D2_事件の結末を

 GM(あんみつ) [2015/11/03 23:09:37] 
 

奏での広場に集結した冒険者たち。
まず必要なのは交互に自己紹介か。
アポロの目線にちょうど合うようにプリアーシェは自らの体をかがめる。

>「アポロ、さっきはきちんと挨拶もせずにごめんなさいね。
> フィンさんとネスさんを案内してくれてありがとう。
> よかったら、私も近いうちに街を案内してもらっていいかしら?」

「べ、別にたいしたことじゃないし......」

ちょっとだけアポロは照れているようだ。
すんなり目を合わせてはくれない。

>「さっきもちょっと言ったと思うけど、フィンさんやネスさんとは同じ店の冒険者なの。
> 少し、仕事の話でお友達を――フィンさんを借りてもいい?」

「問題ないぜ、フィンなら好きなだけ使ってやれよ!
 どんくさいけど、いじめないでくれよな!」

フィンにたいしてこんな口の利き方をするのは、多少気を許しているというのが大きいのだろう。
フィン個人の体格と性格が原因のような気もしなくはないが。

   *   *   *

フィンとネスがアポロの危機を悟り、クーガとプリアーシェに協力の旨を述べると。

「あんたらもプリアーシェらの依頼を手伝うのか。
 俺はグラディウス、この街の冒険者だ。
 事件が解決するまでよろしく頼む......そっちのお前もな」

グラディウスが二人に名乗る。
ついでにクーガにも。
ただなんとなくクーガが一番気が合いそうだと思っている感じはある。
まあ残りの3人はグラディウスとあまりリズムが噛み合わなさそうな感じはある。

ちなみに魔動機文明語で交わされる秘密の会話は誰も理解していない。
アポロはつまらなそうに足で遊んでいる。
グラディウスは言語の種類はなんとかくわかっているようだが、内容までは理解していなさそうだ。
エースはまだまだ眠っている。

そんなエースを。

>「おい、起きろ。」

クーガは酒瓶で小突いて起こそうとする。

「ぎにゃっ」

エースは変な声を出しながら薄らと目を開く。

「ふわぁ......な、な~に~?」

大きく欠伸をしながら右手で目を擦る。

>「さて、エース。お前さんに二つの道を示してやるよ。」

まだあまりエースの意識ははっきりとはしていないようであるが。
クーガの言葉にはうんうんと頷いている。
眠いからかさっきより若干素直である。

>「これから俺たちについて行き身の安全とこの高級な酒を手に入れる。」

「酒!」

しかし、その寝ぼけた態度も酒を認識した瞬間一気に覚醒する。
そしてそのあとはただひたすらおお振りでクーガの言葉に頷き続けるだけであった。
つまりエースはクーガについて行くことにしたらしい。

クーガとプリアーシェの目的地。
それは彼らの依頼人――カイルの待つヴォルディーク邸。

「俺も行くぜ」

グラディウスはそこに向かうことに問題はないらしい。
様子を見た限り若干何らか思うところはあるらしいが、アンネから任された以上ついてくるようだ。

最後にアポロはと言うと。

「え、ヴォルディークの屋敷に行くの?
 あそこに行くと呪われるって前聞いたぜ?
 ......本当に?フィンも行くの?」

子供なので呪いとかそう言った噂話は必要以上に気になるのであろう。
ただ、どことなくアポロはフィンが行くかどうかを強く気にしているようだ。
フィンがヴォルディーク邸に向かい、アポロを説得すれば彼はきっとついてくる。

   *   *   *

そして、プリアーシェとクーガは再びヴォルディーク邸。
二ェストルとフィンにとっては初めてであるが。

邸内は過去の栄光もありなかなかに豪奢である。
玄関に飾られた青い髪の少女と少年が描かれた絵画の奥を通り、案内されたのは応接室。

「まさか、いつの間にか数が増えているとは思わなかった。
 調査は順調か?
 何かわかったことがあるならば、教えて欲しい」

プリアーシェとクーガに向けて言葉を投げかけるのは青髪の青年。
ヴォルディーク家当主――カイルである。

「カイル・ヴォルディークだ。
 子供もいるようだが、どういった関係だ?」

とりあえず一人一人の顔をカイルは眺めてみる。
その顔はまだまだ幼さが残っている。

「俺はグラディウス。
 あんただろ、うちの店に紹介状を書いたのは。
 まあ俺がここにいるのは、その関係さ」

グラディウスはすぐさまカイルの問いかけに返答した。
流石に、こういった場にも少しは慣れているのだろう。
一方のアポロはひたすらキョロキョロとしている。
それはエースも同様だ――こちらはどうやら酒を探しているらしい。

   *   *   *

「そう言えば、ミハイルから連絡があった。
 キャピレット家の方で動きがあったらしい。
 事件とは関係あるかどうかわからないが、無限の探求者絡みかもしれないことについて情報があるそうだ。
 詳しいことは直接キャピレット家に赴くかミハイルに聞くといい。
 聞ける限り聞いたところでは、街中でアンデッドらしき存在の目撃証言があったらしい。
 単純に公演用の衣装を見間違えた可能性もあるが......本来ありえないことではあるしな。
 ミハイルは今、発見されたという3番街の外れの方に向かっているそうだが

最後のはプリアーシェに向けての言葉だ。
キャピレット家の方で事件の関連で何かわかったことがあるのかもしれない。
なんでも街中でアンデッドを見たとかどうとか。
劇場が並び、奇抜な格好の芸術家も多いこの街だ、見間違いの可能性もある。
キャピレット家かミハイルのところに行けば詳しいことが聞けるだろう。

「俺の方で何かできることがあれば聞かせてくれ。
 できるだけ全力を尽くそう」

カイルは若く、そして青く、貴族のなんたるかはまだ身についていない面もある。
だが、その分真っ直ぐな部分もある。
真っ直ぐさが今は姉であるセシリア関連に全て向いてしまっているのが多少良くないと言えなくもないが。
今この場所でカイルに頼みを告げれば、可能な限り対処してくれるそうだ。
もし他の場所に行かなければできない準備があるなら、出かける必要があるだろう。
  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

新しいカテゴリに入りました。
クーガ、プリアーシェ組と二ェストル・フィン組は両方共こちらにお書きください。

グラディウスとエースはヴォルディーク邸へついて行きます。
アポロは多少渋りますが、説得すればついて行きます。
ここに来て説得シーンで一進行使うのはちょっともったいないので、
アポロもついていくことに行きましたので説得をお願いいたします。

さて、情報整理とアポロを守るための準備フェイズが開始いたします。
情報整理や準備については幾らでも時間をかけられてしまうので、
リミットを設定することにいたします。
具体的には次の次の進行までが準備フェイズです。
【D2-4】の場面で何らかのイベントが起こるとします。
どこでどのようなイベントが起きるかは明かされません。
動きによっては一部明らかになる可能性がございます。

準備フェイズでは現在PCがいる場所で条件的に可能であれば何でも行うことができます。
ただ別の場所へ移動が必要となる場合は、次の進行を待っていただく必要があります。
従って、各PCは現在いるヴォルディーク邸の他に【D2-2】【D2-3】のそれぞれで、
最高二つの場所を訪れてその場所で何らかの行動を起こすことができます。
各PCが別々の場所に向かっても問題ありません。
期間内で必要であると思われる行動を是非お取りください。

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 二ェストル(飛龍頭) [2015/11/05 22:01:12] 
 

>フィンとネスがアポロの危機を悟り、クーガとプリアーシェに協力の旨を述べると。

>「あんたらもプリアーシェらの依頼を手伝うのか。

> 俺はグラディウス、この街の冒険者だ。

> 事件が解決するまでよろしく頼む......そっちのお前もな」

「やぁ どうも
 お互い 早く終わらせてゆっくりしたいねぇ」

>クーガとプリアーシェの目的地。

>それは彼らの依頼人――カイルの待つヴォルディーク邸。

>「え、ヴォルディークの屋敷に行くの?

> あそこに行くと呪われるって前聞いたぜ?

> ......本当に?フィンも行くの?」

「まぁ、呪われた屋敷なんてそうそうないからねぇ
 それにそちらの二人も屋敷から来たようだし...
 大丈夫なんじゃないかな?」

アポロの肩に置いたままの手でポンポンと優しく叩き、
先へ進むよう促した。

「...いけない 宿によって荷物を取ってこなくちゃだめだったねぇ」


   *   *   *

>一方のアポロはひたすらキョロキョロとしている。

>それはエースも同様だ――こちらはどうやら酒を探しているらしい。

「...あぁ、そうだ
 君に確かめてもらわなくちゃいけない事があったんだ」

キョロキョロと辺りを見回すエースの眼前に、黒く揺れる耳飾りを差し出す。
今はまだ如何にもできなくても、せめてその影だけでも追いかけられる様に。

「何処の某よりも はっきりした情報の方が
 "君の女神さま"は喜んでくれるんじゃないかな?」

彼は草原妖精 その気まぐれに期待はできないのだろうけれど。

「それじゃあ... よろしくね?」

彼の傍に腰を降ろし、千切れてしまった弦を張りなおすことにした。


―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより
とりあえず広場からヴォルディーク邸に行く前に宿から自分の荷物を
回収しますー。
(あんみつGMから「寄ってくだけならいいとします(・∋・)」の
 お返事をもらっています。)

で、カイルの所についたら情報交換とエースへレコーディングピアスを
渡して聞き覚えのある声がないか確認してもらいます。
聞いてくれたらラッキー☆くらいの気持ちで!

ここから先、誰がどこで準備するのか相談になると思いますので
屋敷にいるうちにシタールの弦を直してしまいます。


 プリアーシェ(Lain) [2015/11/07 18:28:29] 
 

> 「まさか、いつの間にか数が増えているとは思わなかった。
>  調査は順調か?
>  何かわかったことがあるならば、教えて欲しい」

「順調です。
 こちらは新たな協力者と関係者で――」

 カイルさんの問いに応じ、ひとりひとり紹介する。

>  子供もいるようだが、どういった関係だ?」

「あとで詳しくご報告します。
 ああ、大勢の大人に囲まれていても気詰まりでしょうから、彼に別室でなにかお菓子でも。
 エミールさんにお相手をしていただいてもいいかもしれませんね」

 ことがことだけに、情報の伝え方には気をつけなければならない。
 下手に衝撃を与えて暴走されては困るのだ。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


> 「そう言えば、ミハイルから連絡があった。
>  キャピレット家の方で動きがあったらしい。

 一通りのやりとりが済み、アポロが別室へ通されたあとで、カイルさんが言う。
 なにか引っかからないかと思って出した使者だから、動きがあったというのは上出来な話だ。

 問題はそれが朗報かどうか、というところなのだけれども。

>  聞ける限り聞いたところでは、街中でアンデッドらしき存在の目撃証言があったらしい。
>  単純に公演用の衣装を見間違えた可能性もあるが......本来ありえないことではあるしな。
>  ミハイルは今、発見されたという3番街の外れの方に向かっているそうだが」

「――不死者?」

 たしかに、街中で見られるものではない。

「この街にはたしか、守りの剣があると伺っていますが」

 そうであれば、外部からの侵入というのは考えにくい。
 だとすると内部に呼び出した、あるいは作り出したということだろうか。

 さらにもう1点、あの少年――アポロについても詳しく聞いておく必要がある。

「彼を――あの少年をこちらへお連れした理由について、ですが。
 フィンさんのお話では、予知能力のようなものがある、と。
 差し迫った危険を、タビットの勘よりも先に感知した、とフィンさんは言っています。
 また、どうやら、本人はそのことをはっきりと認識していないようなのです。
 私達が調査する連続殺人事件において、殺されたのは皆、自称とはいえ予言者でした。
 フィンさんのお話が事実であるとすれば――私はその可能性が高いと判断していますが――彼は本物の予言者、少なくともそうなる素質を備えている、ということになります。
 つまり、彼を保護していれば、あちらから手を出してくる可能性が高い、ということです」

「現況を整理します。
 私たちの目的は連続殺人事件の犯人を確保することにあります。
 また、次の目標と目される人物を、犯人に先立って保護しています。
 つまり、現状では、彼を――アポロを守り切ることが第一の目的となります。

「また、事件との関連が示唆されている、不死者の目撃事件が別に発生しています。
 関連があるということはつまり、根を辿れば本丸の事件の手がかりとなりうる、ということでもあります。
 根が同じと仮定した場合、犯人の目的はなにかを考える必要もあります――なぜこのタイミングで、目立つ不死者を使って行動を起こしたのか、という点です。
 ひとつ考えられるのは戦力としての利用、今一つは陽動です。
 現段階では、いずれとも判断できません。調査の必要あり、と考えます」

「アポロは当面、この家に置いて守ります。よろしいですね。
 また、不死者への対応に人手が必要です。
 ザイア神殿への協力の依頼、それに可能であれば冒険者の店――七色の調べ亭にも再度、要請しましょう。
 今回は正式な依頼として、です。
 可能であれば、アポロの家族や友人も守る必要がありますから」

 私は戦いは得手ではないけれど、交渉であれば人並み以上に役に立つ、筈だ。

「私は神殿へ出向いたあと、冒険者の店へ向かいます。
 不死者に関する調査はどなたかが。
 あとはここでアポロを守るか、出向く者の護衛なりを」

 言うだけ言ったあとで、カイルさんに向き直る。

「そのようなわけですので、よろしければ冒険者の店に渡す報酬の前金を。
 それから、神殿への紹介状を書いていただけますか」

 あとは、と考えて、やっておくべきことを思い出した。

「よろしければ、少々まじないのようなものを――占瞳といいますが、差し上げておきましょうか?」



■PLから

>GM

次の進行ではザイア神殿に出向くことにします。
準備として、カイルに紹介状と、冒険者の店へ行く際の前金をおねだりしました。


また、別途、以下の占瞳を使っておきます。

  • 【賢星に語らるべかりし言葉を問う】 → 達成値16(特別な条件の設定されていない未知の情報の入手)
  • 【幸運は知恵を助ける】 対象:フィン → 達成値16(1日間、非戦闘時の知力判定に+1)
  • 【幸運は知恵を助ける】 対象:ネス → 達成値21(1日間、非戦闘時の知力判定に+1)

 さらに別途ヒルバレ3回使用しました。弾は入れ替えておきます(MP-3、予備残弾数30)
 ちなみに経験点を50点いただいております(''

ステータス:HP30/MP11

◆ダイス

Lain@プリアーシェ 【賢星に語らるべかりし言葉を問う】 基準値8 2d6 Dice:2D6[5,2]=7
Lain@プリアーシェ +8するから15か。特技:占瞳操作で16にシフトさせてHP/MP20の代償払います。 MP4、HP16で、MP残り20、HP残り14。

Lain@プリアーシェ 活性弾ルバレを自分に。 命中判定 2d6 Dice:2D6[1,1]=2
Lain@プリアーシェ ごじってーん ☆
Lain@プリアーシェ 活性弾ヒルバレ、もう1発。命中判定('' 2d6 Dice:2D6[2,4]=6
Lain@プリアーシェ 回復量 r10+6 Dice:R10[2,2:1]+6=7
Lain@プリアーシェ 活性弾ヒルバレ3発目 命中判定 2d6 Dice:2D6[3,6]=9
Lain@プリアーシェ 回復量 r10+6 Dice:R10[4,6:5]+6=11
Lain@プリアーシェ HP全回復、MP残り17

Lain@プリアーシェ 【幸運は知恵を助ける】 対象:フィン 2d6+9 Dice:2D6[2,4]+9=15
Lain@プリアーシェ 占瞳操作で16に持っていって代償MP3、MP残り14

Lain@プリアーシェ 【幸運は知恵を助ける】 対象:ネス 2d6+9 Dice:2D6[6,6]+9=21
Lain@プリアーシェ あっ
Lain@プリアーシェ 惜しい、6ゾロ効果なしかw 代償MP3払って残りMP11

Lain@プリアーシェ とりあえずここまでで!

 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/07 23:20:20] 
 

カイルに今までの調査情報を(プリアーシェに任せて)報告したんだが、
相手が焦れてきているのか3番街の外れでアンデットを見たと情報がミハイルから入ってきた。

プリアーシェは、冒険者の宿と神殿の協力要請に行くらしい。となれば俺は別行動だな。

「そんじゃ、衛兵への協力要請もかねてアンデットの調査は俺が行く。たぶん治安維持で衛兵が出張ってんだろ、
カイル、親書を一筆くれ。それと、アンデットの調査だが俺には向いてねぇから頭いいやつが一人ほしい。」

あとは、

「一人の行動は出来るだけ避けたほうがいいだろ。
できれば美人ちゃんに誰かついて行ってやってくんねぇか?
奴らが個別撃破してくる可能性もあるしな。」

こっからは相手の行動を読む仕事だ。俺の仕事は歩き回り情報を集める。

「その後はとにかく動いて情報を集めるつもりだ。何か緊急事態が起きたらピアスに連絡するか、
花の夜想曲に行くつもりだからそっちに伝言回してくれ。」

デイジーが協力してくれるか分かんねぇが、何とかするしかねぇな

---------------
PLより
短く、クーガの行動のみ記入です。

3番街の外れに行きアンデットの調査ならびに、
治安維持に出ている衛兵に親書を渡して治安維持の協力を要請します。

そののち、花の夜想曲で譲歩集めとほかの場所にもアンデットが出たときに
衛兵に情報を流す役ならびにアポロの実家の監視の協力要請をします。

 フィン(雪虫) [2015/11/07 23:34:17] 
 

 >「問題ないぜ、フィンなら好きなだけ使ってやれよ!
   どんくさいけど、いじめないでくれよな!」

 こういうかんじ、ほんとにうちの上の弟たちとよく似てる。かわいいなぁ。
 僕はおもわずちょっと笑いながら、よろしくおねがいします、とプリアーシェさんにおじぎした。

 ところで、このグラスランナーのひとはなんなんだろう。お酒のにおいがする......。
 クーガさんは酒瓶を片手に迫力のある笑みをうかべて彼にこう言った。

 >「さて、エース。お前さんに二つの道を示してやるよ。」
 >「これから俺たちについて行き身の安全とこの高級な酒を手に入れる。」

 >「酒!」

 即答だった。ともかく、グラスランナーのひとも僕たちについてくるらしい。

 アポロは「ヴォルディーク家」と聞くと、顔色をかえた。

 >「え、ヴォルディークの屋敷に行くの?
   あそこに行くと呪われるって前聞いたぜ?
   ......本当に?フィンも行くの?」

 僕はつないだ手にきゅっと力をいれた。

 「......ただのうわさだよ。だれも、呪われたりなんてしない。もしアポロになにかあったら、僕がかならず助けるよ、約束する」

 ――約束、だ。

 「アポロ、あのね。アポロにもちょっとお仕事手つだってほしいんだ。僕たちといっしょに、やってみない?冒険者のお仕事」 

 アポロをひとりにはさせない。この子の命がかかっていた。手がふるえそうになる。 

 「アポロならきっとできるって、僕は思うんだ。アポロは強い。危険があっても、みんなが君のことを守るよ。だから、君も僕たちのこと、守ってよ」

 なにも考えられない。ただ、アポロの表情だけをみつめる。

 「そしたら僕たち...友達なだけじゃなくて、冒険をいっしょにした、『仲間』だよ」

 ちいさな銀色の頭が縦にふられたのをみて、自然と笑みがこぼれる。

 「がんばろうね」

※ ※ ※

 天井が高いな、っていうのが、まずはじめの感想だった。
 貴族のお屋敷になんて、はじめて入った。ほんとに正確にいうなら、「元」貴族のひとと仲良くしてるし、家にもなんどか遊びに行っている。でも彼はちょっと特別で、ふつうの貴族っぽい貴族じゃなくて......。
 つまり、たぶんすごく貴族っぽいふつうの貴族のひとに会うにあたって、僕は緊張した。

 僕の実家がすっぽり入ってまだちょっとあまりそうなくらい広いここは、玄関だった。青い髪の女の子と男の子の絵がかかっているのが印象的だ。ふたりはどことなく似た雰囲気で描かれている。きょうだいかな。
 僕はアポロとおなじくらいきょろきょろして、それから我にかえった。今日はいつもみたいなわけにはいかない。

 できるだけしゃきっとしようとする僕をふくめて、みんなは応接室にとおされた。ここで、依頼人のヴォルディーク家当主に会えるらしい。 
 アポロに「だいじょうぶだよ」ってささやきかける。ほんとは自分に言いきかせているんだけど。

※ ※ ※

 ネスさんは何かに気づいたように、クーガさんとおなじベンチで眠っていたグラスランナーのエースさんに向きなおった。

 >「...あぁ、そうだ
   君に確かめてもらわなくちゃいけない事があったんだ」

 >「何処の某よりも はっきりした情報の方が
   "君の女神さま"は喜んでくれるんじゃないかな?」

 そして、彼の目の前に何かを差しだした。黒いちいさなもの。もしかして、ネスさんがさっきまでつけていたピアスかな...?

 >「それじゃあ... よろしくね?」

 ネスさんはそういうと床に腰をおろし、楽器を手にした。なにをするのかと見ていたら、一本の弦を取りかえようとしているようだ。
 金属でできた弦をもつ楽器なんて、はじめて見た。

 「見てていいですか?」

 そう声をかけて、僕もちかづく。ピアスから、なにか音が聞こえていた。
 僕もしゃがんで、ピアスを観察してみる。ふつうの耳飾りに見えるのになぁ。ふしぎだな。

 それからもくもくと弦をはりなおすネスさんの横顔を見て、気づいた。

 「ネスさん、その傷......。どうしたんですか?」

 よく見るとひとすじ、針のようにほそい傷が頬をはしっている。さいわい、ごく浅いもののようで血もとまっていたけれど。

 「念のために、きれいにしておきましょう。あとから傷むといけないから」

 僕はお屋敷のひとにたのんで、ごく簡単な置き薬を借してもらった。

 「アポロ、コットンとってくれる?」

 痕をのこさずにふさがるように、傷口をそっと水薬でふきとる。

 できるところはアポロにしてもらうようにする。そうしてネスさんの手当をしながら、僕もピアスから流れる音や声に耳をかたむけてみる。
 街のざわめきを背景にして、ふとネスさんとだれかの会話が聞こえてきた。

 >「ありがとうございます。優しいんですね......。
   でも大事な仕事道具だからあまり他の人には預けたくなくて。
   大したことはないのに......偉そうなこと言って、すみませんね」

 「これ...、アポロといっしょに出会った女のひとの声です」

 ね、とふたりで顔を見合わせた。

 ネスさんも彼女に会っていたんだ。大事な仕事道具、か。

 『重そうなかばんに楽譜をいっぱいつめこんでて......。彼女が階段のうえからそのかばんを落としてしまって、僕が下じきになりそうなところを、アポロが警告してくれたんです。危ない、って』
 これは魔動機文明語で。アポロは手当てに夢中で気づいてないみたい。
 「彼女、音楽家だったんでしょうか。......楽器、持っていましたっけ......?」

 たまたま、さっきはたくさんの楽譜だけを運んでいる最中だったのかもしれないけれど。それか、楽器を持っていたのに僕が気づかなかったか。
 あれ、あのかばんいっぱいの楽譜......。何人ぶん、何曲ぶんなんだろう......。
 いまさらながらわきおこる違和感に、僕は首をかしげた。

※ ※ ※

 しばらくして姿をあらわしたヴォルディーク家当主は、おもっていたよりずっと若かった。

 >「カイル・ヴォルディークだ。
   子供もいるようだが、どういった関係だ?」

 >「俺はグラディウス。
   あんただろ、うちの店に紹介状を書いたのは。
   まあ俺がここにいるのは、その関係さ」

 プリアーシェさんがひとりひとり紹介してくれるのにあわせて、僕もあいさつする。

 「真語魔術師のフィン・ティモシーです。差しつかえなければ僕も今回のご依頼を引きうけます」

 アポロとつないでいた手をそっとはなして、まだほそい背中に手をあてる。だいじょうぶ。だいじょうぶだから。

 「この子は......今回の案件において極めて重要な立ち位置を担うかと考えられます」

 慣れない話し方にもたつく。わざとそんな言いかたをしたのは、アポロに僕たちの考えてることをまだ悟られたくないから。アポロは僕たちのお手つだいに来てくれてるだけなんだ。
 まさか自分が命を狙われる可能性があるなんて、とても受けとめきれないだろう。アポロは元気だしかしこい。でも、まだちいさなふつうの子どもなんだ......。


 >「あとで詳しくご報告します。
   ああ、大勢の大人に囲まれていても気詰まりでしょうから、彼に別室でなにかお菓子でも。
   エミールさんにお相手をしていただいてもいいかもしれませんね」

 プリアーシェさんがさらりとうながしてくれる。離れがたいけれど、僕はアポロの背をおした。

 「アポロ、あとでね。あっちのお部屋で待ってて?すぐに行くから」

 その姿がみえなくなってから、カイルさんは話しだした。
 殺人事件とは別に、コンチェルティアの街中でアンデッドが発見されたという。それは...へんだ。守りの剣が街を守っているんだから、ふつうならばありえない。アンデッドになりうる遺体がほったらかしにされているなんてことも考えにくい。
 プリアーシェさんも静かにそう指摘する。

 それから、僕が見たアポロのふしぎな能力についても、プリアーシェさんはカイルさんに説明した。僕からもすこしだけ補足できるところは言葉をそえる。

 「未来を『視た』と思われる瞬間、彼の瞳が真っ赤に変化していました。そのようなひとびとについて、コンチェルティアに言い伝えや伝承はないでしょうか」

 殺人事件の次の標的になりそうな「予言者」アポロを、僕たちはうまく保護できた。犯人にたいして、僕たちは先手をうてたことになる。
 それとは別に、街中にアンデッドがあらわれるという事件が起きているようだ。ふつうの方法で街にはいりこんだんじゃない、なにか不自然な...たとえば、召喚する、とか。そういう方法で、きっとそれらはあらわれた。  
 このふたつの事件の大元はおなじかもしれないという。
 「無限の探求者」。殺人事件を引き起こしているといわれるその組織の一部がメティシエの信奉者たちなら......。かなりの力が必要だけど、アンデッドを呼びだすこともたしかに不可能じゃない。

 >「俺の方で何かできることがあれば聞かせてくれ。
   できるだけ全力を尽くそう」

 >「アポロは当面、この家に置いて守ります。よろしいですね。
   また、不死者への対応に人手が必要です。
   ザイア神殿への協力の依頼、それに可能であれば冒険者の店――七色の調べ亭にも再度、要請しましょう。
   今回は正式な依頼として、です。
   可能であれば、アポロの家族や友人も守る必要がありますから」

 だまってようすを見ていたクーガさんがすぐに動いた。

 >「そんじゃ、衛兵への協力要請もかねてアンデットの調査は俺が行く。たぶん治安維持で衛兵が出張ってんだろ、
   カイル、親書を一筆くれ。それと、アンデットの調査だが俺には向いてねぇから頭いいやつが一人ほしい。」

 僕もアンデッドの件を調べる役目に名のりをあげた。

  「そのアンデッドがほんとうに『アンデッド』ならば、かならずコンチェルティア内部にそれらを呼びだすか、つくり出すことができる者がいるはずです。それが何者なのか...そこまでは無理でも、その方法だけでもわかれば、次に打つべき手がみえるかもしれません」 

 僕たちはおのおのの役目をたしかめる。

 >「よろしければ、少々まじないのようなものを――占瞳といいますが、差し上げておきましょうか?」

 プリアーシェさんがそう言って、占い道具のようなものを取りだした。僕はいっしゅんおどろいたけど、はい、とうなずく。
 彼女の手がうごくのを、ふしぎな気持ちでながめていた。なんだか頭がすっきりした気がする。

 僕は僕にできることを。さっきまでアポロとつないでいた左手を、ぎゅっとにぎりしめた。


※ ※ ※


 アポロは別の部屋で待っていた。すこしだけどきどきしながら言う。

 「僕、ちょっとのあいだ出かけてくるから、ここでみんなといっしょにいてね。ネスさんがアポロのそばにいるから」

 そして、左肩のポチを指先にうつした。魔術の存在はだれもが知ってるはず。でも、街で暮らしていたら目にすることなんてほとんどないだろう。

 「ねぇアポロ、僕の秘密を教えてあげる。他のだれかにはないしょだよ?僕ね、ほんものの魔法使いなんだ」

 ちょっとわざとらしいけど、声をひそめてアポロに語りかける。

 「この子はポチっていって、僕の使い魔。魔法使いにとってはとても大事な分身だよ。この子をアポロにあずけるから、いっしょにいてあげてくれる?アポロになら安心してあずけられるんだ」

 アポロにポチをくっつけておけば、万一ふたりに危険がせまっても、僕はそれを感じとれるはずだ。

 「もしも僕が帰ってくる前にポチが自分で動いたら、すぐにまわりのだれかに知らせてね。それが最初に、アポロにおねがいしたい冒険者のお仕事」

 そう言って、アポロのひざの上にポチを乗せた。ポチはくるっと首をかしげてアポロを見あげてから、足を折っておちついた。

 「ポチのこと、頼むね。僕、用事をたしたらすぐに帰ってくるから」 


―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(雪虫)より

もりだくさんでした。

アポロを説得し、いっしょにヴォルディーク家へ。みなさんと知るかぎりの情報を共有します。
レコーディングピアスに録音された声を聞き、ネスさんと会話したお姉さんが「大量の楽譜」を持っていたこと、彼女の目の前でアポロの能力が発動したことを伝えます。
アポロにポチをあずけて、クーガさんといっしょに3番街のミハイルさんのもとへ。それからミハイルさんとともにアンデッドについて調査をします。
ポチが生命抵抗や精神抵抗をしたら、術者のフィンにもわかります。

 

 GM(あんみつ) [2015/11/08 02:02:37] 
 

>「アポロ、あのね。アポロにもちょっとお仕事手つだってほしいんだ。僕たちといっしょに、やってみない?冒険者のお仕事」

>「そしたら僕たち...友達なだけじゃなくて、冒険をいっしょにした、『仲間』だよ」

ヴォルディーク邸に行くのを若干渋るアポロに対してフィンはお兄ちゃんらしく声をかける。
冒険者のお仕事――それはアポロの子供心を十分以上に揺さぶったようだ。

「え、ほんとに?
 おれ、冒険者の仕事できるの、ほんとに?」

ぱぁっとアポロの表情は明るくなる。
それはまるで太陽のように。 

>「がんばろうね」

「がんばるぜ!」

その頷きは今までのどれよりも素直であった。
実に子供らしいことである。

   *   *   *
 
プリアーシェとクーガにカイルが進捗状況と新たな顔について尋ねると。

>「順調です。
> こちらは新たな協力者と関係者で――」

プリアーシェが一人一人順番に紹介する。
また、アポロの扱いについては。

> ああ、大勢の大人に囲まれていても気詰まりでしょうから、彼に別室でなにかお菓子でも。
> エミールさんにお相手をしていただいてもいいかもしれませんね」

別室でエミールに見張らせてはどうかと提案する。

「俺は別に構わないが......いや、まあいい。
 エミール、頼めるか?」

「勿論ですよ。
 ......ほら、こっちにおいで。
 お菓子を出してあげよう」

カイルは理由は深く尋ねずエミールにアポロのお守りを任せる。
すぐさまエミールはそれに応じ、アポロを連れて行こうとするが。

「え、フィンは?
 フィンは来ないの?あとネス兄ちゃんとか......」

一人、いや正確には独りではないが。
フィンたちと離れるのは若干不安なのだろう。

>「アポロ、あとでね。あっちのお部屋で待ってて?すぐに行くから」

ただ、フィンがアポロに向けてそんな言葉を投げかけると。

「や、約束だぞ!すぐに来いよな!
 すぐに来なかったらフィンの分も全部食べちゃうからな!」

不満そうな顔をしながらもおとなしく従う。
おそらくこうした方が冒険者の仕事的にいいのだと思っているのだろう。

   *   *   *
 
>「...あぁ、そうだ
> 君に確かめてもらわなくちゃいけない事があったんだ」

二ェストルはまるで何かを思い出したかのようにエースに声をかける。

「......んあ?
 まさか――酒の味?それならやる!やるぜ!」

ぼけっとした顔で振り返るエースには、若干不安を感じなくもない。

>「何処の某よりも はっきりした情報の方が
> "君の女神さま"は喜んでくれるんじゃないかな?」

「なんだよー、酒じゃねえのかよー。
 ......まあ暇だから聞いてやるぜ。
 オレ様にマジ感謝しな!」

――それから、エースが内容を少し確かめてみると。

「あれ、オレこの声聞いたことあるな。
 ちょっと前にどこだっけ――どこだったかな。
 どっかで誰かと話してるのを聞いたようなそうでないような......」

エースが気になったのは二ェストルが通りですれ違った黒髪の女のものである。
彼女についてはフィンから楽譜をたくさん持っていたという情報もある。
エースは残念ながらはっきりは思い出せないようだが。
なんとなく怪しいところがあるかもしれない。

   *   *   *

アポロが別室へと移った後。
冒険者たちの間で情報の交換が行われる。
主たる情報はアポロについて。
彼が預言者であること、そしてだからこそ彼を守る必要があること。
そして、ここに来て出てきたアンデッドの目撃情報について。

>「アポロは当面、この家に置いて守ります。よろしいですね。

プリアーシェの方針についてカイルは。

「俺は構わない。
 この家の中にいる限り、俺が必ず守ってやる。
 ――同じ失敗は二度と繰り返したりはしない」

アポロを守ってやることに賛同してくれた。
おそらく過去の体験もあるのだろうか、その言葉には強い意志がこもっている。

   *   *   *

アポロを守るため。
犯人を捕まえるため。
今なにができるのか。
それは、人それぞれである。

>「そのようなわけですので、よろしければ冒険者の店に渡す報酬の前金を。
> それから、神殿への紹介状を書いていただけますか」

アンデッドの出現の噂を聞いたプリアーシェはまずは神殿に赴くようだ。

「ザイアの神殿ならば、俺も割と顔が利くからな。
 わかった、すぐに用意しよう」

冒険者の店への前金もすぐに用意できるという。
やはり貴族であるということなのだろう。

>「そんじゃ、衛兵への協力要請もかねてアンデットの調査は俺が行く。たぶん治安維持で衛兵が出張ってんだろ、
>カイル、親書を一筆くれ。それと、アンデットの調査だが俺には向いてねぇから頭いいやつが一人ほしい。」

「衛兵についてはザイアの神殿に連絡を入れれば問題はほとんどないはずだが......。
 事が事だ......念を入れるに越したことはないだろうな」

また、クーガとフィンはミハイルが向かったというアンデッドの調査へ赴くことに決めたようだ。
クーガにもプリアーシェと同様、カイルからの親書を受け取れるだろう。

一方の二ェストルはまず自らの楽器の弦を直すことに尽力するようだ。
優れた詩人である彼にとっては大切な相棒であり、大切な武器である。

   *   *   *

>「よろしければ、少々まじないのようなものを――占瞳といいますが、差し上げておきましょうか?」

皆が外出する前に、プリアーシェはカードとオーブを取り出す。
占瞳――占い師の技術である。
それはフィンと二ェストルに対してひらめきの幸運を授けると共に。
水晶玉の中に得られるべきであったビジョンを映し出す。

見えるのは、黒髪の女がコンチェルティアの門から立ち去る姿。
フィンや二ェストルに尋ねれば、おそらく彼らが出会った女性で間違いないだろう。
ただ、彼女の手元に大きな黒い荷物は存在していない。
彼女は立ち去っている姿が見えた以上――もうこの街にはいない可能性が高いだろう。

   *   *   *

出発前、フィンは約束通りアポロのいる部屋を訪れる。

>「僕、ちょっとのあいだ出かけてくるから、ここでみんなといっしょにいてね。ネスさんがアポロのそばにいるから」

アポロは頬をクリームで汚しながらも実にご満悦の表情だ。
だが、フィンが一人でどこかに出かけてくるといえば。

「えー、おれも行きたい!
 おれも行きたい!」

またまた不満そうな表情だ。
けれど、そんなアポロにフィンはポチを託す。

>「この子はポチっていって、僕の使い魔。魔法使いにとってはとても大事な分身だよ。この子をアポロにあずけるから、いっしょにいてあげてくれる?アポロになら安心してあずけられるんだ」

>「もしも僕が帰ってくる前にポチが自分で動いたら、すぐにまわりのだれかに知らせてね。それが最初に、アポロにおねがいしたい冒険者のお仕事」

アポロにやって欲しいことを頼めば。
それも冒険者の仕事として、ということを強調して頼むと。

「しょうがないな、わかったよ。
 おれこいつの面倒見といてやるから......早く帰ってこいよな」

なんとか機嫌を直してくれたらしい。
そしてポチのことをちょっとビビリながら撫でようとしている。

「この子のことは僕に任せて」

部屋を出ていくフィンに向けてエミールが言葉を投げかけた。
  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

ちょっと長くなりすぎたのでイベント発生シーンを【D2-5】に変更し、
一旦記事をここまでで分割しております。

カイルやエースやアポロやエミールからいろいろ返答。
あとは占瞳なども。

何か忘れてる気がしますので、何かあれば教えてください!(・∋・)

 GM(あんみつ) [2015/11/08 02:53:42] 
 

プリアーシェはザイアの神殿へと向かった。
それはコンチェルティア1番街の一角にある。

ザイアの神殿はあまり大きくなく、その横に併設された衛兵の詰所の方が若干大きいくらいだ。
神殿の中を覗いてみれば、衛兵らしき装いの人物が何人もいるのがわかる。

「ようこそザイアの神殿に。
 どのような御用ですか、お嬢さん?」

プリアーシェに話しかけてきたのは透き通るような水晶の体を持つ人物。
鉱石の体を持つフロウライトだ。

「それとも......このお嬢さんに何か用があるのではなく......。
 もしかすると本当に彼女に用があるのは私ではないのだろうか」

プリアーシェに話しかけた彼であったが、いつの間にか彼自身は彼の世界に入り込んでしまったようだ。
ただその身を包む鎧や携帯される武器などから、彼の実力自体は相当高いものであると受け止められるだろう。
ちなみに彼の身につけたマントの模様はザイアの印だ。

   *   *   *

クーガとフィンは3番街の外れを訪れる。
そこはアンデッドの出没情報があり、また現在ミハイルが調査に出てきているはずの場所だ。

ミハイルは探せばすぐに見つけられるだろう。
衛兵らしき姿の男性と何やら話し合っているらしい。

「あれ、クーガさん。
 もしかしてカイルさんに話を聞いて?」

ミハイルがふとクーガたちの方に視線を送れば、あちらもすぐに認識したようであった。

「アンデッドは今ここにはいませんよ。
 ただ少し興味深いものを見つけました。
 ......これなのですが。
 見たところ不死者を召喚する曲ですね

ミハイルがクーガたちの方に向けて差し出したのは一枚の羊皮紙。
そこに記されていたのは五線譜と音符記号。
つまるところ――これは楽譜である。
だが、ただの楽譜ではない。
この楽譜に記されているものは――不死者を召喚する忌まわしき歌だ。
だとすれば、噂のアンデッドもまた本当にこの場所にいたのかもしれない。

「つまり、不死者が本当にこの街の中に現れた可能性が高いということですか。
 参ったな......こんなことならもう少しうちの子に家から出ないように言っておくべきだったか」

衛兵は軽く頭を抱えながら心配そうな顔をする。
親というものはそういうものなのであろう

「いや、うちの息子アポロって言うんですが。
 そういう年頃なのかこれがなかなかわんぱくな子でして......手がかかるんですよ」

銀色の髪をした衛兵が、恥ずかしそうに笑う。

   *   *   *

「もうやだ、飽きたー!」

二ェストルの耳に聞こえるのはアポロの嘆き声。
壁越しに聞こえる辺り結構限界なのかもしれない。
アポロには冒険者の仕事を任せるのは早かったということであろうか。

現状にアポロが飽きてしまった以上、またなんか突飛な行動を起こすかもしれない。
エミールがアポロを見張っている以上安心であるだろうが。
もしも......ということがあるかもしれない。

一方カイルは一旦応接室をあとにしている。
どうやらちょっと上の部屋に上がっているようだ。
――またすぐに戻ってくることになるであろうが。

今残っているのは二ェストルだけだ。
二ェストルのシタールの弦は無事張り直された。
  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

準備フェイズ一段階目です。
それぞれをそれぞれの場所へと移しました。

ちなみにグラディウスの手が空いているので、プリアーシェが望めばついていきます。

プリアーシェは冒険者レベル+知力Bで判定を行えます。
目標値は13。成功すればフロウライトが優秀な神官戦士とわかります。

フィンとクーガは楽譜について見識判定が可能です。
目標値は15。成功すれば『出立の曲目』に記されたことがわかります。

移動の必要がない行動であれば、どのような行動でも可能です。
クーガとプリアーシェはそれぞれ親書を受け取っておりますね。
他の場所で行いたい準備があれば移動を選択してください。

眠いまま書いたので何かあったら教えてください_(:3 」∠)_

 二ェストル(飛龍頭) [2015/11/09 22:04:45] 
 

/* 外出前のレス ちょっとだけ */

>「あれ、オレこの声聞いたことあるな。

> ちょっと前にどこだっけ――どこだったかな。

> どっかで誰かと話してるのを聞いたようなそうでないような......」

確証はなくともそれらしい人物の声はとれていたのだし、
時が来れば何かの助けになるだろう。

それよりも...

>「これ...、アポロといっしょに出会った女のひとの声です」

>『重そうなかばんに楽譜をいっぱいつめこんでて......。

― たくさんの楽譜

「...彼女の『大事なもの』は何に使うのだろうね...」

記憶している曲を弾くなら必ずしも楽譜はいらない。
必要になるとしたら、それを知らない者かあるいは...。

(運命の楽譜...、ならば厄介だね)

とりとめない考え事を続けていると、ふっと頬に柔らかな感触があった。

>「ネスさん、その傷......。どうしたんですか?

> 念のために、きれいにしておきましょう。あとから傷むといけないから」

フィンのもふもふとした手や、アポロの細い指が髪や頬を撫でていくのは少しこそばゆい。

「...ふふ、くすぐったいよ・・でも ありがとう」


  *   *   *

>「もうやだ、飽きたー!」

壁越しでも耳に届く絶叫。
元気なのはいいけれど、なにせ状況が悪い。

(このままにしておくと また何処かに行ってしまうかもしれないからねぇ)

小瓶の蜜を飲み干してから、軽く扉をノックして部屋を訪ねる。

「おやおや フィンとの約束はどうしたんだい?
 そんなに退屈なら、私を手伝ってもらえると嬉しいんだけれどな?」



―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより

前回のレスと今回やること(といってもお留守番)


『七色のはちみつ』を使用してからアポロとエミールの
お部屋に合流しまーす。

アポロからコンチェルティアの童話?的な物を話してもらったり、
チューニングがてらリクエストをもらった曲を弾いたりして時間を
潰しますー。

...サモン・スモールアニマルを歌って大惨事を引き起こしても
いいかもしれないと思った。

 フィン(雪虫) [2015/11/09 22:57:44] 
 

>「この子のことは僕に任せて」

 エミールさんがそう声をかけてくれた。

 「よろしくお願いします」

 僕は彼にそう言っておじぎをすると、部屋を出た。クーガさんといっしょに3番街のはずれ、ミハイルさんのもとを目指す。

 「僕、きょうだいがおおくて。ちょうどアポロとおなじくらいの弟も、いるんです。ふたりも」

 だまったまま歩くといやなことを考えてしまいそうだった。だから、ぽつりと言葉をこぼす。

 「......守りたいです」

 それは、クーガさんに聞こえていたかもしれない。聞こえていなかったかもしれない。

※ ※ ※   
 
 白い毛並みの小柄なタビットがひとりの衛兵さんと話をしていた。タビットのひとがくるりとこっちを向く。

 >「あれ、クーガさん。
   もしかしてカイルさんに話を聞いて?」

 このひとがミハイルさんでまちがいないみたいだった。

 僕たちがアンデッドの件をたしかめに来たことを告げると、ミハイルさんはこう答えた。

 >「アンデッドは今ここにはいませんよ。
   ただ少し興味深いものを見つけました。
   ......これなのですが。
   見たところ不死者を召喚する曲ですね」

 ミハイルさんがそう言って僕たちの目の前にさしだしたのは、一枚の楽譜だった。そこにしるされた曲を自分でも理解して、僕は凍りついた。

 「...召霊曲の...楽譜......メティシエの......」

 こういうたぐいの品があることは、書物で読んだことがあった。けれど、現物を目にすることがあるなんて。しかも今、こんなタイミングで。
 全身がつめたくなるのがわかった。
 これは、特殊な「歌」の楽譜だった。不死神メティシエの力と操霊術を組みあわせ、それをさらに歌の形で実現するんだ。
 
 悪夢だった。
 
 ここコンチェルティアにはたくさんの楽師がいて、たくさんの楽器があって。そのひとつひとつがおそろしい呪歌をかなでないように見張るなんて、とても無理だ。
 街のあちこちでいっせいにこの曲が流れたら......。コンチェルティアはどうなってしまうんだろう。
 
 「楽譜は折りたたんだり、丸めたりして持ち運びがしやすいです。もしこの曲の楽譜が複数つくられていたら......だれがどこでアンデッドを召喚しようとしているのか、見当もつきません」

 僕はあせった。
 たしかなことは、街中にあらわれたアンデッドの背後には、メティシエの信奉者たちの姿があること。「無限の探求者」の一部とみてほぼまちがいないだろう。
 
 「無限の探求者」は、予言者を、アポロを狙ってるんじゃなかったのか......。もしや、その目的をはたすために街じゅうを混乱におとしいれるつもり......? 

 わずかにだけれど、彼らのしようとしていることがなんなのか、その糸口はつかんだ気がした。

 >「つまり、不死者が本当にこの街の中に現れた可能性が高いということですか。
   参ったな......こんなことならもう少しうちの子に家から出ないように言っておくべきだったか」

 かたわらに立つ衛兵さんが、心配そうにそう言った。

 >「いや、うちの息子アポロって言うんですが。
   そういう年頃なのかこれがなかなかわんぱくな子でして......手がかかるんですよ

 「えっ?」

 まいった、と言いながら手をやる彼の髪の毛も、銀色だった。笑った顔がよく似てる。

 「アポロの、おとうさん......?」

 なんていうめぐり合わせだろう。僕はおどろいたし、心配をさせたくない気持ちからほんの少しためらった。
 でも、彼に話さなくちゃ、どんな態度をとられようとも。だってこの人は、アポロのお父さんなんだ。そう決めると、ふしぎと落ちついて話すことができた。

 「アポロを...。5番街のアポロをヴォルディーク家で保護しています。おそらくアンデッドを呼びだした『無限の探求者』は、このところの連続殺人にも関わっていると思われます。被害者はみんな『予言者』をなのっていました」    

 銀の髪をした衛兵さんをまっすぐ見あげる。

 「アポロには、ときどき『これから起こること』を見とおす力がある。そのとき、彼の瞳が真っ赤にそまる。そして、そのことは彼自身知らない。......そうですよね」

 お父さんがまったく気づいてないということは考えづらかった。

 「僕はフィン・ティモシーといいます。ルキスラの冒険者です。ヴォルディーク家ご当主からの依頼を受けてうごいています。でも、依頼とはべつに、僕はアポロを守りたいんです。急にこんなことを言われて、おどろかれたかもしれませんけど......。でも、今のところアポロは安全です。彼の力について、危険については知らせていません」

 僕はしっかりと顔をあげて、アポロのお父さん、クーガさん、それからミハイルさんにこう言った。

 「きっとこれから、アンデッドを呼びだして街を混乱させるようなうごきがあるでしょう。僕、もう少しミハイルさんといっしょにアンデッドについて調べたら、それをヴォルディーク家に報告します。混乱に乗じて、アポロの身に危険がせまることのないように」

 僕は今、強くなりたい。強く、なれる。

 「お父さんは、どうされますか。僕たちを...信用してくれますか」


―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(雪虫)より


いつでもびくびくぷるぷるしがちなフィンですが、今回はぷるぷるしません。

まずアポロのお父さんには、ぼやかすことなく分かっていることを伝えます。
彼がヴォルディーク家にやって来るか、街を守るか、それとも家族を守りに戻るのかはわかりませんが......。
アポロの「予言者」としての力についても、お父さんが知っていたら話を聞きたいです。

ミハイルさんとともにアンデッドについてこの場でわかるかぎりのことを確認したら、ただちにヴォルディーク家に戻って報告します。


雪虫@フィン ≫ 楽譜について 2d6+8+1 <Dice:2D6[3,4]+8+1=16>

 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/10 20:38:20] 
 

3番街に行く途中でフィンがポツリと言葉を漏らした。

>「僕、きょうだいがおおくて。ちょうどアポロとおなじくらいの弟も、いるんです。ふたりも」

俺は黙ったまま歩く。ただ、聞いてやるだけで気持ちが楽になんなら聞いてやろう。

>「......守りたいです」

ちゃんと聞いてるという意味も込めて、頭を強くなでる。
ついでにこちらもポツリと言葉を漏らす。

「"守りたい"じゃねぇ。」

前を向いたまま、俺たちの覚悟を込めて。

「"守る"んだ。」

---------------------------------------

3番街の外れにはきちっとミハイルがいた。
衛兵が一緒にいんだがなんか既視感を覚える。

>「あれ、クーガさん。
>もしかしてカイルさんに話を聞いて?」

こっちに気が付いたミハイルがやってくる。
手に何か持ってるみてぇだがよくわかんねぇ。

>「アンデッドは今ここにはいませんよ。
>ただ少し興味深いものを見つけました。
>......これなのですが。
>見たところ不死者を召喚する曲ですね」

「お?おう・・・」

言われても俺にはよくわからねぇ、なんとなく楽譜ってのは分かんだが。

>「楽譜は折りたたんだり、丸めたりして持ち運びがしやすいです。
>もしこの曲の楽譜が複数つくられていたら......
>だれがどこでアンデッドを召喚しようとしているのか、見当もつきません」

賢いフィンはこの楽譜の使い道まで考えているようだ。

>「つまり、不死者が本当にこの街の中に現れた可能性が高いということですか。
>参ったな......こんなことならもう少しうちの子に家から出ないように言っておくべきだったか」

一緒にいた衛兵が家族のことを心配している。それには納得できる。だが、そのあとの言葉に苦笑いしちまった。

>「いや、うちの息子アポロって言うんですが。
>そういう年頃なのかこれがなかなかわんぱくな子でして......手がかかるんですよ」

その言葉を聞いて既視感の理由がわかった。銀髪の頭、よく見りゃ顔つきも似てる。

>「アポロの、おとうさん......?」

なるほど、こいつは重畳だぜ。これならこっちも頼みやすい。って、フィン?

フィンがどっしり構えてアポロの親父さんを見つめている。何かを言おうとしているってことが分かる。

ここはフィンに任せよう。黙って事の成り行きを見つめる。

---------------------------------------

>「きっとこれから、アンデッドを呼びだして街を混乱させるようなうごきがあるでしょう。
>僕、もう少しミハイルさんといっしょにアンデッドについて調べたら、それをヴォルディーク家に報告します。
>混乱に乗じて、アポロの身に危険がせまることのないように」

決意を秘めた顔をしている。ここは任せても大丈夫だ。

>「お父さんは、どうされますか。僕たちを...信用してくれますか」

ならば、俺は俺の仕事をする。

「あー。ちょっといいか?」

緊張感のかけらも持たずに全員に声をかける。

「別に俺のことは信用しなくてもいいから、この親書とフィンのことは信用してくれ。」

アポロの親父さんにカイルの親書を手渡す。

「で、俺たちが頼みてぇのは街の治安を可能な限り守ってほしいんだ。
今、俺の仲間がザイア神殿と冒険者の店に協力求めに行くらしいから、確実に両方とも力を貸してくれるだろうな。」

プリアーシェなら絶対できる。

「で、俺はこれから"花の夜想曲"にテロリスト共を探す目と耳になるように頼みに行く。
こいつはどう転ぶかわかんね。ただ、あんたにはこの親書と今言ったことを上に届けて、
その後はアポロとあんたの家族・・・それとご近所さんを守ってくれ。
そしたら、あとは無傷のアポロが帰ってくんのを待っててくれればいい。」

三人の肩を軽く叩き。

「じゃ、ミハイル、フィン・・・・・しっかり気張れよ?親父さん、親書と言伝宜しくな。」

全力で駆け出す。

---------------
PLより
フィンに触発されてシリアスモード。
ただし、皆のために余裕を見せる。
ベテラン(笑)まで慌てたんじゃフィンにも感染しそうだしね。


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ダイス結果

21:57:11 ワイドスノー@クーガ 見識判定(楽譜):目標15 2d+4 Dice:2D6[2,2]+4=8

 プリアーシェ(Lain) [2015/11/11 23:37:34] 
 


 カイルさんからの親書を携え、ザイア神殿に出向く。

> 「ようこそザイアの神殿に。
>  どのような御用ですか、お嬢さん?」

 迎えてくれたのは鉱物の身体を持つ人族――フロウライトだった。

> 「それとも......このお嬢さんに何か用があるのではなく......。
>  もしかすると本当に彼女に用があるのは私ではないのだろうか」

 どう返答したものか、一瞬迷った隙に彼は自分の世界へ入り込んでしまったらしい。

「いいえ、用事があるのは私の方です。
 手助けしていただきたいことがあるのです」

 興味深くはあるけれど、今は興味に浸っている時間が惜しい。
 ひとまず用事を済ませなければ。

「私はプリアーシェといいます。
 ルキスラの冒険者で、今はカイルさん――カイル・ヴォルディークの使者として、こちらに伺っています。
 3番街で不死者が出た、という話はご存知でしょうか。
 今、私の仲間が確認に向かっているところなのですが――」

 単刀直入に切り出し、かいつまんで事情を説明する。

 無限の探究者のこと。
 この街に住む少年が狙われていること。
 メティシエを信仰する無限の探究者たちが、不死者を使おうとしているかもしれないこと。

「本来、ここまで掴めておりますので、私たち自身が何らかの対応を取ることができればよいのですが」

 しかし今、カイルさんも私たちも、来るべき襲撃に備えるので手一杯だ。

「私たちは私たちで、その子を守らねばなりません。
 申し訳ないことではありますが、手が足りないのです。
 ですから――」

 不死者への対応を、ザイア神殿でお願いしたいのです、と伝える。

「カイルさんから、協力を依頼する旨の手紙がこちらに。
 それと、もう1点、こちらは可能であれば、ということで結構ですが」

 アポロの名と、その家の場所を伝える。

「彼の家は5番街と聞いております。
 もし余裕があるのであれば、彼の家族や友人にも気を配っておいてはいただけないでしょうか。
 彼らが望むのであれば、ヴォルディーク家が保護する旨を申し出ていると伝えていただいても構いません。
 カイルさんは、街の人々に害が及ぶこと、狙われているアポロ君の家族や友人までもが危険に晒されることを、どうにかして防ぎたいと考えておいでです」

 ですからどうかご協力を、ともう一度お願いして、私は頭を下げた。


■PLから

 遅くなりました!
 ザイア神殿に出向いてお願いのターンです。

 不死者への全般的な対応を第一義に、余裕があればアポロの家族や友人の保護を、という形でお願いをしております。
 また、アポロの家族・友人については、ヴォルディーク家が保護することができるという趣旨の伝言もついでにお願いしておきます。


 ひとまず準備フェイズそのいちはこんなところで!(''

 GM(あんみつ) [2015/11/12 00:20:21] 
 

>「おやおや フィンとの約束はどうしたんだい?
> そんなに退屈なら、私を手伝ってもらえると嬉しいんだけれどな?」

不満を今にも爆発させそうなアポロを見兼ねて、二ェストルはノックしてからアポロのいる部屋を訪ねる。

「あ、ネス兄ちゃん。
 もう怪我は大丈夫?」

二ェストルが顔を見せると、口を尖らせていたアポロの頬が緩む。
そんな様子を見て部屋の隅で壁のもたれ掛かっていたエミールは、ゆっくりと体を持ち上げて。
二ェストルの方へと歩み寄ってくる。

「残念だけど、この子の相手は君の方が少し向いているようだね。
 僕は、部屋の外で飛び出していかないように見てるとするよ......それじゃ」

そう言ってエミールは小脇に楽器を抱えながら、部屋をあとにする。
エミールが出て行ったあとアポロはキラキラとした目をしながら。

「ネス兄ちゃん、ここ空いてるぜ、ここ!」

子供が座るにはちょっと大きすぎるソファの空いた部分を右手でぽんぽんと叩く。
なかなか座り心地の良さそうな椅子である。

「あ、そういえばネス兄ちゃんにお土産あるんだぜ?
 ほら、これこれ!」

アポロがフィンと一緒に買ったビスケットの包みだ。
くどすぎない適度な甘味で大人の味である。

「これ、"おとなのあじ"なんだって!
 アイリが言ってたんだー。
 おれ、ちゃんと好きそうなやつわかってんだ!
 ネス兄ちゃん、おれって大人だよなー?」

二ェストルの方に思いっきり見せている満面の笑顔は年相応で大人らしさの欠片もないが。
それでも、すごく嬉しそうだ。
――己に迫っている危機など全く気付いていないらしい。

「ネス兄ちゃんさっき楽器触ってただろ?
 なんか上手そうだよなー、フィンよりは絶対上手そう。
 ね、ね!なんか演奏してくれよ!」

アポロは二ェストルのおかげで退屈など忘れてしまったようだ。
これならいきなり外へ飛び出したりすることなどないだろう。

   *   *   *

フィンにはこの楽譜の正体がわかってしまった。
この後に起こりうる恐ろしい状況についても。

>「楽譜は折りたたんだり、丸めたりして持ち運びがしやすいです。もしこの曲の楽譜が複数つくられていたら......だれがどこでアンデッドを召喚しようとしているのか、見当もつきません」

「そうですね......可能性はあるかと思います。
 その場合局所的な対応では被害を防ぎにくいかもしれません」

ミハイルはフィンの言葉に同意する。
不死者を召喚するという楽譜が幾つもあるのであれば、街を混乱させるのに十分だろう。

一方で銀色の髪をした衛兵の彼。
アポロという名前の息子を持つという彼が、アポロの父親でないかとフィンたちは推測した。

>「アポロを...。5番街のアポロをヴォルディーク家で保護しています。おそらくアンデッドを呼びだした『無限の探求者』は、このところの連続殺人にも関わっていると思われます。被害者はみんな『予言者』をなのっていました」

>「アポロには、ときどき『これから起こること』を見とおす力がある。そのとき、彼の瞳が真っ赤にそまる。そして、そのことは彼自身知らない。......そうですよね」

そんな彼に対してフィンは自らが知る――アポロと現状について語る。
予言者が狙われている事実とアポロ自身が予言者である可能性、否――確信。

「あなたは、いったい......?」

フィンのタビット故の可愛らしい姿のせいか、強い警戒の念を感じるということはない。
だが、多少の疑念を抱いた目で見つめる。
親として見知らぬ者が子供の秘密を知っているとすれば詮無きことか。

>「僕はフィン・ティモシーといいます。ルキスラの冒険者です。ヴォルディーク家ご当主からの依頼を受けてうごいています。でも、依頼とはべつに、僕はアポロを守りたいんです。急にこんなことを言われて、おどろかれたかもしれませんけど......。でも、今のところアポロは安全です。彼の力について、危険については知らせていません」

そんなアポロの父親に対して、フィンは誠実な姿勢で語る。

「そういうことでしたか......」

彼は少し思い悩むような複雑そうな表情で言う。

「私は見ての通り衛兵の詰所で働いている――ユピテル・カリスという者です。
 フィンさん、おそらくあなたの言うアポロは確かに私の息子でしょう。
 あの子には......確かに予言のような力があることを勿論私も知っていました。
 そして、一連の事件が預言者を狙って起こされたものであることも......。
 だから、アポロには家を出ないように行っていたのですが、やはり結構我慢させていたようでして。
 事件から一週間が過ぎたこともあり、一日くらいは自由に......と思っていたのですが」

事件は決して終わっておらず、アポロが本当の標的であったのだと。
ユピテルの愛しい息子に対するちょっとした甘さが――危険な事態を引き起こしてしまったのかもしれない。
それとも逆であろうか――アポロが今日街に出てフィンたちと出会ったことは幸運なことだったのか。
全ては結末が出揃う瞬間に明かされるであろう。
予言者でなければ、未来のことなど知りようもない。

フィンとユピテルの話が一段落した後で、様子を見ていたクーガが話を切り出す。

>「別に俺のことは信用しなくてもいいから、この親書とフィンのことは信用してくれ。」

カイルから受け取った親書をユピテルに差し出す。

「これは......ヴォルディーク家の方からですか。
 カイル殿のことでしたらよく存じております。
 時に神殿にいらっしゃりますから」

この街のザイアの神殿と衛兵の詰所はほぼイコールである。
ユピテルもカイルの顔を見る機会はよくあっただろう。

>「で、俺たちが頼みてぇのは街の治安を可能な限り守ってほしいんだ。
>今、俺の仲間がザイア神殿と冒険者の店に協力求めに行くらしいから、確実に両方とも力を貸してくれるだろうな。」

>「で、俺はこれから"花の夜想曲"にテロリスト共を探す目と耳になるように頼みに行く。
>こいつはどう転ぶかわかんね。ただ、あんたにはこの親書と今言ったことを上に届けて、
>その後はアポロとあんたの家族・・・それとご近所さんを守ってくれ。
>そしたら、あとは無傷のアポロが帰ってくんのを待っててくれればいい。」

クーガが要求したのは、ユピテル延いては衛兵たちの力を借りることである。
今回のアンデッドによる襲撃――それが街全体に渡るのであれば冒険者たちだけでは数が足りない。
街を守るために打てる手はどんどん打つべきなのだ。

「......わかりました。
 ザイアの神殿に訪れている方がいらっしゃるのでしたら、問題はないかと思われますが。
 現在街の見回りに出ている者たちに危機に備えることをお伝えしましょう。
 私も衛兵として街の見回りに向かい務めを果たします。
 ......ですから、どうか」

「どうか......アポロのことを守ってやってください。
 我侭なところもありますが、私たちの命よりも大事な宝物ですから」

   *   *   *

「クーガさんは花の夜想曲に行かれるのですね?
 なかなか曲者ぞろいと聞きますが......流石にここまで大事になれば彼らも動かざるを得ないのではないでしょうか。
 ――とにかくお気を付けて」

ミハイルは一度情報を持ち帰ってヴォルディーク邸に戻るようだ。
フィンもついていけば――アポロが待っているだろう。

クーガは再度――花の夜想曲の根城の傍を訪れる......が。

「来ると思ってたわ。
 少しぶりね、クーガ」

デイジーがその場所の前で待機していた。

「私はこういうのあまり好きじゃないのだけれど。
 舞台があまりに広すぎて観客席まで巻き込まれるのであれば仕方ないわね。
 手短に話しましょう?
 あなたもそれの方がいいでしょう――いろいろと、ね」

   *   *   *

目の前で思索にふけり出すフロウライトに対して。

>「いいえ、用事があるのは私の方です。
> 手助けしていただきたいことがあるのです」

プリアーシェは手短に済ませるため、彼を現実へと引き戻そうとする。
時間を無為には使えない故、仕方ないところである。

「ああ、済まないね。
 つい考えすぎてしまうのは私の悪い癖だ。
 それで、用とはいったい?」

プリアーシェの心遣いの賜物であろうか。
彼は無事プリアーシェの話を聞ける姿勢になる。
そして、そんな彼にプリアーシェが語るのはコンチェルティアにアンデッドが出たという事件。
彼女の驚愕の発言に対して、目の前の人物は顔色を変えた――ような気がした。

「それは真ですか?この街に不死者とは......なんということ。
 ああ、これは我が神が我らに与えし試練なのでしょうか。
 いえ、誠実たる我が主に限ってそんなことはないはず......。
 ――いや、すみません。
 貴女の仰ることが事実であるならばここで考えてる暇もありませんでしたね」

流石に彼もぼんやり考え込んでいる暇はないということなのであろう。
彼はプリアーシェからカイルからの依頼書を受け取って言う。

「わかりました。
 現在非番の者も含め、不死者の襲撃に備えるように周知しましょう。
 襲撃の度合いが測りかねる故、我々で全てを賄えるかはわかりませんが。
 これは我々に課されし職務です――全力を尽くして街を、人々を護りましょう」

どうやらザイアの神殿から無事に協力の約束を得ることができたようだ。
尤も弱き者を守るという教えから、彼らが動くことは当然のことであったかもしれないが。

――また、プリアーシェが彼から得られる協力はそれだけに留まらなかった。

「これから私は他の神殿に赴き、僅かでも力を借りれぬか尋ねてみます。
 不死者――不浄なる者は我ら神の信徒の共通の敵対者。
 期待させるほどの助けを得られるかはわかりませんが、僅かながらでも神のため街のため動くでしょう」

   *   *   *

無事神殿からの協力を得たプリアーシェはザイアの神殿を出て、冒険者の店へと向かう。
とりあえず目指すのは七色の調べ亭だろうか。

「あら、いらっしゃい?
 ――何かわかったかしら」

アンネが快く迎えてくれる。
近くにはいつの間に戻ったのやらリオンの姿がある。
  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

準備フェイズ二段階目です。
それぞれをそれぞれの場所へと移しました。
プリアーシェが向かう店は七色の調べ亭でよかったでしょうか?
問題がありましたらお教えください。

今回も移動の必要がない行動であれば、どのような行動でも可能です。
次のシーンではイベントが発生いたしますので、
イベント発生時に滞在したい場所がございましたら、そちらへ移動を宜しくお願い致します。

 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/13 22:14:24] 
 

俺の頼みはあっさりと受け入れられた。

>「どうか......アポロのことを守ってやってください。
>我侭なところもありますが、私たちの命よりも大事な宝物ですから」

"花の夜想曲"に駆け出そうとしたところをアポロの親父さんに頼まれ、

> ――とにかくお気を付けて」

ミハイルに心配される。

言われなくても分かってると右手を高く掲げ上げピースサインして見せる。

---------------------------------------

そして、"花の夜想曲"の前に着いたら

>「来ると思ってたわ。
> 少しぶりね、クーガ」

デイジーが待っていた。
情報の伝達早ぇな。全力で走ってきたはずだが・・・・?

肩で息をして呼吸を整える。

>「私はこういうのあまり好きじゃないのだけれど。
>舞台があまりに広すぎて観客席まで巻き込まれるのであれば仕方ないわね。
>手短に話しましょう?
>あなたもそれの方がいいでしょう――いろいろと、ね」

「そうだな。アイツら調子に乗りすぎだ。喧嘩ってのはもっとコソコソやるべきだな。
観客席まで巻き込んだらそいつはただの乱闘だ。客にボコられても文句言えねぇよ。」

前置きは置いといて本題に入ることにする。

「で、もう分かってっと思うが、奴ら街中にアンデットばらまくつもりらしい。
その方法ってのが呪歌使うみてぇなんだが、出所探って衛兵達に教えてやってくれ。
衛兵たちはザイア神殿に集まるみてぇだからそこに行きゃ誰かいるはずだ。
戦闘に参加するしないは自由だが、黒の長髪の女には注意しろ。衛兵にも伝えといてくれ。
あと、エースが見た赤髪の30くらいの男を探してどこに移動しているか連絡して欲しい。」

通話のピアスを差し出す。それともう一言、

「その男には手は出さないでくれ・・・俺が、潰す。」

---------------
PLより
呪歌の出所を探って衛兵へのタレこみと
戦闘に参加するならご自由に、ただ指揮者は強いから
手出すと痛い目見るよ。と忠告。

で、赤髪の30くらいの男を見つけたら手は出さずに
どこに向かってるか情報をお願いと、伝えます。

クーガが倒すつもりらしいですが
完全負けフラグ。


 二ェストル(飛龍頭) [2015/11/13 23:50:47] 
 

>「あ、ネス兄ちゃん。

> もう怪我は大丈夫?」

「大丈夫 もう痛みはないよ
 二人がちゃんと手当てをしてくれたおかげかな?」

見知った顔に安心したのか、顔をほころばせ近づいてきた
アポロの頭をそっと撫でる。

>「残念だけど、この子の相手は君の方が少し向いているようだね。

> 僕は、部屋の外で飛び出していかないように見てるとするよ......それじゃ」

>「ネス兄ちゃん、ここ空いてるぜ、ここ!」

「気を使わせてすまないね... ではお邪魔するよ」

部屋を出たエミールに声をかけ、アポロに促されるままソファに腰をおろす。
そのまま彼は満面の笑みで、友人とお土産を嬉しそうに自慢する。

>―― 己に迫っている危機など全く気付いていないらしい。

この事件がアポロにどう影響するかは分からない。
けれど彼も、彼を取り巻く全てもそのまま返すために。

(できるだけのことはしなくちゃいけないね...)

>「ネス兄ちゃんさっき楽器触ってただろ?

> なんか上手そうだよなー、フィンよりは絶対上手そう。

> ね、ね!なんか演奏してくれよ!」

「では ちいさなジェントルマンのリクエストにお答えしようか」


―――――――――――――――――――――――――――――――
PCより
引き続きアポロの警護としてお部屋の中にとどまりますー。
できるかぎりアポロの笑顔も彼の笑顔を支えている人も守りたいでゴザル。

23:41:17 飛龍頭@ネス 2d6+8 普通の楽器演奏 Dice:2D6[6,1]+8=15

出目がふつうだなー。。

 フィン(雪虫) [2015/11/14 23:34:39] 
 

 >「そういうことでしたか......」

 お父さんの表情はすこし苦しそうだ。

 >「私は見ての通り衛兵の詰所で働いている――ユピテル・カリスという者です。
   フィンさん、おそらくあなたの言うアポロは確かに私の息子でしょう。
   あの子には......確かに予言のような力があることを勿論私も知っていました。
   そして、一連の事件が預言者を狙って起こされたものであることも......。
   だから、アポロには家を出ないように行っていたのですが、やはり結構我慢させていたようでして。
   事件から一週間が過ぎたこともあり、一日くらいは自由に......と思っていたのですが」

 僕たちを信用してくれるかと問いかけた僕の言葉をうけて、クーガさんがつづけた。なんの気負いもなく。

 >「あー。ちょっといいか?」
 >「別に俺のことは信用しなくてもいいから、この親書とフィンのことは信用してくれ。」

 フィンのことは信用してくれ、その言葉に目のあいだがつんとした。僕は歯をくいしばった。

 >「これは......ヴォルディーク家の方からですか。
   カイル殿のことでしたらよく存じております。
   時に神殿にいらっしゃりますから」

 >「で、俺たちが頼みてぇのは街の治安を可能な限り守ってほしいんだ。
   今、俺の仲間がザイア神殿と冒険者の店に協力求めに行くらしいから、確実に両方とも力を貸してくれるだろうな。」

 そう、プリアーシェさんならきっとどちらの協力もとりつけてくれるだろう。

 >「で、俺はこれから"花の夜想曲"にテロリスト共を探す目と耳になるように頼みに行く。
   こいつはどう転ぶかわかんね。ただ、あんたにはこの親書と今言ったことを上に届けて、
   その後はアポロとあんたの家族・・・それとご近所さんを守ってくれ。
   そしたら、あとは無傷のアポロが帰ってくんのを待っててくれればいい。」

 アポロを無事に家族のもとへかえす。そして、これからもアポロと家族と、みんなが暮らすだろうコンチェルティアを、いまのままの姿で守る。
 それは僕の心からの願い......いや、「祈り」だった。

  
 >「......わかりました。
   ザイアの神殿に訪れている方がいらっしゃるのでしたら、問題はないかと思われますが。
   現在街の見回りに出ている者たちに危機に備えることをお伝えしましょう。
   私も衛兵として街の見回りに向かい務めを果たします。
   ......ですから、どうか」

 >「どうか......アポロのことを守ってやってください。
   我侭なところもありますが、私たちの命よりも大事な宝物ですから」

 僕には声がきこえない神様。それでも、お話があります。

 「かならず、アポロは守ります。そしてお父さんたちのもとへかえします。だから、どうぞ安心してください。この街を、ご家族を、守ってください」

 僕は誓ってこの約束を守りますから、どうか、そこから見ていてください。

 >「じゃ、ミハイル、フィン・・・・・しっかり気張れよ?親父さん、親書と言伝宜しくな。」

 そう言ってクーガさんは駆けだした。心配するミハイルさんにピースサインをしてみせる。
 僕は無言でこぶしを固くにぎった。手のなかで楽譜がくしゃりと音をたてた。

 「ミハイルさん、お屋敷にもどりましょうか。この楽譜のことをカイルさんやみなさんに報告しなくちゃ...」

 僕はアポロのお父さんにふかく頭をさげた。そして、安心してください、とほほえみかける。うまく、笑顔を見せられたかな。

 そして、いそいで2番街のヴォルディーク邸をめざした。 

※ ※ ※

 僕はまっさきにアポロのいる部屋にむかった。ミハイルさんがカイルさんのもとへ行ったようだし、僕もすぐに行けばだいじょうぶだろう。
 いつになく大胆になっていることは自分でわかってる。でも、今はアポロの顔が見たかった。

 廊下にエミールさんがたたずんでいる。ぼんやりしているんじゃなくて、気を張ってまわりを警戒しているのが感じとれた。

 「エミールさん、お疲れさまです。アポロはいい子にしてますか?」

 そういえば、エミールさんも詩人だった。コンチェルティアにつたわる呪歌にはくわしいはずだ。僕はためらいなく「楽譜」を彼に見せた。

 「3番街でミハイルさんが見つけたものです。メティシエの『召霊曲の楽譜』だと思われます。これが街じゅうで演奏されたら、不死者がコンチェルティアにあふれるでしょう」

 エミールさんを見あげる。

 「なにか、こういった呪歌について、打てる手立てをごぞんじないですか?」

 それから、ふと気になっていたことをたずねてみる。

 「エミールさん、あの......目覚めの呪歌はごぞんじですか?」

 これは単に僕のおもいつきだから、つい目がおよぎそうになる。

 「殺害されたひとたちはみな、なぜか眠ったように目をとじていたそうなんです。もしかしたら、僕たちもそんなふうに襲われるのかも......」

※ ※ ※

 「ただいま、アポロ。ポチを見ててくれてありがとう。すごく助かったよ」

 アポロはネスさんといっしょのソファに座ってごきげんだった。なにか音楽を聴かせてもらっていたみたい。音楽...空気の振動......。
 いけない、いまはこわい顔をしている時じゃない。僕はできるだけあかるい声でアポロに声をかけた。

 「あのね、いま僕たちのあいだで相談してるんだけど、どうやらこのお屋敷が僕たちの秘密基地になりそうなんだ。もちろんアポロも、秘密基地の一員だよ?これからちょっとそのことでカイルさんとお話してくるけど、いい子で待っててくれる?」
 
 それから僕は息をととのえて、ネスさんに魔動機文明語で説明をした。

 『街にアンデッドが現れた、というのはおそらくほんとうです。『召霊曲の楽譜』が落ちていました。この曲が奏でられるかぎり、どこにでもアンデッドは現れます。楽譜が他にもあるとすると、もしかしたら、街じゅうに...』

 それから、と僕はつづけた。

 『アポロのお父さんに会いました。彼はこの街の衛兵さんでした。彼は彼の務めをはたす、だからアポロをどうか守ってくれ、とお父さんは言いました。僕たち、約束したんです。お互いが守るべきものをかならず守るって』

 お父さんも、つらいだろうに。くちびるがふるえそうになる。ぎゅ、と口もとをひきしめてから、交易共通語にもどしてつづけた。

 「クーガさんは【花の夜想曲】へ行きました。僕、これからカイルさんのところに顔をだしてきます。ミハイルさんがもう、だいたい話してくれてるかもしれませんけど......」

 それからふと、ネスさんに視線をあわせる。

 「ネスさんは......。もし呪歌や魔法で眠らされそうになっても、きっと平気ですよね」
  
 彼は月の光に守られた、シャドウの一族だ。それに、彼自身も呪歌の使い手だ。
 すこしでも安心したくて、たしかめる。

 「...じゃ、僕、カイルさんのところに行ってきますね。今の話を、みんなにもつたえなきゃ」

―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(雪虫)より

まずはアポロのお父さんに「息子さんはかならず守る」と宣言を。気持ちの問題ですが。
クーガさんを見送ります。アポロのお家のまわりの安全も確保されそうでよかった......。

ミハイルさんとお屋敷にもどり、詩人のエミールさんに「召霊曲」への対抗手段に思い当たることはないかたずねます。
それとともに、「アーリーバード」は使えますかと率直に聞きます。

アポロのお部屋に行き、無事を確認してから、もうちょっとこのお屋敷にいようねと話します。
ネスさんに得られた情報すべてをお話します。

これからカイルさんのもとへ出向きます。プリアーシェさん、クーガさんがもどったら、全員で情報を交換する必要があるかと思います。

...がんばる! 
 

 プリアーシェ(Lain) [2015/11/15 23:20:51] 
 

> 「わかりました。
>  現在非番の者も含め、不死者の襲撃に備えるように周知しましょう。

「ありがとうございます。
 ザイア神殿の方々が動いてくださるのであれば心強いことです」

 有難い申し出にお礼の言葉を述べる。

> 「これから私は他の神殿に赴き、僅かでも力を借りれぬか尋ねてみます。
>  不死者――不浄なる者は我ら神の信徒の共通の敵対者。
>  期待させるほどの助けを得られるかはわかりませんが、僅かながらでも神のため街のため動くでしょう」

 続いた彼の言葉は更に心強いものだった。
 他の神殿へも話を回してもらえるのであれば、さらに手が増える期待が持てる。

「お心遣いに感謝を」

 もう一度頭を下げてお礼を言う。
 不死者の話が事実であるとしても、これで最低限の備えはできたと見ていいかもしれない。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「――楽譜?呪歌?」

 七色の調べ亭への道中、クーガさんからピアスを通じて届けられた話は驚くべきものだった。

 アンデッドを召喚するための呪歌。その楽譜。
 それが街中に複数ばら撒かれている可能性。

 ザイア神殿は不死者が同時多発的に出現したとして対応可能だろうか。
 戻って説明するべきかしら、と考える。

 いや、ザイア神殿が総力をもって当たるということ、更には他の神殿へも協力を要請してくれるということであれば、ある程度の対処は可能だろう。
 今は予定通り七色の調べ亭へ出向いて協力を依頼すべきだ。

 にしても、手立てはあるのだろうか。
 できることならば事前に止める手立ては。

「――ありがとう、事情は概ね解りました。
 そのことも含めて、七色の調べ亭で協力を依頼します。
 ザイア神殿は不死者に対して、非番の方も含めて対応に当たることを確約してくれました。
 また、他の神殿へも協力を要請してくれるとのことです。
 最悪の事態が生じても、ある程度の対応は可能と考えています」

 ではそちらもお気をつけて、と言い、通話を切る。

 あれで腕は確かな人なのだ。彼は彼で自分の役目を果たしてくれることだろう。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


> 「あら、いらっしゃい?
>  ――何かわかったかしら」

 七色の調べ亭では、アンネさんがにこやかに迎えてくれた。
 リオンさんが傍らにいる。
 そういえば彼も吟遊詩人だったのでは、と思いだす。

「いろいろと、困ったことがわかりました。
 3番街で不死者が出たという噂はご存知ですか?
 あの一件がどうやら事実であるということ、無限の探究者が関わっているということ、それから――不死者を呼び出す手段が呪歌であるらしいこと、その呪歌の楽譜が街中にあるということ、楽譜が複製されている可能性があるということ」

 一旦言葉を切り、さらに続ける。

「ザイア神殿にはすでに協力を要請しています。主に不死者への対処について。
 神殿は全面的な協力と、他の神殿への協力依頼を確約してくれました」

 しかしそれだけで足りるかどうか、と付け加える。

「そのようなわけで、ここへ来たのは依頼人として――正確にはその代理人として、なのです。
 目的は召喚される可能性のある不死者と、可能であれば召喚の試みそのものへの対処。
 前金はこちらです。
 対処の方法についてですが――」

 召喚の方法が呪歌であれば、より力の強い呪歌を被せてしまえば効果を失わせることは可能だということ。
 腕利きの吟遊詩人がいれば、召喚そのものを妨害できる可能性があるということ。
 可能であれば、七色の調べ亭を通じて、他の冒険者の店にもこの話を広げてほしいということ。

 そういったことを、私は説明した。

「ですから私は、リオンさん、あなたにもご協力いただきたいと考えています。
 彼らはあなたの店に汚名を着せようとしました。
 そして今また、あなたの拠って立つものを、このような形で使おうとしています。
 ヴォルディーク家を、あるいはカイルさんを快く思っておられないとは思いますが、それとこれとは別とお考えいただけませんか。
 付け加えるならば、これは正式な依頼でもあります。
 冒険者で、おそらく腕利きの吟遊詩人でもあるあなたのその手腕を、私は信頼したいと考えているのです」



■PLから

 ふたたびおねがいのターン@七色の調べ亭 であります!

 言いたいことはだいたい言ったのでとりあえずここまでで!(''

 GM(あんみつ) [2015/11/16 00:03:55] 
 

クーガはデイジーに自分が知った事実を建物の前にいるデイジーに伝える。
聞きながら彼女は余裕の微笑みを浮かべている。
ここまで想定内であったのだろうか。

「ありがとう、思った通りの働きをしてくれるのね。
 見ていて楽しかったわ。
 ――そうね、私が知ってる限り各区画に1つ楽譜は渡ったみたい。
 予備の一つはもう貴方たちが回収したんでしょう?
 尤も性質的にすぐに気がつくものだから広範囲に渡って見回ればなんとかなるんじゃない。
 あと、もし私たちの近くに出てきたら"処理"しておいてあげるわ。
 ......黙って殺されるようになんてもちろん言えないでしょう?」

デイジーはやはり大々的には協力する気はないらしい。
プリアーシェらが表立って動いていることを知っているため余裕があるのだろうか。
デイジーから手に入ったのは楽譜が各区画に1つ配られている可能性が高いこと。
そして、いざという時には"花の夜想曲"が"処理"するという。
――実態は想像通りであろう。

「もうひとつ、特別にあなたに教えてあげる。
 赤髪の男――魔術が得意だそうよ。
 おそらく今までの殺人もそれを使っていたんじゃないかしら」

犯人と思われる赤毛の男は魔術師であるらしい。
住居への侵入や、実際の殺害についても魔法を使っていた可能性は高いだろうか。

「あと私から言えるのはひとつだけね。
 ――死んじゃダメよ。
 楽しみが一つ減っちゃうもの」

   *   *   *

フィンは再度ヴォルディーク邸に戻ってくる。

「それでは、僕はお先にカイルさんのところへ行きますね」

そう言ってミハイルはフィンから離れて奥の方の部屋へ向かう。
そこはカイルの私室であるらしい。

フィンはアポロのいる部屋の方を目指す中、部屋の前に佇むエミールを見つける。

>「エミールさん、お疲れさまです。アポロはいい子にしてますか?」

「今は、中に彼のお友達がいるからね。
 ちゃんといい子にしているさ」

アポロのお友達とは、おそらく二ェストルのことではないだろうか。

>「3番街でミハイルさんが見つけたものです。メティシエの『召霊曲の楽譜』だと思われます。これが街じゅうで演奏されたら、不死者がコンチェルティアにあふれるでしょう」

フィンがミハイルに見せたのは『召霊曲の楽譜』。

>「なにか、こういった呪歌について、打てる手立てをごぞんじないですか?」

エミールは少々深刻そうに考えながら言う。

「つまり、これが使われる可能性があるということかな?
 なるほど......彼ららしいね。
 僕もこの楽譜については知っているよ。
 打てる手立てか、わかることとしては音楽による対抗をすることしかないんじゃないかな。
 それとも、奏者を止めるか。
 この楽譜......弾いてみればわかるけれど、一度弾き始めたら最後死ぬまで心が囚われてしまう。
 最も心を落ち着かせる術があれば別だけどね。
 たぶん、彼らは無関係な人でも使うんだろう――哀しいけどね」

『召霊曲』を弾いた者は不死神に心を囚われてしまうそうだ。
精神を落ち着かせる技術さえあれば、彼らの心を取り戻せるそうだが。
ない場合は手段を選んではいられないだろう。
――ただ、プリアーシェが神殿の協力を得ることに成功していれば、最悪の事態は防げるかもしれない。
ちなみに彼が詳しいのは、おそらく過去に起因するのであろう。

>「エミールさん、あの......目覚めの呪歌はごぞんじですか?」

「悪いけど、僕は使えないよ。
 あまりむしろ寝かせたりする方が得意なんだよね――性格的にもさ。
 それに僕はどちらかというと剣の方が得意だからね」

エミールは残念ながら目覚めの歌を奏でることはできないらしい。
子守唄を歌うことはできるが、どちらかというと剣の方が得手だそうだ。
専業の詩人に比べれば、スキルは幾段か落ちるということであろう。
カーバンクルはしょうがないからそれくらいは許してくれるそうだ。

   *   *   *

そのままフィンはアポロと二ェストルの待つ部屋へと向かう。

>「ただいま、アポロ。ポチを見ててくれてありがとう。すごく助かったよ」

「遅いぞ、フィン!
 えっと、ポチ......ポチ?
 ああ、ちゃんと見てたぞ、うん!」

言葉とは裏腹にアポロはポチの存在をすっかり忘れていたようだ。
たぶん、怪しい動きは全く見ていなかったようだが。
其の辺はエミールや二ェストルがいたため問題なかっただろうか。

>「あのね、いま僕たちのあいだで相談してるんだけど、どうやらこのお屋敷が僕たちの秘密基地になりそうなんだ。もちろんアポロも、 秘密基地の一員だよ?これからちょっとそのことでカイルさんとお話してくるけど、いい子で待っててくれる?」

「秘密基地?ここが秘密基地になるの?
 すげーじゃん、おれ秘密基地二つゲットだぜ?
 うん、おれ待ってる、待ってるから早く行ってこいよな!」

秘密という短い言葉は、子供にとっては無限大の魔法の言葉である。
アポロは更にワクワク感を加速させているようだ。

「ネス兄ちゃん、それじゃ続き何か歌ってよ!
 今度は妖精の詩とかがいいなー」

フィンが部屋を後にするとアポロは再び二ェストルに歌をねだる。

   *   *   *

七色の調べ亭にやってきたプリアーシェは、アンネに新たに分かったことを告げる。
内容は事件のことよりも、コンチェルティアを不死者が襲いかねないという事態についてだ。
それは呪歌の類である可能性が高いことや既に神殿に協力の要請を出していることなどを詳しく述べれば。

「ええ、不死者らしき者が出たのは知っているわ。
 ただすぐにいなくなったらしいから見間違いかと思っていたけれど......。
 あなたの話を聞く限り本当なのね......だとすれば一大事だわ」

アンネは軽く頭を抱えた。
続いて、プリアーシェが依頼としてこの件を店に出すことを告げると。

「わかったわ、簡単な手順は飛ばしましょう。
 一刻を争うのだから、当然ね。
 この街は音楽の街だから、依頼に沿う冒険者なら数人はすぐ出せると思うわ。
 ――一応そこのリオンもね」

それを聞いてかプリアーシェは。

>「ですから私は、リオンさん、あなたにもご協力いただきたいと考えています。

カウンターの傍に腰掛けていたリオンにも声をかける。
彼は興味のなさそうな顔をしながらもしっかりと耳は話に傾けていたらしい。

「......わからないな」

リオンは少し呆れたかのような調子で言う。

「君が受けたのは、事件の犯罪者を捕まえることだろう?
 逆に言えばそれだけ済ませればいいだけの話じゃないか。
 この店の名誉も、この街の安全も、そして僕という存在も君には関係のない話だろう?
 それでも何故君は僕の協力を求めるんだい?」

彼は基本的に合理的すぎるほどに物事を考えているのだろう。
必要なことはやる、必要でないことはやらないのだ。
だから、同じく理性的な存在だとプリアーシェを思っていた彼はひどく不思議に思ったのだろう。
この街の全てと関わりのないプリアーシェが何故街を守るために足を動かすのかが。

「僕はこの店の冒険者だ。
 だから、アンネさんが行けというなら僕は行くよ。
 今他に仕事があるわけでもないから。
 ――ただその前に少し気になっただけさ、君が何を思っているのか」
  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

準備フェイズ二段階目終了です。
この後で何らかのイベントを発生させます。

プリアーシェとクーガについてですが。
特に宣言がなければヴォルディーク邸へと戻す扱いとします。
何か問題があればご連絡ください。

 GM(あんみつ) [2015/11/16 00:53:24] 
 

フィンはカイルの私室へと赴く。
ドアをコンコンとノックすれば、

「はい?」

ミハイルがゆっくりとドア開けてくれるだろう。

「えっと、フィンさんですね?
 カイルさんに御用ですか?
 ――それならどうぞ中へ」

タビットの短い手でフィンに手招きをする。
部屋の奥にはカイルが立っている。
先程までの貴族らしい服から鎧へと着替え直したようだ。
ミハイルの報告を聞いて、念の為に戦いの準備をしたのだろう。

「詳しいことはミハイルから聞いた。
 不死者が街で召喚されるかもしれないんだろう?
 ――厄介だな」

カイルは窓を見ながら口を動かしているが、その言葉の向かう先はおそらくフィンであろうか。

「ただ、今大事なのはそっちじゃない。
 あの子供を守ること――そうだろう?
 街は他の者たちに任せて、俺たちは今この場所でやれることをするだけだ。
 安心しろ、あいつは俺が守ってやる――ザイアに誓って。
 だからお前の力も貸してもらうぞ」

今度の言葉はカイルはしっかりミハイルを見て話す。
彼からの気持ちの違いであろうか。
ミハイルが答えるかどうか――その瞬間であった。

街の片隅から微かに聞こえる音楽。
それは陰鬱でまるで不死者の唸り声のような。
同時にヴォルディーク邸の庭から激しい地鳴りの音。

「――来たらしいな。
 俺はあの子供の傍に控えてる。
 何があっても守っておいてやる。
 だからお前たちは庭の様子を見てきてくれないか?
 ......ミハイル、お前もな」

カイルは思ったより落ち着いていた。
流石に貴族の息子でザイアの信徒というところであろうか。
彼はアポロのそばに控えているらしい。
正直――この組み合わせはあまり上手くいかなそうなビジョンはあるが。

   *   *   *

異変はアポロと二ェストルのいる部屋の中からもわかるだろう。

「うげー、なんか嫌な音しない?
 ネス兄ちゃん、これ何?」

そして大きな地響き音がすれば......。

「ネス兄ちゃん、庭に何かいるよ!
 なんだろう......変な馬車みたいなのに乗ってる。
 ど、どうしよう!」

アポロはいきなり窓のすぐ傍まで走っていき、そこから庭の様子を見ているようだ。
二ェストルも窓から見れば戦車に乗った騎士のような魔物が庭に現れたのが見えるだろう。
その他にも骨でできた魔物が幾体か姿を現しているようだ。
このように窓から向こう側が見えるということは――向こう側からも窓の中が見えるということだろう。

「おそらく、カイル様がここに来るはずだから......僕は下に降りるとするかな。
 ――君はどうする?」

   *   *   *

クーガとプリアーシェは偶然ヴォルディーク邸の前で合流できるだろう。
そして、街に異変が起きたのはそれと同時だった。
突如響きだした謎の音楽。
――そして、悲鳴が上がった。
見れば街中にゾンビの姿が現れているではないか。
予想していたことが起きてしまったということだろうか。
――だが。

「本当にこうなるとはね。
 でも、僕が来たんだから心配はないよ」

いつの間にかリオンが来ていたようだ。
彼のそばには神官らしき人物と衛兵らしき人物。
ここはもう彼らに任せて問題ないであろうか。

今クーガとプリアーシェが尽力しなければならないのは......。
ヴォルディーク邸の庭に黒い光と共に姿を現した不死者だろうか。
奴らはアポロを狙っている。
もしかしたら、クーガたちは一瞬赤い髪が消えるのを見ることができたかもしれない。

   *   *   *

ヴォルディーク邸内にいる冒険者たちが庭の方に出てくれば、そこにはグラディウスの姿があった。

「やっと、俺の仕事が来たってところか。
 思う存分暴れてやるから任せておきな。
 流石にこいつもこの状況なら多少は働くだろうよ」

よく見ればグラディウスはエースを小脇に抱えている。  

「わかってるよー、オレだって死にたくないもん。
 その代わり絶対お酒あとでせびるからな」

エースも不承不承ながらも協力してくれそうだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

イベントフェイズです。
PCの初期位置はフィンはミハイル・カイルと共にカイルの私室。
二ェストルはエミール・アポロと共に2階の部屋。
クーガ・プリアーシェはヴォルディーク邸の外です。

フィンはミハイルとともに庭まで降りることも可能です。
カイルと共にアポロの元へ行くことも可能です。

二ェストルはエミールと共に庭まで降りることが可能です。
アポロの元にとどまることも可能です。

外から帰ってきたところなのでプリアーシェとクーガは庭までしか迎えません。
一応リオンらの援助に回ることは可能ですが、基本的に必要ないとしていただいて構いません。

不死者について魔物知識判定が可能です。
目標値は6/1111/18ですね。それぞれスケルトンとデュラハンです。
スケルトンは2体くらいいるようです。
また召霊曲は完全に対応されたためゾンビが戦闘に参加することはございません。

クーガとプリアーシェに限り危険感知判定が可能です。目標値は15
成功すれば、赤い髪をした男が姿を消すのが見えますね。

戦闘は普通にPCとNPCが参加すれば勝利できてしまうと思うので、
ここで大事なことは大きく2点であることを明言しておきます。

・アポロを活かすか殺すか
・赤髪の男を捕らえるか逃がすか

の2つのポイントですね。

アポロに関しては庭に窓が面した2階の部屋の中にいます。
窓があるので射撃攻撃は多少防ぐことができますね。

どのような方法でこの場を切り抜けるかだけが大事ですね。
このシーンでどのような行動をとるかだけ宣言して頂ければ構いません。
基本的に戦闘用のダイスはお振りにならなくても結構です。
直接戦闘にかかわらない位置で魔法や呪歌などを使う際はダイスをお振りください。

何か質問があればいつでもどうぞ!

 二ェストル(飛龍頭) [2015/11/17 01:38:05] 
 


ニェストルの行動は【アポロを生かし、赤髪の男を捕らえる】を目指して、


・2階の部屋でアポロを窓と室内の扉の中間くらいに移動させる。
・ネスとエミールがそれぞれの側で遮蔽になるように立つ。
・サモンフェアリー(ムリアンの群れ)行使。
・呼びだしたムリアンにストーンガード3倍をかけてもらって待機。
・相手の呪歌対策と嫌がらせをかねて「拡声リップも併用しチャーミング」を歌う。

※主動作にあたる行動を複数していますので、問題がありましたら修正いたします。

※※11/21 追加

ムリアンの群を部屋中に広がるように待機させ、呪歌の使用をキャンセルします。


●行使判定(現在のMP:21/28)
01:14:59 飛龍頭@ネス 呪歌の行使(七色ハチミツ補正込) 2d6+8+1 Dice:2D6[1,5]+8+1=15
20:21:44 飛龍頭@ネス 2d6+5 サモンフェアリー Dice:2D6[2,6]+5=13
20:22:41 飛龍頭@ネス 2d6+6 ムリアンによるストガ行使 Dice:2D6[5,6]+6=17

...呪歌が微妙に低い、効果が出なかったら次のラウンドで歌いなおしだな。

●お願いの内容(交易共通語で)
『口を大きく"あ"の形に開いたまま、左右の手のひらを開き
 腕を肩まで上げ、ひじを直角に曲げその場でステップを踏む』です。


 フィン(雪虫) [2015/11/18 21:52:06] 
 

【フィンの行動】

・方針
【アポロを生かし】ます。
【赤毛の男を捕え】ます。


・エミールさんと会話し、「召霊曲の楽譜」の奏者は自力で演奏を止められないこと、エミールさんは「アーリーバード」を習得していないことを確認します。
・カイルさんの私室に向かいます。

(コンチェルティア内部で「召霊曲」の演奏が開始。ヴォルディーク邸の庭にデュラハンとスケルトンが出現)

・カイルさんとともにアポロのいる部屋まで急ぎます。
・ポチをアポロの肩の上にとまらせます。

(クーガさんが階下から駆けつけ、部屋にはいる)

・ドアと窓に真語魔法1レベル「ロック」を行使します。

さぁ、アンロックを使いなさい!(そしてコンシール・セルフがやぶれた状態でムリアンまみれ+前衛3人のお部屋に入ってきたらいいと思う)


【判定結果】

(11/17 ダイチャ2)
22:32:38 雪虫@フィン ≫ 呪歌に対して精神抵抗 2d6+8 <Dice:2D6[4,2]+8=14>
ネスさんの呪歌の達成値が15だったため、抵抗に失敗します

ネスさんの行動が変更となったため、この判定結果は不採用となります(11/21追記)

 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/18 23:00:11] 
 

勿論、

・アポロを活かし赤髪の男を捕らえる

つもりです。ただし、アポロの安全が最優先です。

アポロが危険な目に合いそうな場合で、それを解決するために

赤髪の男を殺さないといけなければ躊躇わず殺します。

さて、クーガの行動ですが、GMに許可いただいたので

移動途中にホーリーウォーターを2個(600ガメル)購入します。残金:1470ガメル

で、購入したホーリーウォーターはグラディウスとエースが侵入を防いでくれそうなので、

そこで使用してアンデットが屋敷に入れないようにし、もう一つは予備で。

危険感知成功しておりますので赤髪の男を発見しました。

出来るなら、通話のピアスで二階組に注意促しつつ二階へ向かいます。

---------------------------------------

ダイス結果

20:46:31 ワイドスノー@クーガ 危険感知:目標値15 2d+7 Dice:2D6[6,5]+7=18

 プリアーシェ(Lain) [2015/11/20 01:25:39] 
 


> 「君が受けたのは、事件の犯罪者を捕まえることだろう?
>  逆に言えばそれだけ済ませればいいだけの話じゃないか。

 無論そうだろう。
 自分の仕事と報酬の効率性を考えるならば、全くその通りだ。

 ならばなぜ、と言われると明確な答えはない。

>  この店の名誉も、この街の安全も、そして僕という存在も君には関係のない話だろう?
>  それでも何故君は僕の協力を求めるんだい?」

「そうするべきだ、と思うからです」

 口に出してしまってから、ああそうなのか、と腑に落ちた。

「それが私にとって正しいことだからです。
 ――あなたにも、なにか譲れないものはあるでしょう?
 人間とはそういったものではないのですか?」

 ときに非合理、ときに理不尽。
 ただ合理的というだけでないなにかを内包する存在。

 信念という名の衝動のごときもの。
 私を作った誰かが作り物の魂に刻もうとしたのは、たぶんそういうものなのだ。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 ヴォルディーク邸に戻った私とクーガさんが見たものは、街中に湧き出す不死者の群れだった。
 神殿と衛兵、それに冒険者の店にも助力を依頼しているのだから、被害は最小限に留められることだろう。

 彼らの狙いがそちらではなく、あの少年――アポロだとしたら。
 襲撃は今をおいて他にない筈だ。

 予想通りと言うべきかどうか、庭に黒い光とともに不死者の群れが姿を現していた。

> 「本当にこうなるとはね。
>  でも、僕が来たんだから心配はないよ」

「ありがとうございます、リオンさん」

 一言お礼を言い、マギスフィアを操作して明かりを作る。
 息を吸い込み、声を張り上げた。

「庭の敵はスケルトン2、デュラハン、暗殺者らしき人間1!
 不死者はこちらで対処可能です!
 そちらは護衛対象を固めてください!」



■PLから

 なぜか6ゾロで成功する危険感知

 アポロを生かし、かつ赤毛の男を捕えたいわけですが所詮戦闘に関しては雑魚も雑魚。

◆行動宣言:

  • フラッシュライトで明かりを作り、敵の動きについて逐一上に報告します。
  • 見える範囲で負傷者が出た場合はヒルバレで回復に回ります。
 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/20 20:32:54] 
 


アポロのところに戻りながら考えことをする。

夜想曲でデイジーに言われたのは
楽譜は各区画に一つずつということ、
それと、赤髪についての情報だ。
奴はスカウトの技術じゃ高けぇんじゃなくて、魔術師だったつうことだ。

そう考えると、扉のカギに傷がねぇのも簡単に心臓を突けるのも分かる。

だが、最後にデイジーの言った言葉・・・

>「あと私から言えるのはひとつだけね。
>――死んじゃダメよ。
>楽しみが一つ減っちゃうもの」

あれに対して

「魔術に頼って人を暗殺する奴に殺されてやるつもりはねぇよ。」

とは言ったが、ほかの対応のほうが恰好よかったんだろうか?

---------------------------------------

カイルんとこ戻る途中でちとアンデット対策っつうことで
ホーリーウォーター買ったせいで、少し遅れちまった。

が、それがよかったのかもしんねぇ

「美人ちゃんも今戻ったのか。」

プリアーシェと合流する事が出来た。あっちもきちっと仕事こなしたってのは顔を見ればわかる。

後は相手を待つだけなんだが奴らも素直にこっちの準備が万全にできるのを待つわけねぇ・・・

変な音楽が奏でられ街にアンデットが現れた。


そんで、きちっと仕事をこなした結果がついてきた。

>「本当にこうなるとはね。
>でも、僕が来たんだから心配はないよ」

>「ありがとうございます、リオンさん」

プリアーシェが呼んだ援軍らしい。

当然、奴らはこの混乱を逃すわけはねぇよな。
周囲に注意を向けると、一瞬だが赤い髪の男が視界に入る。

「おい、美人ちゃん・・・」

>「庭の敵はスケルトン2、デュラハン、暗殺者らしき人間1!
>不死者はこちらで対処可能です!
>そちらは護衛対象を固めてください!」

あっちも見えてたようだ。
そんじゃ、入り口を固めつつ護衛の援助に向かおうかね。

庭に向かうとグラディウスとエースが守りを固めていた。
いや、エースはグラディウスに抱えられているから守ってるわけではねぇか。

「二人ともここは任せる。とりあえず聖水ばらまいとくから雑魚は気にすんな。
後は、存分にやんな。」

足元にホーリーウォーターを撒きつつ二人の脇を抜ける。
---------------
PLより
時間あったので投稿です。

6ゾロとはプリアーシェ恐ろしい子!!

 GM(あんみつ) [2015/11/20 23:14:03] 
 

プリアーシェとクーガは赤い男が消える瞬間をその目でしっかりと捉えた。

プリアーシェには奴が姿を消した術がわかるであろう。
コンシール・セルフ――姿を消すことのできる真語魔法である。

  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

サブサブ進行です。
クーガとプリアーシェ限定で冒険者レベル+知力で目標13を超えれば使われた魔法がわかります。

そしてプリアーシェが成功したのでわかりますね。
使われたのは【コンシール・セルフ】です。

 プリアーシェ(Lain) [2015/11/21 18:50:49] 
 

 私の見ている前で、赤い髪の男が――暗殺者が、その姿を消した。
 文字通り、掻き消えるように。

 可能性のうち、現実性の高そうなものは一つだけだ。

 走りだそうとするクーガさんの腕をつかみ、小声で耳打ちする。

「消えたあの男、真語魔法の使い手です。
 第6位階の『コンシール・セルフ』。
 姿を消して襲い掛かるつもりかもしれません。
 罠を張るなり解呪するなりして対処するように、護衛組に伝えてください」



■PLから

 雑魚は雑魚らしくおとなしくしてますがアドバイスはするのだー。

  • 行動宣言【追加分】
     移動しようとしているクーガに耳打ちしときます。
     意図としては、「こちらは姿を消したことに気付いておらず、対処の方法を知らない」と敵に誤認させたい(そして可能なら油断を誘いたい)というあたりです。

     その他は前回の行動宣言と変わりありません!
 フィン(雪虫) [2015/11/21 22:24:19] 
 

 アポロの様子をたずねた僕に、エミールさんはこう言う。

 >「今は、中に彼のお友達がいるからね。
   ちゃんといい子にしているさ」

 よかった。ネスさんといっしょに、おとなしくしているみたい。

 >「この楽譜......弾いてみればわかるけれど、一度弾き始めたら最後死ぬまで心が囚われてしまう。
   最も心を落ち着かせる術があれば別だけどね。
   たぶん、彼らは無関係な人でも使うんだろう――哀しいけどね」

 呪歌の効果をふせぐ手立てをきいた僕に、エミールさんが答えた。
 なにも知らない、関係ないひとまでまきこむなんて......。怒りをこえて哀しくなる。

 エミールさんは目覚めの呪曲を知らないことも聞いた。そのことは心にとめておかなきゃ。

 「ありがとうございます、エミールさん」

※ ※ ※

 >「遅いぞ、フィン!
   えっと、ポチ......ポチ?
   ああ、ちゃんと見てたぞ、うん!」

 ポチのことをすっかり忘れるくらい、いつもどおりにリラックスしていたみたいだ。
 秘密基地がふえたとはしゃぐアポロにおもわずふふっと笑いがこみあげる。
 ネスさんに次の曲をおねだりする様子を見て、ネスさんに目線で「おねがいします」と合図してから、僕はそっと部屋をぬけだした。

 ミハイルさんに招きいれられて、カイルさんの私室に入る。

 >「詳しいことはミハイルから聞いた。
   不死者が街で召喚されるかもしれないんだろう?
   ――厄介だな」

 鎧姿になったカイルさんは街の方向をみつめながらそう言った。

 >「ただ、今大事なのはそっちじゃない。
   あの子供を守ること――そうだろう?
   街は他の者たちに任せて、俺たちは今この場所でやれることをするだけだ。
   安心しろ、あいつは俺が守ってやる――ザイアに誓って。
   だからお前の力も貸してもらうぞ」

 さいごの言葉はミハイルさんにかけられたものだった。けれど僕も「はい」、とうなずく。
 その瞬間だった。
 なんとも形容できない、すごくいやな音色がひびきわたった。ぞうっとつま先から頭のてっぺんにむけて毛が逆立った。
 そして地響きがつたわってくる。

 >「――来たらしいな。
   俺はあの子供の傍に控えてる。
   何があっても守っておいてやる。
   だからお前たちは庭の様子を見てきてくれないか?
   ......ミハイル、お前もな」

 僕は1秒のはんぶんくらい考えこんでから、首をふった。

 「僕もご一緒します。アポロのそばにいたいんです。その方が、お役にたてると思います」

 カイルさんの目をしっかり見ながら言う。そして、彼とともに走りだした。

※ ※ ※

 「アポロ!」

 アポロはちょうど部屋のまんなかあたり。ドアとひとつしかない窓から見て、ネスさんとエミールさんがそれぞれ盾になる位置に立っていた。
 僕はポチをアポロの肩にのせた。

 「ポチ、アポロからはなれないで。ぜったいに」

 窓から外を見る。スケルトンが数体と、首のない馬がひく戦車に乗った異形のものが見えた。

 >「庭の敵はスケルトン2、デュラハン、暗殺者らしき人間1!
   不死者はこちらで対処可能です!
   そちらは護衛対象を固めてください!」

 プリアーシェさんの凛とした声がここまでひびいた。

 「わかりました!気をつけて!」

 届くかわからないけど、僕も声を張る。
 
 その僕のうしろで、ネスさんは妖精に何かを語りかけているようだった。宝石がきらめき、なにかが床から姿をあらわす。
 たくさん、なんていう数じゃない。床一面にびっしりと。
 土の妖精、ムリアンだった。ちいさなちいさな黒い紳士たちが、部屋の絨毯をおおいつくした。

 そこに、クーガさんが駆けこんできた。
 暗殺者は赤い髪の男。真語魔術第六階位、隠身の魔法を使ったという。
 第五階位の魔法を完成させるのがやっとな僕じゃ、きっとかなわない......。

 ちがう、気弱になるな。なにか......、なにか隠身をやぶる方法を考えるんだ。

 僕は部屋中のみんなにさけんだ。

 「今からこの部屋を魔法で施錠します!だれも、ここから出ないで!」

 そしてまず扉に、つぎに窓に施錠の魔法をかける。これ自体はとてもかんたんな魔法だ。その扉に対応する鍵の現物があったり、そうでなくて腕利きの斥候がいたらすぐに扉は開いてしまう。
 それに鍵なんてなくても、赤髪の男が開錠の魔法を使えないわけがない。

 けれど、それが僕の意図だった。

 隠身の魔法を維持するためには高い集中力が必要だ。たとえば、開錠のようなほんのかんたんな魔法でも、もし使ったらすぐに隠身はやぶれるはず。
 僕はいままでに犠牲になったひとたちのことを思いだした。みな、体力的には弱いひとたち。目を閉じて、心臓をひと突きにされて。
 殺人者は、武器の扱いに長けていたんじゃない。隠身でちかづき、魔法で眠らせたところを襲っていたんだ......。

 こんどは、そんなことさせない。

 「姿を、みせろ......!」

 床に無数の妖精たちがうごめくのを感じながら、僕はひくくうなった。

―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(雪虫)より

渾身の低レベル魔法をくらえー!(真語魔法1レベル「ロック」)

もしクーガさんが入室した後、まだ廊下にいたら、赤髪の男は「アンロック」をしなければ部屋に入れず、「コンシール・セルフ」はやぶれてこちらの戦士3人に姿をさらすことになります。
万一すでに入室して息をひそめていたら、無数のムリアンにたかられて「人型」が見えるでしょうし、もしかしたら悲鳴もあげることでしょう。
戦士系技能はたいしたことないか皆無のようですし......。逃げようにも外にはプリアーシェさんたちがいます。
できればゆっくりとお話をきかせていただくことにしようと思います。

 GM(あんみつ) [2015/11/21 23:32:20] 
 

クーガとプリアーシェは確実に赤髪の男が姿を消す瞬間を見ていた。
クーガは不死者を避けて庭を走り抜ける。
邸宅から姿を見せたグラディウスとエースを見つけると、

>「二人ともここは任せる。とりあえず聖水ばらまいとくから雑魚は気にすんな。
>後は、存分にやんな。」

ホーリーウォーターを入口付近に撒き散らす。
それは骨の戦士が邸宅に入り込む際には強固な壁となる。

「思いっきり暴れてやるぜ。
 そっちはちゃんと守りきれよ」

グラディウスは剣を手に庭に向けて走り出す。
エースも嫌々ながらついていく。
クーガがヴォルディーク邸の中へ入り込むとミハイルとすれ違うだろう。

「あ、クーガさん。
 下は僕がサポートします。
 ――任せてください」

ミハイルはスタッフを持って庭へ飛び出す。

プリアーシェからは庭で戦う彼らの様子が見て取れるだろう。
グラディウスとミハイルは極めて優秀な戦士と魔道士である。
エースも若干未熟ながらもグラスランナー由来のすばしっこさでアンデッドを翻弄する。
さして時間がかかることなく、下の騒乱は鎮圧されるだろう。

   *   *   *

二ェストルはアポロを部屋の窓とドアから離し――ムリアンの群れを召喚する。
土の妖精ムリアンは――その蟻のような姿をアポロのいる部屋中に広がらせる。

「ね......ネス兄ちゃん、なにこれ?
 うじゃうじゃしてるよー!」

ソファの上でアポロは気味悪がっているようだ。
妖精について詳しく知らぬ者にとっては仕方がないところであろうか。
ムリアンは部屋中に群れを広げながら、魔法で石のバリアを張る。
これでもしアポロに刃先が迫ろうとも――多少の防御にはなるだろうか。

――その後庭からクーガがアポロたちのとどまる部屋に駆け込んでくる。

>「今からこの部屋を魔法で施錠します!だれも、ここから出ないで!」

そして......そのタイミングを待っていたフィンが魔法で鍵をかける。
鍵を開けるには特別な技術が必要だ。
つまり鍵が開いたときは――敵が現れたとき。

   *   *   *

ミハイルの魔法の援助を受けたグラディウスの大剣がデュラハンの本体を切り裂く。
プリアーシェの目から見て戦闘は極めて順調に運んだようだ。

「終わったな」

グラディウスは魔法などの攻撃を受けて多少負傷しているようだ。

「早くカイルさんの下まで戻りましょう」

ミハイルの言葉に。

「ああ、さっさと行くぞ」

怪我など気にした様子ではなくグラディウスも応えた。
もう一度その手にはエースを抱えている。

   *   *   *

それから少しした後だろうか。
どうやら庭は落ち着いたようである。
グラディウスたちがデュラハンを片付けたのだろう。

フィンが閉ざした鍵がガチャリと開く音。
――来た。
ドアの隙間から赤い髪の男が消えていくのが見える。
しかし、もう遅い。
既に一匹のムリアンが這い上がっている。
まるでそこに透明の何かがいることを示すかのように。

「くそ、なんだこいつ......なんなんだ!
 なんでうまくいかないんだ......!」

足の辺りに這い上がってくるムリアンを払おうと手を動かす赤い男の姿が明らかになっていく。
その男の眼は狂ったかのように焦点が定まっていない。

「コンサートマスター......教主様......。
 俺は......俺は......」

彼は前後不覚な様子で口を動かした。
それを魔法文明語だと認識するのが先か。
左手に持ったワンドが文様を宙に刻んだと認識したのが先か。
――それとも最後に一発炎の玉が部屋に飛んでいくまで気づかなかったか。

「うわっ」

――強い熱気。
赤い強烈な色彩。
アポロの悲鳴が上がる。
  

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

下のアンデッドはNPC陣で危なげなく突破できます。
ただちょっと怪我してますね (・∋・)

赤髪の男に関してはアンロックとムリアンもろもろで姿を捉えることができますね。
何もせず捕まえるのもできなくはないですが、ちょっとかわいそうなのでファイアボールを放ちます。
ただ演出でしかないので抵抗もダメージも必要ありません。
このシーン限定でアポロのことも魔法からかばうことができます。
戦闘特技も必要ございません。
誰も庇わなければカイルが庇います。

ファイアボールうったあとは赤髪の男を好きなようにしてやってください。
縄でぐるぐる巻きにするも発動体を奪うもご自由にどうぞ (・∋・)
聞きたいことがあれば聞いちゃってもいいです (・∋・)

プリアーシェは好きなタイミングで上がってきてくだせえ!

 二ェストル(飛龍頭) [2015/11/22 03:21:11] 
 

『おいで ムリアン達...私たち三人にストーンガードを
その後はこの部屋全体に散らばってもらえるかい?』

>二ェストルはアポロを部屋の窓とドアから離し――ムリアンの群れを召喚する。

>土の妖精ムリアンは――その蟻のような姿をアポロのいる部屋中に広がらせる。

>「ね......ネス兄ちゃん、なにこれ?

> うじゃうじゃしてるよー!」


「あぁ、彼らはムリアンといってね 土の妖精なんだ
 よく見ると一人ひとり違うんだよ?」

>――その後庭からクーガがアポロたちのとどまる部屋に駆け込んでくる。

>「今からこの部屋を魔法で施錠します!だれも、ここから出ないで!」

>つまり鍵が開いたときは――敵が現れたとき。

「分かった フィンも気をつけて、無理はしないようにね?」

   *   *   *

>フィンが閉ざした鍵がガチャリと開く音。

>――来た。


『ムリアン! 組み付け!!』

>足の辺りに這い上がってくるムリアンを払おうと手を

>動かすその男の眼は狂ったかのように焦点が定まっていない。

>「コンサートマスター......教主様......。

> 俺は......俺は......」

(...喜びも不安も、自分ではないものに全て委ねて それは本当に幸せなの事なのかい?)

うつろな眼の男が発した言葉に、空間が赤々と燃え上がる。
収束した火球はこの部屋をめざし突進してくる。

『出きるだけ散り散りに! 隙間に身を潜めなさい』

>「うわっ」

「アポロ 息を止めるんだ!」

腕を伸ばし、かばうように抱きしめる。
アポロが呼吸をし、喉が焼かれぬ様に強く自らの身体に強く押し付ける。


―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより

ムリアンも逃がしつつ【アポロをかばう】です。
精神抵抗が高いので最小限の被害でなんとかなるでしょう。


『』は妖精さんへ「」は通常の言語ですー。

 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/22 22:47:55] 
 

>「思いっきり暴れてやるぜ。
>そっちはちゃんと守りきれよ」

グラディウスの言葉を背にして家の中に入る。

その俺と入れ替わるようにミハイルがスタッフを持って庭に飛び出した。

>「あ、クーガさん。
>下は僕がサポートします。
>――任せてください」

「おう、任せた。」

背中を軽く叩いて送り出す。奴より先にアポロのところに行かねぇと、
踏み出す足に力をこめる。

---------------------------------------

「全員無事か!?間に合ったようだな。って、うおっ。」

アポロたちが待機している部屋に入ると、床いっぱいにムリアンがいる。
踏まねぇように注意しているとフィンが

>「今からこの部屋を魔法で施錠します!だれも、ここから出ないで!」

扉に魔法で鍵をかけた。これで、敵の入るタイミングが分かるわけだ。
庭のほうで戦闘音が聞こえるが、頭の隅に追いやって待ち構える。

---------------------------------------
「・・・・・・・」

庭のほうは戦闘音が収まった。

ガチャリ、

扉の鍵が開いた。

扉の隙間から赤い髪が見えた。

>『ムリアン! 組み付け!!』

>「くそ、なんだこいつ......なんなんだ!
>なんでうまくいかないんだ......!」

ニェストルの掛け声でムリアンが何かに這い上がっていく。
これで、相手は詰んだも同然だ。

>「コンサートマスター......教主様......。
>俺は......俺は......」

何かにとりつかれているかのような眼をした男だった。
自業自得だ。

だが、それで終わらないから狂信者ってやつは厄介だ。
火の玉が作られていく

「チッ」

止めようと俺も動いたんだが、間に合わねぇ。飛んでくる。

>「うわっ」
>「アポロ 息を止めるんだ!」

アポロの悲鳴と同時にニェストルが動くのが目の端に入る。
すまん、そっちは頼む。

俺はこいつを!!

火球は炸裂したがその勢いを背中に乗せて、一気にを詰める。

「こいつで!」

加速の勢いを殺さないように胸に足を乗せて飛び上がる。

「終いにしろや!」

室内なので右ハイキック気味に顔面に右ひざを決める。
おかげで派手に見えただろう。
綺麗に着地し、つぶやく。

「どうだ・・・俺の閃光跳び膝。礼はいらねぇ、そのまま寝てろ。」


--------------
PLより
シャイニングウィザード、"閃光魔術"とも
呼ばれてるそうで、魔法使いと魔術をかけました。
これができるヴォルディーク邸、広さ半端ないですねぇ。

 プリアーシェ(Lain) [2015/11/23 19:37:46] 
 

> 「終わったな」

 グラディウスさんの言葉に、はいと頷く。
 私の出る幕などなかった――いや、今の私に戦場で何かを求められても困るのだけれど。

> 「早くカイルさんの下まで戻りましょう」
> 「ああ、さっさと行くぞ」

 グラディウスさんは怪我をしてはいるものの、動きに問題はないようだ。
 治癒を今しておくべきか否かを半瞬だけ考え、後でいいと結論付ける。

 今は可能な限り早く戻ったほうがいい。
 挟撃の形にできれば、クーガさんや護衛に回ったフィンさんたちの援護にもなる。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 階段の中ほどまで来たあたりで、なにか争うような声を聞いた。
 上がり切ったところで、閃光とくぐもった爆発音。

 まずい、と直感する。
 火球の魔法だ。

 第6位階の魔法を使う魔術師の攻撃魔法に子供が巻き込まれたらひとたまりもない。

 部屋の入口から中の様子を確かめる。
 調度が焼け焦げてひどい有様だったけれど、アポロは無傷。

 件の魔術師は床で昏倒している。

 ふ、と息をついて中の人たちに声をかけた。

「無事ですか?――どなたかお怪我は?」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 縛り上げられ、魔法の発動体を取り上げられ、床に転がされた魔術師に視線を据えたまま、私はカイルさんに言う。

「いくつか、ご用意頂きたいものがあります。
 まず、外に――少なくともお屋敷の敷地の外に声の漏れない部屋。できれば地下室。
 汚れても差し支えのない椅子。頑丈なロープ。
 救命草をこの人に――というよりは、この人から情報を引き出すために使ってもよいと思えるだけ。
 バケツをひとつかふたつ。それと井戸の場所を教えてください。
 ああ、それから、この人に尋ねたいことをあとでリストにして渡してください。
 端的な形で、そうですね、5個か10個程度の項目にまとめて頂けると助かります」

 さて、と言葉を切って私は彼に歩み寄り、挨拶代わりに軽く顔を蹴って話しかける。

「はじめまして、名も知らぬ暗殺者さん。これからあなたにお話を伺います。
 こちらが知りたいことをすべて伺うまで、あなたはこのお屋敷から出ることはできません。
 個人的な恨みつらみはありませんが、仕事なので最後までお付き合いいただいて、すべて済んだら衛兵に引き渡します。
 ――ご理解いただけましたか?」

 まあ、理解されようがされまいがやるべきことは変わらないのだけれども。



■PLから

 気の毒な赤髪さんにご挨拶するなど。
 インタビューの時間だ!

 フィン(雪虫) [2015/11/24 23:29:20] 
 

 >「ね......ネス兄ちゃん、なにこれ?
   うじゃうじゃしてるよー!」

 >「あぁ、彼らはムリアンといってね 土の妖精なんだ
   よく見ると一人ひとり違うんだよ?」

 床いっぱいにひろがったムリアンを見ておどろいたアポロとネスさんの会話を聞きながら、いつもだったら笑いだしてるところなんだろうな、と思う。
 今の僕は、余裕がない。口のなかがかわいて、心臓がはげしく脈をうっている。

 クーガさんが飛びこんだと同時に、「施錠」の魔法をかけるとみんなに告げた。

 >「分かった フィンも気をつけて、無理はしないようにね?」

 「はい......!」

 僕はうなずいてから、魔法の動作にはいった。


※ ※ ※

 ドアの鍵が音をたてた。僕はぴんと耳をたてた。
 そのまま、ドアはぎぃ、と開く。

 間髪いれず、ネスさんが妖精語でなにかをするどく叫んだ。同時に、床一面にひろがっていたムリアンがざぁっとドアの方向へ殺到する。
 ざわざわざわ、何もないはずの空間にムリアン達がまとわりついた。

 悲鳴をあげながら姿をあらわしたのは、赤い髪をした男だった。

 >「コンサートマスター......教主様......。
   俺は......俺は......」

 魔法文明語?僕は耳をうたがった。
 
 と同時に、真っ赤な火の玉がふくれあがる。
 火球の魔法......!
 反射的に右腕をあげる。腕輪にマナを通しかけて......、けれど「魔破」はとうてい間に合わない。

 >「うわっ」

 >「アポロ 息を止めるんだ!」

 悲鳴をあげたアポロの体をネスさんがかっさらった。そのままかぼうように抱きこむ。
 僕もアポロの頭を横からかかえて、息をとめた。

 とんでもない炸裂音がひびいた。そして、息をとめたまま、僕は見た。

 爆風のいきおいに乗ってとびだした影。

 >「こいつで!」

 刹那のあいだに距離をつめると魔術師の胸をかるく左足で蹴り、浮きあがった体をひねる。鞭のようにしなる右足が弧をえがいた。

 
 >「終いにしろや!」

 右ひざを魔術師の顔面に叩きこんで、すとんと降り立ったのはクーガさんだった。

 >「どうだ・・・俺の閃光跳び膝。礼はいらねぇ、そのまま寝てろ。」

 僕はあっけにとられて床にくずれた魔術師を見て、それから我にかえってふり向き、火球が延焼していないことをたしかめて、それから横目でアポロを見た。

 ......ちょっと目が輝いてるのは気のせいかな。気のせいだといいな。

 僕はゆっくりと倒れた男のちかくに歩みより、手放された棒杖をひろいあげた。マナを通し、魔法文字をえがく道具は僕たち魔術師にとっていわば命綱だ。これがなかったら、たぶんこいつはもうなにもできない。 
 部屋のなかはひどいありさまだけど、僕たちはだれも傷ついていない。もちろん、アポロも。

 そのことがゆっくりと僕のなかにしみ込んでくる。ふかい安堵につつまれた。
 そして、こみあげてくるもうひとつの感情。

 「......カイルさん、下の階のお部屋をひとつ貸してください。テーブルと椅子があれば、どんなところでもかまいません。どなたかに、アポロを案内していただけないでしょうか」

 僕は這いつくばっている男を見てから、カイルさんにたのんだ。

 「あと、こんなときに申しわけないんですけど、ケトルひとつぶんのお湯を分けていただけませんか?そのお部屋でお茶を淹れたいんです」

 お屋敷のひとにつきそわれて、アポロは階下へとひと足先に降りていった。

 「僕もすぐに行くからね」

 僕は笑顔でアポロに手をふり、それから無言で縛りあげられた男へとちかづいた。右手の銀の腕輪をはずす。ぶ厚くてつやのない、無骨な腕輪だ。いつもは、非力な僕に魔法という力をあたえてくれる腕輪。
 それを右の手の甲にとおして、ぐ、とにぎった。

 ごん。

 もう、理屈じゃなかった。男の頭めがけて振りおろした右手は、とても痛かった。また右手首に腕輪をはめなおして、手の甲をさすりながら言う。

 「アポロといっしょに下の階にいます。なにかあったら、呼んでください」

 あとはよろしくおねがいします、みんなにそう言って、僕は部屋を出た。

 階段を降りていちど玄関ホールを横切ったとき、ふたたび肖像画が目にとまった。
 青い髪の男の子と女の子。ああそうか、これはきっとちいさなころのカイルさんだ。とすると、となりに描かれているのは......お姉さん、かな?親戚の女の子?
 面だちがよく似てるような気がする。
 このお屋敷で、こんなにちいさな時からいっしょに育ったんだろうな。......でも、今、お屋敷にカイルさんに似た女のひとなんていたっけ。
 僕はふとうかんだちいさな疑問はそのままにして、アポロのもとへと急いだ。

※ ※ ※

 沸かしたてのお湯よりも、すこし落ちついてぬるくなったお湯で淹れたほうが、緑茶は甘みがでておいしいと教わった。
 ケトルにさわれるくらいになってから、独特のかたちをした専用のティーポットに入れた緑色の茶葉にお湯をそそぐ。
 じっくりと蒸らしているあいだに、僕はヴェンさんからもらった包み紙をひろげた。

 「これ、『お饅頭』っていうお菓子だよ。コンチェルティアに来る前に立ちよった、ユーレリアの名産品なんだ。ええとね、小麦粉を蒸した皮のなかにお豆のジャムがはいっててね......」

 説明がむずかしい。僕はとりあえずひとつ、アポロに差しだした。

 「このハンカチ、新しいからあげる。お父さんやアイリにも持っていってあげなよ」

 紺色のハンカチにいくつかお饅頭をつつんで、きゅっと結ぶ。そうしているあいだにみずみずしい香りがたちのぼってきた。
 取っ手のないカップに緑色をしたお茶をそそぐ。熱いから気をつけてね、そう言ってアポロの前にひとつ、僕の前にひとつカップをおいた。
 さっきお菓子屋さんで買ったショートブレッドも包み紙から出す。それなりにたくさん入っているからふたりじゃ食べきれないかもしれないけど、テーブルはにぎやかなほうがいい。

 「アポロ、びっくりしたよね」

 お茶をちびちびとすすりながら、僕はアポロに声をかけた。

 「さっきの男は......。とっても悪い誘拐犯だったんだ。街で見かけたアポロ...と、僕を、狙っていたんだって。そしてさらって、その......アポロと僕のお父さんに、身代金...お金とお前の息子を交換だ、って言うつもりだったんだって」

 自分ひとりが狙われていた、というよりは、いくぶんか衝撃が軽いんじゃないかと思うけど、どうかな。それにしても僕、だんだん作り話をするのに慣れてきちゃったな。ちょっと困ったな。

 「だけど、アポロが僕たちといっしょにこのお屋敷の秘密基地に来ていい子にしててくれたから、まんまとあいつをおびき寄せてやっつけることができたんだ。冒険者のお仕事、無事に達成できたよ。ほんとにありがと、アポロ。よくがんばったね」

 もちろん、アポロが命を狙われていたなんて言うつもりはない。僕はアポロを守りたい。
 アポロが特別な「予言者」だからじゃない。僕の友達のアポロをただ、守りたいだけなんだ。命だけじゃなく、できればその心も。

 僕たちが通されたのはちいさなソファとテーブルのある場所だった。部屋というより、廊下からすこしだけ間仕切られたラウンジみたいなところ。大きな窓に面していて、コンチェルティアの街並みがよく見える。
 この騒ぎのなかで、それでも僕たちのためだけに場所をととのえてくれたカイルさんとお屋敷のひとたちに感謝した。
 ばたばたとあわただしく廊下を行きかうひとたちを見ながら、僕はつとめてのんびりとお茶をすすった。
 
 「だいじょうぶ?苦くない?」

 ミルクもお砂糖も入れないのが緑茶の基本なんだけど、アポロは平気だったかな。僕には甘くかんじられるけど、アポロはどうだろう。 
 
 「お饅頭はみんなにも残しておこっか。ショートブレッドもどうぞ」

 さっきのお留守番のあいだにもおやつがふるまわれていたみたいだけど、この年ごろの子はよく食べるからなぁ。
 僕は自分でもショートブレッドをひとつとり、さくさくとかじった。素朴な甘味にほっとする。

 できればこのまま、アポロにもコンチェルティアにも、おだやかな日常が帰ってきてくれたらいいと、そう思った。

―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(雪虫)より


魔法の発動体(物理)。
これからたぶん大変な目に遭うでしょうが、あと、しがない末端の構成員なのでしょうが、一発殴るくらいはしないと気が済まないのです。

横目でもういちど幼いころのカイルさんと(おそらく)お姉さんの肖像画を見てみたりしつつ。

アポロとは、廊下が広くなった場所の片すみにあるラウンジにいるイメージです。お屋敷のうごきはわかるような場所のつもりです。
他の方もよろしければお茶とお饅頭どうぞー。ショートブレッドもあります。 

 GM(あんみつ) [2015/11/25 00:23:36] 
 

>「アポロ 息を止めるんだ!」

襲撃者が放った激しい炎。
魔法の一撃によってアポロが火傷してしまわないように二ェストルは彼をかばう。

その爆風によって鋭く飛び出す一つの影。

>「こいつで!」

>「終いにしろや!」

それは赤毛の男に対して真っ直ぐ飛び込んでいくクーガの姿であった。

「――ぐあっ!」

>「どうだ・・・俺の閃光跳び膝。礼はいらねぇ、そのまま寝てろ。」

クーガの右膝は赤髪の男の顔面にクリーンヒットする。
男はそのまま意識を失って部屋の床へと倒れ込んだ。

「すっげえええええええ!
 ね、今の何、どうやるの?
 オレでもできる?」

二ェストルに守られていたアポロはその体から解かれると。
キラキラした目でまるで犬のようにクーガに擦り寄っていった。
――残念ながらフィンの目は実に正しかったようだ。

>「......カイルさん、下の階のお部屋をひとつ貸してください。テーブルと椅子があれば、どんなところ
でもかまいません。どなたかに、アポロを案内していただけないでしょうか」

フィンはアポロを誘って下の階でお茶会をするつもりのようだ。
若干場違いに見えるかもしれない。
でも、アポロのためにはとても大事なことだ。

「空いている部屋は好きに使ってくれて構わない。
 ただ......なるべく壊さないように気をつけてくれ。
 そうだな――ミハイル、その子を案内してやってくれないか?」

「はい、わかりました。
 じゃあ行こうか......えっと、アポロくん?」

カイルは快く部屋を貸してくれるだろう。
ちなみに付け加えられた言葉の対象は勿論フィンではなく――アポロだ。
アポロはミハイルによって先に下に案内されていくようだ。
フィンと同じタビットという種族である彼にはアポロも警戒心が多少緩いらしい。

「あ、そうだ!
 ネス兄ちゃん、守ってくれてありがとな!
 超かっこよかったぜ、やっぱ大人は違うなー」

ミハイルに連れられて部屋を出る前に二ェストルの方を振り向いて。
アポロは去り際に言い残した。

   *   *   *
 
アポロとフィン、そしてミハイルが下の階に降りていき。
男の発動体を取り上げ、縛り上げ終えた後。
プリアーシェはカイルに様々なものが用意できるかを問う。

「一応、お前が今言ったものは全部用意することはできるが......。
 何をする気なんだ?」

カイルは望むもの全てを提供することができると語るが、
プリアーシェが何をしようとしているのかはよくわかっていないようだ。
正確にはあまり良いことをするわけではないことは認識してはいそうだが。

「彼女の案内は私にお任せ下さい、カイル様。
 ――プリアーシェさん、君もそれで構わないだろう?」

そこに助け舟を出すのはエミールだ。
彼はプリアーシェが行うことを察し、先んじて助け舟を出したのだろう。

「俺は別にそれで問題ないが――まあいい。
 とにかく俺が知りたいことを伝えればいいんだろう?
 ......そうだな」

カイルが知りたいと挙げた内容は以下の6つだった。

セシリアは無事なのかどうか。
セシリアはどこにいるのか。
セシリアの待遇はどうなのか。
なぜこのタイミングで事件を起こしたのか。
無限の探求者の最大の狙いはなんなのか。
探求者のトップに立つのはどのような人物なのか。

またプリアーシェが赤髪の男を顔を軽く蹴ると、
虚ろな眼がゆっくりと開かれその意識が還ってきたのがわかるだろう。

>「はじめまして、名も知らぬ暗殺者さん。これからあなたにお話を伺います。
> こちらが知りたいことをすべて伺うまで、あなたはこのお屋敷から出ることはできません。
> 個人的な恨みつらみはありませんが、仕事なので最後までお付き合いいただいて、すべて済んだら衛兵
に引き渡します。
> ――ご理解いただけましたか?」

男からの返答はない。
尤もプリアーシェは返答など最初から期待していなかっただろうが。

   *   *   *
 
プリアーシェはエミールによって地下室まで案内される。
赤髪の男はエミールによって逃げられないよう捕まえられたままだ。
鉄製の扉の向こうは狭く暗い圧迫感のある部屋。

「ここは......昔そういう用途で使われていたみたいだよ。
 探せば君が欲しいものはいくらでもあるんじゃないかな。
 ちなみに井戸は裏庭にあるからご自由に」

簡単な器具の類なら探せばあるだろう。
汚していい椅子だってここにはある。

「久しく使われてないから......ちょっと埃っぽいな。
 まああの人はああ見えて純粋すぎるところもあるから。
 僕はそれだけでやっていける世の中だとは思わないけれど」

赤髪の男も部屋の中の埃で咳き込んだようだ。
それは虚ろな瞳の男が――彼がまだ生きているという証。
祈りに心を明け渡し死を覚悟した者もまた人でしかないのだ。

   *   *   *

「――とりあえず終わったようだな」

窓の外を眺めながらカイルが呟く。
気がつけば例の忌まわしき音楽も止まっている。

「......らしいな。
 とりあえず俺は一旦店に帰ることにする。
 どうなってるのか気になるしな」

「オレもこんな場所からはとっとと退散!
 まったく酒につられて大変な目にあったぜ......」

グラディウスは七色の調べ亭に。
エースは......どこかに行くようだ。
エースの方はちゃっかりいつの間にかそこそこ値打ちのありそうな酒瓶を持っている。
そして上の部屋に残されたのはカイルと二ェストル、クーガだった。

「これで姉さんに少し近づけた......のか。
 今回は助かった――礼を言う」

カイルは窓の方を見ながら口を動かす。
最後の方は若干声量が小さくなっていたが、クーガの耳にはしっかり届くだろう。

「――それにしても。
 詩人っていう人種は見た目の割に誰かを守ろうとするものなのか?
 それともお前たちが特別なんだろうか」

今度はカイルが二ェストルの方に目をやりながら尋ねる。
おそらく先程アポロをその身を挺して守ったことについてだろう。
勿論二ェストルはシャドウであるゆえ魔法には強い加護を受けているが。
カイルの目には――誰が映っていたのだろうか。

   *   *   *

「ちょっと僕は庭の様子を見てきますね。
 アンデッドの処理もしなければいけないし」

フィンが準備を済ませ部屋に入るとミハイルが席を立った。
アポロは陽のあたる白いテーブルの前に座っていた。
華美すぎず雰囲気の良い室内である。

>「これ、『お饅頭』っていうお菓子だよ。コンチェルティアに来る前に立ちよった、ユーレリアの名産品なんだ。ええとね、小麦粉を蒸した皮のなかにお豆のジャムがはいっててね......」

アポロに見せるのはユーレリア土産のお饅頭。
勿論アポロは見たことはないだろう。

「へー、なんだこれ。
 変なの......おいしいのか?」

不思議そうなアポロも一口かじればその仄かな甘味にほっぺたが落ちる。
アイリたちにはお土産でもって帰るつもり満々のようだ。

>「アポロ、びっくりしたよね」

「ん、びっくり......?
 ――あ、さっきの炎のこと?
 暑いし眩しいし音おっきいし、おれもびっくりしたな。
 フィンは大丈夫だったか?」

アポロは確かに驚いてはいたようだが。
恐れ戦くほどの衝撃を受けていたわけではないらしい。
アポロ本来の性質もあるだろうがフィンや二ェストルなどがそばにいたのも大きかっただろう。
少なくともフィンにとっては良い結果に終わったはずだ。

――そこからフィンは少し嘘を吐く。
アポロを無駄に怖がらせないように。優しく。

>「だけど、アポロが僕たちといっしょにこのお屋敷の秘密基地に来ていい子にしててくれたから、まんまとあいつをおびき寄せてやっつけることができたんだ。冒険者のお仕事、無事に達成できたよ。ほんとにありがと、アポロ。よくがんばったね」

「へへ、ほんとか?
 まあ、おれだからなとーぜんだぜ、とーぜん。
 フィンとは違うもんね!」

最後の言葉についてはとっても嬉しそうに笑う。
フィンはこの笑顔を守りきった。
それは紛れもない事実である。

>「だいじょうぶ?苦くない?」

「......にがい」

緑茶を飲んで不味そうな顔をする。
まだまだ幼くて。小さくて。
見た目通りのアポロの心。

しかしフィンはアポロにはそれ以外の点があることも気づいているはずだ。
――そしてその瞬間は現れた。

「庭に......行かなきゃ」

アポロの瞳は――真紅。

―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

それぞれにお返しなりいろいろと話しかけたり(・∋・)

プリアーシェの聞き出し方は好きなようにやってください。
望むものは全てあります。
そして赤髪の男は全て話します。
しかし所詮下っ端ですのでわからないことはわかりません。
ただ本当にわからないということは理解できるとします。
お手柔らかにお願いします(・∋・)

フィンはアポロと庭に行くかどうかお決めください。アポロは勝手に向かいます。
フィンが庭に行く場合他のPCその他に声をかけることは可能です。
プリアーシェも行けるとします。

クーガと二ェストルは好きなように行動していただいて結構です。
庭に降りても好きな場所に行っても構いません。

また次回エンディング投稿となる予定です。
その際各PC毎に1シーンくらいであればもし希望があればお受けします。
最後にこのNPCと話したいとかこういうシーンが欲しいとかあれば(*´∀`*)
なければなしでもいいですぜ(・∋・)

 二ェストル(飛龍頭) [2015/11/25 22:56:31] 
 


クーガの一撃によって沈められた赤髪の男は、プリアーシェと
エミールによって別室に運ばれ、フィンとアポロは連れ立って下階に降りた。

部屋を出る去り際に元気よく、出会った時と
あまり変わりのない様子で。

>「あ、そうだ!
> ネス兄ちゃん、守ってくれてありがとな!
> 超かっこよかったぜ、やっぱ大人は違うなー」

「ふふっ 大人かどうかはあんまり関係ないと思うけどねぇ
 ちゃんと前を見て歩くんだよ」

聞こえているかどうか怪しいけれど、せっかく襲撃者から守っても
階段を踏み外して怪我したら困るからね。

>「――とりあえず終わったようだな」

カイルからの終息宣言でグラディウスは七色の調べ亭に。
エースは何処かへ去っていく。

>「――それにしても。
> 詩人っていう人種は見た目の割に誰かを守ろうとするものなのか?
> それともお前たちが特別なんだろうか」

「...どうだろう?
 私はただ 先に生きるものとして当たり前の事をしただけだからねぇ」

先に産まれたものは身体も大きく、それなりに知恵も回る。
後から芽吹いたものを踏みにじることも、守ることもできる。

「どちらか選ぶのなら守りたい それだけかな
 ...さて、私もそろそろ下に降りるよ」

『おいでムリアン達 下でおやつにしよう』

階段に差し掛かった時、フィンの使い魔がゆるやかに
旋回しながら飛んでいくのが見えた。

>『アポロが視ました。庭へ』

「...ふむ では私も庭に向かうとしようか」

―――――――――――――――――――――――――――――――
PLより
タイトルどおり、カイルくんに話しかけられたのでお返事いろいろ。

・最後の行動について
特に希望のシーンはありません!


 フィン(雪虫) [2015/11/26 23:23:07] 
 

 >「へー、なんだこれ。
   変なの......おいしいのか?」

 『お饅頭』を見てふしぎそうにしていたアポロだったけど、ひとくちかじるとまたたく間にぱくぱくとたいらげてしまった。


 >「ん、びっくり......?
   ――あ、さっきの炎のこと?
   暑いし眩しいし音おっきいし、おれもびっくりしたな。
   フィンは大丈夫だったか?」

 「うん、平気だったよ。ありがと」

 知らない大人たちに囲まれて、ヴォルディークのお屋敷に連れてこられて、あげく知らない男が部屋に入りこんできて火球をはなった......。
 っていうの、ぜんぶ今のアポロにとっては大きな問題じゃないみたい。
 『冒険者の仕事』がアポロのおかげで達成できた、っていう風に言ったら、とてもうれしそうな顔をした。

 >「へへ、ほんとか?
   まあ、おれだからなとーぜんだぜ、とーぜん。
   フィンとは違うもんね!」

 「そっか。......アポロは、強いな」

 思わず笑みがこぼれる。かわいい憎まれ口を言いながら、へへんと胸をはるアポロ。
 守れて、よかった。
 ぽつりとそんな言葉が胸にうかんだ。
 守れる力が、すこしでも僕にあって、よかった。
 いっしょに守ってくれる仲間がいて、よかった。

 緑茶を飲んで苦そうにしているおさない表情を見ながら、僕は心からそう思った。

 ――ふぅっと、アポロが顔をあげた。その瞳は紅玉の色をしている。


 >「庭に......行かなきゃ」

 「......わかったよ」

 おどろいた。でも、そのままふらふらと立ちあがるようすを見て、僕はひと呼吸のあいだに覚悟をきめた。
 僕の「タビットの勘」がはたらくような危険はない。そのことを信じよう。
  
 アポロが行ってしまう前に、僕はいそいでペンを出すと手近のナフキンに交易共通語でこう書きなぐった。

 『アポロが視ました。庭へ』

 布端を噛み、そのままむりやり引き裂く。カイルさんにはあとであやまろう。ちいさくちぎられた布をポチににぎらせて、こう言った。

 「ポチ、僕たちの知ってるひと、できるだけ多く呼んできて!」

 ポチもまた、白い翼をまばたきするよりはやく広げて僕の指先から飛びたつ。
 僕は街でそうしたように、左手でアポロの右手をにぎる。そうして、ひろいヴォルディーク邸の庭をめざした。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(雪虫)より

アポロを守れてよかったです。

フィンはアポロといっしょにお庭へ向かいます。
ポチはみなさんのところへ飛ばしました。お屋敷中を飛び回りながらメッセージを見せてまわりますが、気づくか否かはPLのみなさんにおまかせです。

 プリアーシェ(Lain) [2015/11/28 02:25:18] 
 

>  何をする気なんだ?」

「お聞きになりたいですか?」

 にっこりと笑みを作って首をかしげる。
 言外に、聞かない方がよいのでは、という意味を含めて。

 知りたいことを列挙したカイルさんに、みっつ付け加えてもよいですか、と確認した。

「彼の直属の『コンダクター』の名と容貌。
 彼がどこで、どのように教団と接触したのか。
 教団の構成員が集まる場所があればその場所」

 ひとつずつ指を折って口にする。

「セシリアさんというのは姉君でしたか。
 直截なのは悪いことではありませんが、彼が知っていそうなことから尋ねたほうがよろしいかと」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 うつろな表情の魔術師を連れて、エミールさんと私は庭に降りた。
 庭の一隅、そこに地下室がある。

> 「ここは......昔そういう用途で使われていたみたいだよ。
>  探せば君が欲しいものはいくらでもあるんじゃないかな。
>  ちなみに井戸は裏庭にあるからご自由に」

 わかりました、ありがとう、と返事をする。

>  僕はそれだけでやっていける世の中だとは思わないけれど」

「綺麗事を押し通すのも、清濁併せ呑むのも、どちらも相応の度量と覚悟が必要です」

 彼はそのどちらなのか、あるいはどちらでもないのか。
 今まで見たところ、どちらでもないようにしか見えない。

 まあ、見込み違いというのはあり得る話だ。

「さて、暗殺者さん」

 咳き込んだ赤髪の魔術師に話しかける。
 腰から提げていた銃を手に取り、弾を抜き、銃身のほうを手に持って彼が縛り付けられた椅子の周りをゆっくりと歩きながら。

「先ほどお話したとおり、これからあなたにお話を伺います。
 ――と、その前に、」

 服に付いた埃を払うような風情の何気なさで、銃把を顔へ――正確には口許へ向けて振り抜いた。

 手に何かが折れた感触が伝わる。
 回避どころか受け身すら取れない状態で(縛られているのだから当然なのだが)顔面を強打された魔術師が椅子ごと倒れた。

 額のあたりを踏みつけ、今度は銃口を魔術師の口にねじ込む。
 二度、三度と捩じるようにしてあらかたの歯を折ったあと、髪を掴んで椅子ごと引き起こした。

「私としたことが忘れていました。
 舌でも噛まれては台無しですからね。
 あなたにとっては最後の機会だったわけですが」

 いいですか、と前置きして続けた。

「あなたは何を言っても言わなくても構いません。
 無論、本当のことを言っていただけるならそれが一番いいのですけれども、残念ながら私たちはあなたが本当のことを言っているのかどうかについて確証を持つことができません。
 ゆえに、あなたが嘘をつきようがないと確信できるまで――そのような状態になるまで、同じことを続けます」

「壊さなければ開けられない箱の中身をあなただけが知っていたとして、その中身をあなたが正直に喋ったとしても、結局のところ箱を壊さねばあなたが正直に喋ったかどうかは解らない。そうですよね?
 ですから、私たちは、あなたの人格という箱を壊して中身を確かめることにします」

 言うだけ言ってから、もうひとつ忘れ物をしていたことを思いだした。

「――あなたが寝たときに起こすための水を汲んでおかないといけませんね」

 床に置いてあったバケツをふたつ手に取り、ひとつをクーガさんに渡す。

「ひとつ分、手伝っていただけますか?」

 そのままエミールさんに向き直って続ける。

「先に始めていていただいて構いません。
 殺さないこと、寝かせないこと、喋れない状態にしないこと、この3点さえ守っていただければ、あとは何をしていただいても結構です」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 庭に出る私たちとすれ違うように、白い翼が地下室へ舞い降りてゆく。

 庭にいたのはフィンさんと――アポロだった。



■PLから

 歯を折って(自殺対策)、これから何をする予定かをざっくり説明したあと水を汲みにお庭に参ります。
 アポロとはそこで接触できるかなあと。

 尋問は基本的に何をするということもなく、淡々と暴力を振るい続けるだけなので端折っていただいて構いません。
 あと、3点ばかり質問を追加いたしましたのでよしなに。

 エンディングについて特に希望はありませんが、時間があればモーリスのところへ捕虜から引き出した情報を持っていきます。

 クーガ(ワイドスノー) [2015/11/29 13:21:38] 
 

刺客が崩れ落ちていくのが気配で分かる。
後ろを確認すると全員無事だった。

しかし、俺の変形跳び膝(閃光跳び膝)をアポロは見ていたようで、

>「すっげえええええええ!
>ね、今の何、どうやるの?
>オレでもできる?」

とキラキラした目で聞いてくる。

「どうやるって、見てたろ?
相手の胸に足かけて飛び上がって膝入れただけだって。
今のお前には無理だが、体鍛えてればできるようになる。
親父さんとしっかり鍛錬すんだな。特にバランス感覚鍛えろ。」

悪影響を与えちまったようだが、ちゃんと真面目に答える。

その間に刺客はロープで縛られていく。
庭にいた奴らも戻ってきた。全員無事だ。

フィンがお茶の用意とか言ってる。アポロのフォローをするつもりなんだろう。
ちっと思いつめたような表情をしてんのが気になるが


---------------------------------------
縛りあげた刺客にフィンが近づいていく。
腕輪を右手に握りしめたかと思ったら、
殴りやがった。

気持ちは分かるので今回は黙っておこう。
だが、殴り方については後日きちんと指導させてもらう。

で、プリアーシェのほうは何やらすげえ物騒なこと言ってるし、
刺客の顔を蹴って、今から尋問するよ。
なんて言ってるし、ちっと殺伐しすぎじゃねぇか?

それに美人に拷問させるのは嫌だしな・・・・

「さて、俺も尋問手伝いに行くわ。6個?美人ちゃんの合わせて9個か・・・
まぁ答えは手に入れる。まぁ期待してな。」

確か場所は庭の片隅だっけか。

---------------------------------------
地下室に入ると、尋問はもう始まっていた。

口から血を流していると刺客にプリアーシェが

>「壊さなければ開けられない箱の中身をあなただけが知っていたとして、
>その中身をあなたが正直に喋ったとしても、
>結局のところ箱を壊さねばあなたが正直に喋ったかどうかは解らない。そうですよね?
>ですから、私たちは、あなたの人格という箱を壊して中身を確かめることにします」

冷淡に告げている。

そんで、バケツを渡されて水を汲みに行くように頼まれた。
両手にバケツを持ってるってことはプリアーシェも汲みに行くということだ。

案の定エミールに

>「先に始めていていただいて構いません。
>殺さないこと、寝かせないこと、喋れない状態にしないこと、
>この3点さえ守っていただければ、あとは何をしていただいても結構です」

と伝えて外に出ていった。

ふむ、

エミールにバケツを渡し、

「エミール、水汲んできてくれ。俺はこいつとお話しすっから。」

水汲みを押し付けて、椅子を刺客の対面に置き座る。

エミールはもういないものとして、正面の男に話しかける。
フィンの使いが来たがそいつも無視する。

「さて、俺は優しいから最初に言葉の暴力でアプローチしてやるよ。
まぁ長い時間になるとは思うがお付き合い頼むぜ"捨て駒"くん。」

楽しいおしゃべりの始まりだ。

「ふぅん、"捨て駒"じゃねぇと思ってるみてぇだな。そうかぁ?じゃ、面白い劇を見せてやろう。」

エースが聞いた、こいつらの会話を淡々と喋る。

「お?面白い反応だな。どうした?"コンダクター様"は気付いてたんじゃねぇのか?
だが、『あれをしろこれをしろ』の指示だけ、
最初から教団と教主は代えのきく道具としてしか見てねぇってことだ。
街ん中でふざけた歌、歌っててた奴らと同レベルだ。そこんとこ分かってる?」

まだまだ、元気そうだな。

「そうかい。否定だけなら誰でもできるぜ。
だがよ、誰も助けにこねぇ。口封じもされねぇ。まして、自害用の薬も渡されねぇ。
じゃあ、お前の地位は誰でもできるって俺には思えるね。
ならよ、違うところ見せてくれよ。
例えば、教主様のことはほかの奴らより多少は知ってんだろ?」

黙って聞いてやる。

「それってまったく知らんてことじゃねぇか・・・なら、予言者ってのがそっちにいるのは知ってんだろ?」

・・・・

「それもほとんど知らねぇようだな。やっぱ、捨て駒だぜお前。
今回の騒ぎを起こした理由も教団の目的も分からねぇんだろ?
憐れだな、忠誠を誓った教団に見捨てられ。これから、ずっと俺たちにいびられ続けるわけだ。
めんどくせぇな。さっさと壊れちまったほうがお前のためだ。せいぜい頑張ってくれよ。」

もうコイツに興味はなくなった。煙草に火をつけて一服始める。

「ん?あぁ、そうだ。」

めんどくさそうに一瞥し、

「コンンダクター様の情報とか構成員の集まる場所とかしらねぇか?せめてそこらへんの捨て駒よりは多少格上げしてくれよ。」

机の上に足をのせる。

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PLより
ご挨拶もかねて精神攻撃です。
後はプリアーシェ嬢のお手伝いをしつつ、
さらに言葉で追い詰めていきまふ。

 GM(あんみつ) [2015/11/29 14:57:40] 
 

>「さて、暗殺者さん」

エミールに案内された地下室でプリアーシェは男を椅子に縛り付ける。
椅子の周りを何気なく歩いていたような彼女だったが。

>「先ほどお話したとおり、これからあなたにお話を伺います。
> ――と、その前に、」

さりげない仕草の中、銃で顔面を殴り飛ばす。
そして銃口を男の口にねじ込んでさらに歯を折っていく。
男は涙と血でドロドロであった。
その体は痛みと恐怖に震えている。

プリアーシェが男に対して残酷な言葉を投げかけた後。

>「――あなたが寝たときに起こすための水を汲んでおかないといけませんね」

忘れ物――水の存在に気づきこの場をエミールに託し庭に上がっていく。
その際プリアーシェがクーガにバケツは手渡されたのだったが。

>「エミール、水汲んできてくれ。俺はこいつとお話しすっから。」

そのままエミールに手渡して自らはこの場所にとどまることを選んだ。

「わかったよ」

そう言ってエミールは受け取ったバケツを持って地下室を後にした。
残されたのはクーガと赤髪の男。

   *   *   *

>「さて、俺は優しいから最初に言葉の暴力でアプローチしてやるよ。
>まぁ長い時間になるとは思うがお付き合い頼むぜ"捨て駒"くん。」

クーガはまずは目の前の男を捨て駒と称した。
痛みに震えていた男であったが。
その言葉に対しては若干思うところがあったらしい。
口には出さないが――目が語っている。

>「ふぅん、"捨て駒"じゃねぇと思ってるみてぇだな。そうかぁ?じゃ、面白い劇を見せてやろう。」

そんな男に対してクーガは的確に彼の尊厳を踏みにじっていく。
男は教団と教主に対し全幅の信頼と信仰を寄せていたのに対し。
向こう側は単なる駒の一つとしてしか捉えていなかったのではないかという疑惑。

歯の折れて痛む口を精一杯動かし。
男がその語る言葉、声の響きの素晴らしさを語っても。

>「それってまったく知らんてことじゃねぇか・・・なら、予言者ってのがそっちにいるのは知ってんだろ?」

クーガはその男が姿を見たことがない点を見抜き、受け入れがたい真実を指摘する。
それは予言者――セシリアについても同様だった。
彼が語るのはコンダクターに聞かされた事実のみ。
それをただ信じているだけで――男自身は何一つ見ていない。

クーガは確信する。
この男は何一つ知らない。
ただ信じていただけなのだ。
そして信じていただけだからこそ、裏切られ捨てられたのだ。

   *   *   *

目の前の男に対してだいぶ興味がなくなったクーガであったが。

>「コンダクター様の情報とか構成員の集まる場所とかしらねぇか?せめてそこらへんの捨て駒よりは多少格上げしてくれよ。」

机の上に足を乗せながら横柄に聞く。
教主の素晴らしさや予言者の噂についてなら話した彼だったが。
致命的になりうる情報については語らなかった。

――まだ男は信じているのだ。
されどその内側では疑惑の年が渦巻いている。
そしてクーガ、さらにプリアーシェらに対する怖れも。
心の弱そうな男である。
陥落するのは時間の問題であろう。
  

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あんみつ@GMより

こちらもエンディング前にちょこっとだけ。