聞いて、自分がなぜあの壺から目が離せなくなってしまったか気がついた。
部屋に煙が充満していたということは、鍵穴から少し漏れ出していたとしてもおかしくない。
危ないところだった。
もし、自分一人だったら壺の危険性を認識できずに虜となっていたかもしれない。
自体を把握して、混迷の霧が晴れた思考の中に新たに渦巻いた感情は『怒り』。
私の心が、大きな叫びを上げようとしていた。
「人にはみんな、願いがある。
大なり小なり、そうなってほしい、そうなりたいって思う願いが、希望が。
エクセターにもある。だからこそッ許せないと思うッ!」
心に湧き上がる感情と呼応するように、真紅の髪が赤く燃えるように輝く。
だが同時に、歯車を映す青の瞳は静けさをたたえた泉のように淡い輝きを灯す。
消耗したマナが、体の中で高速で生成されていくのを感じる。
これはエーテルサーキットのリミッターを外すことにより発生する、急速回復現象。
けどリミッターを外すということは、体に決して少なくないダメージを与える事になる。
けれど、そんなことを気にしている場合ではない。
今たしかに、やらなければならないことがある。
「分かった。俺達は先に行く。
エクセター、あの兄弟に言伝だ。
屋敷を出る前に追いついて、カレンが神官であることと、スールに奇跡を行使して落ち着けた方がいいと伝えてやれ」
この場所の調査は、ネスとフィンに任せよう。二人なら安心して任せられる。
そして今、私がやるべきことは、一刻も早く彼らに追いつく事だ。
「了解!先行する!
みんなも銃声がしたら、気をつけて!」
スプリントの体勢を取り、猛烈な速度で屋敷を駆け抜ける。
兄弟はどれぐらい進んだだろうか、だがこの速度ならそう時間をかけずに追いつけるはず。
「フレール!ミリュー!
待って、エクセターも行く!」
「言ったでしょ!フレールやミリューの手伝いをするって!
守りたいものを一緒に守るって!」
二人の背中に必死に呼びかける。
「それに、スールも...一度落ち着けてあげたほうが良いと思う。
カレン...スールと一緒に居た女の人が神官だから、きっと嫌な気分を解消してくれるよ。
カレンも後ろから来てると思う、ロセウスも一緒に、何か有ったらいけないからって」
一通りのことを話して、ほっと一息をつく。
やっぱりスプリントモードは息が上がる。
「ふぅ...ふぅ...エクセターも分かんないこと多いけど。
エクセターも手伝うよ...いいかな?」
これから何が起きるか、もはやわからない。
だけれど、奴が奴が現れるような気がする。あの魔神が。
どんな困難にも対処できるよう、少しでも呼吸を整えるための軽い深呼吸を続けた。
=====================
PL・人の希望を食い物にする魔神に怒り心頭のエクセター
エクセターはロセウスの指示に従ってダッシュで兄弟の後を追います。
さらに、怒るRPと合わせてついでにHP変換でMPを満タンにしておきます。
なおエクセターは、HP変換を使うと髪と瞳が淡く発光すると言う設定が生えました。
HP変換でHP26/33 MP16/16 に変化。
予備ダイス1 2d6 Dice:2D6[6,4]=10
予備ダイス2 2d6 Dice:2D6[4,1]=5
>「ミリューさん、青ひげに気をつけて...!」
ミリューの去り際にフィンは僅かながら声をかける。
急く彼の口から言葉はなかった。
だが、ほんの少し頷いていたようには見えた。
彼らが去ってすぐフィンは、壺について知識を語った。
壺の詳細、その秘密、そして魔神レドルグ。
話を聞いている間にカレンが魔法陣を眺めてみれば、どうやら思い当たる節があった。
これは複数人の血で紋様を描くことで効果が発揮される魔法陣である。
決してジャンヌのような聖女を呼び戻す効果を持つものではない。
これは単なる魔神を召喚するためのものである。
現在の紋様の描かれ方から、あとちょうど一人分の血で完成していたようだ。
ただ現在は完成していないため、ただの悪趣味な模様でしかない。
* * *
フレールとミリューがこの場所を後にしてから少しの時が流れた。
この青い屋根の城はそれなりに広い。
まだ城から出たということはないだろう。
>「了解!先行する!
>みんなも銃声がしたら、気をつけて!」
まず全速力で二人を追いかけたのはエクセターだ。
>「ほらカレンも走るぞ。
> ジルよりも先に、あの娘さんを救ってやらねばなるまい」>「‥はい!」
その後を追いかけるのはロセウスとカレンだった。
>「......覚悟はしていたけれど、酷いありさまだ」
後に残されたのは二ェストルとフィンである。
二ェストルが魔法陣を指でこすってみても描かれた模様に変化はない。
どうやら染み付いてしまっているようだ。
>「フィン済まないが何か拭うものを貸してもらえるかい?
> ......ありがとう」>「......とれますか?」
二ェストルがフィンからハンカチを受け取って拭ってみると。
表面の血は取れたものの鍵自体に染み込んでしまった部分は拭き取れなかった。
こうした繰り返しが鍵自体を赤黒く不気味に染め上げてしまったのかもしれない。
>「彼はまだ、間に合うといいのだけれど.........」
>「ともかく、レドルグをこのままにはできません。僕たちも、あとを追いましょう」
二人は目指す物語の結末を叶えるために......。
この部屋に扉をかけて、仲間たちを追いかけることにした。
* * *
もう少しで城の玄関へとたどり着くというところで。
エクセターはスールを抱えたフレールとミリューに追いつくことができる。
>「フレール!ミリュー!
> 待って、エクセターも行く!」
走ってついてきたエクセターが声をかければ、ミリューが少しだけ振り向いたものの。
フレールは声に反応を返すことはなかった。
それだけ怒って頭に血がのぼっているということなのだろう。
>「言ったでしょ!フレールやミリューの手伝いをするって!
> 守りたいものを一緒に守るって!」
「守りたいものを......守る......」
だが、今度の言葉はフレールの動きを確かに鈍らせた。
>「それに、スールも...一度落ち着けてあげたほうが良いと思う。
> カレン...スールと一緒に居た女の人が神官だから、きっと嫌な気分を解消してくれるよ。
> カレンも後ろから来てると思う、ロセウスも一緒に、何か有ったらいけないからって」
そしてそこまでエクセターが話し終えたところで。
やっとフレールは足を止めて彼女の方へ振り向いた。
表情を伺えば、多少彼の気持ちも落ち着いたようだ。
まだ苛立っている気持ちは隠しきれてこそいないが。
「確かにスールの心は楽にしてやりたい。
あんな......あんな酷いものを見せられて普通でいられるわけがない。
......ただ、せめてこの城の外までは出させてやりたい。
こんな場所にこれ以上俺の妹を置いていくわけには行かないんだ」
エクセターの言葉を聞いて、カレンたちと合流しても構わないとのことであるが。
少なくともこの城からは出ていきたいと告げて、歩みを進める。
* * *
城の外の空気はおかしなくらい美味しかった。
緑生える丘が麓の街まで続いている。
フレールは城を出てすぐの木陰にスールを休ませた。
ミリューは二人の馬を取りに向かっていったようだ。
カレンとロセウスはそれから程なく追いつくことができるだろう。
そうすれば、スールに心の乱れを鎮める奇跡を行使することもできる。
「あいつは......!」
フレールがあるものを見つけたのはちょうどその時であった。
城を目指して丘を登ってくるのはひとりの男。
青い髭をはやしたその姿はカレン、ロセウス共に見覚えのあるものだ。
――ジル・アジュール。
青い城の主にして、あの恐ろしい部屋に鍵をかけていた人物。
彼を見つけるやいなや、フレールは彼の行く手を阻むかのように飛び出していった。
「貴様......スールに何をするつもりだった!」
ジルを睨みつけるフレールはその手を彼の剣にかけている。
「おや、貴方はフレール殿ではありませんか。
既に我が城に訪ねられてれていたとは......不在にしていて誠に申し訳ない。
――ただ、貴方のおっしゃられていることがよくわからないのですが。
私が妻に何かをするとでも言いたいのですか?」
そんな彼が急に現れたことで多少驚いたらしいジルは。
そして同時にフレールの言葉についても意味がわからないという態度をとる。
ジルのそんな様子が、フレールの心をより燃え上がらせた。
「ふざけるな!
俺は城の奥のあの部屋を見たぞ!
お前が殺してきた死体が吊られている部屋をな......。
あそこにスールも吊るすつもりだったんだろう!
――そんなことは、させてたまるか......!」
フレールは剣を抜き。
ジルを迎え撃つ準備が出来た。
だが......当のジルの様子はどうにもおかしい。
「私が......殺した......?
城の奥の部屋......?
スールを......殺す?」
ジルは何かを思い出そうかとするかのように。
一つ一つ口にして、言葉を紡いでいく。
――そして。
「う......うう......」
軽く唸り声を上げたかと思うと。
「うああああああああああああああ......!」
大声を上げて苦しみだした。
同時に彼の背中から漏れ出してくる霧。
「駄目じゃないか......。
せっかく私が毎度毎度全てを忘れさせているというのに。
まだ壊れてもらっては困るのだよ。
壊れてもらってはな......」
この正体こそが霧の魔神レドルグ。
ジルとスールたち兄妹すべての運命を狂わせようとした相手だ。
「お、お前は......何者だ......!」
戦闘態勢に入っていたフレールも突然のことに戸惑っている。
「......フレール兄さん!
これは......いったい......」
そんなところに戻ってくるのはミリューと二体の馬である。
そろそろ二ェストルとフィンもたどり着く頃であろうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行しました。
魔法陣については目標値14としたので、カレンが成功しています。
とりあえず現在のシーンとしては丘の上ですね。
ジルとフレールが対峙している状態です。
スールに魔法など使うのであればご自由にどうぞ。
【サニティ】であれば一応目標値は12としておきます。
ロセウス、エクセター、カレンは丘の上にいるので。
お好きな描写をどうぞ。
フィンと二ェストルはミリューと同じタイミングで丘の上まで来ることができます。
全て使うかはわかりませんが、念のため予備ダイスを3つ程用意しておいてください。
>「‥これは、魔神を呼び出すための物。
> 幸い、まだ未完成です。完成間近というところですが‥
> おそらくあと一人程度の血で出来上がってしまっていたでしょうね‥」
>「スールさん......」
「カレンの見立て通りなら我々は間に合った、ということなんだねぇ」
フィンの 鬱々たる感情は理解できる。
けれど今はまだ、最悪の目を引いていない。
>「......行きましょう」
「あぁ、放埒な振る舞いは終わらせないとね」
* * *
>「......フレール兄さん!
> これは......いったい......」
>「二人共!急いで馬に!早く!」
青髭の異変に怯んだフレールとミリューにエクセターが声をあげる。
>「今、レドルグはジルに憑依している状態です!
> ジルの体内から完全に切りはなさいと、こちらからは攻撃できません!」
「・・大丈夫 そのためのお土産があるじゃないか」
>「十字架......ジャンヌの十字架は......!」
話合いのテーブルに"魔神"はいらない。
早いところ退場してもらおうか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:
追いかけて合流する以外にやる事(RP)が思いつかなかったので、
とりあえずダイス結果だけおいて行きますー。
5/26 ちょこっと追記。
22:00:31 飛龍頭@ネス 2d6 予備1 Dice:2D6[4,2]=6
22:00:39 飛龍頭@ネス 2d6 予備2 Dice:2D6[5,1]=6
22:00:47 飛龍頭@ネス 2d6 予備3 Dice:2D6[2,3]=5
ちょっと低いなぁ。。
「これは‥この魔方陣は‥」
死者を呼び戻す?失われた生命を取り返す?
バカを言うんじゃありません。これは‥この魔方陣は、ただ魔神を呼び出すための物。
穢らわしく、薄汚い魔神ども。己の私利私欲のためだけに生きる下等生物。
わたしは、何かの文献で読んだことのある知識を、言葉にまとめながら皆に説明します。
「‥これは、魔神を呼び出すための物。決してジャンヌさん‥死者を呼び戻すなんてものではありませんっ!
幸い、まだ未完成です。完成間近というところですが‥おそらくあと一人程度の血で出来上がってしまっていたでしょうね‥」
少し冷静さを欠いてしまってますね‥言葉にうまくできません。ですが、きっと通じてくれるはず。
あと一人分で出来た、ということは。スールさんで完成していたかもしれないという事。
完成なんてさせるものですか!
スールさんたち兄弟は、城の外まで出ていました。さすが、速いです。
エクセターちゃんが何か話してくれてたのでしょうか、幾分落ち着いてる様にも見えますし。あれ?もしかしてわたし来る必要なかったのでは?
いえ、そんなことはないですね。
落ち着いてらっしゃるのは、フレールさんとミリューさん‥つまり、お兄さんたちであってスールさんではありません。
わたしは、樹に寄りかかって休んでいるスールさんの所へ。
「‥‥スールさん。色々と衝撃的だった事は、お察しします。
ですが、今は感情的になっても良い事はありません。少し落ち着きましょう?
ご存知の通り、わたしこれでも神官なんです。今、その奇跡をお見せしますね」
「la paix et la tranquillite...」
「‥‥どうですか?」
平静の奇跡を行使し、スールさんの様子を伺います。
そうこうしている内に、ジルさんが戻ってきてしまった様です‥ん?何か様子がおかしいですね‥?
なるほど。どうやらジルさんは憑依されて操られてる様子。本来の彼の取る行動ではなかった‥いえ、行動原理が増幅されてた感じなのでしょうか。根底ではああいった行動を取ることをどこかで望んでいたのかもしれません。
わたしは、様子が変わった‥いえ、魔神がその本性を現した、と言った方が正しいのでしょうジルさんからスールさんを庇う様に立ち上がり、彼を‥ジルさんを救うことに全力を尽くします。
だってこんな不自然な、歪な絆は許されないと思うから。
―――――――――――――――
PL こるべっと
魔方陣説明してから追いかけてスールにサニティ。
戦闘入る前にロセウスに追いついて欲しいなあ‥ジャンヌの言葉(気持ち)を聞かせてやりたい。
システム的な意味は全くないですけど、一応ジルとスールの間に立ちます。互いの視界には入れない様に。
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
05:50:35 こるべっと@カレン 2d6+9 サニティ>スール プリ5+知力B3+ハイマン1 《MP軽減/プリースト》で消費は2。MP34/36 Dice:2D6[3,1]+9=13
05:51:10 こるべっと@カレン 2d6 予備1 Dice:2D6[2,5]=7
05:51:16 こるべっと@カレン 2d6 予備2 Dice:2D6[6,1]=7
05:51:22 こるべっと@カレン 2d6 予備3 Dice:2D6[1,4]=5
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
外はまるで別世界のように、清々しく過ごしやすい気候となっていた。
あの扉の先の光景は、もしかしたら夢だったのかもしれない。
そんな考えが浮かんでは消えるほどに、平穏な時間が流れている。
「スール...フレールとミリューはすぐそばにいるよ。
カレンももうすぐ来るよ。
誰もスールをいじめたりなんかしない、みんな一緒だよ」
私は木陰で休む虚ろな様子のスールに寄り添って、優しく声をかけ続けた。
フレールは辺りを警戒して、ミリューは馬を取りに行った。
若干手持ちぶたさとなった私は、ただスールに声をかけ続けることしか出来なかった。
辛くて悲しくてどうしようもならない時、今から何年前だろう、ここで言うなら何年先だろう。
私自身が、そうやって声をかけてもらって...一人ではないと勇気づけられたから。
たとえ返事が帰らなかったとしても...ただ、そうしてあげたいと思った。
「あいつは......!」
その時、フレールの怒りに満ちた声が聞こえた。
このタイミングで現れる人物なんて一人しか居ない、行かなければ。
「スール、ここに居てね。
すぐにカレンが来てくれるから、スールは大人だから寂しくないよね?
エクセターは...エクセターはフレールとミリューのお手伝いをしてくる」
スールにそうとだけ告げて、自らも声の方向へと赴いた。
移動すれば、その光景は直ぐに目に飛び込んだ。
「ふざけるな!
俺は城の奥のあの部屋を見たぞ!
お前が殺してきた死体が吊られている部屋をな......。
あそこにスールも吊るすつもりだったんだろう!
――そんなことは、させてたまるか......!」
剣を抜き放ったフレールの眼前に立つ...青い髭を蓄えた男。
屋敷の絵でも、その姿を確認したことは有った。もっと言えばこの物語の表紙でも。
「あれがジル・アジュール。
青髭と呼ばれる男...」
フレールは今にも斬りかかる、といった様子ではなくあくまで冷静だ。
斬りかかるようであれば後ろから剣を撃つ必要があったが、そこはやはり騎士。
スールを苦しめた本当の邪悪は、青髭ではない。
フレールやミリュー...私達が立ち向かわねばならないのは、青髭の背後に潜むもの。
「うああああああああああああああ......!」
青髭が動揺したように悲鳴にも近い雄叫びを上げる。
それに呼応するように、それが現れたのだ。
「駄目じゃないか......。
せっかく私が毎度毎度全てを忘れさせているというのに。
まだ壊れてもらっては困るのだよ。
壊れてもらってはな......」「お、お前は......何者だ......!」
「......フレール兄さん!
これは......いったい......」
突如現れた霧から響く声に動揺を露わにする二人に、間髪入れず声をかける。
「二人共急いで馬に!...早く!」
「こいつは魔神...魔神レドルグ!
人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」
そう、こいつが。
こいつが、この悲劇を生み出した張本人。
背中に背負ったSMLEを構える。
その狙いは青髭ではなく、その背後の霧、魔神レドルグ。
「希望を貪る魔神。
人を守護する兵士として、その存在を許すわけにはいかない!」
兵士として、冒険者として、人として。
一人の希望を持つ者として...私は戦う。
=====================
PL・臨戦態勢!
それはともかくダイスがデンジャー!
・ダイス
予備ダイス1 2d6 Dice:2D6[1,1]=2
予備ダイス2 2d6 Dice:2D6[6,6]=12
予備ダイス3 2d6 Dice:2D6[1,1]=2
なにこれ!
>「‥これは、魔神を呼び出すための物。決してジャンヌさん‥死者を呼び戻すなんてものではありませんっ!
幸い、まだ未完成です。完成間近というところですが‥おそらくあと一人程度の血で出来上がってしまっていたでしょうね‥」
魔法陣をしらべたカレンさんが語気を強めてそう言った。
あと一人。つまり。
「スールさん......」
僕はやるせない気持ちでつぶやく。彼女は青ひげのことを、「あの人は優しい」と言っていた。
あらためて、レドルグの残酷さに嫌悪感がつのる。
3人が部屋を飛び出していってから、ネスさんは鍵についた血を渡したハンカチでぬぐった。
べっとりとついた血はふきとれたけれど、どす黒い染みがのこった。まるでこの鍵の色そのものみたいな。
おなじことが、何回も繰りかえされている......。この鍵に染みついた色のぶんだけ、絶望が積み重なっている......。
僕はもういちど壷を見て、くちびるをかんだ。
「......行きましょう」
僕とネスさんはできるだけ急いだ。城の玄関までたどりついたけど、そこにはだれもいない。
「外でしょうか」
おたがい周囲を見まわしてから、門の外をめざす。さっきまでのよどんだ空気がうそみたいに、門から見える草原は明るくまぶしく、風は清らかだ。
と、外からフレールさんの声が聞こえた。
>「お、お前は......何者だ......!」
うわずった調子から、すでに『何か』が起こっていることを察する。
僕は門からとびだした。
>「......フレール兄さん!
これは......いったい......」
二頭の馬の手綱をひくミリューさんとはちあわせをしそうになった。あわてて飛びのく。
見れば、ネスさんやロセウスさんに教えられたとおりの人相の男が苦しみもがいている。あれが、青ひげ...ジル。
その背からは、黒い霧が吹きだしている。異様な光景だった。
>「二人共!急いで馬に!早く!
こいつは魔神...魔神レドルグ!
人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」>「希望を貪る魔神。
人を守護する兵士として、その存在を許すわけにはいかない!」
エクシーがそう叫んで銃をかまえた。
だれかがこの状態でジルを攻撃してしまう前に、僕も声をふりしぼって叫んだ。
「今、レドルグはジルに憑依している状態です!ジルの体内から完全に切りはなさいと、こちらからは攻撃できません!」
手段はいくつかある。高位の神聖魔法のほかに、憑依している対象、つまりジルの命をうばうことも可能性としては考えられる。だけど、それでいいのか。
レドルグはどう出る。おそらくは......。
「やつはこの状態でも魔法が使えます!このままではきっと、ジルの肉体を盾にされます!呪いをとく方法は......」
僕は必死で頭をめぐらせる。そうだ、ロセウスさんが聖女からなにかを託されたと言っていたはず。
「十字架......ジャンヌの十字架は......!」
呪いをやぶる、力にならないか。レドルグの動きを注視しながら、僕はふるえる声をおさえ、なんとかそう言った。
――PL(雪虫)より―――
ともかく合流します。
今の状態ではレドルグを攻撃できないということをオルドル兄弟含め全員に伝えます。
ロセウスさんがジャンヌからクリスタルの十字架を預かった、という話を応接間で聞いていると思うので、「十字架」というワードを出してみます。
【予備ダイス】
19:47:29 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス1 2d6 <Dice:2D6[5,2]=7>
19:47:38 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス2 2d6 <Dice:2D6[2,6]=8>
19:47:45 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス3 2d6 <Dice:2D6[5,1]=6>
期待値!
>「ふざけるな!
> 俺は城の奥のあの部屋を見たぞ!
> お前が殺してきた死体が吊られている部屋をな......。
> あそこにスールも吊るすつもりだったんだろう!
> ――そんなことは、させてたまるか......!」>「私が......殺した......?
> 城の奥の部屋......?
> スールを......殺す?」
やってきたジルに、フレールがその怒りを爆発させるようにと叫ぶ。
俺はスールとカレンの傍を離れ、ゆっくりと、フレールの隣へと並ぶ。
何かがあれば一歩を踏み出し、この体でジルを受け止められるように。
俺が受けた依頼は、ジルの救済である。
であるならば当然、これ以上踏み込ませないのもまた、仕事の一環であるからだ。
>「今、レドルグはジルに憑依している状態です!
> ジルの体内から完全に切りはなさいと、こちらからは攻撃できません!」>「・・大丈夫 そのためのお土産があるじゃないか」
>「十字架......ジャンヌの十字架は......!」
追いついてきたネスとフィンが、色々と教えてくれる。
おそらく、兄弟たちにも聞こえていることだろう。
「なあ、ジル。
俺達は、お前の愛した聖女、ジャンヌに言われてお前を助けに来た。
お前が彼女をどう想っているのか、うむ、まあ、なんだ。
日記を通して教えてもらった」
俺とネスは正確には日記ではないんだが。
まあそれは置いておこう。置いておくとしよう。
「お前さんの気持ち、わからんでもない。
信じた相手に裏切られ、そして大切なものを殺されて、藁にもすがりたかったのだろう。
だがな。
そんな魔神風情に体も精神も奪われ、その手を血に染め魔に落ちること、お前の愛したジャンヌが望むとでもいうのか!」
ジャンヌから報酬のかわりにと貰った十字架を荷物袋から取り出す。
のし、のし、と一歩ずつ、ジルへと歩み寄る。
「何故スールと、それから他の女どもと結婚をした。
ジャンヌを忘れろとは言わん。
......彼女たちを愛したからではないのか」
少しでも、ほんのわずかでもいい。
そういう想いがあるのであれば、お前はジャンヌが救済するに能う人間ではないのか。
ネスが言うことも間違いではない。
ジルに結果的には殺された彼女たちが浮かばれぬ、それは分かる。
だが俺はお前を救ってやりたいという、ジャンヌの気持ちが分かる。
例え俺達の手により、魔神から救われたとしても、今度は罪の意識がジルを苛んでしまうかもしれぬ。
俺達はそれからジルを救うことはできないが、それこそ、スールに救われることだろう。
妻というのは、夫婦というのはそういうものではないのか?
俺にはさっぱりわからんが。
「ジル!
魔神ごとき跳ねのけろ!
お前は、戦争を勝ち抜いた英雄だろうがよ!
今ここに来ているジャンヌに、死してなお仲間であったお前を案じるジャンヌに、漢を見せんでどうするよ!」
聖女に祝福された十字架を、ジルの手にねじ込む。
――ジルの愛した、ジャンヌに祝福された十字架よ、どうか、彼の者に救済を。
―――――
PL;
十字架を使用します。
ジルを魔神の影響下から引きずり出したい所存。
出来ればフレールも乱戦エリアから出て行ってほしい!
ロセウスより精神抵抗低いじゃないか!
>あまとうさん
>それはともかくダイスがデンジャー!
やったね! コメディポイントゲットだ!
だいす。
りん@ロセウス : よび3 2D6 → 6 + 4 = 10 (05/26-22:16:13)
りん@ロセウス : よび2 2D6 → 1 + 6 = 7 (05/26-22:16:10)
りん@ロセウス : よび1 2D6 → 3 + 5 = 8 (05/26-22:16:07)
>「スール...フレールとミリューはすぐそばにいるよ。
> カレンももうすぐ来るよ。
> 誰もスールをいじめたりなんかしない、みんな一緒だよ」
エクセターはスールに声をかける。
だが、彼女から先ほどのような朗らかな声は帰ってこない。
ただ......多少なりともエクセターの方を力なく眺めるだけ。
それでも反応が返ってくるということは、少なくとも気持ちが届いているということだ。
そしてそのすぐあとにロセウスと共に追いついてきたカレンがスールに駆け寄る。
>「‥‥スールさん。色々と衝撃的だった事は、お察しします。
> ですが、今は感情的になっても良い事はありません。少し落ち着きましょう?
> ご存知の通り、わたしこれでも神官なんです。今、その奇跡をお見せしますね」
優しく問いかけて。
彼女は神の奇跡の言葉を紡いだ。
祈りが届いたのか、スールの虚ろな目に少しずつ光が灯る。
>「‥‥どうですか?」
「カレン......ありがとう。
私......私は......。
ジル......」
ゆっくりとスールが口を開いたが。
彼女の言葉は形にはならなかった。
心こそ落ち着いてはいるが、頭の理解が追いつかないのだろう。
彼女はただ――祈るようにジルとフレールが対峙しているのを見つめていた。
* * *
一方、フレールとジルが対峙する丘の上。
突如苦しみだしたジルの瞳が歪に光る。
レドルグに体をコントロールされているのだ。
>「二人共急いで馬に!...早く!」
>「こいつは魔神...魔神レドルグ!
> 人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」
まずはそこに飛び出していったのはエクセターであった。
「操られただと?
それは......」
どういうことか、そう問いかけようとしたフレールであったが。
そんな彼のもとにミリューが馬を走らせた。
「大丈夫です、僕が理解しています。
とにかくまずはその霧の魔神を倒せばいいということですね。
兄さんもそいつを狙ってください!」
「いまいちわからないが......。
それでいいなら俺もやるぜ......!」
馬だけでなく、ミリューはフレールの手綱をも握っているようだ。
フレールはさっと馬に跨る。
そしてそこに姿を現したのはロセウスだ。
ジルをすぐにでも止められるように。
そして......。
>「今、レドルグはジルに憑依している状態です!
> ジルの体内から完全に切りはなさいと、こちらからは攻撃できません!」>「・・大丈夫 そのためのお土産があるじゃないか」
>「十字架......ジャンヌの十字架は......!」
二ェストルとフィンの言う一つの道具。
ジャンヌの祈りの込められた十字架を使うために。
ジルに一語一語声をかけながらロセウスは歩み寄る。
彼のエールに対してジルは唸り声を上げるだけだ。
レドルグの支配下からは容易に抜けられないのだ。
だが......レドルグ自体は不快な表情をする。
感じ取ったのかもしれない。
自らを排除しうる神聖なる力について。
>「ジル!
> 魔神ごとき跳ねのけろ!
> お前は、戦争を勝ち抜いた英雄だろうがよ!> 今ここに来ているジャンヌに、死してなお仲間であったお前を案じるジャンヌに、漢を見せんでどうするよ!」
そしてロセウスは......ジルのその手に彼女の証を託した。
ジルの手が十字架を包んだ瞬間。
接触点を中心に穏やかな光が彼を包んでいく。
彼の瞳は恐ろしげであるものの芯のあるものへと移り変わり。
「ぐ......はぁ......」
反対に彼にとり憑いていたレドルグは弾き出される。
かくしてレドルグの曖昧にして脆弱な本体が日の下に晒されることとなったのだ。
「貴様......なんてことをしてくれたのだ......!
所詮竜になりきれぬ下賎な身の分際で。
その煌めき......忌まわしき記憶が蘇る。
かつて私が殺させたあの女がまたこうして邪魔をするというのか......」
ジルの身から離れたレドルグは明らかに余裕がなかった。
ロセウスに対して暴言を吐きつつも、不安でそして慌てているのは明らかだ。
「......まあ、よい。
この男の心の弱さは誰よりも私が知っている。
何度邪魔されようとも、私が何度もこいつの中に潜ませてもらおう。
そしていつまでも繰り返すのだ。
こいつの最大の絶望を味わえるその日まで」
だが、なにか思いついたかのように落ち着きを取り戻す。
彼の目的は明白だ。
再度ジルの体に入ろうと思っているのだ。
奴の行動を阻まねば、再度取り込まれてしまうかもしれない。
「さあ、再度我が人形となるのだ!
青髭よ......!」
レドルグは霧状の体でジルを包み、染み込ませていこうとする。
この瞬間戦況の見定めに長けたエクセターがどうしてか動けなかった。
それでも冒険者たちにまだチャンスはあるかもしれない。
* * *
「今が攻めどきでしょう......僕がサポートします。
兄さんやロセウスさんもどうぞ攻めてください。
ジルさん......あなたにも」
ロセウスは己の武器に魔法の強化がかかったことを感じ取れるだろう。
今ならば霧状の敵であっても打ち据えることができる。
全てを正すならば、今が最大のチャンスだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行しました。
スールはとりあえず精神的には落ち着きます。
ロセウスの行動でRPを1点獲得しても構いません。
ロセウスの十字架によってジルは解き放たれました。
ただ先制判定に使用した予備ダイスその1で全員失敗したので、
このままでは、レドルグの先攻となります。
指輪など使用されても構いません。
とりあえず先制判定の1ゾロ失敗はTPをあげるところですが、
内容次第でCPに変わります。
1Rレドルグはジルに再度【悪魔憑き】を使用します。
PC側のラウンドはお好きな行動をどうぞ。
位置についてはフレキシブルでいいかなーと思います。
つまり好きな場所からでどうぞ。
レドルグのダイスは全て固定値を使用します。
ミリューは前衛全員に【エンチャント・ウェポン】を行使しました。
フレール、ジルはPCたちが行動したあとも生きているようなら攻撃します。
ジルはデータ的には剣のかけら7つ分の強化を受けた【正騎士】相当です。
ただ呪い属性・精神効果属性の効果に対する抵抗には2点のペナルティを受けます。
フレールは《斬り返しⅠ》、ウォーホースは普通に、
ジルは《牽制攻撃》で攻撃する予定です。
===============================
00:02:52 あんみつ@GM エンチャントウェポン4倍拡大・一括 2d6+4 Dice:2D6[1,4]+4=9
続々と駆けつける仲間たち、その中でロセウスが言葉とともに十字架を青髭へと手渡した。
刹那、十字架から放たれた暖かな光。
その光に押し出されるようにして、レドルグは青髭の肉体よりはじき出された。
攻めるとしたら今しかない!
私はいつもの様に、先制攻撃を仕掛けようと...動くはずだった。
「そしていつまでも繰り返すのだ。
こいつの最大の絶望を味わえるその日まで」
レドルグの吐き捨てた、その言葉に動きが止まる。
全身に寒気が走るような奇妙な感覚、私は...どこかでこの感覚を...?
非現実的な既視感に原因を、理由を求めようと記憶を、記録を再生し始める。
その瞬間、思考の中にノイズが発生し、思わず苦悶の声が漏れる。
「あっ...ううぅ...あ、あれは!?」
わたしは、私は幻覚を見ているのだろうか。
弾き出されたレドルグのその、霧の体の向こう側に誰かがいる。
至る所が劣化を始めた傷だらけのSMLE。ほとんどボロ布のようになった赤い外套。
いたるところに返り血を浴びて、うつむくように佇む赤髪の少女。
しかし少女の放つ気配は憎しみと増悪に満ちているようで、まるで生気を感じられない。
感覚的なものだが...彼女はきっとこの世界を恨み、呪っている。理由まではわからない。
どうして自分がそんなことを、感じてしまうのかも...わからない。
怖い。私はそれが誰か知っている気がするが、思い出すのが怖い。
けど、どうしてもその赤髪の少女から目線を離すことが出来ない。
ああ、少女が顔を上げる。駄目だ、見たくない。
どれだけ必死に体を動かそうとしても、凍りついたように体が動かない。
まるで自分の体ではなくなってしまったかのように、ただ見つめることしか出来ない。
―少女が顔を上げた。
私は彼女を知っていた。
彼女の名前は「エクセター」
そこに居たのは「私」だ。
###############################
M E M O R Y E R R O R
###############################
映像が途切れる瞬間、頭の中を直接かき回されたような苦痛に苛まれる。
おぞましい感覚から逃避するように、目を見開くとすでに少女の姿はなかった。
それどころか、何分も佇んでいた気がするのに、辺りに全くそんな様子はない。
不快に感じる顔の汗を無意識に拭おうと顔に手をやる、ペチャリと奇妙な感覚があった。
恐る恐る確かめると、手には血液が付着している。
その時初めて、自分が鼻血を流していることに気がついた。
「さあ、再度我が人形となるのだ!
青髭よ......!」
「し、しまった...!」
そう感じた時点で、すでに遅かった。
先ほどの出来事に呆然とした私は、構えた銃を降ろしてしまったのだ。
血の付着した手で急いで、銃を構え直すが、もう間に合わない。
「エクシー!どうしたの、しっかりして!」
「おいエクセター、あの魔神にでかい絶望を一発頼むぞ!」
仲間の声が聞こえる。
その声に、私は応えなければならない!
ロセウスが機制を制したこの戦場、見事な手腕だった。
だから、その手腕に答えるだけの銃撃を見せる必要がある。
もう動揺はない。
サイト越しに、揺らぐ霧を狙い。撃ちぬいた。
「go to hell!(くたばれ!)」
=========================
PL・遅れましたが、銃撃を仕掛けます!
現在距離は、レドルグ-11m-エクセター という位置取りにしようと思います。
エクセターが何を見たのかは定かじゃありませんが、
脳の負荷が限界を大きく超えると、体が耐え切れずに鼻血が出る
って言う設定の小説か映画がどこかにあった気がします。
ダイス・
気を取り直してダイス タゲサ込クリティカルバレット 命中 2d6+10 Dice:2D6[4,2]+10=16
R20@9+7 Dice:R20@9[3,4:5]+7=12 12点ダメージ
>「ぐ......はぁ......」
>とり憑いていたレドルグは弾き出される。
>かくしてレドルグの曖昧にして脆弱な本体が日の下に晒されることとなったのだ。
>「今が攻めどきでしょう......僕がサポートします。
> 兄さんやロセウスさんもどうぞ攻めてください。
> ジルさん......あなたにも」
黒い靄より早く一歩、ロセウスが動き出す。
それを視界に認め、門を通して小さな友人へ助力を乞う。
「さぁ 舞台を降りる時間だ」
『ぶーんと 飛んでけー!!』
魔力を纏った矢は光の尾を引き、真っ直ぐに黒い靄へと飲まれていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PLより:※ロセウスが先制を取る前提で書いています。
ネスさんが迷子中なので短めです。
まずはご挨拶代わりのシュートアローをしますが、次ラウンド以降
アースハンマーで捕らえられるように初期位置は
レドルグ -11m- エクセター -2m- ネス にしておきます。
戦闘は制限移動後、シュートアロー(魔力の矢)です。
【判定ダイス】
00:14:58 飛龍頭@ネス 2d6+7 シュートアロー行使 Dice:2D6[2,4]+7=13
00:16:28 飛龍頭@ネス r20@10+7 魔力の矢 Dice:R20@10[3,5:6]+7=13
現在のステータス
【HP】24/32 【MP】25/34
ロセウスさんがクリスタルでできた十字架をジルの手に押しこんだ。
>「ぐ......はぁ......」
霧状の魔神はジルの体外からはじき出される。
>「貴様......なんてことをしてくれたのだ......!
所詮竜になりきれぬ下賎な身の分際で。
その煌めき......忌まわしき記憶が蘇る。
かつて私が殺させたあの女がまたこうして邪魔をするというのか......」
ざわっ、と全身の毛がよだった。
殺させた、だって?
>「さあ、再度我が人形となるのだ!
青髭よ......!」
殺させた?レドルグが、ジャンヌまでも?まさか、ジル自身に、殺させた...?
ジルがどれほどジャンヌを愛していたか......。
いや、『だからこそ』、だ。
〈ゆるせない〉
どの言語でつぶやいたのか、自分でもわからない。頭の芯は煮えるようにぐらぐらしていて、けれど手の先はうそみたいに冷たかった。
氷のように冷えた指先で魔法文字を描く。全身をはげしくマナがめぐり、右手首の腕輪に集中していく。
「―――〈光矢〉」
指の先から光がはじけ飛んだ。太い光の矢となって、レドルグを貫く。
魔法の完成度はそれほど高くなかった。けれど、レドルグを形づくる精神力の壁の上から、矢がその身をふかぶかと貫きとおした手ごたえがあった。
〈ゆるせない、ゆるせない......!〉
まだ頭の芯は沸きあがる怒りに震えている。僕のすこし前方から、ネスさんの放つ妖精の矢がレドルグをとらえたのが見えた。
そのさらに2歩ほど前では、エクシーが。
「エクシー!どうしたの、しっかりして!」
エクシーが、銃をおろし、手のひらを見つめたまま動かない。頭がすぅっと冷えて、煮えたっていた全身のマナももとの流れにもどる。
僕は自分の叫び声で我にかえった。
ふるえる指先をぎゅっとにぎりしめると、集中したマナの残滓がぱちっとはじけた。
――PL(雪虫)より―――
フィンはレドルグからの距離を20mとります。レドルグ---11m-エクシー-2m-ネスさん-9m-フィン
レドルグの「ジャンヌを殺させた」発言をうけ、怒りとともに真語魔法1レベル【エネルギー・ボルト】を放ちます。気合いでレドルグの精神抵抗を貫通しました。
ダメージダイスは残念でしたが、素通しなのでそこそこのダメージとなりました。
ぼんやりするエクシーに気づいてあせることで、フィンも我をとりもどすかんじで。
【判定結果】
17:08:58 雪虫@フィン ≫ 真語魔法1レベル エネルギーボルト 行使判定 2d6+9 <Dice:2D6[4,5]+9=18>(抵抗貫通)
17:09:32 雪虫@フィン ≫ エネルギーボルト ダメージ(追加ダメージ+3) r10@10+9 +3 <Dice:R10@10[2,1:1]+9=10>
(上記のダイス結果、「+3」の直前にスペースが入ってしまったので、弱点の「純エネルギー+3」分がダイス結果に反映されていないものと思われます)
ダメージダイス結果に弱点+3点して、与ダメージ13点
―――――
PL;
指輪ぱっりーんして先制取ります。
その後に練技全部(ビートルスキン、キャッツアイ、マッスルベアー)入れてレドルグを殴ります。
超かばうを入れたいんですが、人間組は運命変転があるのでかばいません。
一回までは耐えてくれ...!
GMGM、命中ダイス振った後に「風の翼で命中+1」を思い出した(メモに反映忘れてた)んですが、適用できませんか!
出来たら当たります。
駄目なら潔く諦めますが、念の為ダメージも振っておきました。
当たったら17点です。
りん@ロセウス : ダメージ! ファイター5+筋力4+エンチャ1 17 = 7 (5 + 4 = 9) + 【10】 キーNo. : 20 (05/29-23:28:12)
りん@ロセウス : レドルグ素殴り ファイター5+器用2+猫目1 目標値16! 2D6 → 6 + 2 + (8) = 16 (05/29-23:24:14)
>「カレン......ありがとう。
> 私......私は......。
> ジル......」
「大丈夫ですよ‥彼は、ジルさんはきっと、スールさんが愛した、"優しい男性"です。
さっきの怖いのは、全部あの黒い霧みたいなのが悪いんです。今、わたしの仲間たちと貴方のお兄さんたちが退治してくれます。信じましょう?あなたが彼に‥彼らに持っている絆はこんな魔神ごときに負けないものなんだと」
とと。そう言ってジルさんたちに視線を移すと、何やら霧‥レドルグがまたジルさんに憑依しようとしている様子?
これは‥リルズ様、お力を‥。
「pour forcer le lien...」
「ロセウスさん、エクセターちゃん!お兄さんたちも!
あなたが今、護りたい人の名前を呼んで下さい!リルズ様が力を貸してくださいますっ!」
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PL こるべっと
急ぎに急いでまずはリトルワードを前線に!
ポジションとしては、最前線からスールが見えない様に庇う様な位置にいたいと思います。距離は30m以内ならどこでも!
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
08:43:37 こるべっと@カレン 2d6+9 リルズ様の特殊神聖魔法リトル・ワード!《魔法拡大/数》で前線を構築してるロセウスとお兄ちゃんズ、ジル、エクセターに。《MP軽減/プリースト》で消費は2。そして数が5倍なので消費は10。MP24/36 Dice:2D6[4,2]+9=15
08:43:47 こるべっと@カレン あ
08:43:55 こるべっと@カレン 一度振りでいいのかな‥?
08:44:42 こるべっと@カレン 一旦保留。
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
どちらでも良い、との回答をいただきましたので一度振りでいきます!